草加の爺の親世代へ対するボヤキ

草加の爺の親世代へ対するボヤキ

PR

プロフィール

草加の爺(じじ)

草加の爺(じじ)

サイド自由欄

カレンダー

フリーページ

2024年03月28日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
ウイリー (自信有りげにラリーに寄りかかり、低い震え声で)上のあの部屋は地獄みたいだよ。

俺が想像した事柄、(身を震わす)俺は発狂したかと思ったよ。(情熱的な自慢のプライドを示し

て)俺は取り敢えず出直すよ。明日の朝までにはワゴンに乗る。まず最初に服を受け戻す、ヒッキ

ーが俺に金を貸してくれたから。いつも言っていた事をするつもりだ、例の事務所に行く。彼は

俺の老人組の善友だよ。それからただひとりの助手さ。彼は汚職に加わっていたが、俺の老人組

は彼を裏切らなかった。それで彼はそれを恩に着て俺にチャンスをくれた。それに彼は俺がりゅ

うとした法律学徒だと知っているのだよ。(自分を盛り立てるようにして)おー、俺は善をなせる

し、今では飲んだくれを完全に克服してしまった。(感動して)ヒッキーには随分と借りがある。

彼は俺を自分自身に目覚めさせてくれたよ。何たる馬鹿かを見ろってね。自分と向き合うのは辛



は仄めかしたのだ。神よ、こう思ってくれたまえ、俺が自分の人生に本当にしたいと思ったこと

の全ては、ここに座って酔いしれる事だ。(憎しみを込めて)彼に示してやろうよ。

ラリー (皮肉な口調の背後に哀れみを包み込んで)もし君が俺の忠告が欲しいのなら、一番近く

にあるボトルを口に運んでヒッキーに罵りを発しないようにしろよ。

ウイリー (貪欲そうにボトルを見つめてから、一瞬ためらって、次に厳しく)それはいいアドバ

イスだ。君は俺の友人だと思った。(傷ついた一瞥をラリーにくれて、動いて左側のテーブルの

端に行き落胆した如くに座り、悲惨さを振り払うように顎を胸に置いた)

ジョー (コーラに)いいや、こんなじゃないよ。(拍子を取りながら低い声で歌う)彼女は天国の

谷の日の光だ。(コーラが曲を弾く)いい調子だ、もう一度やってみなよ。 (彼女はまた全曲を

弾き始める。ドン・パリットがホールから入って来る。ビックリしたような顔である。彼はそっ

と歩いている、まるで誰かから逃げてでもいるように。ラリーの姿を見ると安心したようにな



るが、本能的に反発している。パリットはラリーに寄りかかり低い内密な話を始める調子で迎合

するような口調で)

パリット ああ、あなたが此処にいてくれて嬉しいです、ラリー。あのバカが、ヒッキーが僕の

ドアを叩いたのだ。てっきりあなただと思ったのでドアを開けたのです。ヒッキーは勢い込んで

入って来て下に来させたのですよ。何の目的なのかは知らなかった。僕はこの誕生の祝宴には加



を見つけるためだけに来たのですよ。

ラリー (緊張して)俺は前もって警告したはずだよ…。

パリット (聞こえなかったかのように続ける)ヒッキーには自分のことだけをやらせればいい。

あの男は好きじゃないのですよ、ラリー。彼の行動を見ていると、僕に何か含む所があるみたい

だと思いませんか。ええ、さっきも彼は何か共感を感じているみたいに僕の肩を叩くんです。そ

して言うのですよ、俺は事情を知っている、青年、だが君は自分から隠れることなどは出来はし

ないさ、海の底みたいな此処に居てさえもな。君は真実を直視して、自分の平和や幸福に関連し

た事の為にしなければならないことをするべきなのだよ、ってね。どういう意味だと思います

か、ラリー。

ラリー オレが知るもんか。

パリット それからニヤリと笑って言うんです、気にするな、ラリーは自分に対して賢くなって

いる。結局、君は最後には彼の手助けに頼れるのだ。彼は生き続けるか死んでしまうのかを選択

しなければならない。老いた偽者にひと息が残っている限りは死を選ばないだろうよ、って。そ

して笑うんですよ、今のは僕に対する冗談だと言わないばかりに。(一息つく。ラリーは椅子の

中で固まり、前を見詰めている。パリッとは憑かれたような声でラリーに訊ねた)どう思います

か、ラリー。

ラリー 言うことは何もない。彼以上に君は大馬鹿野郎だよ、奴のいうことに耳を傾けるなん

て。

パリット (冷笑して)そうですか。あなたが関係する所では彼は馬鹿なんかじゃありません。彼

はあなたの流儀を受けつでいるのですからね、大丈夫なのですよ。(ラリーの顔は固くなるが黙

まったままである。パリットは罪を悔いている、訴えるような態度で)そういう意味じゃありませ

ん。でもあなたは僕に対して大マジじゃありませんか。そしてヒッキーは僕の迷える子羊なんで

すよ。あなたは僕が最も欲しているのは、あなたの友人になることだって知っていますよね、ラ

リー。僕にはこの世にたった一人も友が残っちゃいない。僕があなたに望むのは…、(厳しく)

あなたも同様なんで、御自分を傷つけているのだ。あなたには義務がある、マザーの為に。彼女

は真実あなたを愛していた。あなただって彼女を愛していたんでしょ。

ラリー (緊張して)死者は墓場にそっとしておくべきなんだよ。

パリット 僕はほんの子供だけれども、あなたや彼女について賢明だとはあなたは思わない。で

も、僕は賢明なんですよ。僕は自分が記憶している限り賢明だった、彼女が関係した男達につい

ては。彼女はそうではないと僕をからかったけれども。それは愚かな曲芸だった、自由な無政府

主義者の女性としてはね。自由であることを恥じていたのですよ。

ラリー 口を閉じろよ。

パリット (罪を恥じるようにではあるが不思議な満足感を背後に秘めて)はい、そうでした、そ

れを今言うべきではなかった。彼女がもう自由ではないことを僕は忘れ続けていのですよ。(一

息つく)知ってますか、ラリー。彼女が最も気遣った大勢の中の一人にしか過ぎない。あの運動を

離脱した誰もが彼女にとっては死んだ者なんだ。でも彼女はあなたを忘れられなかった。彼女は

何時でもあなたの為に言い訳をしていた。僕は努めて彼女をあなたに心配をかけさせようとして

いたのですよ。僕は言ったものです、ラリーには知恵があるのでまだ運動は単なる狂気のパイプ

ドリームだって考えているのだ。彼女は飲酒があなたをダメにしていると非難している。運動に

明日にでも戻って来て欲しいのだよ。彼女は言っていたさ、ラリーは自分の中の信念を殺すこと

はできない、命を捧げていたから。自分を殺すことに繋がるから。(冷笑して)どうですか、ラリ

ー、彼女は正しかったか。(ラリーは黙ったままで、パリットは話を続ける)彼女が本当に望んで

いたのはあなたが彼女の元に復帰することだった。彼女はいつだって運動を自分に関連付けてい

たからね。僕は確信しているのだが、彼女は心底あなたを愛していた、ラリー。自分自身と同じ

くらいにあなたに惚れ込んでしまっていた。でも、あなたに忠実だったのでもない、そうでしょ

う。それが最終的にあなたが彼女から離れた理由なのですね。僕はあなたが彼女とした最後の喧

嘩を覚えている。僕は耳を澄ましていたんですよ。僕はあなたの味方だった、彼女が僕の母親だ

ったけれども、僕はあなたが大好きだったから、あなたはずっと僕によくしてくれていた、父親

のようにね。僕は覚えていますよ、彼女が高踏的で強力な女性仲間に話しているのを、あなたは

依然としてブルジョワ道徳や嫉妬、あなたが愛した女性を自分が所有している財産の一部だと言

う思想の奴隷だって。覚えているのだが、あなたは狂気のようになって彼女に言ったのを、俺は

君のような売春婦となんか生活を共にしたくはない、と。

ラリー (叫ぶ)嘘だ。俺はそんな風に呼んだことはないぞ。

パリット (ラリーが何も言わなかった如くに)それで彼女はあなたを尊敬しているのですよ。あ

なたの方が彼女を捨てたから。あなただけが彼女を鞭打つ資格があるのですよ。彼女は相手が彼

女を袖にする前に彼女の方から唾を吐きかけていた。そういう人達を彼女が気にかけていたとは

僕には思えないのですよ。彼女は愛人たちと自分が自由だということを自分に証明する為に付き

合っていたので。(一息つき、それから厳しい反発を見せて)それが家庭を不潔にしたんだ。あな

たもそう感じたと思う。僕はまるで売春宿で生活しているみたいに感じ始めていた。それに悪い

ことには、彼女は自分の人生を…、

ラリー この腰抜けめ。彼女は君の産みの母親じゃないか。恥を知れ。

パリット (厳しく)いいえ、彼女は家族を敬愛するのはブルジョワの財産所有欲の権化なのだと

僕に信じさせるように教育したんです。何故、僕が恥を知らなければならないのですか。

ラリー (立ち上がる動きをして)もう沢山だよ。

パリット (ラリーの腕を掴み、哀願するかのように)いいえ、僕をほっとかないでくださいよ。

どうか、二度と彼女の事は口にしないので。  (ラリーは椅子に腰を下ろした)  僕はあなた

が事態をよりよく理解するようにと話をしただけなのですから。此処がそれに相応しくない場所

だと承知しておるのです。何故上に上がって来てはくれなかったのですか、僕がお願いしたよう

に。僕は待ち続けていたのです。あそこでなら、僕らは何でも話せたのです。

ラリー 話すことなどは何もないぞ。

パリット でも、僕はあなたとお話がしたかった。そうでなければ、ヒッキーとでも。彼は僕を

一人にしてくれなかった。とにかく、彼は事情を知っていると思うから。彼流に理解していると

僕は思っている。でも、僕は彼の心根が憎いのです。彼とは何もしたくはないのです、正直、彼

が怖いのですよ。彼の嫌味な笑いや冗談の背後に人間的ではない何かがある。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2024年03月28日 20時52分13秒
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: