SF拡張の原理

SF拡張の原理

2009.09.07
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カテゴリ: SF

通訳
16ヶ国語を操る通訳が原初の普遍言語にとりつかれ、通訳業務に支障を期待して解雇され、失踪。この男に原初言語を感染された主人公も業務に支障をきたし、退職。通訳を診察した精神分析医を訪ね、言語療法を受ける。患者たちは様々な外国語を勉強させられることで精神の安定を取り戻そうとしているが、一向によくなる気配は見えない。主人公は退院し、失踪した通訳が持っていた都市のリストをもとに、この通訳の謎を追ってルーマニアに赴くが、やがて恐るべき謀略に巻き込まれるとともに、普遍言語による精神の崩壊も進行していく。遂には倫理観念が破壊され、連続強盗犯人として指名手配の身となる。やがてある好事家の富豪に保護され、彼とともに謎を追求するが、富豪はイッカクの角を腹に刺した死体となって発見される。そして何者かのメモに誘われ、主人公はリストの最後の都市、リガへと向かう船に乗る。そして遂にあの通訳と再会し、普遍言語と謀略の正体を知る・・・・・・というストーリー。
印欧語族の共通祖語からさらにより原始的な言語、動物たちが話している普遍言語へと遡るSF的着想、その発作に見舞われた者が生物の進化を再現するような様相を呈するという描写など、核となる部分は非常に面白く、また波乱万丈なストーリー展開もエンターテインメントとして楽しめる。ただ、人物や組織の行動がどうにも不合理で、回収されずに終わる伏線などもあり、小説としてのまとまりはあまりよろしくないのが、もったいない気がする。あまりきちんとプロットを組み立てて書かず、出たとこまかせでストーリーをひねり出しているような印象で、メインアイデアに関する突っ込みも今ひとつ浅い。3作目の長編だそうだから、もう少し経験を積み、プロット構築技術を高めればもっとよい作品が書けるのではないかと思う。7/10点。





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Last updated  2009.09.07 18:48:49


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