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2023.05.29
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​​ ​​​​​​​​​​​ ​市川準「トニー滝谷」パルシネマ​ 第4回 SCC (シマクマ・シネマ・クラブ) は二人して
​​「読んでから見る!」​​
​  村上春樹 の短編小説 「トニー滝谷」 市川準監督 による映画化作品で、映画の題名も、そのまま、ズバリ、 「トニー滝谷」 でした。 2004年 の作品で、監督の 市川準 という方は、この作品の数年後、50代の若さで亡くなられた方で、 「金鳥」のコマーシャル の人だった記憶がありました。映画では女優の 富田靖子さん 「BU・SU」 だったかを見たような気がしますが確かではありません。​​​​​​​​​​​
​​​​​​  SCC の例会としては、初めての パルシネマ でした。 朝パル という企画で、朝寝坊のボクは間に合うかどうかが心配だったのですが、 午前5時 には活動を開始していらっしゃるらしい M氏 ​湊川公園​ でのんびり佇んでいらっしゃいました。​​​​​​
「やっぱり、お早いですね(笑)。」
「新開地本通り、いいですねえ!ボク、尼崎の杭瀬がホームグラウンドなのでなつかしかったです。」
 ​というわけで、 ​​​​​​​ 第4回SCC は始まりました。原作そのものが、けなしているわけではありませんが、いったい何を書きたいのかよくわからないような作品なのですが、映画も同様で、 トニー滝谷 を演じた イッセー尾形のたたずまい 坂本龍一のピアノの音 、そして、 宮沢りえ のさまざまな靴を履いた が印象に残る作品でした。​​​​​​​
​​ 映画が終わったのが、ちょうどお昼時で ​「長安」​ という、いかにも 新開地 という町中華でお昼、まあ、ボクはビール(笑)でおしゃべり開始です。​​
「で、いつもの質問です(笑)。何点でしたか?」
「( ̄∇ ̄;)ハッハッハ、今回は結構納得でした。」
「じゃあ、80点くらい?」
「うーん、まあ、そんな感じ。」
​​​​「 イッセイ尾形 宮沢りえ が、それぞれ、 一人二役 でしたね。 宮沢りえ の二役は、ちょっと、別の人のほうが良かったんじゃないかと思ったんですが。」​​​​
「ふーん、そうなんだ。ボクは気にならなかった。」
​​​​​​​​​​​「原作では トニー滝谷 彼の父 以外には名前がないんです。最初の結婚する も、二人目の もね。 とか と書かれているだけです。で、 が亡くなった後に登場する二人目の は、確かに と同じ背格好なのですが、初対面の印象に、確か、 『いささかくたびれていた』 と書いていあったんですね。だからでしょうね、そこに引っかかりましたね。それから ナレーション が多すぎません?」​​​​​​​​​​​
「そうか、昨日、読んできたんですね。」
​​「はい、 『レキシントンの幽霊』(文春文庫) という短編集の中の短い話です。ついでに言えば、父親が死んで古いレコードを処分して、 『本当に一人ぼっちになった』 というところで小説は終わりますが、映画は終わりませんでしたね。あの、あたりも気になりましたが、どうなんでしょうね。」​​
​​​「 ナレーション は確かに多いですね。 西島秀俊 という男前の声でしたよね。まあ、基本、男前は嫌いなんですが(笑)、評判になった 『ドライブマイカー』 の主演の人ですね。」​​​
​「ああ、それも、 村上春樹 の原作のやつですね。」​
「そう、そう、評判がとてもよかったんですが、ボクはなんだかなあ?だった
​​​んです。で、今日の映画ですが、 ナレーション を聞いていて、あれがないと主人公が、たぶん、見ている人にわからないんですよね。 原作 の記述を読み上げないとわからない。そういう 原作 なんですよね。映画としてはうるさいんですが。だから、あんまり引っかからなかったですね。」​​​
​「映像としては、原作読んでいない人には、 トニー滝谷 がわからないと?」​
​​「そう、そういう人物を 春樹 が書いているということかな。映画だけでは映画にしたかった人物が描けないというか。で、まあ、だからかもしれませんが、ボクは、 イッセイ尾形 に感心してみてました。空虚というか、空っぽの人間というか、一人芝居をやる人だと思いますが、すごい演技やなあって。」​​
​「なるほどね。で、 ラスト は?」​
​​「 監督 の作品解釈かなぁ。妻の服と、父のレコードの処分で、部屋が空っぽになって、ああ、ひとりぼっちというナレーション、まあ、それじゃあ、映画は終われないんじゃないですか(笑)。ボクは、 ノルウェイの森 みたいなラストだなと思いました。」​​
「ああ、電話かけるやつですね。」
​ ​というわけで、 村上春樹オタク会議 のような会話で終了でした。​ ​​​​​ それにしても イッセイ尾形 の演技には 拍手! でしたね。それから、まあ、好き好きなのでしょうが、妙に、病気っぽい、 2004年の宮沢りえ にも 拍手! 。で、 坂本龍一のピアノ です。 イッセイ尾形 の意味不明な表情とマッチして、いかにも、意味不明な 村上ワールドの音 でした。 拍手! でした。
 さて、次回は、どこで、何を見ましょうかね。他の人と一緒に見るというのも、悪くないですねえ。だんだん、楽しみになってきましたよ(笑)。​​​​​

監督 市川準
脚色 市川準
原作 村上春樹
撮影 広川泰士
音楽・作曲 坂本龍一

キャスト
イッセー尾形(トニー滝谷・滝谷省三郎)
宮沢りえ(A子小沼英子・B子斉藤久子)
西島秀俊(語り)
篠原孝文(トニー少年)
四方堂亘
水木薫B子の母水木薫
草野とおる男(A子の元恋人)
小山田サユリ
山本浩司
木野花(アパートの管理人)
2004年・76分・日本
SCCno4 2023 05 23 no064 ・パルシネマ
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最終更新日  2024.03.22 23:04:05
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