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2023.10.19
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​​ チャオ・スーシュエ「草原に抱かれて」元町映画館
​​​​​​​  チラシ 予告編 を見て
​これは見なくっちゃ! ​​
​  元町映画館 、朝一番です。映画は チャオ・スーシュエ という若い女性監督の 「草原に抱かれて」 という、 内モンゴル映画 でした。​​​​​​​
​​​​​​​​​ 世界地図を広げると 中国 の北方に モンゴル高原 が広がっていて、 モンゴル共和国 外モンゴル 中華人民共和国 内モンゴル に分かれます。この作品は 内モンゴル出身の監督 によって、おそらく、 内モンゴル のどこかに 旅する母と子の物語 でした。​​​​​​​​​
​内モンゴルの草原の風景をもう一度見たい!​

​​​​​ 映画館に来たボクの望みはそれだけでした。で、納得でした。40代のころに縁があって 内モンゴル自治区 の州都 フフホト に出かける機会が何度かありました。出かけるたびに、現地でお世話になった方に案内していただいて 「草原」 に出かけることができましたが、そこで、ボクは、今までの人生のなかで最も遠くまで見える地平線を見たのでした。草原には羊がいて、小高い丘があって、その丘を歩いて越えると、また、まったく同じような丘があって、その、ズット向うに ロシア ヨーロッパ が地続きであることに胸が躍りました。​​​​​
​​​​​​ 映画には、ボクが見たことのない も出てきますし、 まっすぐな地平線 も出てきます。街で老いて 「草原の、あの木のある家にかえりたい!」 と叫ぶ を車に乗せ、サイドカーに乗せて 青年 「あの風景の中」 を走ります。もう、それで十分でした。​​​ ​​ 映画の始まりに、我を失った 老母 長男夫婦 と住んでいるアパートを飛び出し、その後を、いい年をした息子が追い、狭いアパートの一室を鉄格子で締め切った部屋に連れ戻すシーンが映ります。
 危うく声をあげて泣くところでした。50年前、中学生だったボクの心の底に焼き付いて、忘れることができない、あの頃のわが家の風景が浮かんできたのです。​​

​​​​​​​ 映画は、その 老いた母 を、馬頭琴を演奏し草原の歌をうたって人気歌手になっている 兄夫婦 のアパートから連れ出し、草原の家、 母の記憶にあるあの木 を探して旅するロードムービーでした。
老母 を鉄格子の部屋に閉じこめていた 兄・長男 が、別れに際して、 にすがって泣くシーンが、実は、一番心に残りました。​​​​​​​

​​​​​​ 原題は 「臍帯」、「へその緒」 です。旅に出ても、油断すると徘徊を繰り返す に手を焼いた が、 母と自分を1本のロープで結わえる ところに、その題の所以があると思いますが、本当は、モンゴルの大地と自然が大いなる母であって、そこを 「帰る」場所 だと信じている 老婆とモンゴルの大地の関係 をあらわしていたのだということに、深く納得した作品でした。​​​​​​
​​​​​​​  老いた母 を演じ、湖を背景に美しく待って見せた バドマ という女優さんに 拍手! でした。それから、何といっても 拍手! は撮影した ツァオ・ユー と監督の チャオ・スーシュエ という人ですね。ストーリーはシンプルですが、一つ一つのシーンがいいなあと思いました。 拍手! ​​​​​​​
監督 チャオ・スーシュエ
製作 リウ・フイ フー・ジン
脚本 チャオ・スーシュエ
撮影 ツァオ・ユー
音楽 ウルナ イデル
キャスト
バドマ(母)
イダー(アルス)
2022年・96分・中国
原題「臍帯 The Cord of Life」
2023・10・16・no125・元町映画館no207
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最終更新日  2023.11.18 09:43:18
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