私たちが商いを続けるうえで大切なのは、「どんな自分で働いているか」を見つめ直すことです。
伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道でいう“笑倍(しょうばい)”とは、
ただモノを売ることではなく、
自分の「好きなこと」を通じて人の心を笑顔にする生き方です。
商売人には、いくつかのタイプがあります。
まずは、「好きなことが、たまたま売上につながった人」。
この人は、仕事そのものが趣味のようになり、
楽しみながら自然と成果を出していきます。
伎芸型でいえば、“好き”という感情がステージの光となり、
お客様までも笑顔にする“おもてなしの演者”です。
次に、「好きではないけれど、努力を続けて結果を出す人」。
苦手なことにも礼を尽くし、地道に積み重ねていくタイプです。伎芸型でいえば、“努力の型”を大切にする人。
誠実な姿勢が、お客様の心を静かに動かします。
そして、「好きなことがないから頑張らない人」。
一見、怠けているようでも、実はとてもバランス感覚に優れています。
伎芸型では“間(ま)”を心得る人。
やるべきことと、やらなくてよいことを見極め、
無理せず調和を保つ姿も、立派な商いの型なのです。
最後に注意すべきは、「間違ったことを、無理して頑張り続ける人」。
努力の方向を誤れば、心も体も疲れ果ててしまいます。
伎芸型おもてなし商売道では、“心のチューニング”を大切にします。
焦らず、比べず、自分の笑顔がいちばん輝く道を選ぶこと。
それが、真の“笑倍”のあり方です。
好きなことを通して、誰かの笑顔を生む。
その瞬間こそが、伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道の原点。
そして、40代・50代・60代から始まる“第二の商い人生”を
豊かに輝かせる秘訣なのです。