異論・極論・直言――マスコミが言わない解説、提言

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2019.01.27
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カテゴリ: カテゴリ未分類
(外国のTVドラマのモノマネ大流行の日本TV業界)

が盛んに放送されている。テレビ業界用語では「リメイク版」というが、内容はパクリ
そのものである。
 2016年から2018年に2シリーズ放送された「SUIS/スーツ」に始まり、その後
2018年に放送された「コールドケース」、そして、2019年1月からTBSで始まった
「グッドワイフ」である。
 文句が出ないように、アメリカの製造元には、なにがしの金を払って番組を制作している
らしいが、ストーリーや展開は元のドラマとほとんど同じで、モノマネ以外の何物でもない。
 外国でヒットした商品のパクリをするのは、中国や韓国で、ディズニーやキティーちゃん

あるが、最近のアメリカTVドラマのモノマネ大流行の事について、何故か、ほとんど誰も
コメントしていない。
 リメイク版でもパクリでも、モノマネでも良いが、何故、日本のテレビ業界でこんなに
アメリカでヒットした作品の焼き直しが多発するようになったのだろうか。

(アメリカドラマから国産ドラマへ移行したが)
 筆者が中学、高校くらいのテレビがやっと日本人の家庭に普及し出した頃は、日本人が
しっかりしたドラマを作る力がまで余りなく、アメリカのTVドラマが、日本のテレビの
ゴールデンアワーに放送されていた。
 「ララミー牧場」「弁護士ペリー・メイスン」「ルート66」「名犬ラッシー」などで
あり、多くの日本人のファンを獲得した。
 しかし、その後、日本のテレビ業界も力をつけ、良いドラマをいくつも作り、流行を生み
だしたり、世相を反映した、考えさせられるものも登場した。

見たら、時間がもったいないと思うようなものがほとんどになって来た(少なくても筆者には)。
 だから、筆者は今はドラマについて言えば、CS放送で外国製のものを見るか、BSで日本で
何十年も前に作られ、放送されたものの再放送を見るくらいである。

(奥行、深みがなくなった今のドラマ作り)
 見ればわかるが、日本のテレビドラマでも二、三十年前に作られたものは、一定の金を
かけて作っている。

というような設定の話なら、昔作ったものは、揉める店以外の店を背景として、きちんと
色々な店と商品を並べて見せていた。
 無駄と言えば無駄だが、ドラマや映画はこうした無駄がとても重要で、それが作品に
奥行きを持たせているのだが、今のドラマ作りはそうした事をカットしている。だから、
絵に奥行、深みがないのである。
 日本の時代劇ドラマの「鬼平犯科帳」や「剣客商売」などが何十回と再放送されながら
今でも再放送され、一定の人が見ているのは、筋の面白さ、主演の俳優の人気もさる事
ながら、この奥行、深みがあるからである。
 そして、今のテレビ業界で働く人にとっては、何十年も前の作品が何十回も放送されて
いるということは、とても恥辱的な事だと筆者などは考えるが、業界からはそうした声は
出て来ない。

(ファンを減らす自殺行為をするテレビ業界)
 何故、こうなってしまったかと言えば、テレビ局が制作費をけちり、しっかりした作品
を新しく作る事が難しくなって来たからである。
 韓流ドラマが多く放送されている理由も同じ事で、安い料金で輸入できるので、日本の
テレビ局が韓国ドラマを買って、BSの登場で入れ物が大きくなった日本の各テレビ局の
放送時間をなんとか埋める事に苦労している事から生まれた事である。
 筆者は歴史的に全く事実と異なる事を描いている韓国ドラマを見ようとは思わないので
ほとんど見た事はないし、最近のアメリカドラマのモノマネドラマも、がっちり作られて
いる原作を見ているだけに、モノマネの日本物は見ようとも思わない。
 筆者の周辺にいる人達と話をしても、面白いものがないので、テレビ、特に地上波は
ほとんど見なくなったという人が、年代に関係なく多い。
 でも、彼らと話をすると、「良いものがあったら、見たい」という人は少なくない。
今のテレビ業界は自ら考え、努力する事無く、存在する潜在的なファンをどんどん減ら
しているとしか言いようがないのである。

(シンガポールのティラミスのパクリの店)
 テレビのアメリカ作品のモノマネの事を考えている時に、全く違う食品の販売店舗の
業界だが、東京の表参道に、シンガポールの有名ティラミス店の商標をパクった日本企業
の店が今月オープンし、話題になっている事を知った。
 問題が表面化したのは、シンガポールのティラミスの店「ティラミスヒーロー」が、
そのサイトで「日本企業に商標を登録されたので、日本での販売が出来なくなった」と
告知した事からである。
 この店のティラミスは日本人にもファンが多く、日本から注文しても、届くまで4か月
待ちという店なので、ファンの間で結構な騒動になっている。
 これに対して、表参道に店をオープンしたgramという会社は、「パクリではなく、独自
の商品」と言い訳をしているが、名前も商品のデザインも、シンガポールに店のものそっ
くりで、どうみても、パクリ以外の何物でもない。
 しかも、このgram社はティラミスだけでなく、コンビニのローソンの「プレミアムロ
ールケーキ」など、日本で人気のいくつかの商品の商標登録をしていて、パクリ体質が
鮮明になったが、会社は公式にきちんとした説明などをしないままである。

(より進化のためのモノマネでないと、単なるパクリ)
 全く関係のないテレビドラマのアメリカ物のモノマネと、ティラミスのパクリを見て、
筆者には根は同じような感じられる。
 明治維新の時も、戦後の復興期もそうだが、進んだ欧米に追い付き追い越せと国民や
リーダーが懸命な時は、まずは欧米の進んだ技術のモノマネから入り、やがて、それを
習得し、日本人や日本企業がより良いものに進化させた。
 レコードなどのCDは元々はオランダのフィリップスが考えた技術だが、実用化技術を
考え、今のように便利に使えるようにして、世界に普及させたのは、日本人であり、
日本企業だった。
 新幹線などの高速鉄道は元々はフランスやドイツなどが先行していたが、日本は技術を
身に着け、そうした国の技術を追い抜く、独自の技術を作り、世界的に評価されるよう
になったのである。
 戦国時代にポルトガル人が種子島に銃を持ち込んだ時、日本はその3丁の銃を研究して
製品を再生するノウハウを身に着け、数年後にポルトガル人が更に多くの銃を持って
売りに来た時、日本にはヨーロッパ全体の合計よりも多い銃が普及していた。
 こうした事が日本人であり、日本だった。

(光輝いた時代を知らない若者達)
 でも、今の日本人にはそうした発想がどんどん失われているように感じられる。
 モノマネはより良いものを作るための過程だという発想などないし、もっと言えば、
パクリをパクリと認めず、却って居直っているティラミスの店の経営者のような人間が
増えて来たのである。
 なぜ、そうなってしまったのか。
 それは「失われた30年」が大きいのだと筆者は思う。
 1990年頃にバブルが破裂して、もう約30年である。バブルやそれ以前を知らない
若い世代にとって、日本が光輝いた事は全く他の国の話にしか過ぎないのである。
 光輝いた事を知らない世代に、自国や自国民に誇りなど持てと言っても、無理なのかも
知れない。
 だから、外国の少し良いものをモノマネでもパクリでも良いが、持ってきて真似て
何ら恥じる事がないのである。
 今の日本は自動車業界を除くと、世界で日本が一番という産業をほとんどなくなって
来た。かつて、世界を席巻した電機業界は今では、中国やアメリカの下請け、部品
メーカーに成り下がってしまっている。
 下請け、部品企業として、それなりに儲かっているが、世界をリードする訳ではないし、
元受けの言う通りに行動しないといけない。だから、企業は儲かっても、従業員が
ハッピーではないのだ。
 今の日本は、高度成長時代やバブル時代にため込んだ金融資産は結構あるが、産業の
足腰がこれだけ弱くなり、そして、日本人が良い良いものを考え、作ろうという発想から
どんどん遠ざかっている。
 日本の再生は本当に大変だと改めて感じさせたのが、テレビドラマのモノマネであり、
ティラミスのパクリである。





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Last updated  2019.01.27 13:13:04
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