異論・極論・直言――マスコミが言わない解説、提言

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2010.07.15
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カテゴリ: カテゴリ未分類
(何でも集めて川から海に流す発想)

相次いでいる。テレビなどでその映像が毎日のように報道され
ているが、「天災なので、どうしようもない」というトーンであ
る。そうであろうか。

 ゲリラ豪雨は確かに異常気象によるものであり、想定以上の
現象が起きていることは事実である。しかし、戦後、建設省や
農水省が実行してきた行政の間違い、安易な考えが被害を大き
くさせているように思う。

 大雨で各地で河川が氾濫しているが、戦後の治水で何をやっ

で道路や土地に吸い込ませることをさせなくしてしまった。

 そして、家の屋根に降る雨も、道路に降る雨も全部、下水路
に集め、河川にまとめて海に流すという前提に立って、すべて
の水を海に流すという設計に立って、行政を行ってきた。

 下水管の設計は時間雨量50ミリを前提にしていて、雨がそ
れを越えると、下水管の処理能力を越えるので、雨水が逆流し、
道路などが水浸しになる。

 数年前に、東京の皇居から中央区、江東区を走る永代通りが
冠水して50センチほどになり、車が通れなくなり、商店は水
浸しになったことがある。

 この時に、官僚のトップクラスの人に、下水管の太さを50

ないかと聞いたことがある。

 その時、この人が言ったのは、「50ミリと100ミリとで
は、費用が何%か違うのです。全国でこれを集計すると、金額
で大きな差になります。時間雨量100ミリを越えることは滅
多にないので、50ミリにしています。100ミリを越えるの

ということであった。

(雨水を敷地の土に流す工夫を)
 しかし、ここ数年の河川の氾濫は、時間雨量50ミリを越えた
から起きた訳ではない。50ミリ程以下でも氾濫が起きているの
だ。

 その原因は、下水から川に流れ込む雨水の量を半分くらいと計
算していたのが、今は道路のアスファルト化が進み、ビルや家屋
でも、土の部分が大幅に減ってコンクリート化が進み、ほとんど
の雨水が下水管に流れるようになってしまった。だから、50ミ
リで氾濫が起きてしまうのである。

 道路でも、ビルでも、敷地に雨水を吸収し、下水管にではなく、
敷地の土に浸み込ますシステムがあれば、今回のような都市部で
の河川の氾濫は起きていないのである。

 現実に、九州の福岡市では、市が補助金を出して、各家庭の屋
根からの雨水を下水管に流すのではなく、敷地内の雨水を集める
マスを作って、雨水を敷地の土の中に流す工事を推奨し、市が補
助金を出すということをしている。

 こうしたことを、市単位ではなく、全国レベルで行っていけば、
河川の氾濫は大幅に減少する。官僚組織は過去にやってきたこと
を前提として、これからの行政を行っていくという癖がある。過
去と違うことを実行することには、とても消極的である。自分た
ちの先輩を否定することになるからであり、過去の失政を認める
ことになるからである。

(官僚を使いこなすこと)
 政治が官僚を指導し、うまく使うというのは、こうした官僚の
行動パターンを理解し、政治家が自分が責任をとるから、智恵を
出せと言い、これまでやってきたと違う施策を考えさせることで
ある。田中角栄が官僚に人気があったのは、彼が「俺が責任をと
る」と明言したからである。

 しかし、今の民主党政権は、官僚を排除したので、官僚がそっ
ぽを向き、政治家に情報が入ってこなくなった。国会での答弁も
助けてもらえなくなり、慌てて官僚にすり寄った結果が、消費税
の発言となったのである。「無視・排除」と「すり寄り」これが
鳩山前首相と菅現首相の行動である。政治がうまく行く訳がない。

 自民党政権については、多くの失敗、問題点もあった。しかし、
末期の麻生、福田、安倍の3人は別として、それ以前の首相は、
少なくても、民主党よりは官僚をもっとうまく使い、うまい政治
を行ってきた。だから、日本が世界第二位の経済大国になったの
である。

 「族議員」というのは利権とからめて報道され、問題だけが言
われるが、現実は、自民党は各部会ごとに、頻繁に勉強会を開き、
当選10年を越える議員は、各省庁の官僚よりも行政に詳しくな
り、官僚と政治家が同じレベルの知識、経験を持って議論し、よ
りよい案を作って行くというシステムだったのである。

 勿論、利権がからんだケースもありはしたが、システムとして
はよくできたもので、それをマスコミが「族議員」=「利権」=
「汚職」という図式化で報道し、壊してしまった方が国政運営上
大問題であるのである。

(山間地の問題)
 雨の問題に話を戻すと、都会地は別として、地方での土石流や
土砂崩れは天災で仕方がないかと言うと、これも、天災の部分も
勿論あるが、ここでも、行政の失敗が多くある。

 山間地の道路が崩壊した時に、道路の工事の仕方が杜撰で、し
ないといけないことをしていないことが発覚したケースがいくつ
も見つかっている。

 公共工事については、それを請け負っている業者と色々話をす
る機会があるが、びっくりするような手抜き工事が行われている。
公共工事は慣れ合いであり、検査はきちんと行われていないのだ。

 また、がけ崩れで民家に土砂が流れ込むという話も、崖地の下で
は家の建設を認めないとか、森林地の管理が今はほとんど行われて
いないので、これをしっかりし直すということで、大分軽減できる。

 現在でも、こんな所に建物を建てて大丈夫がと思えるところに家
や建築物が立っている光景をよく目にする。こうした建築物の工事
ができないように、安全に関するものは厳しく規制することが必要
である。

 欧米では、自然の管理は人間か神から委任されたものであり、人
間の勝手にしてはいけないという考え方が基本にある。そうした考
えが種の保存などにもつながり、反捕鯨などにつながっていくので
ある。

 この考えを100%是認する必要はないが、少し前までの日本で
は、もっと自然を恐れ、対策をどうするかという人間の智恵があっ
た。しかし、今の日本は何でもありで、こうした発想がほとんど消
えてしまった。もう一度、見直す必要があるのではないか。







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Last updated  2010.07.15 08:54:21
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