SF拡張の原理

SF拡張の原理

2009.07.29
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悪魔の恋

よくできた叢書なので未読作の全巻読破を目指すことにして、まずは第1巻。表題作は、素朴な騎士物語や妖精物語から近代的なゴシックロマンスへの時代の変節点となった重要な作品のひとつらしい。他に3編収録。カゾットはフランス18世紀のブルジョア作家。
「悪魔の恋」★★★★1/2
なるほど確かにこれは面白い。悪魔が人間の女の姿をとって、あるスペインの騎士に恋をし、取り入ろうとする話だが、ユーモラスな語り口と内容とが絶妙にマッチしていて、詳しい心理描写ともあいまって興味をひきつけ、物語世界にすんなり没入できる。主人公のマザコンダメ男ぶりもいい味出している。確かに(作者自身認めるとおり)オチが凡庸だが、過程の面白さで免責できる。ファーマーの「恋人たち」やらノースウエストスミスやら、SFでもエイリアン美女との恋はよく出てくるわけだが、その遠い原型は、本作あたりにあるのかもしれない。
「猫の足」★★1/2
美しい皇女を見初めた男が相思相愛となるも、飼い猫の足を踏んだことで王妃に恨まれ逃げ回っているうちに仙女の国に招かれ、様々な不思議を目にするとともに弟とも出会い、仙女の助けで皇女と結ばれるという古いタイプの御伽噺。構成が悪く非常に冗長であり、始末の悪いことに作者自身それを自覚していて、「第1章 この章は・・・読者を退屈させるであろう」などのふざけた副題が章ごとについている。しかし自覚があるからといって、本作が退屈だという事実が免責されるわけではない。
「騎士と幻夢」★★★
従者と旅をする騎士が羽をつけた奇妙な女たちの一団に取り付かれて様々な幻覚を見せられる話。可もなく不可もなく普通レベルの作品。

宗教的な夢をスケッチしただけの代物だが、その内容も凡庸でわざわざ書き記すほどの内容とも思えない。ただのページ稼ぎ。





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Last updated  2009.07.30 00:36:51
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