先日、書店で**畠山健二さんの『新・本所おけら長屋』**の帯を見て、思わず手を叩いて笑ってしまいました。
曰く、 「おけらを読んで笑福で開運!」 。
いやはや、これは何も江戸の長屋の物語だけに当てはまる言葉ではありません。
私が提唱する「伎芸(ぎげい)型おもてなし商売道」が目指す
、まさにそのものではないか、と膝を打ったのです。
時代は江戸、場所は東京・本所のボロ長屋。対して、現代の街角を走るロコレディのキッチンカー。一見、水と油のようですが、流れている“空気”は驚くほど似ています。
理由は、どちらも**「人情」**が主役だからです。
おけら長屋の住人たちは、貧乏で、口は悪いが、いざとなれば他人のために動かずにはいられない。読者はその「人間くささ」に触れ、自分の心まで温かくなるのを感じます。
一方、伎芸型おもてなし商売道も、お客様の**「心の温度」**を感じることが商いの基本です。お客様が何を求めているのか、言葉ではなく五感で感じ取り、ときにはユーモア(笑い)という“伎芸”で場の空気を整えていく。
つまり、江戸時代も令和も変わらない
**「人は言葉より“温度”で動く」
**という、商売の真理を両者は体現しているのです。
では、違いはどこにあるのでしょうか?
それは、その役割にあります。
**『おけら長屋』 は、 「ホッと安らぐための物語の世界」**です。 私たちは本を閉じて、温かい気持ちになることができます。 長屋の住民が、茶碗片手に人生を語る“劇場”です。
**「伎芸型おもてなし商売道」 は、 「現場でやってみる実践の世界」**です。 読んで終わるのではなく、「さあ、次はあなたが笑顔になろう」と、お客様やスタッフの背中を押す、リアルタイムの“ステージ”です。
長屋の住民が「銭がない」と嘆いたように、現代の商売人には「人手がない」という悩みがあります。しかし、どちらの時代も**「人情」**があれば、驚くほど色々なことが「なんとかなる」のが現実です。
(※ただし、現代のキッチンカーでは揚げ油の鮮度だけは、人情ではなんとかならない。すぐに黒くなります。これは努力です!)
そう考えると、伎芸型おもてなし商売道とは、まさに**「令和の長屋コミュニティ」**を現場でつくる営みです。
お客様の顔を見て、一言交わし、その日の気持ちに合った心温まる一言を添える。江戸の粋な人情と現代の商いが、ひとつの**「笑いの舞台」**でつながっているのです。
江戸では**「おけらでも笑え」 。 現代では 「笑えば笑うほど、商いは笑倍(しょうばい)になる」**。
時代が変わっても、
**「笑い」**は、人の心の状態を良くする最高の通貨なのです。
いかがでしょうか?
参考になれば、幸いです。
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