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カテゴリ: お気に入りの話
まるでモランディの絵のように、古びた木の家具と白い食器に囲まれた小さなカフェ。

一人で、時には夫婦で、心からくつろぐことの出来る、大切な行きつけの場所です。

今日から夫は出張に出かけ、夕食作りもお弁当の用意もいらない…と、ちょっと解放感を味わいながら、散歩の帰りにドアを開けました。

五月晴れで、歩いていると汗ばむような陽気。
アイスティーを頼んで、大ぶりのグラスにたっぷり詰めた氷に、片口のカップから淹れたての紅茶を注いでいると…

店の奥から出てきた奥さんが、そっと、テーブルに小さなお皿を置いてくれました。

「これ、“まっちん”のわらび餅です。」

と、まるで秘密の宝物をそっと見せてくれるような笑顔で…

070517warabi


「和菓子工房 まっちん」のことは、大橋歩さんの雑誌 アルネ

三十代の男の人が、たった一人で、国産の原料で余計な添加物を混ぜない、手づくりの和菓子を作って売っているお店。

小さな台所で、丁寧にわらび餅や、おまんじゅうを作る過程が写真で紹介されていましたが、どれもとても素朴な見かけで
(派手ではないけれど、きっと、しみじみ美味しいに違いない)
と思わせる品々でした。

聞けば、店主夫妻はその“まっちん”に、昨日遠出のついでに寄ってきたということで、他にお客のいない昼下がり、常連客の私に特別サービスをしてくれたという訳。
何という素敵なタイミング!と、わが身の幸運に大喜びした私です。

いつか食べてみたい、と思っていたわらび餅の味わいは…
きなこの味はしっかりと香ばしく、「ツルン」と「もっちり」の絶妙なハーモニーのわらび餅はほの甘く。
アールグレイのアイスティーとの相性も思いのほか良くて、生き返るような美味しさでした。

「まっちん」のお店の厨房には、こんな貼紙がしてあるのだそうです。

1、お金もうけに走らないこと

3、習って少しでも努力すること

簡単な言葉だけれど、読んでいるとじーんと胸に滲みてくる、決意表明です。

すべて、お客を相手にする仕事の人が、こんな言葉を信条にしていてくれたら、この世界の居心地はどんなにあたたかくなるだろう…と、考えさせられてしまいますね。

【参考】 和菓子工房「まっちん」





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最終更新日  2007.05.18 00:41:05
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