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Esprit*

Esprit*

2007.09.25
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テーマ: 愛しき人へ(899)
カテゴリ: カテゴリ未分類



誰もいない、波の音だけが静かに聞こえている。
明かりはオーディオのイコライザーのみ。
青い光が車内をぼんやり青白く映している。

「おいで。」

後部座席に移った2人はどちらからともなく腕を広げた。
私は先輩の右の首元に自分の顔を当てて、
そのまま、先輩の背中に両腕を回した。
先輩の胸の温かさが私をすぅ~っと温めていく。


そのまま先輩が自分の体を後ろに少し傾けた。
正確に言うと、私の体ごと。
そうして、私は先輩に体をもたれさせる形のまま
二人は言葉を発することなく
少し時間が流れた。

「先輩、重いよね、ごめんねありがとう。」

そう言って先輩の耳元で私が口を開いたとき、
先輩が顔をクッと私に傾けたので、
私の口が先輩の耳の下あたりにほんの少し触れてしまった。


!!
何、今の。もしかして、今の!!



その先輩の首元に私は口をあててしまった。
その途端、自分がどんな大胆なことをしているか、
今更だけど恥ずかしさがかぁぁぁっとこみ上げてきて
心臓がドキドキしてきた。


バッ!と体を起こそうとした。

重心が戻せなくて起き上がれない。


「・・せんぱ、」

腕をつっぱってなんとか体の体勢を元に戻そうとしたそのとき
先輩の体が少し離れた。
顔を両手でそっと挟まれた・・と同時に
私は先輩と唇を重ねていた。


!!

その瞬間全身が一気に温度が上昇した。
鼻の下の筋肉がガチガチになるんじゃないかと思う位
緊張のあまり硬直した。
その時間、おそらく2、3秒・・。


「ごめんッ!」

そう言って先輩がまた私をぎゅっと抱きしめてくれた。
私は先輩の腕の中でただ首を横に振るのが精一杯。
涙がポロポロ出てきてしまって、言葉が出てこない。
その様子を見て先輩がまたぎゅっとしてくれた。
「ごめんな、ごめんな」と謝りながら。


私達の初めてのキスだった。
















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Last updated  2007.09.26 00:46:04


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