エデンの南

エデンの南

March 18, 2021
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テーマ: 読書(8658)
カテゴリ: 読書
※ネタバレ警報〜

ジョン・ゴールト


そして、それはその通りでもありました。
同時にジョン・ゴールトがやっていた事は、たかり屋に立ち向かう事です。
略奪者を崩壊させる事です。
それは、たかり屋に対するストライキでした。
現実で言えば、ジョン・ゴールトはDSと戦った、と言えると思います。
破壊と再生の冥王星みたいな人ですね(笑)

そして、私がファンタジーだな、と思ったのが、ジョン・ゴールトが作ったもうひとつの世界です。
有能な人達は、たかり屋 (DS) に、働けば働くほど絞りとられるわけです。
たかり屋政府がおかしな法案を通すたびに、莫大な金がたかり屋に流れる、その直前に、その会社が燃えたり破壊し、人々が消えるんです。
彼らは別の、ジョン・ゴールトの世界に行ってました。
そこでの通過は金、GOLDです。
国際金融資本から解放されたジョン・ゴールトの世界が、そこにありました。

小麦が成長するためには水が必要であり、曲線型に積み上げた石はアーチを成し、二足す二が四であり、愛が苦しみによって成就することはなく、人生は破壊によって豊かになることはないと認識した人間がいたからこそ──そうした人びとの力によってのみ、ほかの者たちも人間であることの輝きをとらえる瞬間を経験するようになり、そうした瞬間の集積だけがかれらの存続を許したのです。


 他人の頭脳の恩恵をうけて暮らし、人間には道徳も価値観も行動規範もいらないと公言する補助金でなりたった教室の寄生虫を一蹴することだ。かれらは科学者然として人間は動物にすぎないと言いはりながら、その人間に対してもっとも下等な昆虫にすら認めた生存の法則さえ適用しようとはしない。


以下はフランシスコ・ダンコニアのセリフだったと思いますが、MAGAじゃねーかと思いました😁

世界の復興は、ここアメリカ合衆国で始まらなければならない。この国は、偶然やいきあたりばったりの部族の戦闘ではなく、合理的な人間の頭脳の産物として生まれた史上唯一の国だ。


ワクワクしちゃいます( ^ω^)


原罪の否定

ジョン・ゴールトのセリフには反キリスト的なものがたくさん出てきます。
ダグニーとの会話で、こんなのがありました。

「原罪をもって生まれることの拒否です」
「どういう意味ですか?」
「私は自分の能力が罪だと感じたことがありません。自分の頭脳に罪悪感を覚えたことがない。人間であることに罪悪感を覚えたことがないのです。私は身に覚えのない罪を受け入れなかったし、したがって自由に自分自身の価値を高め、知ることができた。


これはエデンの園でりんごを食べ知性を得た人間を滅ぼそうとするヤハウェの事ではないかと思います。そして『原罪』の否定です。

 自己の生存手段を悪とみなす生物が生存しつづけることはまずない。自分の根を切り刻もうとする植物や、おのれの翼を折ろうともがく鳥は、みずから侮辱した存在を長らえさせることはできない。だが人間の歴史は知性を否定し、破壊しようとする闘争だった。


これもまた聖書の否定だと私には思えるのです。

他人の祭壇の上での屠殺を求める生贄の役割を理想とする教義は、死を基準としている。現実の恩恵と生命の本質によって、人間は──すべての人間はそれ自身が目的であり、自分のために存在し、自分自身の幸福に到達することが最高の道義目的なのだ。


人は罪を背負って生まれてなんかいませんよね!

 意図のない罪を認めることは道徳への侮辱であり、不遜な名辞の矛盾である。選択する可能性のないものは道徳の領域の外にあるからだ。人間が罪を背負って生まれてくるならば、人には意思も、その性を変える力もない。意思がなければ善も悪もない。ロボットに道徳観念はないからである。選択の余地のない事実を罪と考えるのは道徳を愚弄することだ。人間の性質を罪と考えるのは自然を愚弄することだ。生まれる前に犯した罪のために人を罰するのは正義を愚弄することだ。無実でありようがない事柄において人の罪をとがめるのは理性を愚弄することだ。


 諸君の教師が原罪と呼ぶ罪の本質は何だろうか? かれらが完全とみなす状態から堕落したときに人の性となった悪とは何だろうか? 神話によれば、人は知識の木を食べた──そして知性を身につけて合理的な生きものになった。それは善悪の知識だった──そして道徳的な生きものになった。人はみずからの労働によってパンを稼ぐように申しわたされた──そして生産的な生きものになった。


かれらが人の罪と考えているのは過ちではなく、人間としての本質なのだ。知性も価値観もなく、労働もせず、愛もなく生きていたエデンの園のロボットが何だったのかはともかく──彼は人間ではなかった。
 諸君の教師によれば、人間の堕落は人間が生きるために必要な美徳を身につけたことだった。かれらの基準によれば、これらの美徳が人の罪業である。人の悪は人間であることだ、とかれらは非難する。人の罪悪は、生きているということだ、と非難する。
 かれらはそれを慈悲の道徳と人間の愛の教えと呼ぶ。


以下のマイダス・マリガンのセリフも、キリスト教の否定に近いものがあると私は思います。

心から憐れみを締め出した者以上によこしまな人間をあげられるかときかれて、マイダス・マリガンは言った。「自分に対する人の憐れみを武器にする人間だ」


アイン・ランドの思想はグノーシス主義的とも言えると思いました。
『サタニズム』とも言えると思います。

ヘビの姿でアダムとイヴにリンゴを食べるようにさせた教示者であるサタンは人類の味方です。

トランプ陣営がアイン・ランドの愛読者との記事を見ましたが、ハードなクリスチャンがこの小説を愛読するのは不思議で疑問です🙄
引用長くなりましたが、もうちょっと続きます😅

吉乃黄櫻―Twitterスレッド『肩をすくめるアトラス』

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Last updated  March 18, 2021 09:00:05 PM
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SEAL OF CAIN @ Re[1]:あけましておめでとうございます。(02/04) アラネアさんへ あけましておめでとうござ…
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