SF拡張の原理

SF拡張の原理

2009.06.22
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カテゴリ: SF


ある日関東周辺で突然聞こえ始めたツィス音が次第に大きくなり、都民の一斉集団疎開へと至る過程を緻密にシミュレーションした作品。
「マイナス・ゼロ」に比べると題材が地味なせいもあり、中高生のころ買ったときには数ページでやめていたのだが、20年以上たった今読むと抜群に面白くて、一気に読み終えた。
ストーリーは一貫してほぼ予想通りに進み、ミステリ的なオチも予想の範疇であるのだが、にもかかわらず面白くて止まらないのは、痒いところに手が届くような的確なディテール予測の見事さと、等身大の魅力的なキャラクター描写力のおかげだろう。前半は企業もの、後半は行政もののPFとしても読むことができる。
作品構造としては小松左京の「日本沈没」や「首都消失」と同様のものであるが、「たかが音」でこれだけのパニックが引き起こされる大都市の脆さを描き出しているところに本作品特有の面白さがある。社会心理学的なオチ(ただし、それが真相なのかどうかは明確ではない)がついているが、その是非とは関係なく「レベル0」までの展開・叙述の迫真性だけでも本書の価値は保証されている。





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Last updated  2009.06.22 17:45:26


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