SF拡張の原理

SF拡張の原理

2009.06.25
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カテゴリ: SF

神は沈黙せず(上)
神は沈黙せず(下)

山本弘「神は沈黙せず」
この宇宙が「神」によるシミュレーションの人工知性であり、「サールの悪魔」である個々の人間の活動によって構成される集団ミーム(人類全体あるいはより上位の全体までを含むだろう)全体が一個の巨大な知性として育てられている、という宇宙観に基づく長編。ストーリーといい、アイデアといい、破綻のないディテールいい、ぶち込まれたAI、宗教、超常現象、哲学、生物学、政治経済等に関する情報量といい、欠点がまったくない。圧倒されながらも面白くて一気に読み終えてしまう。
ミーム、集合知性、創発の着想自体は昨今流行りのものであって特に新しさは感じないものの、ディテール構築が見事であるし、この世界が上位次元者のシミュレーションであるという「フェッセンデンの宇宙」的着想も、古いアイデアの焼き直しではあるが、ディテールの解像度で格段の違いがあるだけでなく、超常現象や宇宙探査機の減速問題などの科学法則のバグまで根拠に含めて説明してしまう力技には脱帽。
文句なく私がこれまでに読んだ国産SFの中ではダントツの最高峰であるし、海外作品を含めてもオールタイムベストの有力候補である。10点満点で20点ぐらいの価値がある。





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Last updated  2009.06.25 06:42:45


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