3.利用開始届と各種登録
私が現在の電子申告システムの普及の最大の妨げになっていると考えるものの一つに利用開始届とシステム利用開始の各種登録があります。
電子申告システムを利用するためには税務署に利用開始届というものを提出するか、インターネットで利用開始届を送信するかのどちらかをしないといけないこととなっています。これをすることにより数週間後、納税者に利用者識別番号と仮暗証番号、電子申告システムのソフトのCD-ROMが送られてきます。これを定められた期限内(現在では大体1年。それまでは2ヶ月でした)に暗証番号などを登録してセンターに送信するとようやくこのシステムを使うという恩恵(?)に預かることができます。大変有難い、有難いシステムとなっている故に「電子申告をやろう、便利だから」という言葉に説得力がないのです。この部分については大変に不便です。
無論、これは意地悪でこんなシステムにしたのではなくネット上での「なりすまし」を防止するために採られた施策です。
電子認証とハンコを納税者が持っていたとしましょう。税務署か市役所など申告書が置かれているところにハンコを持って行けば事前準備が何もいらない紙の申告と、上記のような事前準備という大きな壁がはだかっている電子申告とどちらをやりますか?どちらも取り扱いは全く同じですよ!私なら間違いなく紙でやります。電子申告にする人はよほど好奇心の強い人だと思います。
これが紙と同じく利用開始届も不要、めんどくさい登録も不要。現在の国税庁のHPにある申告書作成ソフトに電子認証をつけて24時間受付とするとどうなるでしょう?こうなれば話は別です。税務署などに行かなくていいし自分の空いた時間で申告ができる。この条件なら電子申告でもいいかなと思います。
セキュリティはもちろん最大限配慮しなければなりません。しかし、電子認証というネット上の実印がつけてあれば「なりすまし」というのはあまり気にする必要がありません。今の紙の申告だって100円ショップでハンコを買えば「なりすまし」がネットより簡単にできるんですから。そこまで心配であれば電子申告の後にその内容を記載したものを納税者に郵送して確認をとることにすればいいんです。
ウチの事務所でも今年の所得税・贈与税の確定申告は100%電子申告にしようと思っていました。しかし、すぐにそれは不可能(に近い)と気付きました。お客様の分だけなら100%はいけるでしょう。しかし、個人事業者であるお客様の所得控除が余ってしまい、扶養親族を専従者である奥様につけて還付申告をする場合はどうでしょう。奥様の利用開始届は出していません。税務署に行って緊急手配すればできないことはないらしいですが、私は「自分の作業が減るから」電子申告をやっているのであって税務署のため、税理士会のためにやっている訳ではないのでそこまでして電子申告にこだわろうとは思いません。だから100%というのは現行システムでは無理です。
また、利用開始届を提出した後に税務署から送られてくる利用者識別番号(私自身はこんなものいらないと思っています。だって、紙の申告にはないでしょ?)と仮暗証番号が必ず納税者のところに届くというのも不便です。地方税のeL-taxでは希望すれば会計事務所に送ってきます。お客様のところに届いてもどっちみち会計事務所にくるんです。お客様の了解のもと会計事務所に直接送ってもらうようにはできないのでしょうか?ある程度の大きな会社になると違う部署に届いただけでその郵送物がお蔵入りすることが十分にありえます。
この利用開始までのシステムについては私はものすごく不満をもっています。利用者識別番号を書いた紙をお客様のところにしか届けられないシステムでお客様が「やっぱ、やーめた」といって捨ててしまったことによって電子申告ができなかったとしても電子申告が普及しないのは税理士の責任なのでしょうか?現にそういうお客様もいらっしゃるんです。提出してからの取り扱いではなくとっかかりの入り口こそ紙と電子は同じにしなければならないのです!
総選挙と消費税 September 8, 2008
相続税が変わります。 July 8, 2008
タバコ1箱千円になる? June 10, 2008
カレンダー
New!
保険の異端児・オサメさんコメント新着