異論・極論・直言――マスコミが言わない解説、提言

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2006.09.27
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 奈良で小学生の女の子を殺して、性的な虐待をした上に、その子の写真を携帯で子供の母親に送りつけた男の裁判で、死刑が言い渡された。これまで、死刑については「永山基準」という発想が裁判所にあり、放火殺人などプラスの要素などがない限り、3人殺さないと死刑判決は出ず、異例の判決となったと、新聞、テレビは大きく報道している。

 なぜ、永山基準などを作り、死刑に裁判所が慎重な態度を示すかといえば、ヨーロッパの多くの国では死刑が廃止され、アメリカでも半分くらいの州で死刑が廃止されていて、日本でも死刑廃止を叫ぶ人が少なくないからで、辞任した小泉内閣での杉浦法務大臣は死刑の執行書にサインをすることを拒否し、彼の在任中、死刑は実行されず、今、死刑の判決を受けて刑を執行されていない死刑囚は90人を超えている。

 今の日本では死刑の下は無期懲役だが、これは平均で15年ほどで刑務所から出所となり、終身刑というイメージとはほど遠い。20歳の者なら、35歳で出てきてしまうのだ。殺意や強盗傷害などの凶悪犯の再犯率は8割ほどといわれるように、再犯率が高く、危険な人物が自分の身の回りにいたら、安心して生活などできない。

 では、どうしたらよいかといえば、簡単で、欧米のように終身刑を作ることである。アメリカではいくつかの犯罪を犯していくと、それが合算されて判決が言い渡される。だから、終身刑プラス懲役30年というような判決になる。こうなると、恩赦などがあったり、本人が模範囚でも出所は難しいので、一生刑務所から出てこれない。また、死刑の執行に躊躇することもないので、殺人には終身刑が遠慮なく言い渡すことができる。

 ただ、ここで必要なのは、刑務所での生活制度の改善である。アメリカでは終身刑や長い懲役刑で模範囚のような者は、刑務所内に設置された図書館などを利用でき、勉強したり考えたりすることができ、終身刑で投獄されてから法律の勉強を始め、司法試験に受かったというような者もいる。これに対して、日本ではそうしたことができるような環境にない。全員にはともかく、罪を悔い改めようとして、模範囚である者に対しては、アメリカのような発想が必要だと考える。

 こんな簡単な解決策がなぜ、なぜ、日本では実行されないのだろうか。司法関係者に聞くと、日本は刑法でも、憲法でもそうだが、問題あるところから1つづつ改正していくという発想ではなく、大規模は全体の見直しという話になる。だから、何年も時間がかかるし、利害が対立している人たちは自分の利害や権益を守ろうとして、譲れる点も譲れなくなってしまうのだという。また、弁護士の一部には、政府のすることには何でも反対するという立場の人がいて、強行に反対する。だから、解決できることでも、手がつかないのだという。ひどい話である。







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Last updated  2006.09.27 11:45:09
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