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稲葉忍

稲葉忍

May 23, 2023
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今回のお題は坂本龍一の「B-2UNIT」。
1980年9/21にアルファレコードからリリース。共同PDはパス・レコードの後藤美孝。
当時流行したタブのテクニックを全編にわたって使用している。
 前作「千のナイフ」(1978年10/25リリース)が西洋音楽のボキャブラリーを多用していたのに対し、本作ではメロディーにノイズを混ぜたり、音色の変化そのものが曲であるというように音の在り方、音色に焦点が合わせられている。
 ギタリストにXTCのアンディ・パートリッジ、グンジョーガクレヨンの組原正、大村憲司が、エンジニアとしてデニス・ボードウェルなどが参加。
 1980年当時のYMOは「パブリック・プレッシャー(公的抑圧)」がオリコン初登場1位となるなど日本国内で注目された時期だったが、状況に嫌気が差していた坂本は脱退を考えており、アルファレコードに対し、YMO残留との交換条件でこのアルバムの制作費を出させている。
 本作制作時期とYMOブームへのアンチテーゼ的な作品を意識して制作したこともあり、本作を聞いた高橋は「すごかった」、細野も「打ちのめされた」と評している。

<曲目>
01. differencia
02. thatness and thereness
03. participation mystique
04. E-3A
05. iconic storage
06. riot in Lagos
07. not the 6 o'clock news
08. the end of europe

*対応サブスク:Apple・Spotify


#2はソロ作では初めて教授がボーカルを取ってる曲。録音当初は歌がなく、後藤氏の提案でボーカルを追加した。歌詞は教授が学生運動をやっていた時の記憶に残ってる風景をもとに作られた。ゆったり年経ボーカルが味を出してる。
この曲に対し高橋幸宏は「歌がうまいというわけではないし、それは教授自信も承知の上で歌っているんだけどすごく良い曲」と評している。
#3のスネアドラムは教授が叩いているがドラムの音メインの前衛的なナンバー。
#4のタイトルはアメリカの早期警戒管制機「E-3A」が由来。ガムラン風の音はチューニングを変え、アンプを通さず弦の音をマイクで収録したギター(演奏は大村憲司)で、ギターで他の楽器風の音を出すのは凄い。
#5はメロディは試行錯誤され、最終的にはプロフェット5(アナログシンセの一種)で作られている。タンゴとかのリズムを思わせる。
#6はAとBのシンプルなコード進行から細野に「奇跡的な出来」と感心された。細野が気に入っていたこと、YMOの求めていた理想の曲だったことからYMOのワールドツアー「FROM TOKIO TOKYO」(80年)開催のオープニングナンバーだった。オリエント風でありながらリズムのせいか奇妙な感じに囚われるって感じ。
#7はBBCのラジオニュース放送を切り刻んで作られたパルスとアンディ・パートリッジ(XTC)によるアンプを通していないエレキギターのカッティングから成る。初期のタイトルは「9O’clock News」。
ラジオ特有のノイズが入っているのでノイズミュージックみたい(ノイズミュージックより聞きやすいが)。
#8はフランジャー(エフェクターの一種)を使用した曲。ギターは組原正が担当。西洋の終焉を意味するこの曲はシェーンブルンとマーラーがモチーフ。戦闘機っぽい音とクラシックが混じってるが第1次世界大戦・第二次世界大戦を思わせる。


B-2 UNIT [ 坂本龍一 ]





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最終更新日  May 30, 2023 12:19:03 PM
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