異論・極論・直言――マスコミが言わない解説、提言

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2010.09.05
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カテゴリ: カテゴリ未分類
(企業で大問題になってきている「ゆとり教育世代」)

数千人の大学生たちと接してきている。過去の経験から、この学
生はどんな人で、どうした思考パターンでというようなことが概
ね理解できていたが、いよいよ社会人になりつつある、ゆとり教
育世代にはそれがまったく通用しない。

 そのゆとり教育世代と採用活動で付き合ってみて感じるのは、こ
れまでの日本人とは、まったくこれまでと違う人種が育っているこ
とである。既に企業の人事担当者の間では、大問題になっているが、
このゆとり教育世代を企業は、どう扱ってよいか、ほとほと困り果


 ゆとり教育世代の全体としての特徴は、とにかく自己主張が強い
ことである。意識の中心に常に自分がいて、人の意見、アドバイス
はほとんど聞かない。明らかに向かないと思えるようなことに、そ
れを言っても、まったく聞く耳を持たない。

 自分の考えが正しく、それが思い通りにならない時には、自分に
何が足りないのか、何が問題なのかと考えるのではなく、周りや、
他の人が悪いのである。

 だから、自分にとって、都合が悪くなったり、気が向かなかった
りすれば、相手が先輩であろうが、友達であろうが、約束は守らな
かったり、約束した時間に来ないなどというのは日常茶飯事である。

(内定辞退でも謝らず)
 企業の採用選考に合格して内定を得た後、他社に決まって、内定

に、人事担当者が自分の会社に来るかどうか意思確認をし、誓約書
を書かせる所が多い。

 学生は約束しないと内定がもらえないからと、誓約書を書いた上
で内定を辞退する人はこれまでも結構いた。しかし、その時の断り
方が、これまでとゆとり教育世代はまったく違う。


だから、ひたすら謝り、許しを請うという態度だった。しかし、ゆ
とり教育世代は、謝ることをほとんどしない。それどころか、なぜ
自分が他社を選ぶに至ったか、経緯、理由を滔々と説明し始める。

 企業の人事担当者が「何だかだ言っても、君は約束を破ったのだ
よな」と言うと、彼らが言う言葉は決まっている。「私の人生は私に
決める権利があるので、人に文句を言われるいわれはありません」。
辞退を謝りに来るのではなく、自説を説きに来るのである。

(授業内容の減少よりも、大きな問題)
 ゆとり教育は、詰め込み教育の弊害を是正しようとして、ものを
もっと考え、色々なものを見聞きしようという趣旨で始まった。考
え方それ自体は悪くはなかったが、実際にそのゆとり教育で育った
学生たちと付き合ってみて、結果は最悪である。

 時間にゆとりをもって、自分の頭で考え、自己主張をするという
ことだが、小中学生時代にこうした教育をすると、余程、指導する
教師が見識を持って、自己主張したことに対して、問題点を指摘し
て、是正指導したり、より広くものを考えるように導くということ
がない限り、自己主張はイコール、独善に陥ることになる。

 小中学校の教師と接していて、そうした指導をできる教師は全体
の内で数パーセントにしか過ぎない。年配世代だと、自分が小中学
生時代には、尊敬でき、大きな影響を与えられた教師というのが、
1人や2人は誰でもいた。しかし、今、公立の小中学校では、そう
した教師は1つの学校で、1人か2人しかいない。

 そうなると、こうした教師に接する機会がないまま、小中学校を
終える生徒がほとんどということになる。今の時代、教師に威厳も、
識見も常識もないのだ。こういうと、教職にある人たちからは反論
が出るであろうが、子供たちの話を聞いても、尊敬できる先生は全
校で1人、2人ということは、多くの生徒が同意する。

 ゆとり教育の問題点として、数学や英語の授業時間が減り、子供
の学力が落ちたことがあげられている。それはそれで大きな問題だ
が、それ以上に、人の話を聞き、自分の考えの足りないところを改
めるというような人間としての基本の基本を訓練されていないから、
コミュニケーションが成り立たないのだ。

(ブランド企業志望を変えない)
 今、大学生が就職できないことが大きな問題だとして、役所も問
題視し、マスコミも大きく取り上げている。前から書いているよう
に、今は同じ世代に半数の学生が大学に行っているので、いわゆる
ホワイトカラーの仕事を希望する人は余っている。逆に現場作業を
する人は足りない。

 しかし、今の大学生は、「大学まで行ったのだから、大企業に就職
を」という姿勢を崩さない。超有名企業には、トップ国立大学やトッ
プクラスの私大の学生が大量に受けに来るから、その他の大学の学生
だと、余程の特記事項がないと、まず絶対と言ってよい程、合格は
しない。

 それを言うと、数年前までは、学生は超大手何社かを受けて相手
にされず、こちらが、そうした実情を言うと、自分の体験からも、
納得して、中堅の会社を受け出したりした。しかし、ゆとり教育を
受けてきた世代は違うのだ。

 あくまでも、大手企業を受け続け、それで合格がでないと、就職
活動自体を辞めてしまうのだ。自分はこれだけ頑張っているのに、
それを理解しない会社の方が悪いという考えからである。

 目線を下げて、中堅、中小の優良企業を受ければ、合格するのだ
が、それをしない。人の言うことをとにかく聞かない。常に自分が
正しいのである。

 こうした実態があるにもかかわらず、役所やマスコミは、大学生
が就職できないのは不況だから、企業の新卒採用主義が悪いからと
いうような解説をする。

 ゆとり教育を受けてきた学生は、そうした報道や政府の姿勢に、
ますまず増長し、勘違いと自己主張をし続けることになる。マスコ
ミでは、実態を知らない「なんでも評論家」「なんでもコメンテー
ター」が世間で言われていることをそのままに解説する。そして、
それが日本全体の間違った常識になっていく。

(ゆとり教育世代は文科省の犠牲者)
 ゆとり教育世代は、言ってみれば、受けるべき教育・訓練を受け
ずに大きくなった猛獣のようなものである。ある意味では、文部
科学省の間違った政策の大きな犠牲になったのである。

 そうした意味では、ゆとり教育を推進した人は万死に値するとさ
え言える。教育は10年、20年と長く影響を与えるものである。
官僚が少しの思いつきや、自分の責任逃れで、勝手に国や国民を
間違った方向に導いては、それをやり直すのに、更に10年、20
年の時間と必要となる。

 しっかりした家庭教育で、学校のひどい教育を補ってもらえた人
は少数派だと思う。ほとんどのゆとり教育世代は、これからの長い
人生を大いに苦しまされることになるし、その若者を受け入れない
といけない企業の苦しみの時代に入っている。

 多くの企業で、採用は日本人にこだわらず、外国人を積極的に採
用しようと言いだした背景には、こうしたこともあるのである。





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Last updated  2010.09.05 20:10:36
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