【現代劇】マリアージュ・ブラン~嘘つき弁護士の愛の法則~全40話 40
風起隴西-SPY of Three Kingdoms-全24話 24
【現代劇】イジワルな君に恋をした~Sweet First Love~全24話 24
燕雲台-The Legend of Empress-全48話 48
全52件 (52件中 1-50件目)
玉昭令 No Boundary Season 2第20話生死盤(セイシバン)は命を入れ替えることができる禁忌の術だった。端木翠(ダンムーツェイ)は楊鑑(ヨウカン)が止めるのも聞かず、展顔(ヂャンイェン)を救うため自分の命と交換してしまう。すると死んだはずの展顔が目を覚まし、起き上がった。何が起こったのか分からず呆然となる展顔、すると視線の先にうなだれている端木の姿がある。喜んだ展顔は一目散に駆け出し、端木翠を背中から抱きしめた。「端木!生きているぞ!やっと一緒に暮らせるんだ!…?! どうした?眠ったのか?」その時、端木翠の死と共に結界が壊れ、楊鑑と小天(ショウテン)が駆けつけた。「妹子(メイズー)!妹子!…どうしてこんなことを?! 千年前と同じように死んでしまうとは、情を封じた蓬莱での日々は何だったのか…」「端木シャンシェン!端木シャンシェン!うわ~ん!」しかし展顔は愛する端木翠の死を受け入れることができなかった。「…端木、ここは寒い、家に帰って休もう」展顔は端木翠を抱き上げると、黙って端木草盧(タンボクソウロ)へ帰ってしまう。。・゜・(ノД`)・゜・。楊鑑は天兵と共に端木翠を迎えに来た。上仙が死んだ時は骸を蓬莱に運ばねばならない。しかし悲しみに暮れる展顔は端木翠を手放そうとしなかった。「私に会わなければ幸せな上仙でいられたのに… 人間界に引き止めて共に生きたいと願った私が身勝手でした …ですがどうしても離れたくありません」そこで楊鑑は千年以上も端木を見守って来た義兄として、端木が最も幸せだったのは人間界で展顔と一緒にいる時だったと教えた。「展顔、そなたは端木に愛されている、これは端木が望んだ結果なのだ 己の命を差し出してもそなたに生きて欲しいと愛と希望を託した、無駄にするな」すると展顔はようやく端木翠を手放す覚悟ができた。「端木…神仙の君は何でも意のままだった、だけど君が選んだのは私と生きること… これからの人生を大事にするよ、ちゃんと生きる 私だけの人生ではなく、君のものでもあるのだから…私たち2人の命の時間だ」その時、端木翠の目に溜まっていた涙がふいに流れ落ちた。「行ってください、彼女を連れて蓬莱へ、私は大丈夫です …端木、あの世で君に再会するまでしっかり生きたら、こう報告するよ ″私は君が与えてくれた命を1分1秒、真剣に生きて来た、2人分の命だから″と… 君の犠牲、君の選択、君との愛、どれも決して無駄にしない」展顔は最後に端木翠を抱きしめ、そっと口づけした。「端木…君がどこにいようと永遠に君を忘れない」。・゜・(ノД`)・゜・。三界に平和が訪れ3年が経った。啓封(ケイホウ)では共に苦難を乗り越えた趙武(チョウブ)と張瓏(チョウロウ)が結婚、張瓏は捕吏の制服を脱ぎ、出産を控えている。一方、展顔は端木への弔いとばかりに捜査に没頭し、草盧で温孤(オンコ)と一緒に暮らしていた。温孤は今も紅鸞(コウラン)が必ず帰って来ると信じ、待ち続けている。そんな2人の姿に青花(セイカ)上仙は心を痛めていたが、展顔は温孤に自分の姿が重なり、紅鸞の死を伝えることができずにいた。七夕の夜、啓封を流れる川に民が次々と灯籠を浮かべていた。ちょうど3年前の同じ頃、端木上仙と展顔が人間界に安寧をもたらし、それ以来、民は桟橋に集まっては端木翠への祈りを捧げている。そんな中、鶴雪(カクセツ)のために灯籠を流す少年がいた。驚いた上官策(ジョウカンサク)は二蛋(ジタン)に鶴雪を知っているのか聞いたが、鶴雪は二蛋を助けて身代わりに死んだという。「鶴雪…安らかに」上官策が鶴雪のために灯籠を流すと、展顔も端木翠の姿絵を書いた灯籠を流した。…愛はどんな障壁も乗り越える、死が2人を分つとも愛は消えない…この3年間、君を忘れた日はない、君のために祈って来た…端木、君がどこにいても構わない、たとえ木になっても川や牡丹の花になってもいい…達者でいてくれ。・゜・(ノД`)・゜・。人間界の3年は蓬莱の3日、楊鑑はまだあきらめず端木翠の治療を続けていた。しかし生死盤の天罰により傷ついた心臓は仙糸でも縫い合わせることができず、そのせいでどんな仙薬も霊薬も効果がない。楊鑑は最後の手段として織女(シュクジョ)に頼んで織ってもらった光の糸を使ったが、やはり無駄だった。「星君、手は尽くされました、天命を受け入れましょう」神医の宣告を聞いた楊鑑はついに端木翠を帰墟(キキョ)に埋葬すると決意する。その時、華佗(カダ)神医と月老が駆けつけた。「星君!見送るのはまだ早い!人間からの願いが蓬莱を取り巻いていますぞ!」華佗は人間界から届いた3年分の心力をより合わせて作った願いの糸を届けた。すると驚いたことにその糸が端木翠の心臓の傷を縫い合わせてくれる。「あと3針ほど縫います、傷が閉じたらあとは天に任せましょう…」最後の糸は展顔が3年間、端木翠を想い続けて来た愛の糸だった。端木翠は愛という最も強い力の糸で生還した。すると上仙が生き延びたと知った雷神が駆けつけ、生死盤を使った罪で端木上仙には罰を受けてもらうという。楊鑑は三界を救った端木翠への仕打ちに憤ったが、これを利用して端木翠の願いを叶えることにした。「勝手に生死盤を使ったのは端木が初めてだと?ならば厳しい罰を与えねば…」そこで楊鑑は禁忌を犯した端木翠の仙籍を剥奪すると宣言した。楊鑑は密かに司命仙に頼んで端木翠と展顔の運命簿を書き換えた。これで2人は富と子に恵まれ、平穏に暮らせるだろう。また端木翠のおかげで神仙に復帰した月老は2人が仲睦まじく過ごせるよう手配し、邪魔者は排除すると誓った。やがて端木翠は意識を取り戻し、義兄が救ってくれたと知る。すると楊鑑は義妹を抱きしめ、手はずは整えたと教えた。「これからはそなただけで進むのだ…」展顔は延(エン)州の捜査に出かけていた。すると偶然、恋人を怒らせ、立ちすくんでいる青年を見かける。展顔は思わず青年に声をかけ、彼女を捕まえておくべきだと忠告した。「後悔しても時は戻らない」青年は慌てて恋人を追いかけて行くと、展顔は雪の中を再び歩き始める。その時、背後から懐かしい声が聞こえた。「男女の情に詳しいのね?経験から得た教訓かしら?仙女を蓬莱に帰したことを後悔している?」展顔が振り返るとそこに愛おしい端木が立っていた。「何よ?嬉しくなさそうね?…いいわ、もう帰る」驚いた展顔は慌てて端木翠を追いかけ、抱きしめた。「しばらくこのままで…なんて幸せな夢なんだ、いつもはこの場面で君は消えてしまう」「夢じゃないわ、戻って来たの…ごめんなさい、長い間、待たせて… 展顔?もう放して、あなたの顔を見たいの」「放したらまた消えてしまう! この3年、君は毎晩のように夢に現れ、触れようとすると消えてしまった 端木…また消えるとしてもその前に教えてくれないか、元気だったかい?」端木翠は咄嗟に振り返り、展顔に口づけした。「あなたなしで元気でいられると思う?…分かったでしょう?夢じゃないわ、戻って来たの」「早すぎる、まだ不確かだ…もう一度、確認する」展顔は口づけしようとしたが、端木翠が止めた。「3年の間にずい分、厚かましくなったわね…」「端木、人間界にいつまでいられるんだい?…短い間でも気にしないでくれ 君が穏やかに生きられるならそれが一番なんだ」「大哥(ダーグァ)に言われたの、嫁いだのなら戻ってくるなと…夫婦喧嘩に負けたら戻れる でも大哥があなたを懲らしめに来るわ…とにかくもう戻れないの…」「悲しそうだからてっきりまた蓬莱に戻るのかと…」「悲しいのは大哥と離れたからよ、それに私を見た時、あなたは嬉しそうじゃなかったから もう私のことを想っていないのかと…」「そんなわけないだろう?…私の端木が戻ってきた」展顔は端木翠を強く抱きしめ、唇を重ねた。展顔は端木翠が完全に人間になったと知った。これからは2人、一緒に年を取って行くことができる。一方、温孤は草盧で独り、今日も紅鸞が残していった香袋を眺めながら悲しみに暮れていた。すると温孤の強い想いが実り、香袋の中の桃花にわずかに残った紅鸞の元神が人像を作る。「紅鸞?!」温孤は紅鸞を抱きしめ、再会を喜んだ。端木翠と展顔は希望通り男女2人の子をもうけた。そして数年後、端木翠と展顔たちが朱雀街で買い物していると、小天がこっそり子供たちを物陰に誘い出してしまう。展顔は露店にいる端木翠を置いて慌てて後を追ったが、横道に隠れていたのは楊鑑だった。「驥児(キジ)、彎彎(ワンワン)、舅舅(ジゥジゥ)にご挨拶は?」「舅舅好!」「舅舅、にゃんちんが舅舅は空を飛べるって言ってた…僕も飛びたい!」「よし、あとで一緒に跳ぼう」「私も飛びたい!」展顔は端木に会わないのか聞いた。しかし楊鑑は悲しくなるので会わないと強がる。「それでいいの?」すると飴細工を買っていた端木翠が現れた。楊鑑は小天と一緒に草盧に立ち寄り、甥と姪と一緒に遊んだ。その様子を温孤が紅鸞と一緒に見守っている。「しばらくいたら?」「そうですよ、子供たちも喜びます」「…子供たちが望むというなら数日、遊んでやってもいいがな」終わり( ;∀;)ぁぁぁ~終わってしまった~展顔の制服姿が好き過ぎる~特に感想はないのですが(ないのかいw)″愛は地球を救う″ということで…どこかでノーカット版の放送を期待しつつ、展顔の新作お待ちしています♪
2023.02.21
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 2第19話暴走する江文卿(コウブンケイ)を討つため立ち上がった三族。神仙たちが結界で人間界を守る中、端木翠(ダンムーツェイ)、展顔(ヂャンイェン)、紅鸞(コウラン)が江文卿に戦いを挑んだ。しかしその圧倒的な力を前に苦戦を強いられ、果敢にも攻撃を仕掛けた紅鸞が殺されてしまう。「グフッ…私は結局、命を落とす運命なのね…端木、心残りは温孤(オンコ)のこと… 私の代わりに面倒を見てあげて、お願い…」すると紅鸞は桃花となって散って行った。悲しみに暮れる端木翠、その時、江文卿が今度は展顔を神剣で突き刺し、掌(ショウ)を放って吹き飛ばしてしまう。「展顔!」端木翠は深手を負った展顔を抱き起こした。すると江文卿が養子である2人の仕打ちに憤る。「失望したぞ!誰に恨まれようと理解されまいと構わぬ! しかし私に育てられたお前たちが私を支持しないばかりか、いつも刃向かってばかりだ!」しかし端木翠は義父が神仙とは全ての命を愛する存在だと教えてくれたと訴えた。「義父の名をかたり、あなたは何をしているの? 今や神仙たちはあなたを恐れ、人族はおびえ、幽族にも恨まれている しまいにには愛してくれる妻まで殺すなんて…これが望んだ結果なの?! ごらんなさい、この有り様を!これがあなたの望んだ世界なの?!」「…これがすべて私の所業だと?」江文卿は動揺した。三界が幽毒で滅びる様子を目の当たりにし、罪滅ぼしのために時を戻したはず、それが今や自ら全てを破壊しようとしている。その時、江文卿の脳裏に自分の悪行の数々が蘇り、蓬莱図が反応した。しかし魔道に落ちた江文卿は蓬莱図をねじ込み、最後の良心まで打ち消してしまう。「間違っているのはこの世の方だ!今日こそこの手で全てを消し去ってやる!」端木翠と展顔は呆然、もはやなす術なく途方に暮れた。江文卿は空中に舞い上がり、その凄まじい力で黒洞を作った。黒洞は激しい風を巻き起こし、三界を破壊しながら飲み込んで行く。結界が壊れた人間界は人々が逃げ惑い、最後まで民を守ろうとした捕吏たちが次々と倒れた。しかし三族はあきらめず、力を合わせ懸命に祈りを捧げ続ける。するとやがてその祈りが強い力となり、自然と湧き上がり始めた。「心力よ、三族の心が1つに…展顔、私たち助かるわ!」「端木、法陣を敷き、術で心力を集めろ、江文卿は私が引き受ける」展顔はこれが最後の別れになると覚悟し、端木翠に口づけした。「端木…ウォアイニー、君には生きて欲しい」展顔は重い身体を引きずりながら、江文卿の黒洞へ飛び込んで行った。しかし巨闕(キョケツ)で戦いを挑むも、あっけなく捕らわれてしまう。その時、端木翠が現れ、神剣を招喚した。神器の名前は玉昭令。実は決戦の前、端木翠と展顔は三族の心力で作った神器で江文卿を討とうと決めていた。「…ふっ、心力で私を討つなど甘いわ、身の程知らずめ」端木翠は玉昭令を放ったが江文卿に跳ね返され、反噬で深手を負ってしまう。その頃、人間界では江文卿と対峙する端木翠に力を送ろうと三族が懸命に祈りを捧げていた。端木翠はその心力を玉昭令に集め、再び江文卿に放つ。するとついに玉昭令が江文卿の心臓に突き刺さり、その機に乗じて展顔が背後から襲いかかった。「義父…育ててもらった恩はあの世で返します」玉昭令と巨闕に刺された江文卿は激しく血を吹き出し、そのまま地上へ落ちて行った。しかし力尽きた展顔も気を失い、巨闕と共に落下してしまう。江文卿は祭壇で倒れていた。すると身体から切り離された蓬莱図が現れ、天に返ってしまう。その時、江夫人の残像が現れた。江夫人は夫に手を伸ばしたが、江文卿がその手をつかもうとしたその時、残像は消えてしまう。「そう言うことか…私が江易ではなく江文卿だからか…天道が選んだのは私ではない 私は江易の記憶を共有しただけ…それなのに己を世を救える選ばれし者だと盲信していた… クックック…今さら後悔しているとは…」人間界は暗雲が晴れ、全てを浄化するかのように雪が降り始めた。人々は江文卿との戦いに勝ったと気づき、歓喜に沸く。一方、草盧では紅鸞に眠らされていた温孤がようやく目を覚ましていた。すると枕元に桃花をかたどった香袋が置いてある。「紅鸞、君の帰りを待っているよ」温孤は香袋を握りしめ、部屋から雪が舞うのを眺めていた。端木翠は雪山で展顔を探し回っていた。すると亡くなった江文卿から離れた神位が現れ、端木翠の身体に戻る。再び永遠の命を得た端木翠は美しい黒髪を取り戻したが、その時、降り積もった雪に突き刺さる巨闕を発見した。端木翠は近くに展顔が埋もれていると気づき、必死に雪をかき分け展顔を見つける。「展顔!…お願い、目を開けて!…一緒に帰るのよ、展顔!」端木翠は展顔を抱きしめ号泣、その時、展顔の意識がうっすら戻った。「端木?…せっかく眠っていたのに…私を呼ぶ姑娘の声が聞こえた…うるさくて目が覚めた… 端木…君はまるで子猫みたいだな…グハッ…」しかし展顔は激しく血を吐き出し、ぐったりしてしまう。「私は…もうダメだ…前に聞いたんだ…人は死ぬ前に色々なことが走馬灯のように蘇ると… 何度も君の顔が浮かんだ…君には私しかいないのに、私が死んだら君はどうなる? …君みたいな短気な神仙、私の他に誰が相手をしてくれる?…君が辛い時は誰が支える? 私は運に恵まれないといつも不安だった…もう君を娶れず、守ることもできそうにない… どうやら不安は的中した…端木…できるなら残った私の運気を君の安寧に変えたい…」「何もいらない…ただあなたに生きていて欲しいだけ…」…端木、すまない…展顔はそっと目を閉じると、そのまま愛する端木翠の腕の中で事切れてしまう。「展顔?…展顔!うわぁぁぁぁーっ!」。・゜・(ノД`)・゜・。その頃、楊鑑は死闘を制した端木翠を心配し、小天(ショウテン)と一緒に郊外まで探しに出かけた。すると激しい雪の中、突然、一筋の光が上がる。「いかん!…生死盤(セイシバン)を使う気だ!」楊鑑と小天は慌てて光の方角へ駆けつけると、端木翠はすでに自分の血を使って陣を敷いていた。「端木!命の入れ替えをするな!失敗すれば何も変わらない!天罰が下るだけだ!」「どんな罰も受けてたつわ!」その時、端木翠めがけて天雷が落ちた。楊鑑は義妹を助けようと結界を破ろうとするが、弾き飛ばされてしまう。端木翠は生死盤で自分の命を展顔に与えた。すると展顔が言っていたようにこれまでの2人の道のりが走馬灯のように蘇って来る。…魂に意識があるとすれば、死んでも互いを忘れないはず…展顔、私の代わりに生きて端木翠はその場で膝をつくと、力なくうなだれた。つづく( ;∀;)ぁぁぁぁぁ〜そんな〜って…ちょっと待ってなに突然「神器の名前は?」(せーの)「玉昭令!」って…全く意味不明なんですけど ←ここまで来てこれ?w
2023.02.16
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 2第18話端木翠(ダンムーツェイ)と展顔(ヂャンイェン)は端木橋で倒れている江夫人を発見した。そこへ義母を探しに来た上官策(ジョウカンサク)が到着、展顔の腕の中で風前の灯となった義母の姿に愕然となる。しかし江夫人は展顔と上官策に義父を恨まないよう約束させた。「端木姑娘(グゥニャン)…愛する人の手をしっかり握っていなさい、一緒に歩み続ければ道に迷わない… 顔児のこと、よろしく頼むわね」すると夫人は江文卿(コウブンケイ)が落としていった香袋に気づいて手を伸ばした。…私のために作ってくれたのか?苦労をかけるな…江夫人は香袋を胸に抱き、幸せだった夫婦の姿を思い出しながら旅立った。一方、蓬莱に戻った江文卿はふと正気に戻り、愛しい妻を殺したことに気づいた。しかし気が暴走してわずかな良心も消え去り、ついに魔物と化してしまう。江文卿は異変に気づいて駆けつけた天兵に手をかけ、神仙たちを雷獄に拘束した。もはや天雷さえも天道使君を罰することができず、驚いたことに神仙たちから法力まで奪ってしまう。実は江文卿の神位は端木翠が譲ったものだった。神女の力を利用して蓬莱図を体内に取り込んだ江文卿は今や神仙、幽族、天地の力までも吸収できるという。「世の万物は私の手中に落ちたのだ!」そこで江文卿は用済みとなった神仙を抹殺すべく、蓬莱を壊し始めた。人間界に突然、隕石が来襲した。「蓬莱の石がどうして?!」端木翠たちは急いで朱雀街に駆けつけたが、街は壊滅的な打撃を受けてしまう。すると楊鑑(ヨウカン)ら神仙が元神を集約させ江文卿を眠らせることに成功、災害は収まった。しかし一時しのぎに過ぎず、江文卿を倒すには強い心力が必要となる。それはこれまで一度もなし得たことがない、神仙、幽族、人族の団結だった。紅鸞(コウラン)と温孤(オンコ)も術を使って啓封府に協力し、被災者を助けた。すると端木翠は両親を探してさまよう少年を見つける。端木翠と展顔は少年を保護して両親を探したが、2人はがれきの下敷きになって死んでいた。衝撃を受けた少年は血を吐いて卒倒、驚いた端木翠は自分の魂力を使って救おうとする。「端木!やめるんだ!」展顔は慌てて止めたが、端木翠はあきらめ切れず力を使い続け、あっという間に髪が真っ白になった。しかし結局、少年を助けることは叶わず、端木翠は自分の無力さに打ちひしがれてしまう。展顔は草盧で端木翠を休ませた。すると中庭で物音がする。端木翠と展顔が様子を見に行くと、司法星君の神獣・小天(ショウテン)が深手を負って倒れていた。小天は江文卿にやられたと訴え、神仙たちが雷獄に閉じ込められ、雷鎖で拘束されているという。「…星君を助けてください」端木翠は義兄を助けるため蓬莱へ行くと決めた。「展顔、最期はあなたと過ごせると思っていた、でも三界が災いに遭い存亡の危機にある 放ってはおけない、私が神位を譲ったせいだもの」「君が決めたのなら私もついていくよ」「でも江文卿はあなたの義父よ?…私が神位を奪い返し、事態を収拾させる」しかし展顔は義母を殺し、衆生に危害を加えている江文卿に情けはかけないと断言した。端木翠と展顔は蓬莱に上った。今やすっかり寂れてしまった蓬莱、その時、2人に協力すべく紅鸞と温孤が後を追って来る。すると4人は雷獄で衰弱した神仙たちを見つけた。楊鑑は展顔に江文卿が眠っているうちに神剣の巨闕(キョケツ)で殺すよう頼んだが、端木翠が止める。「大哥、皆の元神の力で江文卿を眠らせているのでしょう? 江文卿を殺せば大哥たちも死んでしまう!」そこで展顔は巨闕だけで江文卿を成敗できるとは思えないと訴え、まず雷鎖を切ろうと説得した。「皆さんを救って戦う方が勝ち目があります」楊鑑は納得し、巨闕を雷獄にそびえる塔に突き刺せば雷鎖が解けると教えた。展顔は神仙たちを解放、しかしそのせいで江文卿が目を覚ました。すると紅鸞が桃花の術で江文卿を押さえ込み、その間に神仙たちを逃してくれる。しかし江文卿の一撃で紅鸞は下界まで吹き飛ばされた。温孤は紅鸞を追いかけ地上に戻ったが、そこへ江文卿が現れる。「たかが桃花の分際で私に挑むとは…」「私はただの桃花だけど、命懸けで大切な人を守る!」紅鸞は術を放ち、江文卿が避けている一瞬の隙に姿をくらました。三族すべてが天道使君に背を向けた。江文卿は自分の思い通りにならない衆生に憤怒し、全てを滅ぼすと決める。すると人間界に不気味な暗雲が垂れ込めた。啓封(ケイフウ)に避難していた楊鑑(ヨウカン)たち神仙は再び力を集結、結界を張って人間界を守る。しかし魔道に落ちた江文卿とこれからどう戦って行けばよいのか。端木翠、展顔、楊鑑、紅鸞は草盧に集まった。楊鑑はかつて温孤が蓬莱図を身体に取り込んだ時、五蛮雷(ゴバンライ)で温孤と蓬莱図を分離したことを思い出した。その五蛮雷より威力があるのは心力だという。「そのためには我ら神仙と人族、幽族の三族が心を1つにしなければ強い心力は生まれない」すると展顔は啓封の民に知らせ、三族の平安を祈ってもらうと決めた。紅鸞は幽族ももちろん協力するという。(๑•̀ㅂ•́)و✧<みんなで頑張りましょう、一丸となれば…必ず勝てる!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔノ″明日の決戦を前に端木翠は端木営の鎧を準備して展顔を驚かせた。「端木村の慣習で妻は出征する夫のために鎧を着せてあげるの、私もやりたくて…」端木翠は展顔の支度を終えると、生還できたら何がしたいか聞いた。「捕吏の仕事だな」「捕吏?…しょっちゅう公務で家を空けるから独りぼっちになるわ」「もし子供がいれば寂しくないだろう?」すると展顔は端木翠を抱きしめた。一方、紅鸞は温孤を守るため、独りで決戦に臨むと決めた。そこでその夜、温孤の部屋を訪ねる。「…約束して、私は出かけるから、草盧で待っていてくれる? 私が戻るまでここにいて、どこにも行かないでね」「分かった、待っているよ」すると紅鸞は温孤に桃花の術をかけ、眠らせてしまう。…温孤、私は幽族を代表して戦う…そうすればあなたは人間たちに二度と差別されない…生きて戻れなかったら、私を忘れて翌朝、端木翠は人間界を義兄たちに任せ、展顔と江文卿を討つことになった。すると紅鸞が幽族の代表として行きたいと申し出る。端木翠は止めようとしたが、紅鸞の決意は固かった。「分かったわ」江文卿は祭壇で幽族たちの生気を吸い取っていた。そこへ端木翠、展顔、紅鸞がやって来る。前世の子である端木翠と現世の子である展顔の反乱、江文卿はなぜ家族で反目し合うのかと嘆いた。「義父は民を案じ、妻子を大切にした 義父の教えは″善行を積めば悪事は減り、天下は清らかになる、誰もが幸せになるはずだ″と… しかし今は?三界に危害を加え、義母まで殺めた…もはやあなたは義父ではない!」展顔は江文卿こそ三界の敵であり、誅殺すべき人だと弾劾した。すると江文卿は凄まじい気をまとい、構える。「私に従わぬのなら、さっさとかかってこいっ!」つづく( ゚д゚)これは…インデペンデンス・デイ?w
2023.02.16
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 2第17話紅鸞(コウラン)は温孤(オンコ)を守ろうとして天道使君・江文卿(コウブンケイ)に吹き飛ばされた。その時、紅鸞は天道使君になぜか龍族の気息があると気づく。すると危機が迫った温孤が覚醒、龍気で応戦した。江文卿は再び温孤を攻撃しようとしたが、その時、激しい頭痛に襲われる。その隙に温孤は龍気で陣に穴を開け、紅鸞を連れて脱出することに成功した。江文卿はいつものように香袋を取り出して嗅いだが、なぜかもう効果がない。…蓬莱図がまだ身体に溶け込んでいないせいか?…もっと多くの生気が必要だそこで江文卿は陣に残っている幽族から生気を吸収した。温孤は深手を負った紅鸞を朱雀街で休ませた。すると通りがかりの民が幽族に気づき、天兵に渡さねば厳罰に処されてしまうと騒ぎ始める。しかしちょうど巡回していた展顔(ヂャンイェン)と端木翠(ダンムーツェイ)が民衆を解散させ、2人を細花流でかくまうことにした。端木翠と展顔が逃したはずの2人は義兄・楊鑑(ヨウカン)に捕まっていた。「私たちを騙して天兵に売ったわね?!」温孤の命をしつこく狙う端木翠に怒りをあらわにする紅鸞、仕方なく端木翠は温孤に自分が殺したかどうか証言するよう迫った。しかし焦った紅鸞は温孤を外へ出し、端木翠に真実を明かす。「今の温孤は私が死力を注ぎ龍の角から作り上げたの、過去の記憶はないわ」見かねた展顔は温孤自ら望んで雷に打たれたと説明したが、紅鸞は頑なに信じようとしなかった。そこで端木翠は沈淵(チンエン)で千年前の紅鸞に会った時のことを伝える。「あなたは温孤と端木営に入って一緒に鍛錬したのよ」その夜、端木翠が庭に出ていると紅鸞が現れた。「紅鸞、どうしたの?眠れないの?」「さっき夢を見たの、あれが沈淵なのかも…」夢の中で紅鸞は温孤と沈淵から逃げ出そうとする江文卿を阻止していた。しかし力及ばず、温孤は紅鸞をかばって殺されてしまったという。「天道使君はきっと江文卿よ」「大哥も同じことを言ってた…ゴホゴホッ!」急に咳き込んだ端木翠は沈淵で神位を失い、残りの時間がわずかだと明かした。「唯一の心残りは展顔のこと…今の温孤はあなたを守ろうと必死よ? お互い大切な人のためにしっかり生きましょう、紅鸞、まだ私が憎い?」「…真実がどうであれ、温孤があなたのせいで死んだことには変わりない」「紅鸞…ごめんなさい」「謝る必要はないわ」紅鸞は端木翠が借りを作ったのは自分ではなく温孤だと言った。翌朝、端木翠が中庭に出ると、温孤が摘んだばかりの花を生けていた。「何も思い出せないの?それもいいわね、辛い過去は忘れた方が幸せかも 私もあなたの気持ちに早く気づいて話をするべきだった… 温孤?許してくれる?ごめんなさい、あなたを傷つけて…」すると温孤は悲しそうな端木翠を見て花を差し出した。「私にくれるの?」「うん!」紅鸞が2人の様子を見守っていると、展顔がやって来た。「端木にとって温孤は家族のような存在だった、彼と敵対したことは大きな悲しみだったはずだ 決して他人には明かさないが、誰より心に深い傷を負っている 温孤に記憶があったら端木翠を恨むと思うか?」紅鸞は展顔が自分たちを仲直りさせることで端木翠に悔いなき最期を迎えさせたいのだと気づいた。「あなたの気持ちは分かります、私も毎日を大切にして温孤と共に最後の時を過ごしている 私はかつての温孤に別れさえ告げられなかった…あなたが羨ましい」「紅鸞、私は奇跡を信じている、君の苦労も報われるはずだ、希望を持ち続けよう、いいかい?」しかし紅鸞は何も言わなかった。翌朝、端木翠は温孤たちを守るため、法力がない代わりに術を操る訓練を始めた。しかし魚を捕まえることもできず、人間界の火さえ思うように扱えない。展顔は落胆する端木翠を慰めていたが、そこへ紅鸞が現れ、札で神器を操る秘術が記された幽族の書を渡した。「幽族を助けるために奮闘してくれてありがとう、過去のことは全て水に流すわ」こうして紅鸞とのわだかまりが解けた端木翠は蓬莱の術が使える札作りに没頭、ついに成功する。一方、紅鸞も端木翠に触発され、温孤と共に江文卿と戦うと決めた。「温孤、かつて幽王だったあなたはある願望を抱いていたわ」「願望?…紅鸞とずっと一緒にいたい」「…以前は私もそう望んでいた、でも今はそれだけじゃだめなの あなたが忘れたことは私が代わりに覚えている あなたの重責は私が背負うわ、必ず幽族を守って見せる…二度とあなたに辛い思いをさせない」すると温孤は紅鸞を抱きしめた。蓬莱では江文卿が激しい発作に襲われていた。蓬莱図は未だ身体と一体にならず、度々、拒否反応を起こしては全身に激痛が走る。そこで江文卿は再び下界に降り、封じ込めた幽族の生気を吸い取った。しかしその様子を司法星君・楊鑑(ヨウカン)に見られてしまう。天道使君は江文卿だった。楊鑑の話では江文卿はすでに魔道に落ちたという。端木翠はわずかな可能性にかけて江文卿と戦うと決意、すると展顔、紅鸞、温孤も賛同した。そこで捕らわれた幽族を結界から解放し、草盧へかくまう。「紅鸞、結界を破ったから天兵が来る、幽族を連れて逃げて」「ありがとう、この恩は忘れないわ」草盧に江文卿が現れた。展顔は悔い改めるよう諌めたが、江文卿はもはや聞く耳を持たない。「言っても分からぬなら成敗するしかあるまい」端木翠と展顔は江文卿の圧倒的な力の前に手も足もでなかった。その時、逃げたはずの紅鸞と温孤が戻って来る。「奴は龍族の気息と気を持っているわ」紅鸞は温孤に江文卿から龍族の気息を引き出すよう頼んだ。そこで温孤が龍気で江文卿の力を抑えているうちに端木翠たちが一斉に攻撃する。江文卿は神剣を招喚して反撃したが、急に激しい発作が起こり、錯乱したように草盧を飛び出した。江文卿は端木橋を渡ったところで思わず膝をついた。すると偶然にも江夫人が捕吏たちと一緒に細花流へやって来る。「文卿?…文卿なの?!」「…大人(ダーレン)?どうされました?」成偶(セイグウ)が顔色の悪い江文卿を心配して手を伸ばしたが、江文卿はいきなり一撃を与え、殺してしまう。呆然となる夫人と朱然(シュゼン)、その時、江文卿が夫人の首をつかんだ。朱然は江文卿の異変に気づいて剣を抜いたが、江文卿が放った神剣が身体を貫く。「大人…お放しください…愛する夫人ではありませんかっ!」しかし朱然はそこで息絶えた。江文卿は朱然の悲痛な叫びを聞いて急に夫人から手を離した。「ゼエゼエ…成偶と朱然は十数年も可愛がってきた、実の息子も同然でしょう?!なぜ殺したの?! 私を忘れたと?!…私よ!文卿!目を覚まして!」「…夫人?」夫人は江文卿がやっと自分を思い出してくれたと喜んで抱きついた。しかし江文卿は夫人の背中に掌を放ってしまう。「…ゥッ…文卿…どうして…」すると江文卿は再び激しい頭痛に襲われ、その場を立ち去った。つづく( ̄▽ ̄;)何この暴走老人物語…
2023.02.15
コメント(1)
玉昭令 No Boundary Season 2第16話端木翠(ダンムーツェイ)に内緒で婚礼の準備を進めていた展顔(ヂャンイェン)。「端木、妻になってくれ」「…いいわ」端木翠は展顔の求婚に応え、2人は抱き合って幸せをかみしめた。「明日、迎えに来るよ」名残惜しそうに帰っていく展顔、しかし翌朝、細花流に花嫁を迎えに行くと、端木翠の姿はなかった。草盧には端木翠の書き置きがあった。…展顔、あなたは素晴らしい人よ、一緒にいるほど離れがたくなる…だけど運命のいたずらであなたと添い遂げることができない…いっそ早く別れた方が互いのためよ、あなたの人生は長いわ…初めて衣を仕立てたの、不格好だけど着てね…巡回する時は暖かくして、風邪を引くから…私がいなくなっても幸せになって、それから私のために悲しまないでね端木翠の寝台の上には展顔のために用意した衣が畳んで置いてあった。その夜、人間界へ戻った月老(ゲツロウ)は偶然、船着き場で物思いにふけっている端木翠を見つけた。…展顔、先行き短い私はあなたの重荷になってしまう…端木翠は沈淵で誓った愛の印である2人の髪を川に落とした。しかしその髪の束を危ないところで展顔がつかむ。「展顔?!」「…端木翠、私たちが誓った愛を君は簡単に捨てるのか?!」「私はもうあなたと添い遂げることができない…もうすぐ死ぬの、あなたには幸せになって欲しい」すると展顔は端木翠を抱きしめ、とうに事実を知っていたと明かした。「短い時間だからこそ大切に生きよう、君といられる時間を無駄にしたくない… 一緒にいよう、一生を共にすると約束しただろう? 私のもとを去って蓬莱に行くというなら追いかける、また人間界に戻るなら私も戻るよ 君がどこへ行こうとついて行く!」「ゥッ…あなたってバカなんだから、ふふ」そこへ突然、月老が現れた。月老は仙力を失ったことを伝えなかったが、2人の姻縁は自分が見届けねばと笑う。こうして翌日、改めて啓封府で展顔と端木翠の婚礼の儀が執り行われた。夫婦になった展顔と端木翠、その裏で蓬莱が外出禁止を命じ、朱雀街は閑散としていた。上官策(ジョウカンサク)の話では司法星君・楊鑑(ヨウカン)が新しい法典を届け、幽族の戸籍名簿を所望したという。「婚礼は人生の一大事、私が対処したんだ」しかし新しい法典には非道な罰があり、端木翠は蓬莱で異変が起こっていると分かった。その夜、紅鸞(コウラン)は蘇った温孤(オンコ)を連れて温孤医館にやって来た。記憶のない温孤だったが、不思議と薬材のことだけは覚えている。しかし自分の寿命を与えて温孤を救った代償は大きかった。紅鸞は時折、激しい胸の痛みに襲われる。…いつまで一緒にいられるかしら…すると医館に潜んでいた幽族たちが現れた。幽族たちは温孤に気づき、幽王が戻ったと喜んで一斉に拝跪する。「大王、どうかお助けください!神仙は俺たちを根絶やしにするつもりです!」端木翠は義兄を呼び出して事情を聞こうとしたが、返答はなかった。すると朱雀街で天兵たちが幽族を捕縛、逆らう者を殺そうとしている。「やめなさい!どうして捕えるの?」「端木上仙、天道使君の命です、もはや以前の自由な蓬莱とは違う 今は天道使君が三界を守っておられます、ではこれで…」雷神は捕縛した幽族たちを連行していった。端木翠と展顔は道すがら天兵たちに追われる幽族を助けた。幽族の話では仲間たちが温孤医館に避難しているという。そこで2人で医館を訪ねてみると、驚いたことに死んだはずの温孤がいた。「温孤!」端木翠は再会を喜び、温孤の頬に手を伸ばす。すると紅鸞が現れた。「やめて!触らないで!」温孤は端木翠のことも展顔のことも知らなかった。すると紅鸞はまた温孤を殺しに来たのかと冷たい視線を投げかける。「前も容赦なかったものね?…とどめを刺す気でしょう?」驚いた端木翠は温孤が天に背く罪を犯したと説明したが、紅鸞は全て端木翠のためだったと反発した。その時、幽族を一網打尽にするべく楊鑑が医館にやって来る。しかし門の隙間から一瞬、展顔の姿を見た楊鑑は咄嗟に正門を閉め、神通力で探ったが幽族はいないと天兵に嘘をついた。紅鸞は端木翠たちに助けられても感謝しなかった。「確かに温孤は道を誤った、でも誰のせいで踏み外したと?」思わず悔しくて涙があふれる紅鸞、すると温孤は紅鸞がいじめれたと誤解し、端木翠に帰れと迫る。温孤はまるで別人のようで、その目は子供のように澄んでいた。「あなたを姉のように慕った私が愚かだったの、あなたはいつも残酷だった…もう帰って」端木翠と展顔が草盧へ戻ると楊鑑が待っていた。楊鑑は天道使君の正体が義父・江易(コウイ)だと明かしたが、義父の様子がおかしいという。実は幽族の迫害も新法典の発布も江易の案だった。展顔は蓬莱に来たのが江易ではなく江文卿(コウブンケイ)ではないかと気づいたが、端木翠は沈淵に閉じ込めたはずだと否定する。しかし楊鑑は沈淵で何かが起こり、脱出したかもしれないと警戒した。翌朝、紅鸞は温孤と仲間を連れ、人族を装って啓封を脱出しようとしていた。しかし城門に突如、天兵が現れ、今後は冠婚葬祭以外、出入りが許されなくなったという。一方、展顔は端木翠の身支度を手伝っていた。展顔と本当に夫婦になれるとは思えなかったと感慨深い端木翠、すると展顔が自分は息子と娘を授かるところまで想像していたと笑う。「…展顔、そんな日が来るか分からない、私はもう長くないの」「来るさ、一緒に年を取るんだ」そこへ突然、紅鸞が温孤を連れてやって来た。紅鸞は街が封鎖され脱出できなくなり、協力を求めた。「どんな条件でも聞くわ」驚いた展顔は友と取り引きなどしないと訴え、花嫁行列を偽装すればいいと提案する。紅鸞は幽族の命を救ってくれるなら感謝すると言ったが、温孤の件だけはどうしても許せなかった。すると温孤が端木翠の花嫁衣装に気づき、紅鸞にも似合うはずだという。紅鸞は思わず笑顔を見せ、最後に端木翠と展顔の幸せを祈って戻って行った。しかしその夜、紅鸞たちの花嫁行列は天兵たちに囲まれてしまう。「端木翠を信じた私が馬鹿だった…」「端木は無関係だ、何も知らぬ」楊鑑は天道使君の命だと教え、紅鸞たちを捕縛してから蓬莱に戻った。楊鑑は命令通り幽族を封じ込めたと報告した。喜んだ江文卿は人間界の平穏を守るため幽族を教化すると説明、ただし自分が監視の目を光らせているため天兵の見張りは必要ないという。一方、紅鸞と温孤は幽族たちと結界に閉じ込められていた。すると天道使君が現れ、三界を脅かした温孤を抹殺しようとする。紅鸞は温孤を守ろうとしたが、桃花の術を繰り出す前に吹き飛ばされた。つづく( ;∀;)展顔…展顔が幸せならいいのよ… ←誰?w
2023.02.09
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 2第15話姚蔓青(ヨウマンセイ)は想い人と引き裂かれ、部屋に閉じ込められていた。思い詰めた蔓青は首を吊ったが、運良く端木翠(ダンムーツェイ)が駆けつけ、白綾を切ってくれる。実は蔓青には劉向紈(リュウコウカン)という想い人がいた。娘が幽族と通じていると知った父親は激怒、展顔(ヂャンイェン)を利用して隠匿しようと思いつき、宿に誘き寄せて薬を嗅がせたという。端木翠は悲しみに暮れる蔓青に芍薬の花を返した。愛おしそうに芍薬を抱きしめる蔓青、すると劉向紈の残像が現れる。…蔓青、私はもうこの世にいない、これは残留した精神なんだ…あの日、劉向紈は幽族たちと啓封(ケイホウ)を発つことになった。聞けば新たに任命された天道使君が幽族の追放を命じ、人族との婚姻も禁じられたという。しかし劉向紈は天に背いても蔓青と夫婦になると決意、駆け落ちしようと夜の桟橋で待ち合わせした。すると天兵が現れ、桟橋の手前で殺されてしまう。「すまない、別れの時だ…元気で」「一生を共にする約束でしょう?…あなた以外に誰も愛さない」端木翠は愛し合う2人の最後の時間を邪魔しないよう出て行った。やがて父親が蔓青に薬湯を届けに来たが、寝台ですでに息絶えた娘を発見する。蔓青は花嫁衣装をまとい、大事そうに枯れた芍薬を抱きしめていた。蔓青は遺書に真実を書き残していた。父親は正気を失い、娘が生きている幻を見ているという。展顔は無事に解放され啓封府に戻ったが、端木翠は蔓青の最後の言葉を思い出すとやるせなかった。…端木門主、なぜ蓬莱はこんなむごいことをするの?!…天道使君は文曲星君と季笙(キショウ)に別れを命じ、今度は劉向紈と姚蔓青が天道使君のせいで悲しい結末を迎えた。「蓬莱に異変が起きてる…こんなの人間界を守ってきた蓬莱のやり方ではない!」憤る端木翠、すると展顔は蓬莱で何が起きているか調べようとなだめた。蓬莱では司法星君・楊鑑(ヨウカン)が天道使君・江文卿(コウブンケイ)に諫言していた。「迫害すれば反発を招きます、幽族の中には啓封に潜んで王を探す者がいるとか… 人族と幽族の間で争いが起きれば、また民が苦しみます」「王を探す者だと?…天兵に伝えよ、啓封の民に夜間の外出禁止を命じる 街に潜む幽族をくまなく探し、すべて捕縛せよ」すると江文卿は自分で編纂した法典を渡し、人間の行いを制すると伝えた。「お前が人間界に赴き、役所に届けてくれ」展顔は端木草盧(タンボクソウロ)で汁粉を作った。しかし端木翠が部屋にこもってなかなか出てこない。展顔は仕方なく汁粉を持って部屋に入ると、端木翠は慌てて切り落とした白髪を隠した。窓から庭を眺めながら汁粉を飲む端木翠、その時、展顔は化粧台にある白髪に気づいてこっそり手に入れる。「…たくさん食べてくれ、おかわりもある」展顔は独りで中庭に出ると端木翠の白髪を見た。…端木、何を隠している?神位を失った君はこれからどうなる?…すると風が吹き、端木翠の白髪は飛んで行った。人間界を監視している江文卿は端木翠が老いて行く姿を見ながらほくそ笑んだ。しかし急に激しい頭痛に襲われ、慌てて香袋を取り出す。一方、端木翠の白髪はもはや隠し通すことができないほど増えていた。薬瓶は温孤(オンコ)が生きていたら黒髪を保つ薬も作れただろうと嘆く。そこで端木翠は温孤が残した薬を片っ端から見てみたが、その時、義兄からもらった符縄(フジョウ)の仙力が尽きそうなことに気づいた。…私はもう長くないということ?…展顔は上官策(ジョウカンサク)にある頼み事をした。「やっと端木と共に人生を歩めるんだ…」「兄弟の頼みだ、引き受けた、任せてくれ」するとそこへ端木翠がやって来た。展顔は急激に衰え始めた端木翠に驚き、困ったことがあれば一緒に向き合おうという。しかし端木は笑ってはぐらかし、展顔の衣を縫うため採寸を始めた。端木翠は自分に残された時間がわずかだと気づき、展顔に尽くした。震える指で衣を縫い、啓封府には差し入れを届けて展顔の世話を頼む。その日は展顔が端木翠に合わせて食べなくなった肉料理を草盧で振る舞った。すると端木翠は展顔が身を守れるよう神器の護身傘を譲るという。「武術ができるから私は大丈夫だ」「強敵が現れた時、私がいなければどうするの?」端木翠はうっかり口を滑らせ、気まずい空気が流れた。「ぁ…呪文を教えるわね」しかし呪文を唱えるだけでも体力を消耗し、端木翠は傘を落として倒れてしまう。展顔は咄嗟に端木翠を抱き留めたが、端木翠は惨めな姿を見せるのが嫌で部屋を飛び出した。「端木!」展顔は端木翠を追いかけ、橋の上で捕まえた。「時間があればもっとできることがあるのに…でももう…」「私が悪かったのだ、言う通り覚えるから見捨てないでくれ」「違うの…私が悪いの、あまりに気が急いてしまって…」すると端木翠は気を失ってしまう。その時、楊鑑が現れた。「縁が尽きたのだ」「違う!」実は端木翠は天道使君の正体を突き止めようと義兄を呼び出していた。楊鑑は義妹に心配をかけまいと明かさずにいたが、その時、端木翠の白髪を見て驚愕する。『失ったのは本当に法力か?…神位であろう?』端木翠は仕方なく神位を失ったと認め、これで展顔と添い遂げられると強がった。しかし神位の保護を失えば瞬く間に老いて死んでしまうのは必至、楊鑑は符縄に自分の魂力(コンリキ)を注入し、無理に神器を使って魂力を失わないよう念を押す。すると端木翠は思わず楊鑑に抱きついた。『大哥…三界で最も素敵な哥哥よ…』展顔は倒れた端木翠に付き添っていた。楊鑑の話では神位を失った端木翠は次第に衰弱し、寿命が尽きて死んでしまうという。…残された時間は長くない…展顔はなぜ早く気づかなかったのかと己を責めながら泣いた。その時、端木翠が目を覚ます。「展顔…なぜ泣いているの?」「私はもっとしっかりするべきだった…私が悪いのだ」「確かにそうね…呪文を教えても覚えないもの…?…何を考えているの?」「君をずっと見ていたいと…」「髪が真っ白になってしわくちゃになっても嫌いにならないでね…」「どんな姿になろうとずっとそばにいるよ」楊鑑が中庭で待っていると展顔がやって来た。「彼女を救う手立ては?」「…端木の神位は沈淵にいる時に奪われた、だが今の端木に再び沈淵を開く力はない このままでは衰弱し、やがて魂が砕け散る」「嫌だ…そんなの」楊鑑も蓬莱で医仙や文献を片っ端からあたったが、神位を失った者が老いを免れた前例はなかったという。身代わりになれるものなら義兄である自分がなってやりたいが、今回ばかりは打つ手がなかった。「あとどのくらいですか?」「分からぬ…数ヶ月かもしれないし数日かもしれぬ、今すぐかも」楊鑑はどんなに辛くても端木翠の前では笑顔でいるよう頼んだ。端木翠にとって一番辛いのは展顔が悲しむ姿を見ることだという。翌朝、端木翠が目を覚ますと展顔がいた。まるで眠っている間に殴られたのかと思うほど身体の節々が痛むという端木翠、すると展顔は薬湯を飲ませ、端木翠を抱き寄せた。「…私がいなくなっても変わらず幸せに暮らして欲しい、時々は懐かしんでね」「″いなくなる″って?」「人間には必ず死が訪れる、神仙だって同じ千年を繰り返すだけ、うんざりするわ だから数百年か数千年、眠ることがあるの」「神仙はどこで眠るんだ?」「巨石になる者もいれば、深海の樹木になる者もいる、帰墟(キキョ)に行く者も… 展顔、もし私が眠りにつくなら何になればいい?」「端木…君を失いたくない、だって君は私の全てだから」「私は消えない、あなたから離れない」展顔は端木翠と出かけることにした。そこで覚えたばかりの呪文で護身傘を操ってみせると、端木翠は飲み込みが早いと喜ぶ。しかし端木翠が急に立ちくらみを起こした。展顔は端木翠を背負い、そのまま朱雀街の錦繍布荘(キンシュウフソウ)まで連れて行く。「なぜここに?」「入ってみよう」すると店主の李瓊香(リケイコウ)が上官策に頼まれていた花嫁衣装を持って来た。「お代はいいわ、結婚祝いよ」実は展顔は端木翠に内緒で上官策に婚礼の準備を頼んでいた。草盧に端木翠の婚礼衣装一式が届いた。展顔は端木翠を抱きしめ、一緒に過ごせる時間が1年でも1日でも一瞬であろうと構わないという。「君と出会えたことに感謝している、端木…妻になってくれ」「はお」つづく( ;∀;)ァァァ…展顔…
2023.02.08
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 2第14話兄夫婦にしつこく嫁に行けと迫られ、川に身を投げた李采秀(リサイシュウ)。実はその川は偶然にも神位を奪われた張文饗(チョウブンキョウ)が姻縁を願って灯籠を流した場所だった。すると采秀はなぜかびしょ濡れになって岸に上がってくる。その時、ちょうど妹を探していた李年慶(リネンケイ)と妻が駆けつけた。李年慶は自害するほど嫌なら嫁に行かなくても良いと言ったが、采秀は好きな人がいれば夫婦になりたいという。職務に復帰した展顔(ヂャンイェン)は朱雀街の見回り中、錦繍布荘にいる端木翠(ダンムーツェイ)を見つけた。婚礼衣装を選んでいる端木翠に目を細める展顔、しかし本当の目的は店内にいる采秀だと知る。「さっきは宝飾店にいた、籠の中には婚礼の品が入っているわ…変だと思って尾行しているの」「誰かに嫁ぐのか?」「そんなはずない、私が李家でお世話になった時、結婚を嫌がっていたもの」そこで端木翠は采秀に声をかけてみたが、采秀は端木翠を覚えていなかった。すると采秀は店主の李瓊香(リケイコウ)に展示している花嫁衣装と花婿の衣装を注文して帰ってしまう。端木翠は李瓊香に采秀が1人で来たのか聞いた。李瓊香の話では許嫁はあとから来るそうで、衣装には許嫁の名前・饗と刺繍するよう頼まれたという。「会ったことはないけれど文人で、″文曲星君(ブンキョクセイクン)″と呼ばれているとか」展顔は端木翠と一緒に李家にやって来た。端木翠の話では采秀の手が異常なほど冷たく、耳の後ろに虫がいたという。すると采秀は部屋に閉じこもって号泣、兄夫婦が途方に暮れていた。実は采秀が突然、老いぼれを連れて来て嫁ぐと言い出し、采秀が留守の間に追い出したという。そこで端木翠は部屋の前でよもぎを燃やすよう頼み、張文饗の筆を見せて采秀を誘き出した。筆を見た采秀は驚いて部屋を出ると、寄生した虫がよもぎの煙でいぶされ、もがき苦しみ始める。その隙をついて展顔が梱仙縄(コンセンジョウ)で采秀を回廊の柱に縛りつけた。采秀の身体に寄生したのは季笙(キショウ)というまだ人像も持たない小さな虫だった。季笙は采秀に危害を加えるつもりはなく、婚礼を挙げたらすぐ身体を返すという。しかし寄生するために法力を使い果たした季笙は身体から離れたら死んでしまうだろう。「例えほんの一瞬でも愛する人と結ばれるなら命を捨ててもいいわ…」端木翠は季笙に同情し、筆を頼りに張文饗を探し出した。すっかり老いぼれた張文饗の姿に唖然となる端木翠。実は張文饗は″天道使君(テンドウシクン)″に神位を奪われ、いくばくもない命だった。「でも天道使君なんて初耳だわ…」「天命を受けたらしい」張文饗は自分の身体で季笙を養い、姻縁を願ったせいで厳罰を受けていた。張文饗と季笙は固く抱き合い、涙した。「文饗、あなたと生死を共にできれば何の心残りもない」「…展顔、私も季笙と同じ気持ちよ」「私もだ」そこで端木翠と展顔は2人のために婚儀の準備を始めた。しかし展顔は神位を失った文曲星君が瞬く間に老いたことから、端木翠の身にも同じ事が起こるのではないかと不安になってしまう。端木翠は神位を譲った自分と天罰が下った神仙とは違うと笑顔で否定したが、真実を伝えることはできなかった。再び買い物を始めた端木翠と展顔、そんな2人の幸せそうな姿を物陰から紅鸞(コウラン)が見ていた。実は啓封(ケイホウ)に雪が降ったあの日、端木翠が崇(スウ)城に植えた桃の枯木にも希望という毒消しが降り注ぎ、桃花妖は再び人像を手に入れた。『…温孤(オンコ)、待っていて』あれから温孤はどうなったのか。紅鸞は桃花の術で温孤を捜索すると、山中で雪に埋もれた龍骨を発見した。すると龍骨が温孤の最期の様子を映し出してくれる。紅鸞は端木翠のせいで温孤が死んだと誤解し、懸命に角を探した。…紅鸞、龍族にとって角は命も同然、息子に何かあった時は必ず角を取っておいて…角が残っていれば救える望みはある紅鸞は温夫人の言葉を思い出し、必ず温孤を救うと誓った。李家でささやかながら張文饗と季笙の婚儀が行われた。2人は拝礼の儀を終えると共に命が尽きたが、魂は寄り添うように夜空へ登って行く。しかし蓬莱では張文饗が幽族を娶ったと知り、天道使君・江文卿(コウブンケイ)が激高していた。楊鑑(ヨウカン)は月老(ゲツロウ)が神位を返上して姻縁簿を管理する者がいなくなったせいだとチクリ、すると江文卿は今後の人間界の姻縁を自分が管理するという。神仙たちは人間界への過度の干渉はかえって秩序が乱れると反対したが、江文卿は一切の口答えを許さなかった。「これから神仙は己の公務を全て私に報告せよ、私の許可なく物事を決めてはならぬ より良き統治のためだ、秩序を作り直す」江文卿は蓬莱の神仙が無為徒食のため三界が災いに見舞われたと指摘、楊鑑にも司法星君としての職務を果たせと迫った。「人間界から幽族をことごとく追い出すのだ、人間界に留まる幽族は…容赦なく殺せ!」端木翠と展顔は月老廟を訪ね、2人の姻縁を結んでもらうことにした。しかし月老の姿はなく、神像にいじわるしても反応がない。その時、突然、見慣れない神像が現れた。「″天道使君″?」展顔と端木翠は何かおかしいと気づき、啓封府に駆けつけた。すると驚いたことに啓封府にも月老廟と同じ神像がある。しかし展顔も上官策(ジョウカンサク)もいつ誰が置いたのか分からなかった。そこで神像を退かそうとしたが、数人がかりでもびくともしない。「法術をかけられているから何をしても動かないわ」端木翠は張文饗から神位を取り上げたという天道使君と何か関係がありそうだと疑った。一方、紅鸞は温孤を救うため、自身の身体を傷つけると分かっていながら桃花の術を使った。すると温孤の身体が復活、やがて目を覚ます。温孤は自分が何者なのかも分からず呆然としていたが、紅鸞は涙を流して再会を喜んだ。その夜、展顔は端木翠と夕食を共にした。「明日、草盧(ソウロ)へ迎えに行くよ」夜番の展顔は端木翠と笑顔で別れたが、ふと目を覚ますと見知らぬ娘と一緒に眠っていた。早起きした端木翠は展顔が来るまでに白髪を抜く必要があった。しかし全部、抜き切る前に上官策が慌ててやって来る。「端木門主!大変だ!…展顔が!」実は展顔は姚(ヨウ)家の娘・蔓青(マンセイ)と同衾し、現場を押さえた親から責任を取って娘を娶るよう迫られていた。新法によれば共寝した男女は結婚しなければ死罪、これも蓬莱からの命令で朝廷からお達しが出たという。身に覚えのない展顔は頑なに婚姻を拒否し、姚家の私設の牢に捕らわれていた。姚家は名門で皇帝の親戚でもあり、このままでは展顔が危ない。端木翠は上官策と姚家に駆けつけ、何とか展顔との面会を許してもらった。端木翠は乾坤袋から札を出し、一瞬だけ柵を消して展顔の牢へ入った。しかしなぜか片足だけ引っかかってしまう。…うそーん!仙力を失ったせいで札まで操れなくなったの?…展顔が心配そうに見ていると、端木翠は足が中に入る前に効力が切れたとごまかした。すると展顔が端木翠の足を中に引き入れてくれる。「今朝、会いに行けなくてごめん」展顔の話では昨夜、巡回中に悲鳴を聞いて宿に飛び込んだところ、部屋に入るなりすぐ気を失って倒れたという。姚家はとにかく娘と結婚しろの一点張りで展顔を拘束、展顔は捜査もできずにいた。そこで懲罰が怖いので啓封府には内密にするよう頼んだところ、案の定、姚家は啓封府に知らせたという。「これで仲間たちに捜査してもらえる… 姚姑娘は深窓の令嬢、滅多に外出しないのに、なぜ夜更けに家を出て宿にいたのか? それが一番の謎だ」端木翠は展顔と離れがたかったが、捜査のため帰ることにした。すると展顔は自分がいなくても偏食せずしっかり食べるよう言い聞かせ、端木翠のかんざしを抜く。「どうしたの?」「ふと思ったんだ…君の物を持っていないと」端木翠の美しく長い髪には白髪があった。実は姚蔓青には劉向紈(リュウコウカン)という想い人がいた。しかし父親が反対し、劉向紈が贈った芍薬を庭に捨ててしまう。すると牢を出た端木翠が捨てられた芍薬に目を止めた。「花が光っていない?…ここにいたのなら何か見ているかも」札は残り2枚、端木翠は効果が出ることを期待して芍薬の花に貼り付けた。その時、芍薬妖が姿を現したが、一瞬で消えてしまう。「…ちょ!話があるのに~!」端木翠は仕方なく上官策を先に帰し、姚蔓青に会ってみることにした。つづく( ๑≧ꇴ≦)キィャア〜!展顔の制服が戻って来た〜!
2023.02.07
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 2第13話沈淵(チンエン)から戻った端木翠(ダンムーツェイ)と展顔(ヂャンイェン)。人間界は平和を取り戻し、司法星君・楊鑑(ヨウカン)は役目を果たした義妹と蓬莱へ帰ることにした。しかし端木翠は人間界で展顔と生きて行くと断り、義兄を怒らせてしまう。端木翠は展顔を啓封(ケイホウ)府へ帰し、草盧(ソウロ)で義兄に釈明することにした。実は沈淵に江文卿(コウブンケイ)が現れ、義父に成りすまして悪事を働いたという。「奴との戦いで法力を失ってしまったの…でも少し休めば大丈夫」楊鑑は端木翠が蓬莱に戻れない理由を知り、念のため宝器・符縄(フジョウ)を渡した。「これで魂を守れる…私の代わりに乾坤袋と符縄がそなたを守ってくれる」すると楊鑑は蓬莱で法力を回復する方法を探して来ると伝え、帰って行った。「大哥、ごめんなさい、嘘をついて…私は神位を失った、蓬莱には二度と戻れないの」展顔は義母と再会した。義父の件をどう説明すれば良いのか分からなかったが、意外にも江夫人は自分には展顔と上官策(ジョウカンサク)がいると笑う。「義父にやりたいことを思い切りやってと言ったの、私はあなたたちを見守ればいい」展顔は元気そうな義母の様子に安堵したが、上官策にだけは義父が戻らないことを伝えた。「もう二度と会えないだろう」しかし詳しく説明することができない。上官策は展顔の様子から余程の事情があると分かった。「…義父がご無事なら良い、言いたくなったら教えてくれ」展顔はその夜から早速、公務に復帰した。すると急に意識を失い、翌日になっても目を覚まさなくなってしまう。上官策は医者を呼んだがお手上げ、そこで草盧にいる端木門主を頼った。しかし展顔はただ疲れ切って深く眠っているだけだと分かる。「…寝顔も本当にキレイ( ˶´꒳`˵ )」端木翠は展顔を草盧で預かることにしたが、ふと法力が使えないことを思い出した。「あ…良く眠っているから動かせないわ」そこで草盧に戻り、展顔のために薬湯を作ることにした。端木翠はかまどの火を加減できず、草盧に飛び火した。運良く上官策が駆けつけ消火してくれたが、草盧はススだらけになってしまう。「はあ〜将軍や神仙より、庶民として暮らす方が難しいみたい…」上官策はひとまず啓封府に来るよう勧めたが、端木翠はまだ嫁いでいないと断った。上官策は李年慶(リネンケイ)の家で端木翠を預かってもらうことにした。しかし夫婦は同居している李年慶の妹・采秀(サイシュウ)のことで口喧嘩が絶えず、その夜も采秀を嫁がせる嫁がせないで大喧嘩になってしまう。見かねた端木翠は夫から包丁を取り上げ、中庭の木めがけて放り投げた。「もうたくさん!これ以上、騒いだら成敗する!」翌朝、端木翠が目を覚ますと李年慶と夫人が木に刺さった包丁を抜こうとしていた。「うちには包丁が1本しかなくて…(⌒-⌒; )」しかし2人がかりで抜こうとしてもびくともしない。端木翠は自分に任せてくれと言ったが、法力がないため容易には抜けなかった。そこで両手で柄をつかみ思い切り引っこ抜いたが、勢い余って後ろに倒れてしまう。その時、展顔が駆けつけ、端木翠を抱き止めた。「展顔!」「草盧を片付けた、帰ろう」端木翠は草盧で身なりを整え、展顔と朱雀街に出かけた。久しぶりに幸せな時間を過ごす端木翠と展顔、しかしその裏で突如、崇(スウ)城の門が開き、封印されたはずの江文卿(コウブンケイ)が沈淵から戻って来る。あれから江文卿は玄天傘(ゲンテンサン)から脱出しようとやみくもに法術を放っていたが、思いがけず蓬莱図が外れ、自分の身体に取り込むことに成功していた。蓬莱図の威力は絶大、江文卿は玄天傘を破壊し、現世に戻ってしまう。「何人たりとも私の歩みを止められぬ!わっはははは~!」蓬莱では祈祷のため神仙たちが集まっていた。天道に衆生の多幸を祈り拝礼する神仙たち、すると突然、天の光が現れる。「天道が降臨し、幸福をもたらすぞ!」しかし天の光から突然、お告げが聞こえた。「己の務めを果たさず、初心を忘れた神仙たちよ…祈祷しても幸福は得られないぞ」「え?天道が話しましたよ?」小天(ショウテン)が唖然としていると、その時、天道使君を名乗る神仙が現れる。「皆の者、千年振りだな、元気だったか?」天道の使者を名乗る神仙は丞相・江易(コウイ)だった。江易を装った江文卿は龍族の力を取り込んでいたため、天雷に見舞われた。しかし咄嗟に蓬莱図の力を使って天雷を封じ、難を逃れる。神仙たちは騒然としていたが、江文卿は千年前に端木翠に神位を譲ったことが天道に認められ、天道使君に任命されたと嘘をついた。その時、偶然にも人間界から良縁を願う声が届く。江文卿は姻縁とは月老が与えるもので人間が求めるものではないと憤慨し、その願いを粉砕した。江文卿は月老の怠慢を叱責、見せしめに良縁を願っていた文曲星君・張文饗(チョウブンキョウ)を召喚した。すると文曲星君が自分の身体で養っていた幽族を無理やり引き離してしまう。「肉体すら持っておらぬ虫だ…最後の機会をやろう、殺せ!さもなくば神位を奪う」「季笙(キショウ)はただの虫です、とても善良だ、長年、私のそばにいてくれました…」文曲星君は殺すと見せかけて愛する季笙を逃したが、江文卿に神位を取り上げられてしまう。一方、人間界では思い詰めた様子の李采秀が桟橋にいた。「私の気持ちも考えず嫁に行けと口うるさく言う…私が李家の恥だというなら死んでやるわ」江文卿は張文饗から神位を奪い、人間界へ落とした。天道使君の横暴なやり方に月老は猛反発、すると江文卿は蓬莱図の力を使って月老から法力を全て奪い取ってしまう。「しかと役目を果たさぬ者はその力を返さねばならぬ」しかし月老は天道を振りかざしてみだりに罰しているだけだと言い返した。「丞相ではない、丞相ならこんなむごいことをしない!」驚いた楊鑑は月老を擁護しようとしたが、月老は司法星君まで巻き込まないよう止めた。「…私は人間界に降り、人間として罪を償います」江文卿は蓬莱を手中に収め、蓬莱図の凄まじい力を実感した。そこで人間界における重要な場所に自分の神像を安置するよう命じ、人間や神仙の行いを監視するという。つづく( ๑≧ꇴ≦)待て待て待て〜天道どうした?!w
2023.02.02
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 2第12話…現世の啓封(ケイホウ)今日も司法星君・楊鑑(ヨウカン)は人族を故気(コキ)から守っていたすると蓬莱(ホウライ)から神獣・小天(ショウテン)が駆けつけ、命の火が消えてしまうと報告するそこで燭台の映像を見せたが、驚いたことに炎が復活していた「消えた火が再び灯った?…死と再生を表しているのか」しかし楊鑑も小天も誰が死んで生き返ったのか思い出せなかった…展顔(ヂャンイェン)は棺に寄り添いながら、今にも沈淵に消されそうになっていた。「端木…どこへ行こうと君のそばにいる…」その時、ついに目を覚ました端木翠が手を伸ばし、展顔の指にそっと触れる。すると展顔の身体が復活、愛しい端木翠を抱きしめ、再会を喜んだ。生き返った端木翠は神位が復活したおかげで記憶を全て取り戻していた。沈淵を開くと同時に神位が消え、千年前の自分と一体化した端木翠。そのため記憶も封印されたが、今回の功績が認められ神位が復活したという。しかも今回の神位の主は端木翠本人、そのため目覚めることができたのだ。「それにしても展顔、無茶したわね?沈淵に消されかかったのよ?」「私は君を諦めない、そして君も私を見捨てない…ふふ」しかしその頃、沈淵に消されかかっていた江文卿(コウブンケイ)も助かっていた。するとふもとの方から終戦に歓喜する人族と幽族たちの声が聞こえてくる。江文卿は歴史が変わったことを知り呆然、端木翠が復活したと分かった。端木翠は現世へ持ち帰る解毒薬を集めることにした。故気は怨念が変じたもの、解毒するには死者の魂を慰めて生者の希望を持ち帰るしかない。端木翠は最後に展顔と一緒に端木村へ戻った。しかし高台から故郷を見下ろすだけで村に入ることはない。「沈淵での私は死んだ、それにすぐ去るのにまた皆を悲しませてしまう」虚構であっても懐かしい故郷、展顔は端木翠が家族と離れ難いのだと分かった。すると展顔が急に短剣を取り出し、自分を髪を切る。「私と生涯を共に…君の故郷で変わらぬ愛を誓う、応えてくれるかい?」端木翠は展顔の真心に感激し、自分も髪を切って展顔の髪と一緒に結んだ。「展顔、これは愛の証よ…裏切らないでね」「約束する」その夜、兵営に戻った展顔は端木翠のため天灯を作った。…明日、私たちは啓封に帰る、千年前の君と仲間たちにも出会えた…現世の安寧のために戦ってくれてありがとうすると突然、江文卿が現れた。展顔は巨闕(キョケツ)を手にしたが、義父は犯した罪の数々を償いたいと訴える。「どうかしていた…全てやり直そうと必死でむごいことを…ウッ…」江文卿は泣き崩れ、命をもって償いたいと短剣を握りしめた。驚いた展顔は義父の手をつかんで自害を止めたが、江文卿はその剣で展顔の肩を突き刺してしまう。「案ずるな、死にはせぬ」江文卿は崇(スウ)城で盗んだ噬心咒(ゼイシンジュ)で展顔を呪い、自分に刃向かえば死ぬと脅した。「端木翠を殺せ、端木翠が死ねば神位は私のものになる」温孤(オンコ)たちが崇城を明け渡す日がやって来た。端木翠は物陰から温孤たちを見送ると、展顔を神仙にして沈淵を出ることにする。しかし祭壇で江文卿が待っていた。江文卿は蓬莱図をはめ込んで冊封の準備を始めると、突然、展顔に端木翠を殺せと命じる。すると展顔が急に端木翠に襲いかかった。「展顔!私よ、端木よ!」展顔は呪われながらも必死に抵抗、端木翠の呼びかけで我に返った。憤慨した江文卿は展顔が噬心咒に呪われていると端木翠に明かし、解毒薬がなければ死ぬと脅す。「私が神仙になるのだ!私はどんな代償を払ってでも街の秩序を取り戻す! 時を巻き戻してでもやってみせる!天地を変えるのだ!」「端木…たとえ私が死んでも要求に応えるな…」展顔は端木翠に早く脱出するよう訴えたが、端木翠は愛する展顔を救うため神位を譲ると決めた。「私から神位を差し出す!…私、端木翠は江文卿が神仙となり、永遠の命を得ると保証する!」すると端木翠の神位が江文卿へ譲渡された。神仙となり蓬莱へ上り始める江文卿、しかしその時、端木翠が乾坤袋から古代の神器・玄天傘(ゲンテンサン)を放つ。玄天傘は神仙だけを封じ込める神器で、万能の神にでもならない限り永遠に出ることはできなかった。「騙したな!」「多くの命を奪った罪を償って、蓬莱の夢でも見ながらここで生き続けなさい!」端木翠と展顔は沈淵の入り口に到着した。神位を譲ることで江文卿を封印した端木翠、そのせいで自分の神位を失い、法力も消えてしまう。…二度と蓬莱には戻れなくなった…しかしこれが最良の選択だったと自分に言い聞かせるように端木翠は展顔と手をつないで沈淵を出た。…全て失っても死ぬまでずっとあなたと離れたくない…そして2人は無事に現世へ戻った。端木翠と展顔が啓封に帰って来た。その時、ちょうど青花(セイカ)上仙と出くわしたが、青花は自分の主人に気がつかない。「どこかで見たような…はっ!…主人!お帰りなさい!」すると端木翠は城楼へ登り、解毒薬を雲に乗せて空に放った。「頼むわね、故気を消して平穏を取り戻して…」故気はいよいよ蓬莱にまで忍び寄っていた。楊鑑や上官策(ジョウカンサク)たちは懸命に民たちを守っていたが、その時、青空にも関わらず急に雪が降って来る。すると驚いたことに故気が消え、殺気立っていた民たちが穏やかになった。楊鑑はこれがただの雪ではなく沈淵の解毒薬だと気づき、端木翠が戻ったと気づく。その時、端木翠と展顔が朱雀街に現れた。上官策は思わず展顔に抱きついて再会を喜んだ。すると楊鑑も端木翠を労い、沈淵の話は蓬莱への帰り道で聞くという。しかし端木翠は帰れないと断った。「沈淵で展顔を失いかけて分かったの…展顔と生きて行く」つづく( ;∀;)やっと帰ってきた~
2023.02.01
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 2第11話人族と幽族の決戦を前に展顔(ヂャンイェン)は楊鑑(ヨウカン)を訪ねた。実は戦を望んでいない端木翠(ダンムーツェイ)のため、独りで幽王・温孤(オンコ)の説得に行くという。話を聞いた楊鑑は確かに義妹なら他人を守るため自分を犠牲にしかねないと気づいた。「ですから苦しめたくない、私の崇(スウ)城行きは秘密にしてください」展顔は単身で崇城に乗り込み、停戦を訴えた。しかし温孤は和議を装って母を殺し、黒幕を捕らえたと言っては空の檻を寄越した人族を2度と信じられないという。「温孤、お前とは兄弟であり友でもある、戦場で殺し合うなどバカバカしい」「…ならば江文卿(コウブンケイ)を殺し、人族の誠意を見せよ」すると展顔は江文卿が実は自分の義父だと明かした。「どうしても憎しみが消えないなら私を殺してくれ それでお前の恨みが晴れ、戦が終わるなら本望だ、悔いはない」決戦の朝、温孤たちは城門の前に陣取って人族軍を待ち構えた。すると端木翠がたった独りでやって来る。「償いに来た、私の命で人族の罪を償う 温孤、あなたは統領の首を差し出せば和議を結ぶと言った、だから来たの 私の命と引き換えに戦を終わらせて…温孤、あなたと戦いたくない あなたは友だもの、今までもこれからも、ずっと変わらない、私がこの戦に終止符を打つ」…沈淵は私が開いた、だから私が終わらせなくては、開いたことが過ちなら自分で正すわ…しかしそこへ楊鑑が人族軍を連れて駆けつけた。楊鑑は勝手に兵営を離れた端木翠を叱り、強引に連れ戻そうとした。しかし端木翠は拒否、短剣を出して自分の首に突きつける。温孤は慌てて止めたが、その時、突然、幽族軍が弓矢の襲撃を受けた。幽族はやはり人族に騙されたと誤解、反撃してしまう。実は決戦の火蓋を切って落としたのは草むらに隠れて矢を放った江文卿だった。紅鸞(コウラン)は拘束していた展顔を連れて城外へ出た。「やはり戦は避けられなかった…」「止めなければ…縄を解いてくれ!温孤や端木が死ぬのを見たいのか?!」すると紅鸞は展顔を解放し、急いで戦場へ向かった。温孤は敵将である楊鑑と一騎打ちになった。激しい攻防が続く中、やがて2人は決着をつけるべく互いに走り出し、相討ちの様相となる。しかし突然、2人の間に端木翠が飛び出し、温孤の剣と楊鑑の長槍が端木翠の身体を突き刺した。(´゚ω゚):;*.’:;.. グフッ!ブハッ!温孤と楊鑑は武器を捨て、端木翠に駆け寄った。そこへちょうど展顔と紅鸞も到着、しかし端木翠は展顔の目の前で崩れ落ちるように倒れてしまう。端木翠は風前の灯となったが、必死に停戦を呼びかけた。すると温孤が幽族に直ちに戦いを止めるよう命じ、楊鑑も兵を退くと約束する。「展顔…」「ここにいる、ずっとそばにいるよ…端木、私を置いていかないでくれ…」展顔は端木翠を抱きしめた。「江文卿との話を聞いたの…仕組みは分かった…私が消えればあなたは本物の彼女に会えるのね」「私には君こそが、今もこれからも変わらず誰よりも大事な人だ…」「…できることなら啓封(ケイホウ)の街を見てみたかった 草盧(ソウロ)での暮らしも想像してみたの…2人で一緒に…年を重ねるのよ…」「私が君を連れて帰る、今すぐ啓封へ帰るんだ」「展顔…縁があれば…また…会えるわ…」端木は最期に展顔の耳元でそう囁き、事切れた。…現世の蓬莱(ホウライ)端木翠の命の火を見守っていた神獣の小天(ショウテン)は炎が小さくなっていることに気づいたそこで霊力を使って懸命に守ろうとするが、焼け石に水だと気づく(´・ω・`)<どうしよう…端木翠の亡骸は兵営に戻った。棺に横たわる端木翠、すると付き添っていた展顔の身体がいよいよ沈淵に消されそうになる。「(はっ)…端木、私はもうすぐ消える、君が起きないならこのままそばにいるよ」すると足音が聞こえ、展顔は慌てて隠れた。楊鑑が弔いにやって来た。「端木…私だ、大哥はお前が恋しい」楊鑑は自分が誠意をもって温孤と向き合おうとしなかったせいだと嘆く。すると展顔が現れ、端木翠も楊鑑を責めたりしないと慰めた。「展顔、一睡もせず付き添っていたんだな、休んだ方がいい、私が番をしよう」「そばにいます、目覚めた時、私が目に入るように…」「展顔、端木はもう死んだ」しかし展顔は頑なに眠っているだけだという。その時、温孤と紅鸞が衛兵をなぎ倒し、天幕に乗り込んできた。温孤は最後に一目、端木翠に会わせて欲しいと頼んだ。兵士たちは端木将軍の敵だと怒号を響かせたが、展顔は和平の実現のため犠牲になった端木翠の前で争うのかと憤る。「下がれ!」楊鑑が一喝すると兵士はあきらめた。温孤は家族であり友であった端木翠の死を悼んだ。「私が恨みで我を忘れてしまったせいだ…すまない」しかし楊鑑は江文卿に騙されて和議を潰した自分にも責任があるという。すると展顔は端木翠の苦労に報いるためには両族が矛を収めるべきだと訴えた。温孤は実は和議に応じると伝えに来たと話し、大切な人を亡くすのも民を苦しめるのも終わりにしたいという。「楊将軍、幽族は拠点を移し、二度と崇城へは戻らない」「…分かった、幽族の民が崇城で暮らすことを認める、平和に共存しながら助け合おう」一方、崇城では桃花の幻境で幸せに暮らす先王の姿があった。すると温孤が現れ、幽族を操れる宝器を奪うため父王を殺してしまう。その様子を王宮に潜入した江文卿が見ていた。しかし先王を殺したのは温孤に成りすました蜥蜴(トカゲ)妖・越龍門(エツリュウモン)だと知る。「私を愛玩物として扱いやがって…恨まれないとでも思ったか? 殺しても足りないほどお前が憎い!だがこれからは私が幽族を率いる、私だって王になれるさ! ぶはははは~!…うっ!」その時、背後から忍び寄って来た江文卿がいきなり越龍門を刺し殺し、宝器を奪ってしまう。…これがあれば冊封の祭壇に上がることができる…江文卿は宝器の力を利用して祭壇を守っていた幽族兵を始末した。そして江易(コウイ)から奪った蓬莱図をはめこみ、いよいよ神仙に冊封される時が来る。しかし史実通りにもかかわらず蓬莱図に誰の名も現れなかった。するとやがて蓬莱図は″端木翠を神仙に封じる″と命じる。「どこで誤差が生じた?!千年前と何が違うのだ?!」実はその頃、温孤と楊鑑が両族の和議を結んでいた。何も知らなかった江文卿は沈淵に消されそうになりながら、ふと神位には主がいると思い出す。「つまり端木翠が自ら神位を譲らない限り私は…ギギギ…諦めんぞ!」その頃、端木翠はあの夢の中にいた。するとチョコヌーバの身体が消散し、現世の端木上仙が現れる。端木翠は眠っている上仙を起こすと、これで展顔に想い人を返せると安堵した。↓端木、シーズン1を思い出すwつづく・:*+.\(( °ω° ))/.:+*:・起きたぁぁぁぁ!
2023.01.31
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 2第10話江易(コウイ)の遺体を発見した展顔(ヂャンイェン)は今すぐ江文卿(コウブンケイ)の陰謀を阻もうと決めた。しかしその前に意を決し、端木翠(ダンムーツェイ)に全てを明かすことにする。「実は江文卿は私の義父、千年後から来たんだ…」義父を殺した江文卿は江易の生まれ変わりだった。展顔は千年の間に何が起きたのか伝えた。觳閶(コクショウ)が戦死した後、端木翠が出陣した弔い合戦で人族はほぼ全滅するも勝利し、諸将は神仙に冊封されるという。幽族は幽閉されたが千年後、温孤(オンコ)によって解放され、温孤が故気(コキ)を用いて作った幽毒が原因で三界は崩壊の危機に瀕していた。江文卿はこれも神仙たちが役立たずなせいだと憤慨し、冊封をやり直すつもりだという。「つまり己が神仙になり、三界を統べようと考えている」摩訶不思議な展顔の話、しかし端木翠は展顔が決して自分を騙さないと確信していた。端木翠はまず義兄・楊鑑(ヨウカン)に真相を伝えることにした。そこで墓地へ案内したが、展顔に気づいた楊鑑が思わず剣を抜いてしまう。すると展顔は潔白を証明するために来たと訴えた。「大哥(ダーグァ)、あそこを見て」端木翠は兵営にいる丞相が偽物で、あの遺体が義父だと教えた。にわかに信じられない楊鑑、しかし遺体の肩や腕の傷を確かめ、義父の死が事実だと分かる。実は楊鑑は子供の頃、戦の最中に崖から落ちたことがあった。その時、楊鑑を救出した義父は肩を岩にぶつけて骨を折り、すぐ手当てしなかったせいで今も骨が出っ張っているという。江易は楊鑑が負い目を感じないようずっと秘密にして来たのだ。また遺体の左腕に残る傷跡は幽族の襲撃から楊鑑をかばって斬られた時のものだった。楊鑑は義父を守れず泣き崩れたが、端木翠は義兄の責任ではないと慰める。「今すぐ江文卿の罪を暴きましょう!」3日後、江文卿は觳閶の棺を前に出陣式を行った。「端木!ただちに觳閶の弔い合戦を行え!」しかし端木翠は拝命せず、本当なら幽族と和睦し、觳閶や阿弥(アビ)たちが死ぬこともなかったと嘆く。「お前のせいだ…故意に和議を潰し、戦を起こしたな?! お前が幽族にありもしない罪を着せて惨劇を招いた!」端木翠は丞相を名指しで非難し、棺のふたを開け放った。棺の中には觳閶ではなく江易の遺体が横たわっていた。騒然となる兵士たち、しかし丞相は死体ごときで自分を陥れるつもりかと激高する。すると展顔が本物の丞相だというなら長年の戦でできた無数の古傷を見せるよう迫った。焦った江文卿は自分が殺したという証拠はないと反発する。そこで展顔は一緒に埋められていた凶器の短剣を出した。「これは柄(ツカ)の部分に縄を巻かないと自分の手まで傷つけてしまう」展顔は試しにその短剣で棺を刺すと、握っていた場所が切れて血が流れる。「あなたの手にも同じ傷があるのでは?」端木翠は隙を突いて丞相の手を捻り上げると、確かに手のひらに傷があった。楊鑑はその場で義父の敵を討とうとした。しかし端木翠が止め、調べてからでも遅くないとなだめる。「投獄しろ!」こうして江文卿は拘束され、連行された。すると去り際、江文卿が展顔に警告する。「残された時間は長くない、考え直してはどうだ?…あとで会いに来い」江文卿の処遇について将軍たちの意見が分かれた。楊鑑はこの手で復讐を果たしたいが、士気が下がった兵士たちは幽族に引き渡すよう進言する。そんな中、幽族に襲撃された兵士が血まみれになって戻って来た。すると江文卿を幽族に渡して和議を求めるべきだとの声が大きくなる。端木翠も両族の和平を願っていた義父のため、江文卿を引き渡して戦を終結させたいと願った。しかし楊鑑は温孤(オンコ)が再び和議を受け入れてくれるとは思えないという。「大哥、とにかくやってみましょう」楊鑑はしばし考えたが、結局、江文卿を崇城へ送ると決めた。展顔は義父に面会した。すると江文卿は沈淵が端木翠の開いた虚構の世界に過ぎないと思い出させる。「千年後の啓封(ケイホウ)こそが現実の世界なのだ、啓封を守るため沈淵の者を傷つけても問題あるまい」「啓封であれ沈淵であれ、どこにおいても正義は変わりません 沈淵にいる者も血が通い、感情を持っています」そこで江文卿は自分が引き取った時、展顔は実の父と思って接すると言ったはずだと情に訴えた。展顔も不本意ではあったが、義父はあまりに執着が強く頑迷過ぎるという。「頑迷なのはお前だ!端木翠はいまだに目覚めぬ、このままでは我らが苦しみ続けるだけだぞ? このままどんどん弱って完全に身体が消えたら、我らは現実の世界からいなくなる!」その時、展顔と江文卿の身体に異変が起こった。それでも展顔は大勢を犠牲にしてまで生きたくないという。江文卿は仕方なく崇城を攻めなくても別の方法があると教えた。「端木翠の記憶を取り戻し、神位を譲るよう説得しろ、さすればお前たちを連れて沈淵を出る」「…義父、お元気で」展顔はまさか2人の話を端木翠が立ち聞きしていたとも知らず、牢獄をあとにした。崇城に人族の使者がやって来た。温夫人殺害の黒幕を捕らえたため、和睦したいという。そこで使者は江文卿を引き渡すことにしたが、いざ幕を外してみると檻はもぬけの殻だった。実は江文卿は檻の中で一瞬、全身が消え、これを利用し脱出に成功する。…この機会を断じて逃さぬ…一方、再び人族に騙された温孤は激怒、使者の遺体を送り返し、和議を望むなら統領の首を差し出せと迫った。いよいよ避けられなくなった人族と幽族の戦い、楊鑑は温孤の宣戦布告を受け、明日、決戦を行うと決める。「端木、我らは戦うしかないのだ、他に道はない、戦わねば死ぬ」しかし展顔はまだあきらめていなかった。…端木、何としても戦を阻み、君を無事に啓封へ連れて帰る、そして故気を消して皆を救おう…その夜、展顔は落胆する端木翠を慰めた。「まだ間に合う」「…そうね、道がなければ切り開けばいい」展顔は思わず端木翠を抱きしめたが、この時、端木翠は密かに決心していた。…展顔、決めたわ、ここが私の開いた沈淵なら私が終わらせるべきよ…もし両族が恨みを捨て矛を収めれば、端木上仙が目覚め、あなたも幸せになれる…そのためなら死んでもいい端木翠は全てを失う前に親しい人に別れを告げた。阿弥の墓には母の形見のかんざしを残し、これがあれば来世で阿弥を探せるという。…阿弥、さようなら…また義兄の幕舎を訪ね、その凛々しい姿を目に焼き付けた。…大哥、ごめんなさい、しっかり生きてね…その頃、展顔は独り崇城に向かっていた。展顔は密かに楊鑑へ温孤を説得に行きたいと申し出ていた。『端木のためです、一方が家族で一方は友、端木は誰よりも双方が傷つくことを望んでいません』楊鑑は義妹が勝気に見えて実は誰より優しいと知っていた。『自分が犠牲になっても他人を守るところがある…』『ですから…』つづく( ๑≧ꇴ≦)あと少しで目覚めるぅぅぅぅ〜?!
2023.01.26
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 2第9話端木翠(ダンムーツェイ)は展顔(ヂャンイェン)を助けるため牢を破った。すると展顔から和議の当日、丞相の幕舎で江易(コウイ)の遺体を発見したと告げられる。しかし丞相はすでに証拠を隠滅していた。端木翠は衝撃の事実に呆然となったが、道理で丞相が葬儀も行わず、急いで兵士の亡骸を埋葬したのか合点がいく。「…なるほど、証拠を消すためか」展顔も江文卿(コウブンケイ)が江易の遺体を兵の骸に紛れ込ませ、一緒に葬ったと気づいた。ならば江易の遺体は墓地にあるはず、見つけ出せれば崇(スウ)城の決戦を阻めるだろう。そこで展顔は墓地へ、一方、端木翠は崇城に向かい、義兄・楊鑑(ヨウカン)と觳閶(コクショウ)を説得して時間を稼ぐことにした。「私が遺体を発見したら君と合流する、それまでは慎重に動こう」その頃、温孤(オンコ)は決戦を前に母の位牌を拝んでいた。母は真の強さとは愛の力で弱者を助けることであり、もし父のように冷酷非道になればいつか後悔すると教えてくれたが、結果、人族を信じて母を失ってしまったと嘆く。「…天から敵討ちを見守ってください」そこへ紅鸞(コウラン)が駆けつけた。「王上、人族の大軍が攻めて来ました」「全兵力を結集し、迎え撃つぞ!」崇城で幽族軍と人族軍がついに激突した。人族軍は砲弾で先制攻撃、幽族に打撃を与えたところで一斉に飛び出して行く。その様子を江文卿は馬車から満足そうに見ていた。…心待ちにした崇城の決戦がようやく始まった、これで筋書き通りだ…すると右軍率いる蚊夫婦が敵将の觳閶に狙いを定めた。觳閶は蚊女を仕留めたが、逆上した蚊男が背後から襲いかかり、相討ちになってしまう。觳閶は力尽き、ばったり倒れた。「觳閶が命を落とした、一旦、退くぞ…全員、兵営に戻れ!」丞相の護衛を務める楊鑑(ヨウカン)は耳を疑ったが、江文卿の号令で角笛が響き渡った。…千年前と同じく觳閶が崇城で戦死した…このあと端木翠が弔い合戦をすれば、私は近々、神仙を冊封できる端木翠が崇城に到着した時にはすでに戦が始まり、辺りは兵士の骸で埋め尽くされていた。その中には戦死した仲間の名札を身体に巻き付け出陣した岳老(ガクロウ)の骸もある。端木翠は悲しみをこらえ馬を進めると、その時、絶命した觳閶を見つけた。幼なじみであり戦友だった觳閶の死、端木翠は觳閶を抱きしめ、無力感に苛まれる。その時、楊鑑たちが駆けつけた。「妹子!逃げるぞ!」しかし端木翠は觳閶を手放せない。するとついに幽族が追いつき、包囲されてしまう。そこへ温孤と紅鸞がやって来た。端木翠は誤解だと訴えたが、母を殺された温孤は人族を滅ぼすまで戦うという。「時間をちょうだい、必ず説明する」「…いいだろう、君は私の恩人だ、今回だけは見逃す、だがこれで恩は返した 端木将軍、次に戦場で会った時は容赦せぬ」丞相は觳閶の無念の死を利用し、端木翠を追及した。そもそもこの悲劇は温孤を信じた端木翠の責任だという。「兵営に残れと命じたな、なぜ軍令を破った?!しかも展顔を逃したな?!」「それが何か?!なぜ展顔を恐れるのです?!」義父が偽物だと知る端木翠は思わず感情的になり反発、江文卿の逆鱗に触れた。驚いた楊鑑は咄嗟に間に入り、端木翠も悲憤のあまり口答えしただけだとかばう。すると江文卿は端木翠に過ちを償う機会を与えると決め、3日後に出陣して弔い合戦を行えと命じた。「觳閶の敵を討つのだ!」端木翠は困惑したが、展顔が江易の遺体を見つけるまではこらえなくてはならない。「拝命します!今すぐ戦の準備を!」…よし、何もかも全て私の思惑通りだ…江文卿は安堵したが、身体の異常は日増しに顕著になっていた。楊鑑はいつも慎重な義父がなぜ端木翠に出陣を命じたのか不可解だった。そこで義父に尋ねてみたが、江文卿は苛立って思わず声を荒らげてしまう。「時間がない!」「…どういう意味です?」江文卿はうっかり口を滑らせ、咄嗟に兵士の士気が下がっては戦う前から負けてしまうと説明した。すると楊鑑は端木翠の代わりに自分が出陣すると嘆願する。しかし義父は頑なに端木翠にこだわった。楊鑑は最近の義父の性格が豹変したと訝しみ、ふと展顔の言葉が頭をよぎる。『丞相は偽物だ!』だがこれほど似た人間が本当に存在するだろうか。一方、端木翠は展顔を探しに墓地にやって来た。するとふと幼い頃の記憶が蘇る…あの時、父を亡くした端木翠は墓地で悲しみに暮れていた娘を探しに来た母は端木村の後継者として強くなるよう諭し、父といつか再会できると慰めるしかし村人たちが現れ、2人は陪葬を強要された母と生き埋めにされた端木翠は恐怖のあまり泣き叫び、棺の中でもがき続けていたが…「やめて!…やめてえええ!(はっ)」端木翠は正気に戻ると、呆然と仲間たちの墓標を見つめた。…将軍失格ね、展顔も見つけられず、証拠もつかめない、何て無力なの…その時、どこからともなく土を掘っている音が聞こえて来た。端木翠がもやの中を進んでいくと、ふらふらになった展顔が急に現れた。「展顔!大丈夫?!」「…見つけた」すると展顔の視線の先に兵士の鎧をつけた江易の遺体があった。「義父…そんな…」…現世の啓封(ケイホウ)府江夫人は自分が作った香袋のおかげで夫を思い出していたすると故気(コキ)に侵された侍女に襲われ、危ないところを鶴雪(カクセツ)に助けられる上官策(ジョウカンサク)は鶴雪に感謝し、このまま啓封に残るよう勧めたしかし幽族が故気に侵されれば人族にとって大きな狂気となる鶴雪は幽族を連れて啓封を去ると決意した『幽族を差別しない上官大人に感謝します、だからこそ迷惑をかけたくないの』そこで鶴雪は自分の羽根を使って作った筆を贈った鶴族の魂が宿っているため、これで字を書けば色あせないという『ありがとう、一生の宝物にするよ』美しい鶴が飛び立ったそこへ司法星君・楊鑑がやって来る『故気が消えれば鶴雪も戻って来るだろう』すると上官策は星君の佩玉に″端木翠″と彫られていることに気づいた楊鑑は照れ隠しに端木翠を労う贈り物だとごまかし、沈淵から戻ったら義妹に渡すという…端木翠は展顔を端木営で休ませた。すると寝台に横たわった展顔の身体が消えたり戻ったりしている。…展顔、あなたの身体はどうなっているの?独りで多くを抱え込んでいるのね…私の身近な人は次々と逝ってしまった、あなたまで失いたくないその時、展顔の意識が戻った。展顔は自分の身体のことはいずれ説明すると伝え、崇城はどうなったのか聞いた。すると端木翠は戦を止められなかったと肩を落とす。到着した時にはすでに觳閶や岳老、多くの兵が亡くなっていた。しかし江易の遺体を見つけた展顔は今すぐ江文卿の陰謀を阻もうと提案する。「江文卿って何者?義父を殺すなんてどんな恨みがあるというの?!」つづく(:3[__].oO(現世に戻ったら起こしてください
2023.01.25
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 2第8話江文卿(コウブンケイ)の策略で人族と幽族の和議は破綻した。しかし戦場と化した屋舎に江文卿を人質にした展顔(ヂャンイェン)が現れる。「この人は丞相ではない!丞相を殺して成り代わった偽者、和議は温孤(オンコ)を陥れる茶番だ!」展顔は幽族を逃すよう要求、端木翠(ダンムーツェイ)に温孤と紅鸞(コウラン)たちに罪はないと訴えた。判断に迷う端木翠だったが、どちらにしても義父が人質に取られていては手出しできない。すると江文卿はやむを得ず温孤たちを逃すよう命じた。幽族は無事、解放された。そこで展顔は江易(コウイ)が殺されたと説明しようとしたが、再び手がうずいてしまう。江文卿は展顔の異変に気づいて目配せ、すると觳閶(コクショウ)が動揺した展顔の一瞬の隙をついて右胸を刺した。「展顔!」驚いた端木翠は慌てて展顔に駆け寄り、配下の問題は自分が責を負うとかばう。しかし江文卿は端木翠を調査から排除すると言い渡し、ともかく兵士の骸を連れ帰り、葬るのが先だと言った。「他の件は改めて話し合おう」崇(スウ)城へ戻った温孤は母の突然の死に絶えられず、酒をあおった。桃花の幻境にいる父は母の訃報を知らず、幻の妻と幸せに暮らしている。紅鸞は何か裏があるはずだと怪しんだが、温孤は自分が人族を信じたせいだと嘆いた。「私が母を殺した、私を信じて従ってくれた仲間たちも死なせてしまった…全て私のせいだ」兵営に戻った丞相は一方的に温孤が和議を反故にして襲って来たと説明した。温孤の母は人族だが、もとは医者で毒に精通し、夫人が薬で先王を錯乱させたという噂もあるという。「このまま穏便には済まさぬ、崇城攻めは不可避、決めたぞ、すぐ出陣だ!」端木翠は反対したが、丞相は人族の損失と兵たちの士気を回復させるため、崇城を何としても落とすと奮起した。「觳閶!指揮官として一切を任せる!」端木翠は腹心の阿弥(アビ)を失い、孤独に苛まれた。幕舎に戻り涙に暮れる端木翠、しかし慰めてくれる展顔もいない。その頃、江文卿は牢ではりつけにされた展顔と面会していた。「この親不孝者め」「何と言われても江易の殺害は見過ごせません、罪なき兵を死なせたことも…」「それがどうした?…お前の言い分を信じるものなどおらぬ」江文卿はすでに江易の死体を処理し、切り札となる証拠を消していた。「神位を手に入れたら必ず逃してやる、私と共に沈淵を出て啓封(ケイフウ)に帰ろう」「義父、引き返しましょう、このままでは後悔します」しかし江文卿は自分が間違っていたことなどないと断言した。端木翠はひとしきり泣いた後、改めて現場の様子を思い返した。温孤は江易が毒酒で自分を殺そうとしたと訴え、展顔は義父が偽者だという。しかし義父は温孤が酒も飲まずに毒酒だと言いがかりをつけ、襲って来たと説明した。「阿弥…真実はどこにあるの?誰を信じればいい?」すると端木翠は和議の前日に丞相の幕舎を訪ねた時、義父が砂盤(サバン)を見ていたことを思い出す。和議を結ぶなら戦術など必要ないはずだ。そこで展顔に会ってみることにしたが、ちょうど尋問を終えた義父と鉢合わせになり、追い返されてしまう。…なぜ展顔に会わせてくれないの?義父は何か隠しているみたい…崇城では幽族が温夫人の弔いに集まっていた。温孤は母を守れなかったと嘆き悲しんだが、配下は悪辣な人族のせいだと恨みを募らせる。平和を願っていた蚊女もさすがに敵を取るべきだと訴え、蚊男も出陣を命じてほしいと嘆願した。しかし紅鸞は和議の場にいなかった端木将軍は何も知らなかったはずだと訴え、恐らく丞相と高伯蹇の陰謀だったと判断する。その時、斥候が戻って来た。「王上!江易が展顔を我らと結託した罪で投獄、觳閶に崇城攻めを命じました!」紅鸞は早まらないよう諫言したが、温孤はついに決断した。「戦闘の準備だ!」端木翠は義兄の楊鑑から当時の状況を聞いた。しかし屋舎の外で待機していた楊鑑も争いの発端を見ておらず、事実を知るのは義父と温孤しかいないと知る。楊鑑は義父より温孤と展顔を信じるつもりかと責めたが、端木翠は不審な点が多すぎると反発した。すると憤慨した楊鑑は端木翠を追い出し、再び戦術会議に戻ってしまう。江文卿は幕舎で決起集会を開いた。「必ず崇城を落とす!血みどろの戦いになるだろう!」「死んでも丞相についていきます!死闘を制し、恨みを晴らします!」「よく言った!」兵士たちは弔い合戦だと怒号を響かせたが、その様子を見ていた端木翠は困惑した。…己を責めるふりをして実は幽族の罪を訴え、兵の憎しみをあおっている、まさか?!…そこで端木翠は義父に鎌をかけることにした。「…私が10歳の時、義父から乗馬を習いましたね 落馬した私を助けて脚を怪我して以来、馬に乗ってはおられません いつも兵営で指揮されるのに、こたびは出陣するとか? 古傷が心配です、攻撃を控えられては?」「案ずることはない、軍医も同行しておる、人族の将来を思えば大したことはない」「もう決められたのです、では失礼します」実は江易は端木翠が幼少の頃、幼いうちはまだ危険だからと乗馬を禁止していた。覚えていないのは展顔が言っていた通り、義父が偽者だからなのか。するとその夜、端木翠は再びドロヌーバ@32話の夢を見た…『一体、何なの?!なぜまたここに?!』『ここは沈淵だ、自分が眠っている場所に戻ってくるのは当然だろう?』実は枯葉に覆われて倒れている女子は神仙になった端木翠だった端木翠は自分に良く似た女子が目覚めれば展顔が話していた虚構の世界が崩れ、現実に戻れると気づく『お前が虚構の人間でも起こす勇気があるか? お前と沈淵は一体だ、彼女を起こせばお前は消える お前の大事な者の顔を思い浮かべてみろ、大切なものを全部、彼女に譲っていいのか? 現実を呼び起こせば当然、虚構は崩れ去る 起こしてはならぬ、起こせばお前は全て失ってしまう』…そこで端木翠は目を覚ました。↓今日、流行ったものも明日には消える…違うw展顔は牢の明かり窓から決起の声を聞いた。どうやら崇城攻めが始まるらしい。江文卿は神位のために歴史を繰り返そうとしていた。何としても戦況を凄惨極まるものにして当時と同じように觳閶を死に追いやるつもりだろう。すると展顔は身体の異変に気づき、もはや猶予がないと分かった。一刻も早く丞相の遺体を探し出して陰謀を暴き、戦を止めねばならない。…現世の啓封上官策(ジョウカンサク)は展顔を忘ないよう、机に文字を刻むことにした取り憑かれたように″展顔″と彫り続ける上官策、すると心配した江夫人がやって来る『展…顔…展…(はっ!)』『そうです、展顔を覚えていますか?顔児です!』江夫人は薄れゆく記憶の中で展顔を思い出し、机に置かれた香袋に気づいて懐かしんだ『他にも忘ていることが?…文卿?…文卿だわ…』江夫人は何かを思い出したように香袋を持って出て行ったすると上官策が机に刻み込んだ文字がまた消えてしまうそこへ司法星君・楊鑑がやって来た『天道の法則だ、消される運命ならいくら彫っても、いずれ消失する』『諦めません!』上官策は楊鑑が止めるのも聞かず、血がにじむ手で再び彫り始めた…一方、端木翠は人族軍が出征すると急いで牢獄に向かった。そして門番の気を失わせ、牢の鍵を盗む。「展顔!」つづく(  ̄꒳ ̄)ドロヌーバの転生はチョコヌーバって知ってる? ←全然、関係なくなっちゃってるw
2023.01.24
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 2第7話温孤(オンコ)が幽族の新王に即位したおかげで和議の話はとんとん拍子に進んだ。しかし丞相は調印式に端木翠(ダンムーツェイ)ではなく高伯蹇(コウハクケン)を連れて行くと決める。端木営が後方で待機だと知った展顔(ヂャンイェン)は困惑した。「高伯蹇にそんな大役を?」端木翠の話では丞相の配慮で幽族と戦ったことがある觳閶(コクショウ)と端木翠は外されたらしい。展顔は丞相らしからぬ決定に首を傾げ、最近の丞相の変化を訝しんだ。人族と幽族の和議は幽族が場所を指定し、人族が屋舎の設営を受け持つことで合意した。そこで江文卿(コウブンケイ)は楊鑑(ヨウカン)を幕舎に呼び出し、幽族が裏切った場合に備える必要があると訴える。「お前に頼みがある、お前は法術に詳しいな?幽族の力を削ぐ陣を知らぬか?」楊鑑はちょうど有効な陣を編み出したところだったが、制約が多いのが難点だと説明した。しかし江文卿はその陣を張るよう指示、どちらにせよ幽族が裏切らなければ杞憂に終わるという。「さすがは義父です」和議を明日に控え、阿弥(アビ)は帰郷してから慌てることがないよう、仲間たちの進路希望をまとめていた。縁談を望む者もいれば学問の道に進みたい者もいたが、阿弥は端木翠について行くと決めている。すると端木翠は戦が終われば将軍と配下ではなくなり、姉妹だと言った。「では一生、姉妹でいましょう」江文卿は日増しに体調が悪くなり、今日も激しい頭痛に襲われた。急いで机にある香袋で痛みを紛らせる江文卿、すると展顔がやって来る。「何だか妙な匂いがしますが…何の匂いでしょう?」江文卿は展顔に勘づかれたかと警戒したが、展顔は香の匂いだろうとはぐらかした。…濃厚な香でも消せない別の臭いが混ざっている…しかし幕舎に怪しい点は見つからず、端木翠が話していた新しい敷物だけが目立っていた。「頭痛に悩む知人を思い出しました、頭痛に効く按摩を習ったので施術しましょうか?」「ではやってもらおう」そこで展顔は丞相に鎌をかけた。「…義父、痛くありませんか?」「ああ~ちょうどいい、顔児、そのツボだ~(はっ!)」江文卿はうっかり口を滑らせたが、端木翠の配下なら自分を義父と呼んで構わないと誤魔化した。展顔は薄々、丞相の正体に気づき、丞相と自分の義父は似ていると牽制した。実は義父を助けたいと思っているが、何をしたいのか考えが分からないという。すると丞相は急に厳しい顔になり、按摩を続ける展顔の手を止めた。「…知られたくない理由があるのだろう」「それが過ちなら?」「表面だけで物事を判断するな、大局を考えた結果かもしれぬ 世の中には犠牲を伴って初めて得られるものがあるのだ」「義父はなぜ何も教えてくれないのですか?力になれるかもしれないのに…」「我が子を巻き込みたくないのだ、お考えあってのこと」「どうしても止められないと?」「…それは義父本人でないと答えられぬ」江文卿は展顔が自分の正体を疑っていると気づき、和議の日は兵営に残るよう命じた。和議の当日、丞相は会場の10里外に端木営と觳閶営を残し、警固につく楊鑑営だけを連れて行くことになった。待機を命じられた端木翠はやはり同席したいと嘆願したが、丞相は頑なに拒む。そこで端木翠は伝令兵として阿弥を楊鑑に付かせると決め、楊鑑も快諾した。一方、兵営の留守番を命じられた展顔は丞相の幕舎を探ることにした。すると留守にもかかわらず、頭痛のためだと説明していた香が焚かれている。…何か隠している(はっ!)これは死肉の臭いか?!…展顔は不自然な新しい敷物をめくってみると、何かが埋められていた。觳閶は初めての後詰(ゴヅ)めにどこか居心地が悪かった。すると端木翠は和議が成立すれば戦がなくなり、平穏な日々が待っているという。しかし觳閶はのどかな暮らしが性に合わないため、辺境への移動を申し出るつもりだと話した。「生まれながらの将軍ね…あなたがいれば民は安泰だわ」「…初めて褒めてくれたな」「口に出さなくても尊敬していたわ」「…展顔のような良き理解者に出会えて良かった」「あなたも出会える」「そう願うよ」温孤は人族の地を見たいという母の夢を叶えるため、調印式に同行させた。そして温孤と丞相がそれぞれ盟約書に印を押し、人族と幽族の和議が成立する。一方、敷物の下を掘り起こしていた展顔はついに江易(コウイ)の亡骸を発見した。…まさか本当に江丞相の遺体が埋まっていたとは、義父の仕業なのか?…何をする気だ?展顔は楊将軍の話を思い出した。高伯蹇は機密のため同行者の名簿を見せてくれず、大手柄を立てると豪語していたという。…和議で手柄を立てるとはどういうことだ?確か丞相は″世の中には犠牲を伴って初めて得られるものがある″と言っていた。「大変だ、争いが起こる!」丞相の計らいで和議を記念し、祝杯を挙げることになった。まずは丞相が杯を空けたが、温夫人は突然、息子の杯を払い落としてしまう。「飲んではだめ!…封喉(ホウコウ)という毒が混入しています 酒と匂いが似ているため普通は気づかないでしょう、でもお忘れなく、私は医者です」温夫人あらゆる毒に通じ、嗅いだだけで判別することができた。しかし丞相が無事だったことから高伯蹇が言いがかりだと憤慨する。「ならば飲んでみてください」温夫人は自分の杯を持って丞相の席の前に立ったが、その隙をついて高伯蹇が隠し持っていた短剣を抜いて幽王に襲いかかった。すると温夫人が咄嗟に飛び出し、息子をかばって刺されてしまう。温孤と紅鸞(コウラン)は丞相にはめられたと気づき、法術を放った。しかし楊鑑が張った陣のせいで攻撃力が衰え、打撃を与えることができない。その時、楊鑑率いる人族軍と蚊男率いる幽族軍は屋外で待機していた。すると突然、屋舎から閃光が見え、何か異変が起こったと気づく。「丞相を守れ!」「王上を守れ!」人族軍と幽族軍は屋舎に雪崩れ込み、調印式は戦場と化した。江文卿は水時計を確認、幽族の力を抑えられるのは1刻が限度だと気づく。一方、温孤は倒れた母を腕に抱いたまま呆然としていた。温夫人はわずかに息があったが、紅鸞と2人でしっかり生きて欲しいと伝えて絶命してしまう。その頃、展顔は懸命に馬を駆けていた。しかしこのままでは間に合わないと考え、咄嗟に照明弾を上げる。待機していた端木翠は端木営の信号に気づき、和議の場で何かあったと直感した。「展顔だわ…信号の道具を渡してあるの、急いで向かえと警告している」ついに陣の威力が切れた。母を殺された温孤は激情に駆られるまま龍気を放ったが、丞相は咄嗟に柱に隠れてしまう。巻き込まれた高伯蹇は丞相に助けを求めたが無駄だった。江文卿は裏で高伯蹇だけが頼りだと懐柔し、和議が見せかけで幽王を殺す計画だと明かしながら、あっさり見捨ててしまう。すると温孤は母を殺した丞相に再び襲い掛かろうとした。しかし楊鑑が阻止、人族軍と幽族軍が対峙する。「温孤!信頼を裏切るとは卑怯だぞ!」楊鑑はひとまず争いを収めようとしたが、丞相が皆殺しにしろと命じた。義父の思わぬ言葉にたじろぐ楊鑑、その一瞬の隙をついて蚊男が襲いかかる。「危ない!」その時、咄嗟に飛び出した阿弥が楊鑑の身代わりとなって蚊男に刺された。「阿弥!」「…戦が終わり故郷に帰る日を迎えることは…やはり…できませんでした…将軍のことを頼みます… 楊将軍もどうかご無事で…」端木翠と觳閶が現場に到着した。2人は何が起こったのか分からず呆然となったが、その時、端木翠は楊鑑の腕に抱かれた血だらけの阿弥を見つける。端木翠は一目散に阿弥の元へ駆け寄ったが、阿弥は二度と目を覚まさなかった。「阿弥…阿弥!」愛する阿弥を殺された楊鑑は激高、温孤に襲いかかるも龍気には敵わない。一方、江文卿はこの混乱に乗じ、独りでこっそり逃げ出していた。展顔が和議の場に到着すると、ちょうど前から丞相がやって来た。「お前がなぜここに?!」「丞相…いいえ、義父」展顔は丞相の天幕で江易の遺体を見つけていた。動揺した江文卿は再び激しい頭痛に襲われ、慌てて香袋を取り出す。展顔はその香袋を作ったのが義母だと知っていた。「もう隠せません、正気に戻ってください」「正気に戻れだと?くっくっくっく…」江文卿はようやく沈淵まで来たのは神位を取り戻すためだと白状した。千年前には行われなかった和議を結べば歴史が変わり、冊封を行えなくなる。「神仙になるのは千年後の啓封(ケイホウ)のため、天下のためであり、三界のためである」しかし展顔は民のためだと言いながら、義父のせいですでに多くの無辜が死んでいると非難した。「神仙になるのは天下のためではない、私欲を満たすためです」「…お前は色恋に溺れ、端木を追って沈淵に入った、お前の心に啓封の民はあると? 己の職務と責任を忘れているのでは?」すると展顔は巨闕(キョケツ)を抜いて義父に突きつけた。「私は良心に恥じることはしていない」端木翠はひとまず両族の争いを止めた。興奮おさまらない楊鑑は阿弥を殺されたと嘆き、一方、温孤は盟約を破ったのは人族だと言い返す。聞けば丞相が温孤に毒酒を飲ませようと企み、それに気づいた母のおかげで助かったというのだ。端木翠は信じられなかったが、確かに温孤が裏切るとも思えない。その時、丞相を人質にした展顔が現れた。つづく_(:3 」∠)_ 沈淵、長過ぎ問題
2023.01.24
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 2第6話万丈淵(バンジョウエン)で呪いの源を探し始めた温孤(オンコ)と紅鸞(コウラン)。やがて2人は箱の中に閉じ込められた蚕妖を発見し、温孤が龍気で陣を破り救出した。紅鸞は温孤が幽王と人族の王子・太敖(タイゴウ)だと教え、幽族を救いに来たと説明する。実は幽王は蚕妖を幽閉して糸を吐かせ、噬心咒(ゼイシンジュ)の呪薬(ジュヤク)を作らせていた。そこで温孤は解放する代わりに解毒薬を作って欲しいと頼む。「皆の呪いを解く、お前も自由に暮らせるぞ」一方、端木翠(ダンムーツェイ)は温孤の無事を祈りながら崇(スウ)城からの知らせを待っていた。そんな中、丞相の江易(コウイ)が幕舎で刺客に襲われる事件が起こる。知らせを聞いた将軍たちが急いで駆けつけると、一太刀で殺された刺客が倒れていた。刺客は兵士に紛れていたが、高伯蹇(コウハクケン)は亡骸が握りしめていた鱗を見つける。それは龍族の鱗だった。驚いた端木翠は調査すべきだと嘆願したが、取り付く島もない。丞相は和議だけに希望を託すわけにはいかないと警戒し、觳閶(コクショウ)に戦の準備をするよう指示して解散させた。「楊鑑(ヨウカン)だけは残れ」江易に成り済ました江文卿(コウブンケイ)は日増しに身体の具体が悪くなっていた。そこで楊鑑にそもそも幽族など信用できないと漏らし、情にもろい端木翠を見守るよう頼む。楊鑑は和議に賛同したものの、義父がどう決断しようと支持すると安心させた。楊鑑にとって江易は命の恩人、江文卿はその忠誠心を利用しない手はないと気づく。「気持ちだけで十分だ…もうよい、下がれ」…崇城の決戦がなければ、私は諸将を神仙に冊封する機会を失ってしまう…端木翠、今日は兵の命を使い、いずれ諸将がお前を疑うよう仕向けた…もし和議が成立しても挽回できるだろう、だがなるべくなら和議を潰したい展顔は襲撃事件に違和感があった。現場には刺客の凶器も争った形跡もない。すると端木翠も義父が丸腰の相手を一太刀で斬り殺すなど考えられないと訝しんだ。「つまり今の丞相は偽物だと?」「…まさか、たぶん性格が変わったのね」崇城では幽王が噬心咒で鍛えた決死隊を公開していた。この圧倒的な戦闘力で人族を殲滅させると意気込む幽王、そんな中、内心は平和を望む鶴雪(カクセツ)や蚊女は戸惑いを隠せない。すると幽王は蚊夫婦に決戦の先鋒を命じた。蚊男は迷わず拝命したが、蚊女は即答できず口ごもってしまう。「どうした?蚊女は異議があるのか?」幽王の言葉に慌てた蚊男が妻を急かすと、蚊女は仕方なく答えた。「いいえ、異議はありま…」「異議あり!」その声は温孤だった。幽王は幽族の王子が戻ってきたと喜んだ。しかし温孤は噬心咒で民を操る父を非難、決死隊から刀を突きつけられてしまう。「まさか帰って来るなり楯突くとはな、余の指導の下でもっと学べ、お前はまだ青二才だ」「…それはどうかな?」その時、決死隊が突然、温孤に向けていた刀を幽王に突きつけた。すると幽王の愛玩物だった蜥蜴妖・越龍門(エツリュウモン)はどさくさに紛れて逃げ出してしまう。…実は温孤は万丈淵で蚕妖に解毒薬を作らせていたそこで特訓を受けていた決死隊を解毒し、すぐ逃げるよう告げるしかし決死隊は死んだ家族の敵を討ちたいと願い、恩人に報いるためにも太子に従うと決めた…温孤は龍吟(リュウギン)殿に集まっていた幽族たちの噬心咒も解いた。ついに解放された幽族たち、すると正気に戻った兵士たちは太子の和平案に賛同する。温孤はこれで勝負がついたと思った。「敗者は潔く負けを認めろとあなたに教わった」「…だが余は負けぬ」幽王は激しい龍気を爆発させ、周りにいた決死隊を吹き飛ばした。さらに温孤に一撃を放ち、自分を追い詰めた王子と親子の情を断つと迫る。「余を恨むな…すべてお前が招いたことだ」これで全て水の泡なのか、その時、温夫人が駆けつけ、息子を守った。「やめて!」温夫人は善良な息子をかばった。しかし幽王は父親を殺そうとした息子のどこが善良かと激高する。「太敖、お前にはもはや余と戦う力がな…」その時、密かに近づいてきた紅鸞が飛びかかり、いきなり幽王の逆鱗を刺した。紅鸞に幽王の逆鱗を狙わせたのは温夫人だった。逆鱗が傷ついた幽王は法術が使えなくなり、急に全身が劣化して白髪になってしまう。温夫人は幽王が原因で人族も幽族も苦しんでいると訴え、医術でどんなに民を救っても夫の罪は償えないと嘆いた。「だから私が決着をつけ、民を苦しみから救うべきなの」すると幽王は霊力が尽き、その場にへたり込んでしまう。崇城に安寧が戻った。温夫人は立派に成長した我が子に目を細め、温孤を支えてくれた紅鸞に心から感謝する。一方、人族の兵営では丞相が崇城からの書簡を受け取っていた。即位した温孤は端木翠への恩義から和平を望み、崇城を人族にも開放して共存したいという。端木翠はこれで血を流さずに済むと安堵し、丞相が印を押すのを見守った。すると丞相が書状を持ち上げ、朱肉が乾くように息を吹きかける。展顔はそのしぐさが義父・江文卿と似ていることに驚いたが、偶然なのかどうか判断できなかった。…現世の啓封(ケイホウ)司法星君・楊鑑は上官策(ジョウカンサク)の協力のもと、町にはびこる故気(コキ)を神器・風兜(フウトウ)に封じ込めていたしかしついに容量がいっぱいになってしまうそもそも一時的に閉じ込めただけで故気を消せるわけではなく、万一、はち切れてあふれた時にはさらに恐ろしい事態になるはずだ『あの2人が沈淵(チンエン)から解毒薬を持って戻ってこない限りは…あの2人?』上官策は咄嗟に折本を取り出し、忘れないよう書き留めていた文字を確認したすると字が薄くなってはっきり見えない『展…展?』『…展顔?!(はっ)端木…』楊鑑はようやく2人の名前を思い出した紙に書いても消えてしまうと気づいた上官策は急ぎ他の方法を考えなければと焦る…温孤は幽王の寝殿を訪ね、初めて父と呼んだ。すると幽王は王子が人族に騙されていると嘆き、人族にすり寄れば幽族が滅びると警告する。「いつか後悔するぞ!」温孤は霊力を失ってもなお心を入れ替えない父王に失望して帰ることにした。温孤と入れ違いで温夫人と紅鸞がやって来た。幽王は温夫人への恨みを募らせ、王位奪還を果たした時は皆殺しだと豪語する。覚悟を決めた温夫人は紅鸞に目配せ、しかし紅鸞は改めて念を押した。「夫人、本当にいいのですか?2度と出られなくなります」すると温夫人は小さくうなづいた。幽王は紅鸞の術で桃花の幻境に入った。すると温夫人と出会った当時に戻り、急に優しい表情に変わる。「あの頃はあなたも善良だったわ、でも即位してから変わってしまった あなたは権力や名声に執着し始め、私たちは不仲に… こうしなければ昔のあなたを取り戻せないの」温夫人はようやく穏やかな夫婦の時間を取り戻し、これからは離れないと約束した。崇城は新王の新政となった。紅鸞は左軍を任され、また新法に基づいて領土に住む者は平等であり、人族であれ幽族であれ虐げてはならないと布告される。しかし旧臣の狸(リ)侯爵は和議に反対、平穏な暮らしのために人族に屈服するなら戦で死ぬ方がましだと訴えた。温孤は服従ではないと否定し、実は崇城を返還する代わりに人族から農耕など優れた技術を教えてもらうつもりだという。「略奪せずとも豊かに暮らせるようになる 今後は居を定め、家族と暮らしたくないか?和議を結べば二度と殺し合いをせずに済む」すると紅鸞と蚊夫婦が幽王に忠誠を誓い拝跪した。狸侯爵は最後まで納得できなかったが、気がつけば配下まですっかり幽王に感化されてしまう。崇城の町は活気を取り戻した。丞相も和睦に同意し、人族の兵営と崇城の中間地点で和議を行うことが決まる。一方、端木翠は展顔と和議に向けて草案を作り、丞相に届けていた。しかし丞相は目も通さず、机に置いてしまう。端木翠は困惑しながら、和議の参加者を減らすよう求めた理由を聞いた。すると丞相は大軍を率いて行けば警戒心を与えると説明し、高伯蹇(コウハクケン)だけ連れて行くという。端木翠は高伯蹇など任に堪えないと反対したが、丞相は幽族と戦った経験がある将軍がいては険悪な雰囲氣になるとなだめた。「温孤はお前が引き立てた、何も起こらないはずだ、安心せよ」「分かりました」端木翠は大人しく引き下がった。すると帰り際、ふと見慣れない敷物に気づく。「新しい敷物ですか?」「あ?…ああ、以前のは汚れていた、和議の成功を祈って雰囲気を変えてみた」「そうでしたか」つづく(´・ω・`)″阿蘭若の夢″再びw ←分かる人だけでw
2023.01.19
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 2第5話江易(コウイ)に成り代わった江文卿(コウブンケイ)は思い通りに事が進まず苛立ちを隠せなかった。急ぎ崇(スウ)城を責めなければ沈淵(チンエン)に消されてしまう。そこで江文卿は龍王の子である温孤(オンコ)を見逃す代わりに端木(タンボク)営と觳閶(コクショウ)営の統合を迫った。しかし端木翠(ダンムーツェイ)は婚姻も統合も拒否、義父をさらに怒らせてしまう。「今すぐ統合せよ…それが嫌なら兵権を返上しろ!出ていけ!」一方、崇城では幽王が人族との決戦に向けて噬心咒(ゼイシンジュ)の効果を披露していた。呪われた民は生きる屍と化し、幽王の命なら何でも聞くという。すると蚕妖はいつか呪いが解けても死んでしまう残酷な薬だと嘆き、こんな任務は嫌だと訴えた。しかし幽王は人族に勝利したら解放すると約束して蚕妖を監禁してしまう。展顔(ヂャンイェン)は温孤の処遇に頭を悩ませる端木翠を見兼ね、気晴らしに街へ出ようと誘った。すると現世で2人の思い出がある雲呑の店を見つけ、厨房を借りて腕を振るうことにする。店主は展顔の包丁さばきに感心し、実は自分は幽族から習ったと明かした。「哀れな幽族もいましてね、人族の中に紛れ込んでいましたが結局、捕まりました もう戦はうんざりですよ~」その時、展顔が雲呑を運んできた。「温孤も幽王の子であることに悩んでいるはずだ」「分かっているわ…」端木翠は温孤のことを考えながら、雲呑に入っているネギをよけた。「あ、うっかりネギを入れてしまった、君は嫌いだったね」「…展顔、また想い人を思い出したの?」「すまない」「時々、彼女のことが羨ましくなるわ、でも仕方がない、私には将軍として役目がある 愛のためには生きられない…」端木翠は展顔の想い人が自分だと知る由もなく、結局、口をつけずに席を立つ。やはり温孤を救うためには統合するしかないのだろう。「端木!」「運命からは逃れられないのよ」しかし統合して崇城の決戦が起これば觳閶は必ず命を落とすと展顔は知っていた。…せっかくやり直せるんだ、君が千年も悔いる事態は防いでみせる…端木翠は悩んだ末、温孤のために兵権を手放すと決めた。すると温孤が幕舎に現れ、崇城へ帰ると伝える。「将軍に迷惑をかけたくない、崇城に残してきた母のことも気がかりです それに私は幽族と人族の血を引く身、両族の和平は私の願いです」温孤は幽王を説得し、人族と和議を結びたいと訴えた。魑女(チジョ)から聞いた話では幽王が噬心咒を使って民を操り、生き地獄を味わわせているという。もし噬心咒を解くことができれば民たちの支持を得て和議を進められるはずだ。端木翠は危険すぎると反対したが、展顔は千載一遇の機会を逃す手はないという。「温孤にやらせてみては?成功すれば戦は終わる、2度と犠牲者が出ることはない」そこで端木翠は外堀から埋めることにした。端木翠は楊鑑(ヨウカン)を説得するため、義兄の弱みである阿弥(アビ)を行かせた。和議と聞いた楊鑑はすぐ温孤の提案だと気づき、裏切る可能性もあると警戒する。しかし阿弥は温孤なら心配ないと太鼓判を押し、和議が無理なら将軍が兵権を手放してしまうと泣きついた。「楊将軍は大義をわきまえていて話の分かる方です、反対なんてしませんよね?」一方、展顔は觳閶を連れて小さな農村にいた。寂れた村には戦で息子が死んだと知っても帰りを待ち続ける母親、息子が戦乱に巻き込まれて亡くなり気が触れてしまった父親、戦場で手足を失った父を物乞いをして食べさせている幼い子供の姿がある。展顔は心の傷を癒やすのは戦で勝つことよりずっと難しいと訴えた。「幽族が停戦を望んだら受け入れますか? …将軍、心のわだかまりを解き、兵や民に生きる機会を与えてください そうすればご自身も恨みを捨てられます」端木翠たちは丞相に幽族との停戦を嘆願した。実は温孤が和議を実現したいと提案し、猶予が欲しいという。しかし丞相は幽族が真心で自分たちと向き合うとは思えないと突っぱねた。すると展顔は丞相が元々、戦の終結を目指していたはずだと訝しむ。さらに楊鑑も試す価値があると賛同し、指揮官の觳閶までが和議に賛成した。丞相は仕方なく温孤と面会し、裏切らない証拠はあるのか聞いてみる。そこで温孤は自分の急所も逆鱗だと明かし、もし自分が寝返ったら殺してくれと端木翠に頼んだ。端木翠は和議に失敗した時は自分がどんな罰でも受けると約束し、展顔と端木営が温孤を援護するという。…こやつらは手を組み、和議を迫ってきた…もし私が頑なに拒めば皆の怒りを買うはず、ひとまず承諾しよう…たとえ温孤が成功しても私が和議を潰せばいい、何としてでも崇城で戦う江文卿は考えた末、温孤に3日の猶予を与えると決めた。展顔の具合が急に悪くなった。端木翠はなぜ展顔の病がぶり返すのか分からなかったが、温孤が出ていく前に薬を多めにもらっておくよう勧める。すると温孤が崇城へ帰ると知った紅鸞(コウラン)が自分もついていくと決めた。その夜、端木営で温孤と紅鸞の送別会が開かれた。紅鸞は温孤に手作りの香袋を贈り、はぐれた時は桃花の香で居場所が分かるという。すると温孤は自分も端木将軍に香袋を渡そうと思いついた。久しぶりに酒を酌み交わし、楽しい夜を過ごした端木営、やがて皆が酔い潰れて眠ってしまう。そんな中、端木翠は独りで物思いにふけっている展顔に気づき、隣に座った。「展顔?…あなたの想い人は私に似ているの?」展顔は一瞬、驚いたが、言葉を選んだ。「君は端木将軍だ、多くの重積と期待を担っている」「…つまり私と彼女は違うのね?彼女はどんな人?」「彼女は…怒りっぽくて面子にこだわる、言い方も癪に触る、ふふ それにオシャレを気にして寒がりなのに薄着なんだ 好き嫌いが多くて、甘い味付けが好きで肉が嫌いだ、ネギや生姜も好きじゃない それから…とにかく偏食だ」そんな2人の様子を温孤が偶然、目撃してしまう。…将軍にとって展顔こそが心を許せる相手なんだな…将軍が幸せなら祝福しよう温孤の手には香袋が握りしめられていた。端木翠は展顔の想い人が確かに自分とよく似ていると驚いた。「端木…私は…」「展顔!…もう遅いから休んで、明日は温孤たちを見送るのよ」展顔に見つめられた端木翠は急に気まずくなって幕舎に戻ってしまう。…端木、私は君を目覚めさせ、連れて帰らなければならない…だが今はこの虚構の世界から去りがたく思う…ここは君の大切な場所、君の家族や仲間がいて、君の目標や理想もある温孤と紅鸞は崇城へ戻った。しかし町は長年の戦ですっかり寂れている。2人は密かに王宮へ潜入、早速、噬心咒を探し始めた。その時、幽王が現れ、温孤は咄嗟に紅鸞を連れて物陰に隠れる。今にも唇が触れそうな距離に頬を赤らめる紅鸞、すると鶴雪(カクセツ)が料理を持って戻ってきた。「また夫人は残したのか?」「夫人は人族の料理さえ召し上がりません…午後は貧民の治療のため外へ」「まあいい…ともかく万丈淵(バンジョウエン)での呪薬作りのことは断じて口外するな」実は温孤は幼い頃、万丈淵で法術の稽古をしていたことがあった。温孤と紅鸞は万丈淵にやって来た。すると牢屋で噬心咒に苦しむ民たちを見つける。温孤は町に人がいなかったのは幽王が噬心咒の実験をしたからだと気づき驚愕した。彼らを救うには呪いの源を探し、噬心咒を解かねばならない。そこで温孤と紅鸞は龍気と桃花の術を合わせ、源を探すことにした。つづく(  ̄꒳ ̄)過去がめちゃくちゃ変わってきてる〜
2023.01.17
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 2第4話…現世の啓封(ケイフウ)司法星君・楊鑑(ヨウカン)は神器・風兜(フウドウ)に故気を封じ込め、人族を助けていたしかし神器と言っても容量に限界があり、いつまで耐えられるかは分からない…翌朝になっても展顔(ヂャンイェン)は目を覚まさなかった。温孤(オンコ)は命に別状はないと言うが、端木翠(ダンムーツェイ)は気が気でない。すると紅鸞(コウラン)が展顔は体調が優れないまま試合で力を消耗し、出血したせいで眠り続けていると説明した。端木翠は展顔に無理をさせてしまったと後悔したが、温孤は自分が全力で治療すると安心させる。しかしなぜ展顔が弱っているのか、温孤にも皆目、見当がつかなかった。人族に捕縛された魑女(チジョ)は楊鑑の取り調べで自白、成乞(セイキツ)と共に虞都(グト)を殺したことも分かった。今回、潜入したのは人族の指揮官を殺すことが目的だったという。端木翠は厳重な監視をかいくぐるには内通者がいたはずだと訴え、調査すべきと進言した。しかし丞相に成り代わった江文卿(コウブンケイ)は崇城(スウジョウ)攻めを急ぐあまり、端木翠の意見を無視してしまう。「白状したのなら3日後、兵士たちの前で処刑せよ」「義父…」「もう下がれ」展顔は夢の中で必死に端木翠を追いかけていた。「…むぅ…ずっと君を探していた…もう離れないでくれ…」展顔のうわ言を聞いた端木翠は、展顔の心の中にいるのは想い人だけなのだと痛感する。一方、觳閶(コクショウ)をかばって倒れた露姫(ロキ)は觳閶営で目を覚ました。觳閶から隠し事ばかりだと責められる露姫、しかし愛する将軍から恨まれたくなかったという。「あなたに救われ、あなたを愛してしまったのです…嘘をついたのはそばに留まるためでした」觳閶は仕方なく露姫を見逃すことにしたが、このまま兵営に置くわけにもいかなかった。「魑女を処刑する前に出て行ってもらう」兵士たちが見守る中、魑女の処刑が執行された。しかし兵士の長槍が魑女の身体を突き刺した瞬間、魑女が露姫の姿に戻る。驚いた觳閶は慌てて執行台に駆けつけ、露姫を腕に抱いた。「将軍…これでいいのです」↓あれ?いつの間にか復活している展顔w実は露姫は密かに収監された姉を訪ねていた。『私を逃すために馬車が外に停まっている この茎を使えば姿形を取り替えられるわ、私の姿になって逃げて、私が姐姐に代わり牢に残る たとえ死んでも将軍のそばに残りたいの、心を持てばあなたにも分かる…』その頃、露姫の姿で脱出した魑女は馬車の中で元の姿に戻っていた。「ふん、一緒に逃げられたのに死を選ぶなんて愚の骨頂だわ」露姫は全てを明かした。姉妹で幽族の地を脱出したが追っ手が迫り、その時、姉は妹を救うため、自分の心を捨てて妹に渡したという。「そのせいで姐姐は今の非常な魑女に変貌したのです…だから私が代わりに罪を償います」「私が幽族を憎んでいると知りながらなぜだましていた?!」「分かっています…だけど…あなたを愛してしまったの…こうしなければ一緒にいられなかった… 」露姫の願いはこの世から争いが消え、人族と幽族が仲良く平和に暮らせることだという。「後悔はしていません…この世にあるのは恨みだけじゃない、愛もある… 約束してください、姉を殺さないと…」それが露姫の最期の言葉になった。露姫が絶命し、心丹は本来の持ち主である魑女の身体に戻った。ふいに情を取り戻した魑女、すると目の前に今にも消えそうな妹の一縷の魂が現れる。…姐姐、本当なら姐姐が経験する愛だった…この心も姐姐のものよ?やっと返すことができた…姐姐、心があればこの世の楽しさや生きる喜びを味わえる…これからは望むように生きて欲しい、愛する人にも出会えるといいわね「妹妹(メイメイ)!」その時、魑女はようやく自分の夢が心から愛し合える相手に出会うことだったと思い出した。『妹妹、あなたの夢は?』『私は…永遠に姐姐と一緒にいたい…』觳閶は露姫を抱きしめ、涙に暮れていた。その時、心を取り戻した魑女が現れ、妹を取り返そうと襲いかかる。すると咄嗟に反応した展顔が神剣を放って撃退、再び捕らわれの身となった。「妹妹を返してーっ!」しかし觳閶は露姫を抱き上げ、行ってしまう。觳閶は独りで露姫を埋葬した。…私もできることなら妻を娶り、子供に囲まれて暮らしたいと願った…だが今は乱世、幽族を討たなければもっと多くの家族が愛する人を失い、離れ離れになる…長い間、恨みに取り憑かれていた…愛が何かもわからないし、語る資格もない「来世では幽族になるな、私と出会わず生きろ」温孤と紅鸞は幽族のよしみで魑女と面会した。すると魑女が噬心咒(ゼイシンジュ)の発作で苦しんでいる。温孤は龍気を放って取り除いてやったが、実は幽王は噬心咒を使って幽族を操っていると知った。死より苦しい日々に耐え続ける幽族の民、魑女は太敖(タイゴウ)なら現状を変えられると訴えたが、温孤は人族が幽族に勝利するのを待てばいいという。「あなたは立ち向かう勇気のない臆病者よ!」「無礼者!」「紅鸞…もう行こう」温孤は牢を出たが、魑女は必死に叫んだ。「殿下!幽族を救えるのはあなただけです!見捨てるのですか?!」丞相は幽族を見抜けなかった觳閶を責めることはなかった。しかし露姫も人族の不倶戴天の敵である幽族に変わりはなく、哀れみの心など捨てるよう叱咤する。そこで觳閶に魑女の処刑を命じ、皆に決意を見せろと迫った。温厚な義父の過激な発言に戸惑う端木翠、すると觳閶は弱みを見せまいと拝命して出て行ってしまう。陣営に戻った端木翠は残酷な義父のやり方に困惑した。しかし展顔は丞相も決戦に向けた決意を示したいのだという。「大切な人のために全てを投げ出す…考えてみたの、私でもどちらを選ぶかは難しい 血を分けた姐姐と最愛の人だもの、どちらかを捨てるなんて無理だわ」「捨てなくていい、怨恨や戦のない世の中なら起こらなかった悲劇だ」「戦などなければいいのに…」すると展顔は故郷に黒白の石を並べる碁があるが、碁の勝負には引き分けもあると教えた。つまり人族と幽族が友好関係を結べば双方に利があるという。「君ならできる、力になるよ…」その話を偶然、温孤が立ち聞きしていた。魑女の処刑の日、觳閶は露姫の遺言を思い出し、なかなか決断できずにいた。すると痺れを切らした魑女は自ら霊力を捨てて天地に帰ると告げる。「露姫を愛していないなら、そう伝えるべきだった 希望を持たせたことで妹を死に追いやったの、觳閶、あなたのせいよ… 露姫を不びんに思うなら、私の死後に残った種を植えて 千年後、私と露姫は籐(トウ)に生まれ変わり、再び双子の姉妹になる」「待ってくれ!」觳閶は止めたが、魑女は突然、真っ赤な炎に包まれた。展顔は現世の魑女も情劫に苦しみ、自ら死を選んだことを思い出した@第1話。…まさかここでも同じ最期を遂げるのだな…あの時、端木翠は姿形などはかなく、心にこそ善悪があると言っていた。すると隣にいた端木翠がまた同じ言葉を呟く。「生ある者は必ず死に、心にこそ善悪がある… 魑女は人を殺したけれど、妹には良き姐だったのね」…端木、たとえ君が何も覚えていなくても、やはり君は私が知っている善良な端木だ…その時、突然、温孤が魑女の元へ駆け寄った。温孤は龍気を放って魑女を助けようとした。しかし魑女は手遅れだと訴え、龍気を無駄にしてはならないという。「殿下、側にいる人を大切に…失ってからでは遅いのです」すると魑女は消散し、籐の種となった。端木翠は温孤が龍族だと知り驚愕した。たとえ人族でも構わなかったが、幽王の息子となれば話は変わる。激高した端木翠は天幕へ戻った温孤に剣を突きつけ、幽王への恨みを温孤で晴らそうとした。しかし駆けつけた展顔が止め、温孤は人族を傷つけたことがないと訴える。「君の朋友であり家族だろう?!」その頃、觳閶は温孤が幽王・落胤(ラクイン)の息子・太敖だったと丞相たちに報告していた。楊鑑は魑女の証言だけでは信用できないとかばったが、高伯蹇(コウハクケン)はここぞとばかりに端木翠は知っていたはずだと邪推する。「安邑(アンユウ)で太子があっさり死んだのも、端木翠が手柄のため温孤と取引したんだ 丞相、私に始末をお任せください!」「はお、高伯蹇、真偽を調査し、本当に幽王の子ならその場で殺せ」江文卿は正体を隠すため、これまで温孤に手を出せずにいた。千年後の災禍を招いたのは温孤、江文卿はこれで堂々と温孤を処刑し、現世での恨みを晴らせると安堵する。すると急に咳き込み、激しいめまいに襲われた。温孤は父である幽王の暴政に耐えられず、崇城から逃げたと話した。しかし身分を知られた以上は出ていくという。「戦場で2度と私の前に現れるな…」端木翠は温孤を見逃すことにしたが、そこへ高伯蹇が配下を連れて乗り込んできた。焦った紅鸞は思わず桃花の術を放って応戦、幽族だとばれてしまう。すると端木翠が高伯蹇の前に立ちはだかった。「温孤は端木営の者、勝手はさせない!」端木翠は丞相に温孤の処分を自分に任せてほいいと嘆願した。温孤は人族を傷つけたことはなく、処刑はできないという。すると丞相は温孤を生かす代わりに觳閶営と端木営の統合を強要した。觳閶は露姫の一件で婚姻に向かないと悟ったと訴え、端木翠とは戦友で男女の情はないという。「婚約の解消を…崇城への攻撃は予定通り行いますが婚姻は不要です」「義父、婚約はなかったことに…こればかりは応じられません」つづく( ๑≧ꇴ≦)<展顔!目が覚めたのね~的な場面はありませんでしたw
2023.01.12
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 2第3話岳老(ガクロウ)の従兵・江文卿(コウブンケイ)の正体は江易(コウイ)の生まれ変わりだった。にわかに信じられない江易、すると新兵の名簿に仕込まれていた毒を吸い込み、急に激しいめまいに襲われてしまう。江文卿は隠し持っていた短刀を江易の首に突きつけ、護衛なら丞相に成り済ましてとうに撤退させたと笑った。「蓬莱図をいただく!」「なぜそれを?!」「私は千年後のお前だと言ったであろう?信じていないのか? 神女が人族の統領であるお前に蓬莱図を与えたはずだ 幽族との戦いが終われば功労者を神仙に冊封できる、しかしお前は過ちを犯した 戦死した端木翠(ダンムーツェイ)に己の神位を譲ったのだ! 蓬莱を統率する者がおらず、神仙になった者は役立たずばかり お前が情に流されたせいで三界は災禍に見舞われたのだ!」実は千年後に龍族の末裔が幽毒を撒き散らして民を苦しめ、三界が崩壊してしまうという。本来なら觳閶(コクショウ)が戦死して許嫁の端木翠が弔い合戦に出陣、怒りを力に変えて崇城(スウジョウ)の決戦に勝利するはずだ。しかし2人の婚約を解消すれば結末が変わってしまう。江文卿は江易に代わって神仙の冊封を執り行い、自分の神位を取り戻すためにも予定通りに進める必要があった。「で、どうするつもりだ?お前の目的は何だ?!」江易は江文卿が全て民のためと言いながら、実際は己の野心のためだと指摘する。すると江文卿は邪魔になった江易をいきなり突き刺し、殺害した。そのせいで江文卿の身体に異変が起こり、展顔(ヂャンイェン)と同じように手が消えかかってしまう。翌朝、阿弥(アビ)が慌てて静養中の将軍のもとへやって来た。丞相が急に端木営は觳閶営に入れと命じ、端木翠は早く觳閶と婚姻を結んで崇城を攻めろという。驚いた端木翠と展顔は丞相に命の取り下げを嘆願したが、江易に成り代わった江文卿は口答えする端木翠に激高した。「義父に逆らうとはこの親不孝者め!将軍としても丞相に刃向かうなど…ウッ…」すると頭に血が上ったせいか江文卿は急に苦しみ始める。楊鑑(ヨウカン)は義父の身体を心配し、いっそ武術の試合で勝負を決めてはどうかと進言した。觳閶も高伯蹇(コウハクケン)も確かに公平だと認めたが、端木翠は負傷して松葉杖をついている。そこで展顔が端木将軍の代わりに参加すると申し出た。…江易よ、お前の養子と展顔は思いのほか手強い…仕方あるまい、じっくり策を練り歴史を繰り返させよう江文卿はやむを得ず3日後を試合と決め、勝利した者に崇城攻めの指揮官を任せることにした。その時、江文卿はいつもの癖でうっかり頭に手を当ててしまう。ふと気づいて手を下ろしたが、展顔はその仕草を見逃さなかった。端木翠が幕舎に戻ると露姫(ロキ)が待っていた。露姫は觳閶を誤解していると訴え、端木将軍と同様に傷ついていると明かす。「どうか仲違いなさらないで…」「私と觳閶が和解して夫婦になっても平気なの?」しかし露姫は愛する觳閶に幸せでいて欲しいだけ、見返りなど求めないと言った。「(展顔も同じことを言ってた…) 觳閶にとって私もあなたも大差ない、あるとすれば肩書きが違うだけ 私は愛する人と一生を添い遂げたいの、心から愛していたら他人と分け合えない」「羨ましい…愛する人を見つけたのですね?」「違うわ、考えを言っただけ」「話しながら微笑んでいましたよ?お気づきになっていないのですか?」露姫は確かに想い人と愛し合えることが一番の幸せだと同意し、端木翠が羨ましいと言って帰って行った。觳閶営に戻った露姫は腕の傷を眺めながら、姉のことを思い出していた。すると生き別れた姉・魑女(チジョ)が現れる。「私たちは一体だった、だからあなたの気息をたどれば居場所を見つけられる もっと早く探していたら指揮官を殺して安邑(アンユウ)も落ちずに済んだのに…」…姉妹は一体の籐(トウ)だった幽族の地から逃げ出した2人だったが、追っ手に追い詰められてしまうすると姉は妹だけでも逃がそうと決め、2人を繋いでいた茎を切断したそして自分の心丹を取り出して妹に授け、おとりとなって太子に捕まってしまう…「私は感情も心も全てあなたにあげた、そして喜びも悲しみも感じない怪物になったの」魑女は指揮官を殺すために来たと教え、決して邪魔しないよう妹に釘を刺した。展顔は時折、手が消えるようになり、生気も落ちていた。展顔の具合が悪いと気づいた端木翠は温孤(オンコ)を尋ね、正直に容体を教えてほしいと頼む。すると温孤は安邑の決戦の後から展顔は不調が続いており、脈も不安定で弱っていると教えた。「怪我もしていないのに?」「原因は分かりません」将軍たちの手合わせを明日に控え、露姫は觳閶に端木翠が指揮官ではだめなのか聞いた。觳閶は心が清い端木翠では崇城を落としても幽族を寛大に扱ってしまうと説明、自分なら後顧の憂いを断つべく徹底的に叩き潰せるという。「悪人になるのは私だけで良い…もう決めたことだ、下がって休め」露姫は素直に出て行こうとしたが、密かに出入り口のそばにあるろうそくで腕を焼いた。すると煙を吸い込んだ觳閶は眠ってしまう。藤妖である露姫は自分の身体を燃やした煙で深い眠りに落とすことができた。「将軍、姐姐と争って欲しくないの…どちらも失うのは嫌よ」その時、突然、觳閶が目を覚まし、露姫の腕をつかむ。「幾度も暗殺を逃れて来た私にこの程度の香は効かぬ」觳閶は露姫が幽族に寝返ったと疑ったが、露姫の手の異変に気づいた。「…幽族だったのか?!私を欺いたな?!」あの時、姉と別れた露姫は偶然、妹の墓参りに来ていた觳閶と出くわし、助けを求めた。初めこそ幽族だと疑ってかかった觳閶だったが、露姫は姉が自分を逃してくれたと説明する。觳閶は露姫に妹の面影が重なり、結局、觳閶営で面倒をみると決めた。それなのに露姫がまさか最も憎むべき幽族だったとは…。愕然となった觳閶は露姫をひとまず投獄し、明日の試合で決着がついたら改めて追及することにした。指揮官をかけた試合当日、丞相は端木営の副将である展顔は本来、令牌を争う資格がないため、総当たりで各将軍と戦うことを条件とした。驚いた端木翠は不公平だと訴えたが、丞相は不満なら辞退すればいいという。「望むところです!」展顔は了承、第1戦は高伯蹇との対戦になった。しかし武功の弱い高伯蹇は展顔に蹴り飛ばされ、あっけなく敗退してしまう。一方、投獄された露姫は牢番を呼び、全身が痛くて苦しいと訴えた。牢番は幽族とは言え觳閶の側女のため心配し、うっかり戸を開けて中に入ってしまう。そこで露姫は枕元にあったろうそくで手を焼き、牢番を眠らせた。第2戦は觳閶と展顔の対戦となった。手練れの2人の戦いは拮抗していたが、展顔は体力を消耗して膝をついてしまう。「展顔!呼吸が荒いぞ?私には勝てぬ、無理せず負けを認めろ!」「認めるものか!」展顔は再び戦いを挑んだ。するとふいに右手に力が入らなくなり、再び消えそうになる。実はその時、江文卿も左手に痛みが走り、消えそうな手を慌てて袖の中に引っ込めていた。展顔は思うように剣が振れなくなり、觳閶の大長槍で激しく投げ飛ばされ敗北した。驚いた端木翠たちは慌てて展顔の元へ向かい、心配そうに抱き起こす。「展顔?」「すまない…がっかりさせて…」すると展顔は意識を失った。江文卿は展顔に後ろめたさを感じながらも、自分の邪魔ばかりするからだと呆れ果てる。もし自分が神位を得れば2人とも沈淵に消されずに済むだろう。その時、兵士たちに紛れていた魑女が指揮官に決まった觳閶に向かって幽毒を放った。しかし脱獄した露姫が駆けつけ、觳閶をかばって倒れてしまう。「丞相を守れ!…あの女だ!」楊鑑は魑女を発見、兵士たちが幽族の女を包囲した。激怒した觳閶は抵抗する魑女に矢を放ち命中、そこで楊鑑が護符を使って陣の中に閉じ込めた。つづく(´・ω・`)おぅ…觳閶は無骨だけど良い人だったのね
2023.01.11
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 2第2話端木翠(ダンムーツェイ)が幽族太子・尾龍(ビリュウ)を倒し、人族軍は安邑(アンユウ)城を取り戻した。奴隷から解放された人族は通りを埋め尽くして端木将軍たちを大歓迎、すると幽王の暴政に苦しめられて来た幽族たちの姿もある。聞けばかつて安邑では幽族と人族が仲良く暮らしていた。やがて幽王が安邑を奪うと、殺戮されそうになった人族をかばった幽族も奴隷になったという。そこで端木翠はこれから安邑には種族や階級の別なく、皆が平等だと通告した。「今後は何も心配せず、自由に往来するが良い!」展顔(ヂャンイェン)は人族だけでなく幽族も苦しんでいると知った。すると温孤(オンコ)は幽王にとって強者こそ正義だと話し、幽族の領地の民は不幸だと同情する。その頃、崇城(スウジョウ)では幽王が太子の亡骸を前に茫然としていた。形見の短剣を見た幽王は自分が何気なく与えた剣だと思い出し、まさか尾龍が愛蔵していたとは知らず涙する。「余の心には太敖(タイゴウ)しかいなかった…この剣をお前に与えたのも太敖を奮起させるためだ ようやく分かった、お前は余に認められたいだけだったのだな」幽王は悲しみが怒りに変わり、太子を守れなかった配下たちを陪葬すると決めた。しかし魑女(チジョ)が敵を討ちたいと懇願、実は生き別れになった妹が人族の地にいるはずだという。「妹を利用して敵地に潜り込み、人族の指揮官を殺します!」「…噬心咒(ゼイシンジュ)の威力は知っているな?失敗すれば地獄の苦しみを味わうぞ?」「はい」人族軍は幕営を引き払い、安邑城へ移動した。觳閶(コクショウ)の側女・露姫(ロキ)はそろそろ到着する頃かと馬車の窓を開けてみたが、その時、見覚えのある村人を見つける。「姐姐(ジェジェ)?!」人族に紛れていた魑女は妹に気づいて驚いたが、そこへちょうど觳閶が現れ、接触できなかった。端木翠は城楼から歓喜する人々を嬉しそうに眺めていた。すると觳閶が露姫と一緒に馬に乗って入城して来るのが見える。端木翠は興ざめして城楼から降りると、觳閶は露姫を先に行かせて端木翠を追いかけた。觳閶は端木翠が誤解していると思い、馬車に酔った露姫を馬に乗せただけだと言い訳した。「疲れているの…話は明日に」「すぐ終わる」觳閶は端木翠の腕をつかんで引き留め、早々に陣営を統合しようと迫った。しかし端木翠は拒否、何より今回の戦で実力を証明し、崇城を攻め落とす自信があるという。「だから承知できない」「端木…調子に乗るな」そこへ展顔が駆けつけた。展顔は副将として端木営は統合を受け入れられないと伝え、寡兵でも巧みな戦術があれば大軍を倒せるという。一触即発の様相となる展顔と觳閶、すると觳閶は端木が自分の許嫁だと念を押した。「觳閶、あなたに嫁ぐつもりも陣営の統合もあり得ない 私の兵に若男(ジャクダン)と同じ道をたどらせたくないからよ」「いつまで根に持つつもりだ?幼稚だぞ?!」「将軍、端木将軍は情に厚いだけ、兵を家族と思っています、決して幼稚ではありません むしろ責任感が強い、だから皆から慕われているのです」「…展顔、觳閶にはいくら言っても無駄よ、行こう」展顔は足を負傷した端木翠を支えながら歩き出した。「端木!そなたは展顔のせいで変わった!」「觳閶、私の決断は誰とも関係ない…前から迷っていたけれど、若男の死で心が決まった」端木翠は端木営を觳閶営の捨て駒にはしないと言い放った。端木翠は若男たちの非命を思い出し、沈み込んだ。すると展顔が安邑の市場で手に入れた人形を贈り、故人のためにも残された自分たちは前を向いて生きていこうと励ます。端木翠は展顔がなぜ自分が人形を好きだと分かったのか不思議だったが、想い人も人形が好きなのだと気づいた。「彼女が羨ましい…心のままに生きられることが… 私は将軍、想い人のことばかり考えている乙女とは違う、私がまず考えるのは仲間のことよ 端木営の兵たちのことを考えるあまり、自分が端木翠であることも忘れてしまう」その時、展顔は司法星君・楊鑑(ヨウカン)の言葉を思い出した。…星君は展顔が沈淵から端木翠を連れ戻すのは難しいと言っていた千年前の端木翠の心にいるのは展顔ではなく仲間たち、それなのにどうやって説得できるというのか星君は展顔にとって愛する端木翠であっても、沈淵の端木翠は展顔を覚えていないと言った…展顔は勇猛果敢な端木将軍を変えるつもはないと訴えた。ただ仲間を失い自分を許せず苦しむ姿を見ているのは辛いという。すると展顔は端木翠の手を優しく包み込んだ。「大変なのは分かる、だから君の重荷を一緒に背負わせてくれ、君は孤独ではない 私はいつも君を見守っているよ」端木営の仲間たちも觳閶営との統合に反対だった。何より端木将軍に愛のない婚姻を結ばせてはならない。端木翠は展顔や仲間たちから背中を押され、丞相・江易(コウイ)に觳閶との結婚も統合も望まないと伝えた。しかし江易は統合することで端木営の負担が減り、觳閶も必ず良き夫になると説得する。端木翠は今回ばかりは自分に正直になりたいと訴え、展顔の戦術があれば統合せずとも戦えると自信を見せた。「私には阿弥(アビ)と温孤がいます…そして展顔も」「決めたのか?」「はい」すると江易は了承し、傷が治るまで療養するよう言った。丞相は端木翠の勧めで新兵を洗い直すことにした。江文卿(コウブンケイ)は自分が怪しまれると警戒し、何とか江易に陣営の統合を決断させようと企む。…このままでは私の計画が台無しだ…一方、觳閶は安邑攻めで戦死した仲間たちの名簿を岳老営に届けた。決して弱みを見せない觳閶、しかし人知れず仲間の死を悼み、珍しく泥酔して陣営に戻る。露姫は端木翠もいずれ将軍の辛さを分かってくれるとなだめたが、觳閶は泣き言など漏らせば亡き戦友に顔向できないと吐露した。「私に悲しむ資格はない…戦友たちが望むのは私の涙ではなく敵討ちだ 必ずや幽族を滅ぼし、犠牲になった仲間を弔う」觳閶は幽族を全滅させるためなら命も惜しまないと奮起したが、正体を隠している露姫は胸が痛んだ。「将軍、私は一度も夜伽をしたことがありません、表向き側女ですが名ばかり… この腕の傷跡が醜いからですか?」露姫は思わず裁縫用のはさみをで傷跡をえぐろうとしたが、觳閶が止めた。觳閶には妹がいた。しかし妹は自分をかばって幽族に腕を斬られ、死んだという。「妹はまだ13だった…生きていればそなたと同じ年頃だ、そなたは私にとって妹も同然なのだ」觳閶は露姫が安心して暮らせるよう觳閶営で引き取り、側女としただけだと説明した。「そうでしたか…」その夜、江易はちょうど展顔を見かけ、少し話がしたいと誘った。江易は苦労人の端木翠を早く嫁がせてやりたかったが、本人が婚約の破棄を願い出たという。「まさか噂通りお前が端木をけしかけたのか?」「丞相、私は何もしていません、觳閶将軍とは合わないとご自身で判断されたのです」「ではお前は?…端木をどう思う?」展顔は丞相の懸念に気づき、分をわきまえていると安心させた。「決して不埒な真似はしません、これからも全力で将軍を支え、どこまでも将軍について行きます」「想像以上に立派な若者だ、お前が端木のそばにいるなら安心だ、しかと見守ってくれ」翌日、楊鑑は端木翠に義父が婚約破棄に同意したと伝えた。しかし義妹が展顔に夢中になっているという噂があり、心配は絶えない。端木翠は展顔が自分と端木営に尽くしてくれているだけだと釈明、義父が自分の実力を信じてくれたと喜んだ。江文卿は丞相が觳閶と端木翠の婚約を取り消したと知った。…残された時間は短い、神仙の冊封に変化が起きてはならぬ…江易は優柔不断だ、仕方がない、私を恨まないでくれその夜、丞相の幕舎に岳老営から新兵の名簿が届いた。竹簡に目を通していた江易は机に置くよう頼んで下がれと命じたが、なぜか兵士は帰ろうとしない。「丞相、名簿にある江文卿という者は身分を示す資料が足りません…その者は私です」驚いた江易が顔をあげると、自分とすっかり同じ顔をした男が立っていた。つづく(・Д・)おじいちゃん!顔の傷跡も嘘だったのね?
2023.01.10
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 2第1話…忘れるな、彼女を起こしてはならぬ…端木翠(ダンムーツェイ)は怪奇な夢を見て飛び起きた。そう言えば展顔(ヂャンイェン)もこの世界は虚構に過ぎないと言っていたが、何か関係があるのだろうか。その朝、食料を運搬していた人族軍が幽族に襲われ、食糧を奪われた。報告を聞いた丞相・江易(コウイ)は罰として高伯蹇(コウハクケン)をひと月の俸禄停止にしたが、この一大事に觳閶(コクショウ)は珍しく落ち着き払っている。実は觳閶は幽族が食糧不足だと考え、自分たちの食糧を見れば必ず奪うと踏んでいた。そこでわざと偽の食糧を奪わせ、それを目印に幽族の食糧庫を見つけて焼き払う計画だという。すると報告を聞いた端木翠が駆けつけ、追跡に長ける端木営なら役に立てると申し出た。江易はネタばらししようとしたが、急に觳閶が話を遮って端木営の協力をありがたく受けてしまう。端木翠は急いで陣営に戻った。觳閶は丞相に真の目的を知る者は少ない方が良いと訴え、何より感情的な端木翠が自分の計画を聞けば平静ではいられないという。そうとは知らず、端木翠は若男(ジャクダン)の部隊を任務に向かわせることにした。若男の話では端木営は追跡だけで、奪回の任務は觳閶営の兵士が担うという。「将軍!成功したら私を副将にしてください!それから…私の箱の中を見てはダメですよ?」…現世では故気のせいで人々の記憶があやふやになっていた啓封(ケイホウ)府で報告書をながめていた上官策(ジョウカンサク)も最後の署名捺印を見て首を傾げてしまう「なぜ啓封府と細花流が協力していたのだ?」そこで細花流へ出かけてみると、蓬莱の司法星君・楊鑑(ヨウカン)が現れた上官策はようやく啓封の異変の理由を知った星君によれば人族も幽族も故気(コキ)という怨念が変じた物のせいで攻撃的になったり悲観的になっているという「そなたらが忘れた者はもう現世にいない さらに言えば、完全に忘れると現世に戻ることはより困難になるであろう、端木翠と展顔だ」「展顔?…はっ!思い出した!まさか顔児を忘れてしまうとは…それから端木門主も…」しかし故気を完全に消すには沈淵にある解毒薬が必要で、楊鑑には抑えることしかできないという…若男たちが出発して3日が経った。しかし未だ何の音沙汰もなく、端木翠は心配で食事も喉を通らない。そこで展顔は夜食を差し入れ、空腹では部下たちを守れないと諌めた。「…確かに、英気を養っておくべきね」展顔は端木翠が食事を始めると、地図を広げた。觳閶将軍の計画を分析すると(👇)この谷あたりで一戦交えたはずだという。すると端木翠の箸が止まった。「もしここで戦ったのなら2日以内で戻れる、まさか…この先は幽族の地よ? わずかな兵で危険な場所に踏み入るわけがない」「…それが目的だとしたら?」觳閶は端木翠への後ろめたさから酒をあおっていた。見かねた露姫(ロキ)が止めようとしたが、その時、端木翠が現れる。觳閶は端木翠に見抜かれたと察し、食料の奪還は口実で、真の目的は幽族の食糧庫を焼き払うことだと白状した。「最小の犠牲で敵に勝つことが間違いか?」「戦うのは死ぬためじゃない、生きるためだ!…あなたは人の命を軽んじ、独りよがりなのよ!」端木翠と展顔は夜を徹して馬を駆けたが間に合わなかった。2人は無惨にも全滅した若男の部隊を発見する。「すぐ気づくべきだった…せめてもっと早く到着していたら結果は違ったはず…(はっ)そうだ、若男…若男!」端木翠は必死に若男を探した。すると虫の息となった若男を見つける。「将軍…幽族の武器庫を燃やし、手柄を立てました…でも…副将になるのは無理そうです… 悲しまないでください…仲間たちに会える…虞都(グト)にも…」若男の目には虞都や仲間たちの笑顔が見えていた。「…私を迎えに来てくれたのね…そうなんでしょう?」それが若男の最期の言葉となった。觳閶は伝令兵から任務が完了したと報告を受け、練兵に戻ることにした。その時、突然、背後から矢尻を突きつけられる。觳閶がゆっくり振り返ると、矢を握っている端木翠の姿があった。「私を殺すのか?」「あなたの手柄のために若男たちを犠牲にしたのね!」しかし慌てて駆けつけた展顔が端木翠を止めた。さらに騒ぎを聞きつけた江易が現れ、觳閶営の犠牲者はもっと多かったと教える。「味方同士で揉めれば敵の思う壺だ、安邑(アンユウ)攻めを控える今、大局を重んじよ」「大局?ふっ…またその話ですか? つまり大局とやらを重んじるために、これほど残酷な方法を用いたと?」「わずかな犠牲で敵の食糧庫を燃やせた!これで極力、兵力を損なわず安邑を奪える」觳閶は苦渋の選択だったと訴えたが、展顔が端木翠を援護した。「他にも方法はあったはず、理由はどうあれ、こんなやり方は到底、受け入れられません!」すると展顔は若男たちの弔いがあると端木翠を連れて帰った。幽族太子・尾龍(ビリュウ)は父王が倒れたと聞いて慌てて崇城(スウジョウ)に駆けつけた。しかし幽王は食糧庫を燃やされた太子の失態に激怒、急いで戻ったのも王座を狙っているからだと邪推する。尾龍は必ずや安邑を守って実力を証明すると訴えたが、父王の反応は冷たかった。温夫人は息子さえ信じられない幽王を諌めた。しかし幽王はもし自分が重病なら尾龍は王位を奪ったはずだという。温夫人はもはや救いようがないと呆れ、これまでの鬱憤をぶちまけた。「あなたは王としても父親としても失敗したのよ あなたは野心に駆られ、無辜の者を大勢、殺した いつも身勝手で自分の息子の気持ちさえ考えたことがない いつの日か皆に見放された時、後悔するわよ?」若男の残した箱には故郷の土と故郷の蒲公英(タンポポ)が入っていた。端木翠は若男の心にいつも故郷があったのだと涙し、必ず生きて返すという約束をまた破ってしまったと落胆する。「ひたすら戦い続けて来たけれど、私の決断が正しかったのか分からなくなった…」しかし展顔は1日も早く戦いを終わらせ、さらなる悲劇を防ごうとなだめた。「そうだ、若男を帰郷させる方法がある」展顔は墓前に乾燥した蒲公英を埋め、乾坤袋から草花を早く成長させる札を出して使った。すると土の中から次々と蒲公英の綿毛が舞い上がる。「戦が終わる頃には辺り一面に蒲公英が咲いているはずだ 若男はここで故郷の花に囲まれる、これで帰郷を果たせるのでは?」その夜、展顔は故郷を懐かしむ仲間のために天灯を上げようと提案した。これは展顔の故郷の風習で、伝言を書いて空に放てば天にいる人にも見えるのだという。兵士たちは見様見真似で灯籠を作り、それぞれ家族への想いを書き込んだ。紅鸞(コウラン)は温孤と夫人の再会を願い、2人の絵姿を描く。こうして端木営からたくさんの天灯が舞い上がり、夜空を美しく照らした。…沈淵はよそ者を消してしまう…端木、いつまで君に寄り添えるか分からない…もし私が消えても悲しまないでくれ安邑の決戦当日、人族軍と幽族軍が対峙した。端木翠は亡き友の敵を打つため、尾龍は父からの信頼を取り戻すため、互いに負けられない戦いがここにある。「突撃!」こうしてついに決戦の火蓋が切られた。展顔は戦場を縦横無尽に駆け回る鏡妖を撃退、端木翠を驚かせる。「なぜ奴の弱点を?」「戦ったことがある」すると尾龍は端木翠から展顔を引き離すため、魑女(チジョ)に展顔を襲わせた。「端木翠!かかってこい!」端木翠と尾龍の大将対決は熾烈を極めた。やがて端木翠は尾龍に蹴り飛ばされ、倒れてしまう。尾龍はとどめを刺すべく端木翠めがけて突進したが、その時、凄まじい爆発音が鳴った。「うっっ…」実は端木翠は展顔が考案した火縄銃を携帯していた。そこで尾龍が近づくぎりぎりまで待ち、見事に尾龍の首に命中させる。すると尾龍は緑の血を吹き出し、崩れるように倒れた。「ありえぬ…どうして私の逆鱗が急所だと知っていた?」端木翠は決戦前夜、温孤から龍族の急所は首にある逆鱗だと聞いていた。展顔は幽族を裏切ることになると心配したが、温孤は早く戦を終わらせて両族の民を救いたいと覚悟を決めたという。魑女は撤退を告げ、太子を連れて姿を消した。「幽族の太子は死んだ!安邑城を落とすぞ!」端木翠の号令で人族軍は一気に安邑城へ攻め込む。オー!>\ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔノ )))))))) ドドドドドド~!つづく( ;∀;)若男…ここでまさかのトロッコ問題とはいや~端木翠の過去が辛すぎるところで″故気を完全に消すには解毒薬がいる″って、何それ?いつの間に?w
2023.01.07
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 1第32話端木翠(ダンムーツェイ)は幽族との半妖である温孤(オンコ)の登用を決めた。丞相・江易(コウイ)は慎重に考えるよう警告したが、端木翠は温孤が安全だと自分の命をかけて保証するという。「そこまで言うならお前を信じよう」そこで端木翠は改めて安邑(アンユウ)攻めを率いたいと嘆願したが、江易は退けた。江文卿(コウブンケイ)は岳老(ガクロウ)に頼まれて丞相に新兵の名簿を届けた。ついに前世の自分と対面した江文卿、すると江易がふと見覚えのある顔だと気づく。「どこかで会ったことが?」「岳老営の雑用ゆえお見かけになったのでしょう」江文卿は負傷した左目を覆い、頬にも大きな傷跡があるため、江易は自分と同じ顔だとは気づかなかった。…軍を率いる人族の統領なら養女に甘い顔をするな、神仙の冊封の時まで権力を握っておくのだ…江易よ、早く軍内の異変に気づけ…さもなくばお前が私自身であっても決して容赦せぬ幽族の太子・尾龍(ビリュウ)は人族丞相の暗殺に失敗した。度重なる失態に苛立ちを隠せない太子、しかし魑女(チジョ)が思いがけない情報を持って来る。実は温孤という人族の兵士が刺客に応戦して幽毒に侵された端木翠を救ったというのだ。それができるのは幽族である証拠、しかも温孤は半分人族だという。すると太子はふと成乞(セイキツ)が送って来た温孤の似顔絵を思い出し、もう一度、確認した。「太敖(タイゴウ)…お前だったか、早く気づくべきだった」温孤は端木営に来ても生傷が絶えなかった。紅鸞(コウラン)は温孤を介抱しながら、従軍医は戦う必要がないため腕力がなくても仕方がないという。実は温母は息子に人の命を奪う術を学ばせず、救う術だけ教えていた。しかし従軍医も戦場に赴くため、守られてばかりでは足手まといになってしまう。温孤は自分のせいで端木将軍が非難されることのないよう、今からでもしっかり鍛錬して強くなると言った。端木翠は展顔に端木営の戦術について意見を聞いた。すると展顔は十分な武器さえあれば少数でも難なく勝てるという。「本当なら端木営の副将にしよう」「約束ですよ?」そこで展顔は現世の知識を使って武器や防具を考案した。震天雷(シンテンライ)という大砲、様々な形の弩弓(ドキュウ)、歩兵用の盾、軽くても防衛力が高い鎧…。端木翠は展顔の才知に敬服しながら、自然と2人の距離も近づいて行った。端木翠は軍事会議で展顔が考えた武器の使用を提案し、使い慣れた自分が大将を努めたいと嘆願した。しかし觳閶(コクショウ)が反対、自分なら新兵器などなくても勝てるという。「端木営の力を証明したいだけだろう?!女だけで城を落とせると示したいだけだ」觳閶は私心を捨てて大局を重んじるよう迫り、展顔を支持するのは言うことを聞いてくれるからだと噛みついた。すると江易は展顔から直接、話を聞きたいという。そこで端木翠は早速、展顔を呼びに行った。觳閶は明らかに展顔に敵意を抱いていた。すると楊鑑(ヨウカン)は不用意に端木を怒らせるなと釘を刺し、端木翠が觳閶に嫁ぐと決まったわけではないと挑発する。「有能な仲間が増えたしな」「觳閶営には及ばぬ、幽族との戦に勝つには統合するしかない…彼女は私に嫁ぐのだ!」展顔はついに義父の前世である丞相と対面した。すると江易は端木が部外者を入れるのは展顔が初めてだと教え、もし先鋒で失敗すれば威信を失うと懸念する。「私が要らぬ疑惑を招くなら、どうすべきかご教示ください」しかし江易はそれ以上、追求しなかった。展顔が端木営に戻って来た。しかし安邑攻めについては何も分からないという。端木翠は苛立ちを隠せなかった。最前線で戦って来たのは統合を免れるため、このままでは今までの努力が無駄になってしまう。その時、楊鑑が現れた。端木翠はへそを曲げて義兄に挨拶もしなかったが、楊鑑は大将に決まった端木翠に令牌を渡して帰って行く。実は丞相は展顔なら信頼できると感じ、珍しく私情を挟んでいた。『端木は村落の存続のため戦いたいと請うた、それから血みどろの戦を戦い抜いてきたのだ しかし女子だけが残った今、嫌がらせを受けることも…そう思うと申し訳なくなる』端木翠は先鋒を任されたが、なぜか胸騒ぎがした。しかし展顔は何があろうと自分がついていると励ます。そんなある夜、端木営から火の気が上がった。姉妹たちが総出で消火し怪我人もなかったが、そこへ賊を捕らえた展顔が戻って来る。実は展顔の事前の忠告により武器は別の場所に隠しておいたため無事だった。明日は丞相が武器の視察に来る日、そのため賊は火を放ったのだろう。端木翠は早速、賊の覆面を外したが、犯人は温孤をいじめていた高伯営の兵士だった。端木翠は犯人を即刻、処刑した。翌朝、高伯褰(コウハクケン)は丞相に抗議し、後ろ盾のない自分を蔑ろにしていると嘆く。「端木翠と展顔が処罰されないなら高伯営は村落へ帰る!」すると江易はこれから端木営に赴き、是非をはっきりさせるとなだめた。端木営に江易たちがやって来た。端木翠は高伯営の兵士が武器庫に火をつけたと報告し、反逆行為に等しく処刑は当然だという。しかし江易は高将軍の顔を立てるべきだったと断罪、端木営をひと月の俸禄停止処分とした。(・Д・)<丞相?それだけですか?@高(・Д・)<丞相!なぜ仲間まで巻き添えに?@端木江易は決戦が近いことから互いに譲れと言い聞かせたが、展顔が口を挟んだ。「丞相、決戦前だからこそ是非を明確にすべきでは?!」展顔は放火犯の処刑に非はなく、処罰は不公平だと訴えた。軍では力で抑制するより公平さを重んじるべき、難癖をつけて端木将軍に罪を認めさせ責任を問うたりすれば、兵士の士気が下がるという。これにはさすがに丞相も激怒し、上官に楯突いた展顔を処罰すると命じた。驚いた端木翠は上官である自分の責任だと認め、自ら処罰したいと申し出る。「いいだろう、手心を加えるでないぞ」端木営で展顔の処罰が始まった。端木翠は丞相や皆が見ている前で鞭を振り上げ、展顔を打ち続ける。展顔の背中は大きく裂けて血が飛び散り、やがて展顔は激しく血を吹き出した。心を鬼にして再び鞭を振るう端木翠、その時、見かねた温孤が飛び出し、身代わりとなって鞭に打たれてしまう。そこで姉妹たちも一斉にひざまずき、展副将と共に罰を受けると叫んだ。端木翠は仲間たちの硬い絆に心を打たれ、監督を怠った過失は自分にあると訴える。「丞相、残りの鞭は私が受けます!」丞相は高将軍に判断を任せると、高伯褰は溜飲が下がったのか、端木翠が罪を認めたなら許してもいいと勝ち誇ったように笑った。その夜、端木翠は自ら展顔の背中の傷を介抱した。「ごめんなさい…鞭で打って…」「いいんだ、かばってくれたのだから」「知っていたの?」「もちろん分かっていた…君も気づいていた?」展顔は丞相も端木翠を処罰するのは辛いと知っていた。しかし決戦を控える統領として皆に配慮しなくてはならなかったのだろう。端木翠は確かに昨夜は感情的になり過ぎたと反省した。「1人で背負うな」「展顔…ありがとう」「私たちの間に礼など無用だ」…端木、君は大変な思いをしながら生きて来たんだな…端木翠が幕舎に戻ると觳閶が待っていた。「どこへ行っていた?」「展顔の手当てに…私のために処罰を受けた」すると觳閶は大事な時期になぜこらえなかったのかと叱り、もし高伯営が裏切れば挟み撃ちを食らうという。端木翠は役立たずなど寝返ればいいと言い放ったが、觳閶は決戦を前にした将軍がいう言葉かと声を荒らげた。「…疲れたの、話は明日に」「真剣な話をするとこれだ、夫婦になれば逃げられないぞ?」「觳閶…私たちの婚姻は保留にしよう」「今なんと?」「本当に疲れている、明日、話そう」端木営の幕舎には兵士たちの名前がついた箱が積み上げられていた。端木翠は大事そうに箱を開けながら、あの日のことを思い出す。…明日、皆は戦場に赴く、家族や友に残したい物を箱に入れておけ…幽族との戦いに勝ち、故郷に錦を飾った暁には、その手で愛する人に渡して欲しいそこへちょうど阿弥(アビ)が入って来た。「守ってやれなかった…私は無力だな」「彼らは責めたりしません、そうだ、あなたへの贈り物の箱を覚えていますか?」そう言えばあの日、初陣になる虞都(グト)は箱を2つ預けた。…もうひとつは皆から将軍への贈り物ですよすると阿弥は箱から美しい女子の衣を取り出し、端木翠に渡した。「以前は淡い色の衣がお好きでしたね でも戦で付いた血の痕を私たちに見せまいと着なくなりました 戦が終われば自分のために生きて欲しい、将軍ではなく端木翠として…」阿弥は端木営のために自分を顧みない端木翠を見ているのが辛いと言った。端木翠は独りになると衣を自分の身体に当てて合わせてみた。そこへちょうど展顔がやって来る。「端木…」展顔は現世での華やかな端木上仙を思い出し、愛おしそうに見つめた。「…私が想い人にでも見えたの?きっと女らしい衣を好んだのね」「彼女はお洒落で美しい衣を着ていた」記憶のない端木翠はまさかそれが自分の未来の姿だと知る由もない。「私も美しい衣が好きだった、だが戦場に長くいるうち軍装に慣れた」「君が美しい衣を避けているだけだ」展顔は皆が見たいのは好きな衣を着る端木翠の姿だと訴えた。端木営の仲間たちはもちろん展顔も端木翠の幸せを望み、肩の荷を全て下ろして欲しいと願っているという。「そうね、将軍である前に私は端木翠、死んだ仲間たちも私に笑って欲しいはずだわ」その夜、戦術を考えていた展顔は急に筆を持つ手に感覚がなくなった。すると両手が一瞬、消えかかり、元に戻る。「はっ!楊鑑星君が言った通り、このままでは沈淵に消されてしまう」今頃、現世はどうなっているのだろうか。展顔は残り時間が少ないと知った。早く端木翠の記憶を戻し、解毒薬を手に入れて現世に戻らなければ、展顔も端木翠も危うくなってしまう。一方、端木翠はおかしな夢を見ていた。誰もいない荒野に倒れている女子、しかし枯葉に覆われて顔は見えないするとぬかるみから無数のマッドハンドが飛び出し、突然、ドロヌーバが現れたそのドロヌーバは端木翠の不満と悔恨の権化だという…端木、過去の悔恨は全て埋めてやった…村落の若者はお前を支持し、命懸けで戦いに臨む…地位も名誉も手に入れた、觳閶とも添い遂げられるのになぜ去ろうとする?なぜ満足しない?…お前が満足しないせいで沈淵が荒れている…諦めてこそ得るものがある、端木、よく考えろ…手に入れた物を1人のために捨てるのか?憤慨した端木翠はドロヌーバに斬りかかると、ドロヌーバは消散したしかし再び泥が集まり、人像に戻ってしまう…彼女を起こすな、起こせば大切なものが全て消えるぞ…彼女はお前でお前は彼女だ…良いか、目覚めさせてはならぬ、さもないと全て水の泡だすると突然、全て消えてしまう『彼女は?どこへ行った?!』…心の中で常にお前と共にいる、忘れるな、彼女を起こしてはならぬ第1季 完|ω・`)ここに来て突然のマッドハンドとドロヌーバ最初はどろにんぎょうかな?と思ったけど、足が見えないからドロヌーバかなと思って…って、いやそこ?!w
2023.01.05
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 1第31話端木翠(ダンムーツェイ)は展顔(ヂャンイェン)がくれた飴細工を持って幕舎に戻った。幼い頃から修練に明け暮れる毎日だった端木翠、将来は村落を率いて父の端木(タンボク)村と母の虞山(グサン)村を守らねばならず、母から″甘い物を食べると気が緩み、戦で判断力が鈍る″と叩き込まれて来た。「(ペロリ…)この味、10年ぶりだ、懐かしい」それにしても展顔はなぜ自分の好物が分かったのだろうか。一方、無罪放免となった展顔はこのまま端木営で丞相の指示を待つことになった。没収された巨闕(キョケツ)も手元に戻り、ようやく一息ついた展顔、そこで乾坤袋から思い出の人形を取り出し、端木翠への想いを募らせる。「何としてでも私を思い出させる…沈淵(チンエン)から出るんだ」…その頃、現世の啓封(ケイホウ)では人族と幽族が良好な関係を築いていたしかし再び故気(コキ)が蔓延して状況は一変、朱雀通りで人族と幽族の争いが勃発し、殺人まで起こってしまう上官策(ジョウカンサク)は張瓏(チョウロウ)と趙武(チョウブ)を連れて現場へ駆けつけたが、3人も故気を吸い込んで様子がおかしくなったすると幽族の鶴雪(カクセツ)が駆けつけ、付近の故気を消してくれる正気に戻った上官策はひとまず民を屋内に避難させ、外出時は鼻と口を覆うよう府令を出した…紅鸞(コウラン)が目を覚ますと端木営にいた。温孤(オンコ)から内通者の件が解決したと聞いた紅鸞は衣羅(イラ)に会いたいと頼み、墓前で敵を討てたと報告する。「阿弥(アビ)に聞いたの、端木将軍は女だけど兵を率い、戦場に出て女子を守ると… 端木営では女も男も平等で皆が尊重されている」紅鸞はもっと早く端木将軍と出会えていたら衣羅を死なせることもなかったと涙した。「端木将軍のそばにいたらきっと幸せに生きられるわね…かたや幽族は奴隷のように抑圧されている」しかし今の2人では1日も早く人族と幽族の争いが終わり、平穏な日々が送れるよう願うことしかできない。一方、安邑(アンユウ)城では太子・尾龍(ビリュウ)が激怒していた。成乞(セイキツ)のせいで人族が警戒を強め、新たに間者を送ることも難しくなってしまう。「他の策を講じねば…そうだ、頭(カシラ)から叩こう」丞相・江易(コウイ)は成乞が内通者だったことから万全を期して作戦を変更すると決めた。そこで先鋒を觳閶(コクショウ)に変更、端木翠は面白くない。一方、江文卿(コウブンケイ)は正体を隠しながら兵営の様子を探っていた。すると軍首脳の会議から締め出された高伯褰(コウハクケン)を見かける。「成乞の正体がもう露見してしまうとは…」本来なら安邑の決戦は凄惨を極め、端木翠は多くの兵を失うはずだった。しかし展顔が内通者を暴いてしまったため、端木翠は打撃を受けることなく安邑を落とせるだろう。江文卿は展顔が沈淵に来たことで様々な変化が生じていると気づいた。展顔は丞相の幕舎の前で言い争う端木翠と觳閶を目撃した。どうやら安邑攻めの先鋒が交代になったらしい。怒りが収まらない端木翠はそのまま遠乗りに出ると、やり場のない怒りを岩にぶつけていた。そこへ展顔がやって来る。展顔は鞭で岩を叩くより、憂さ晴らしに馬で勝負しないかと誘った。「望むところだ!」展顔は端木翠が無類の負けず嫌いだと知っていた。端木翠は無我夢中で馬を駆けているうち、いつの間にか鬱々とした気分も晴れていた。2人は馬を引きながらのんびり歩いて引き返したが、展顔はこの機会に端木営に入りたいと頼む。しかし端木翠は同族しか入れないと難色を示した。「だが戦が迫ればそうも言ってはいられな…(はっ)」その時、展顔は視線の先にある木の幹に何かが張り付いているのを見つける。←無理くりwww「繊維が粗い…人族の衣ではないな」すると付近に見慣れぬ靴の跡があり、たどってみると兵営に続く道へ出た。「まずい、急いで戻ろう」人族の兵営が寝静まった頃、幽族の刺客が潜入した。しかし危ないところで端木翠と展顔が駆けつける。2人は刺客を排除したが、端木翠は手のひらを斬られていた。驚いた展顔は咄嗟に端木翠の手をつかんで確認すると、その時、端木翠の傷口から流れた血が巨闕に滴り落ちる。すると驚いたことに巨闕は端木翠の血を吸い込んだ。「まさか私の血で修復したことが?」「思い出したのか?」「いいえ…大哥に神剣の話を聞いたの」刺客の襲撃を聞いた觳閶は慌てて端木営に駆けつけた。しかし幕舎で親密そうな端木翠と展顔を見つける。端木翠はひとまず展顔を下げたが、觳閶はよそ者の展顔に警戒するよう釘を刺した。「展顔がそなたを慕っているという噂だ、入隊は愛慕からだと…」觳閶は自分の許嫁として自重するよう迫り、1日も早く婚姻を結んで軍を強化したいと訴える。すると端木翠は思わず自分との婚姻は戦力を増幅する手段なのかと聞いた。「他に目的が?」「そうね、あなたが正しい、私も同意見よ」翌朝になっても端木翠は手の出血が止まらなかった。心配した楊鑑(ヨウカン)はすぐ軍医を呼んだが、なぜか治すことができない。するとちょうど通りかかった温孤(オンコ)が駆けつけた。端木翠の傷を見た温孤は幽毒だと気づき、霊力を使って排出させようとする。しかし治療中の温孤を見た楊鑑が幽族だと気づいた。やがて端木翠が黒い血を吐き出して意識を失うと、楊鑑は温孤が危害を加えたと誤解して投獄してしまう。…現世の蓬莱では司法星君・楊鑑が七星灯(シチセイトウ)で端木翠の元神(ゲンシン)を呼び戻そうとしていたすると七星灯に火がともり、端木翠が無事だと分かる安堵する楊鑑だったが、そこへ神仙たちが駆けつけた「人間界の故気がひどくなっている、このまま広がれば人間界は大惨事じゃ」しかし端木翠に伝達する術がなく、楊鑑はいよいよの時には自分が赴くと約束した一方、啓封でも鶴雪がこの怪奇現象は民たちが外部から意識を操られているせいだと説明していたしかし話を聞いたところで上官策には何の手立てもないすると趙武が細花流(サイカリュウ)を訪ねようと提案した「それで?」「それで…あれ?何を言いかけたのか…誰かの名が浮かんだのだが…」「…端木門主?」張瓏がようやく端木翠の名前を思い出し、上官策たちは急いで細花流へ向かったその頃、端木草盧(ソウロ)では青花(セイカ)小仙と薬瓶が主人の帰りを待っていた「はあ~主人はいつ戻るのかな?」「主人って誰のこと?記憶にないわ」「三界一の美貌を誇る神仙だ!…ん?たぶん、そうだったような〜名前は〜何だったっけ?」「…端木翠?」「そうだ!端木翠だ!」青花は端木翠が過去に執着すればするほど現世での関わりが薄れて行くことを思い出し、このまま主人を忘れたくないと嘆く一方、上官策たちは端木橋に到着したしかし3人はなぜここへ来たのか思い出せず、呆然と立ちすくんでしまう…展顔は紅鸞の協力を得て温孤を牢から連れ出し、端木翠の治療を任せた。その時、端木翠は夢の中で端木草盧にいたが、ここがどこなのか分からない。すると寂れた草盧に誰かが立っていた。男はゆっくり振り返ると、次第に白いもやが晴れてはっきりと顔が見える。これまで顔が分からなかった男、それは展顔だった。しかし展顔はいきなり背後から見覚えのある長槍で突き刺されてしまう。すると楊鑑が幕舎に戻って来た。温孤が端木翠を治療していると気づいた楊鑑は剣を抜いたが、咄嗟に展顔と阿弥が立ちはだかる。「治療の邪魔をしないでください!」その時、端木翠がようやく目を覚ました。展顔と紅鸞は霊力を使い果たした温孤を休ませるため居所へ戻った。紅鸞は正体を隠せなくなった温孤を心配したが、展顔は端木将軍が守ってくれるはずだという。すると紅鸞も安心し、何があろうと温孤について行くと決めた。楊鑑は端木翠がすでに温孤の正体に気づいていたと知った。しかし温孤は人族を傷つけたことがなく、端木翠は温孤を信じるという。「温孤がいなかったら私は死んでいたわ…」その夜、展顔は端木翠に付き添っていた。すると端木翠がふと目を覚まし、もしや巨闕が折れたことがあるか聞いてみる。「夢を見たの…私は自分の血で巨闕を修復していたわ、現実なの?」「…これから話すことは荒唐無稽に思えるだろう、だけど事実だ 私はここの者ではなく君と千年後から来た、ここは沈淵、君の過去だ 現実を思い出さないと出られなくなってしまう…」展顔はここに長くいるほど現実に戻るのが難しくなると説明し、現実の世界も自分たちを忘れて行くと訴えた。しかし端木翠は到底、受け入れられず、話を終わらせてしまう。翌朝、端木翠は義兄に″沈淵″を知っているか尋ねた。楊鑑は誰に聞いたのかと驚きながら、伝説では神女(シンニョ)が沈淵を開いて天地を創ったと言われ、つまり沈淵とはもう一つの世界だという。「我々がいる世界とは別の世界のこと、そこに入るとたぶん幼い頃の自分たちに会えるだろう 死んだ仲間たちとも会えるのかもしれない…」「ここが沈淵の可能性もある?」「バカなことを、神女と同じ力を持つ者でなければ開けぬ」「母は神女の子孫よ、私も力を継いでいたら虞都(グト)に会える?」しかし何かしらの子孫だと名乗るのが村落では常套、楊鑑は幽毒の後遺症かと取り合わなかった。半妖だとばれた温孤は高伯営で壮絶ないじめを受けていた。温孤もさすがに我慢の限界、手のひらに龍気を集めたが何とかこらえる。その時、端木翠が現れた。端木翠は兵士のいじめを容認している高伯褰に激怒、温孤を端木営で引き取ると決めた。すると高伯褰は厄介払いできたとばかりに喜んで温孤を譲る。端木翠は憂さ晴らしに温孤を連れて夕陽を見に出かけた。「将軍…なぜ幽族の私のために高将軍と対立したのですか?」「お前こそ正体が露見しても私を救ったではないか」「母は人族の医者でした、私は半妖のため他の幽族ほど強くない 役立たずの邪魔者といじめられてきたのです、だから正体を隠して人族に紛れました でも正体を知った人族には獣のように扱われる…どこへ行っても嫌われます 将軍だけが差別しなかった…そんな将軍の危機を見過ごしたら獣にも劣ります」「それが質問の答えだ、命を懸けてくれる兵を守れなければ将軍である資格はない 温孤、お前を信じる、だから自分を蔑むのはやめろ、私が認めた男なのだから…」「将軍!命に変えても戦い抜き、信頼に応えます!」つづく
2023.01.04
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 1第30話紅鸞(コウラン)は衣羅(イラ)の敵を討つため成乞(セイキツ)に襲いかかった。しかし魑女(チジョ)が立ちはだかり、霊力の弱い紅鸞は反撃され深手を負ってしまう。そこへ内通者を探していた虞都(グト)が現れた。紅鸞は成乞が幽族に寝返ったと暴露、憤慨した虞都はすぐ報告に戻ることにする。その時、成乞が背後から虞都に襲いかかった。紅鸞は警告しようとしたが、声を出す前に意識を失ってしまう。逆上した成乞は背後からいきなり虞都を突き刺し、蹴り飛ばした。「端木(タンボク)営ばかりいい思いをして…俺は雑用ばかりだ、納得できるか?!」虞都は咄嗟に指笛を吹いて急を知らせたが、焦った成乞に喉を掻っ切られてしまう。「…人族の援軍が来るわね、巻き添えはごめんよ、お先に」魑女が姿を消すと、成乞も現場を離れた。虞都は何としてでも端木営に戻りたかった。目に浮かぶのはいつも自分を守り可愛がってくれた姉たち、その時、兵営に向かっていた展顔(ヂャンイェン)と温孤(オンコ)が倒れている虞都と紅鸞を発見する。「虞都!」「私を殺したのは…」虞都は結局、犯人の名を告げる前に事切れてしまう。そこへ成乞が何食わぬ顔で援軍を連れて現れ、展顔と温孤を犯人に仕立て上げた。岳老(ガクロウ)営の幕舎にまたひとつ木牌が増えた。岳老の従兵となった江文卿(コウブンケイ)はこれで端木営に男がいなくなり、觳閶(コクショウ)営との統合が避けられなくなった頃だと知る。…筋書き通りだ、私は辛抱強く冊封の時を待てば良い…端木営は悲しみに包まれた。虞都の亡骸は血まみれで、そのかっと見開いた目はいかに無念だったかを物語っている。端木翠(ダンムーツェイ)はそっと虞都の目を閉じ、必ずやその苦しみを何倍にもして敵に返すと誓った。「虞都を殺したやつは誰だ?!」牢屋に端木翠が現れた。「端木!!」展顔は自分の牢に入って来た端木翠に思わず駆け寄ったが、いきなり胸を刺されてしまう。「端木…展顔だ…忘れてしまったのか?」「お前が灰になってもその顔を忘れるものか!絶対に許さぬ!」千年前に戻った端木翠は展顔を覚えていなかった。展顔はかつて司法星君・楊鑑(ヨウカン)から沈淵(チンエン)にいる端木翠は自分を覚えていないと聞いた。…あの沈淵は端木翠のもの、よそ者の展顔が入れば端木翠が思い出してくれない限り消されてしまう『なぜ私が端木を止めたと思う? 沈淵は天外の地だ、あそこへ行ったらそなたらは現世に存在しなくなるかもしれない』しかし展顔は行かざるを得ない理由があるのだろうと端木翠をかばった理由と聞いた楊鑑は故気(コキ)が原因だと思いつき、確かに温孤が死んでも故気がある限り再び幽毒が広まると気づく『端木の目的は故気を消すことだ…何と愚かなことを、あまりに危険すぎる』もし戻って来られなければ、端木翠は一生、深淵の中で暮らすことになるだろう『私が必ず連れ戻します!』 ←ってこれいつの話よ?w展顔は端木翠の剣をつかみ、自ら深く差し込んだ。「私の命が欲しいならあげよう」驚いた端木翠は慌てて剣を引き抜き、軍の掟に従って裁くという。そこへ觳閶(コクショウ)が現れた。「凄腕だと聞いた、虞都を殺した手並みを見てみたい、私と勝負せよ」觳閶は端木翠が手を下せば私憤を晴らしたと責められるが、自分なら非難されないという。「あなたが觳閶将軍ですか?」「そうだ」すると展顔は腕比べで負けたら命を差し出すが、もし自分が勝ったら端木将軍に話を聞いて欲しいと頼んだ。展顔は虞都が自慢していた通り相当な手だれだった。しかし傷口を蹴られたせいで出血、隙をついた觳閶が長槍で襲いかかる。その時、端木翠が止めた。「待った!殺してはダメ!」端木翠は阿弥(アビ)に展顔を天幕で監禁するよう命じた。納得できない觳閶はなぜ情けをかけるのか聞いたが、端木翠は展顔が犯人ではないという。虞都は展顔に助けられたと話し、優秀だと絶賛していた。何より展顔の剣術は人族のものでも幽族のものでもなく、虞都を殺した剣術ではない。「それにあの腕前なら一太刀で殺せるはず…この件には裏がある」端木翠は義兄の楊鑑に呼ばれた。すると楊鑑の手に展顔の佩剣(ハイケン)がある実は義父に聞いたところ上古の四大神剣のひとつ・巨闕(キョケツ)だと分かった。驚いた端木翠は剣を見せてもらったが、不思議と剣に親近感を覚える。「(クンクンクン…)なぜか血の匂いがするわ、嗅いでみて」「そうか?全く分からぬ」実は古書には己の血を使って剣を作るか修復した場合、その者が剣の主となって剣の血の匂いを嗅ぎ取れるとあった。「妹子、己の血を剣に垂らしてみるか?剣に溶け込めばその者が剣の主だと分かる」「バカバカしい」端木翠は迷信に過ぎないと呆れたが、そもそも四大神剣は今でも剣池にあって世に現れていないはずだった。「奴はただ者ではなさそうだ…義父が仰せだ、巨闕に主と認められた者は天に選ばれし者である その者を味方にできればよいが、敵になるなら殺すしかない」「ダメよ!」端木翠は義父の丞相・江易(コウイ)に安邑(アンユウ)攻めを任せて欲しいと嘆願した。すると丞相はその覚悟に免じて端木翠を大将に任じ、他の陣営の兵馬も自由に選ぶことを許す。「10日後に安邑を攻める!」高伯蹇(コウハクケン)は安邑攻めの大将が端木翠に決まり、やけ酒を飲んでいた。そこで成乞を呼び、虞都を殺したかと鎌をかける。しかし成乞は確かに馬にしびれ薬を盛ったが、その後のことは知らないと断言した。高伯褰はやはり自分の陣営に裏切り者などいないと安堵したが、うっかり10日後に端木翠が安邑を攻めると口を滑らせてしまう。端木翠は展顔の話を聞くことにした。すると展顔は端木翠に会うために来たと訴え、帰ろうという。「端木と気安く呼ぶな!再び訳の分からぬ話をすればお前の首を切るぞ!」端木翠は短刀を突きつけ脅したが、展顔は動じない。「…なぜここに来た?」「理由は話したが信じてくれない…君を連れて帰る」「それ以上、言えば殺すぞ!白状しろ!」「すべて本当のことだ、君が信じなくても前言を撤回しない、私は君に嘘をつかないからだ」 展顔の話は突拍子もなかったが、そのまっすぐな目は嘘をついているとは思えなかった。端木翠はともかく虞都が殺された状況を確認した。しかし展顔の説明は成乞と全く違う。そこで展顔は証拠を探すと言った。「事件には手がかりが必ずある、虞都が答えを教えてくれる」一方、成乞は安邑城に密報を送り、10日後に端木翠が攻めてくると知らせた。ついでに温孤の始末を頼むため、似顔絵を入れておく。すると絵を見た幽族の太子・尾龍(ビリュウ)はどこか見覚えがあると気づいたが、結局、思い出せなかった。展顔は虞都の亡骸を検死、衣に付着した草の種を見つけた。首の傷は中心が深く両端が浅いことから凶器は彎刀(ワントウ)、傷口の形や方向を見るに犯人は左手だと分かる。展顔は思い立って乾坤袋を出し、法器の筆で凶器の刀を描くと、本当に彎刀が現れた。乾坤袋に見覚えがある端木翠だったが思い出せず、それより展顔が出した刀は人族の将校が用いる彎刀だと驚く。「…で、私たちはどうやって犯人を探す?」「″私たち″と言いましたね」端木翠は無意識に飛び出した言葉に意味があるとは知らず、展顔に3日で犯人を捕えろと命じた。「お任せください、しかし犯人を見た者がまだ牢に…犯人は口封じに殺すかもしれません」端木翠と展顔が牢屋に駆けつけると、温孤と紅鸞が幽族の刺客に襲われていた。2人は刺客をすべて片付けたが、端木翠は幽族がここまで入り込んだことに動揺を隠せない。すると展顔は内通者の手引きに違いないと指摘した。陣営に戻った端木翠が幕舎で物思いにふけっていると觳閶が現れた。觳閶は楊鑑が喧嘩ばかり売ってくるとぼやき、端木翠が嫁ぐ前に側女の露姫(ロキ)を追い出せと噛みついて来るという。「どう思う?」「あなたが決めて、今は事件の解決が先よ、些事は伝えなくていい」端木翠は嫉妬しないどころか、気にも止めていない様子だった。展顔と温孤は虞都が殺された現場を調べに向かった。すると虞都の衣に付着していた草の種と同じ種を見つける。「まだ犯人の身体にも付いているかもな…」展顔は妙案を思いつき、兵営に戻って端木翠に協力を求めた。端木翠は各陣営の将軍と副将を集めた。「今、私の兵営に紅鸞という娘がいる、犯人を目撃した紅鸞は深手を負い昏睡状態だ しかし治療が功を奏し、紅鸞はじき目覚める、そのあと丞相に尋問してもらう」紅鸞が目覚めると聞いた成乞は急に青ざめ、緊張のせいか絶えず茶をすすり始める。その様子を展顔は見逃さなかった。成乞は皆が寝静まった頃を狙い端木営に潜入した。そこで寝台で眠っている紅鸞に近づき、そっと彎刀を抜いて振りかぶる。「遅かったな、もう来ないかと思ったぞ」その声は紅鸞になりすました端木翠だった。成乞は罠だたと気づいて逃げようとしたが、飛び起きた端木翠に捕まってしまう。成乞は自分が虞都を殺した証拠がないと反発した。激高した端木翠は虞都と同じように首を斬って傷跡を比べると迫ったが、展顔が止める。↓「ちょっと待った!本人に認めさせます!」展顔は成乞の左手にタコがあることから左利きだと確認した。また成乞の彎刀には虞都の衣についていた珍しい草の種と同じ種が付着している。しかし成乞は罪を認めようとしなかった。すると展顔が言い逃れできない証拠を示す。「お前の天幕に幽族と交わした文があった、調べたところお前の筆跡に間違いない」成乞が犯人だと確信していた展顔は成乞が黒装束で天幕を出た後、証拠を見つけ出していた。成乞が犯人だという動かない証拠がでたところで丞相が現れた。開き直った成乞は幽族に寝返ったと認め、これまで自分を見下してきた端木翠への恨みで虞都を殺したと叫ぶ。すると端木翠は成乞の胸を突き刺し、虞都の復讐を果たした。しかし成乞は死に際に幽族へ緊急の連絡を送ってしまう。端木翠は真相を突き止めてくれた展顔に感謝した。展顔は故郷の啓封で捕吏だったと話し、捕吏とは賊を捕まえる役人だと説明する。「啓封には賑やかな通りがあるんだ」しかし今の端木翠に啓封での記憶はなく、自分は戦に明け暮れ、平凡な日常を忘れてしまったとぼやいた。すると展顔はもうすぐ端木営が幽族に勝って平和をもたらすと励まし、人間界の未来は素晴らしいという。「それは君たちのおかげだ」「そんな日が早く来て欲しい、誰もが安心して通りを歩き、種族で差別されることもない…」「戦禍が続いている今は道義のあり方も変わってしまう、君は将軍の役目を果たしているだけだ」「その言葉に慰められた」展顔はふと思い出し、乾坤袋から神仙の端木翠が大好きな飴細工を出した。「甘い物を食べると心が和む」「…その袋にはどれほど宝が入っているの?」「袋の主に聞くしかないな~その人が全部、思い出したら教えてもらおう」「主?」「私が守りたい人だ」「その人は幸運ね」「私も幸運だ」岳老は仲睦まじい様子の端木翠と展顔を見て思わず笑顔になった。しかし江文卿は展顔がすでに端木翠を見つけたことに驚きを隠せない。…よく見張らねば、顔児(イェンアール)に私の計画をぶち壊されてはならぬ…つづく
2023.01.01
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 1第29話温孤(オンコ)が端木(タンボク)営を訪ねると、ちょうど端木翠(ダンムーツェイ)が悪夢にうなされていた。苦しそうな将軍を見た温孤は術を使って起こそうとしたが、運悪く阿弥(アビ)に見られてしまう。「何をしている?!」阿弥は温孤が将軍に危害を加えていると誤解、いきなり襲いかかった。すると打たれたせいで温孤の首筋に一瞬、幽族の原型が浮き出てしまう。「(はっ!)大胆不敵な幽族め!」「誤解しないくれ、私は将軍を目覚めさせようとしただけだ!」温孤は仕方なく殺したければ殺してくれと開きなおったが、その時、端木翠が目を覚まして阿弥を止めた。「人族であれ幽族であれ、彼は私に悪意を抱いていない…」温孤は母が人族だった。そのため幽族の地では半妖と蔑まれ、人族の地では正体を隠さねばならなかったという。すると温孤は種族で差別されなかったのは初めてだと感謝し、端木翠のために処方を書いた。「これで安眠できるようになります…将軍、ご安心を、もう2度と近づきません」一方、展顔(ヂャンイェン)は幽族の捕虜となった虞都(グト)を救出、端木営に入隊したいと頼んだ。「将軍と面識が?」「あると言えばある…実は女傑と名高い端木将軍に憧れているんだ」しかし端木営は男を採用しないため、虞都は兵士を募集している楊鑑(ヨウカン)将軍に推薦するという。「必ず応募しろよ!じゃあこれで!」崇城(スウジョウ)では人族の温夫人が熱心に怪我をした小動物を助けていた。しかし幽王はせっかく元気になった兎を無惨にも放り出してしまう。幽王は温夫人が自分たちの息子・太敖(タイゴウ)を勝手に王宮から出したことが未だ許せずにいた。すると温夫人はこのまま王宮にいれば息子が幽王のようになってしまうという。「私が医者として唯一の後悔はあなたを救ってしまったことよ!」幽王は自分に反抗してばかりの夫人に憤ったが、いずれ幽族が人族を統治すれば分かる日が来ると言った。息子を手放してから孤独な日々を送る温夫人、そんな夫人のそばにはいつも紅鸞(コウラン)がいてくれた。紅鸞は夫人が王宮から出したからこそ太敖は善良のままでいられると安心させる。しかし温夫人は特殊な身分の息子が心配だと漏らした。そこで紅鸞は自分が太敖の安否を確認して来るという。虞都が捕虜となり、觳閶(コクショウ)は機密が漏れていると気づいた。そこで端木翠と高伯蹇(コウハクケン)だけを呼び、今後の協議は副将抜きで行うと伝える。将軍たちの話が気になる成乞(セイキツ)はわざと銅貨を落とし、拾うふりをしながら天幕に近づいた。すると偶然、通りかかった温孤が落ちている銅貨を拾ってしまう。落とし主を探して見回す温孤、すると視線の先に成乞の姿があった。「大人(ダーレン)、これはあなたの銅貨では?」「知るか!失せろ!」「…銅貨から幽族の匂いがする、何かやましいことでも?」成乞は何か勘付かれたと動揺して温孤に剣を突きつけたが、騒ぎに気づいた端木翠たちが出てきてしまう。高伯蹇はまた面倒を起こした成乞を一喝、陣営に引き上げることにした。すると端木翠は温孤の身を心配し、咄嗟に先日の薬が良く効いたので1日おきに届けて欲しいと頼む。「もし来なければ私が高伯営を訪ねよう」成乞は兵営で温孤に手を出せなくなった。そこで温孤に安邑城の外を巡回するよう命じ、幽族に口封じを頼む。一方、紅鸞は太敖を探して安邑城の近くまでやって来た。そこで偶然、刺客に襲われる人族の兵士を見かける。「太敖?!」紅鸞は深傷を負った兵士が太敖だと気づき、桃花の術で助け出した。しかし刺客に追いつかれ、包囲されてしまう。その時、人族の兵営を目指していた展顔が通りかかり、巨闕(キョケツ)で助太刀した。「(はっ!)君たちだったか?」「どこかでお会いしましたか?」「かもな…」展顔は桃花の術で刺客を囲い込むよう助言、紅鸞は見事に刺客を退けた。その頃、上機嫌の成乞はまた端木営に嫌がらせにやって来た。「いっそのこと皆で高伯営の男に嫁いだらどうだ~」しかしその時、虞都が元気な姿で戻って来る。「私なら生きているぞ?」端木営の姉たちに囲まれ嬉しそうな虞都、その様子を成乞は呆然と見ていた。「まさか…なぜ?!」「もしや私に死んで欲しかったのか?あいにくだがこの通り無事だ」すると驚いた成乞は逃げるように帰ってしまう。やがて騒がしい声に気づいた端木翠が外へ出て来た。そこには生還した虞都の姿ある。(  ̄꒳ ̄)<将軍!( ;∀;)<…よくぞ戻った!紅鸞はひとまず人里離れた衣羅(イラ)の家に避難することにした。戦乱で両親を亡くした衣羅は天涯孤独となったが、かつて賊から助けてもらった縁で紅鸞を姉のように慕っている。衣羅は紅鸞がついに想い人を見つけたと喜んだが、紅鸞はでたらめだと否定し、薬の準備を頼んだ。しかし展顔はなぜ好きなのに認めないのかと首を傾げる。「釣り合わないから見守るだけでいいの、彼が幸せなら十分よ」「目の前の機会をつかまなければ一生、すれ違いで終わるのに?」「どうして分かるの?」「…そんな気がした」すると紅鸞はなぜ桃花の術を知っていたのか聞いた。展顔は古書で読んだことがあるとごまかし、2人に会えて良かったと告げる。「2人の幸せを願っている」虞都は端木翠に展顔という腕利きの男が助けてくれたと教えた。しかしどうやら人族の陣営に内通者がいるという。端木翠は虞都の馬が急に動かなくなったと聞き、真っ先に成乞を疑った。「馬の管理は高伯営の仕事、あの時、成乞自ら馬を届けに来るなんて変だと思った」温孤が目を覚ました。喜んだ紅鸞はかつて太敖が助けてくれた桃の花だと伝える。「修練を積んで人の形を手に入れたのか…」「あなたのおかげでです」「そんなことはない、お前の努力の賜物だ…私はもう太敖ではない、温孤と名乗っている」温孤の″温″は母の姓で、孤独の″孤″は誰にも頼らず生きるという戒めだという。そこへ展顔がやって来た。温孤は自分たちを助けてくれた恩人だと知り、心から感謝する。すると展顔が虞都の推薦で入隊するつもりだと聞き、一緒に兵営まで行こうと誘った。紅鸞は自分も一緒に行くと言ったが、温孤は正体がばれたら危険だと訴え、かえって自分の負担になるという。仕方なく紅鸞はあきらめ、何かの時は会いに来て欲しいと頼んだ。一方、安邑城では幽族太子が報告を聞いて激怒していた。人質の虞都には護送中に逃げられ、成乞の要請で送った配下も全滅したという。焦った魑女は成乞に事情を聞いてくると伝え、急いで出かけた。すると刺客たちが桃花の術で襲われたと分かる。「この身の程知らずは誰かしら?」紅鸞はやはり温孤について行こうと決め、衣羅の家を出た。すると途中で香袋を忘れたことに気づき、引き返すことにする。一方、衣羅も紅鸞の香袋を見つけ、届けに行くことにした。しかし門を開けたところで運悪く温孤を探していた魑女たちと出くわしてしまう。温孤の似顔絵を見せられた衣羅は知らないと誤魔化して逃げようとしたが、何か隠していると勘付かれ、魑女に捕まった。衣羅は拷問されたが口を割らず、無惨にも殺された。何も知らずに戻った紅鸞はすでに事切れた衣羅を発見、涙に暮れる。その頃、虞都は内通者を探して馬を走らせていた。すると馬が何かに気づいて勝手に駆け出してしまう。紅鸞は衣羅の敵を討つため家を飛び出した。やがて魑女と成乞を見つけ、様子をうかがう。すると成乞が手の傷を見ながら、女に引っかかれたとぼやいていた。「すぐ殺さないからよ」紅鸞は衣羅を殺したのが成乞だと確信、いきなり襲いかかる。「覚悟するのね!」しかし魑女が立ちはだかり、霊力の弱い紅鸞は吹き飛ばされた。つづく(  ̄꒳ ̄)展顔まだ~?w
2022.12.28
コメント(4)
玉昭令 No Boundary Season 1第28話觳閶(コクショウ)の凱旋を祝う宴。端木翠(ダンムーツェイ)は犬猿の仲である高伯(コウハク)営の将軍・高伯蹇(コウハクケン)と一触即発となり、中座した。実は高伯蹇は先の戦で功を焦って幽族の小物を追いかけ、そのせいで端木軍が援軍を得られず3千人が戦死している。岳老(ガクロウ)営の幕舎にはこれまで戦死した兵士の令牌が並んでいた。端木翠は戦友たちの令牌の前で献杯し、やりきれない思いで酒をあおる。「私が必ず守ってみせる…」今や父の端木村も母の虞山(グサン)村も大勢の仲間を失い、生き残りはわずかしかいなかった。すると年長者の岳老が端木翠の酒瓶を取り上げてしまう。「もう帰って休め…」端木営の成人男性が途絶えて5年、唯一残っていた少年の虞都(グト)も18歳になった。端木営では虞都を大切に守っていたが、当の本人はそろそろ自分が姉たちを守り、兄のように戦場で活躍したいという。すると高将軍の腹心・成乞(セイキツ)が端木営にやって来た。成乞は寂しい女たちが刀を振る姿など哀れで見ていられないと暴言を吐いて帰ることにしたが、阿弥(アビ)が門まで追いかけて来る。そこで成乞は端木営で苦労するより、自分の女になったらどうかと誘った。「女になるとしてもここでは嫌だわ…」一方、幽族の太子・尾龍(ビリュウ)は安邑(アンユウ)城に入った。しかし父王はもし人間との子が行方不明でなければ皇太子の座も安邑城も自分に渡さなかっただろう。「この機に証明してやる、父王があの雑種に目をかけたのは間違いだと…」そこで魑女(チジョ)に人族から使えそうな者を探してくるよう命じた。その夜、阿弥は成乞を林の中へ呼び出した。艶かしい姿の阿弥に鼻の下を伸ばす成乞、すると隠れていた端木営の仲間が現れ、成乞を袋叩きにして憂さ晴らしする。成乞は激怒したが、軍紀を乱した手前、やり返すことができなかった。「…あの成乞という男は使えそうだわ」その様子を物陰から魑女が見ていた。翌日、端木翠は高伯営で新兵の温孤(オンコ)が折檻されているのを目撃、止めに入った。成乞は上官が配下をどうしようと勝手だと反発したが、端木翠はならば上官の自分も命令するという。「僕射長の成乞を一月の俸禄停止に処す、さらに馬歩で1刻ほど訓練場を回れ いじめの代償を皆に知らしめる!」成乞は阿弥に弱みを握られた上、端木翠に見せ物にされ、怒りが収まらなかった。そこで高将軍に端木営への報復を訴えたが、かえって将軍を怒らせてしまう。「お前は馬鹿か?!端木翠は怖くもないが、義父は丞相で義兄が楊鑑(ヨウカン)、觳閶が許嫁だぞ?!」「将軍…私が間違っていました」成乞は仕方なく下がったが、無能な上官の下では功も上げられないと苛立ちを募らせた。その時、突然、美女が声をかけてくる。「あなたを慕う者です、協力したくて来たの…」すると魑女に術をかけられた成乞は枕を魑女だと思い込んで一夜を共にした。徴兵の告示に集まった群衆の中にある男の姿があった。帽子を目深にかぶり、頬には大きな傷跡、眼帯で片目を隠しているため顔ははっきり分からない。…かつてと同じだ…觳閶が費仲(ヒチュウ)を殺し、太子が安邑城を引き継いだ…決戦が迫っているその男は端木翠を利用して沈淵(チンエン)を開かせ、千年後に戻って来た江文卿(コウブンケイ)だった。江文卿は軍営に紛れ込むため兵役に応募することにした。すると岳老と高伯営の成乞の姿がある。いつもは雑務を嫌う成乞だったが、人材を補強したいという高将軍の指示で徴兵の選抜に来ていた。…確か当時、成乞は魑女と結託し、徴兵を幽族に漏らしたはずだ…やがて江文卿の順番が来た。しかし証書がなければ入隊できないと断られてしまう。江文卿はちょうど近くにいた岳老に泣きついたが、その時、突然、幽族が現れた。江文卿は咄嗟に岳老を連れて物陰に隠れた。この後、人族の援軍が駆けつけ、幽族は長くは止まらない。岳老は男がなぜ戦況を読めるのか分からなかったが、確かに楊鑑(ヨウカン)たちが到着、難を逃れた。「岳老!遅れてすまぬ…この者は?」すると岳老は恩人である江文卿を自分付きの従兵だと紹介した。丞相は各将軍を集め、安邑城に斥候を放つと伝えた。真っ先に名乗りを上げたのは高伯蹇だったが、端木翠が反対する。「兵站(ヘイタン)を担って来た高伯営に務まるだろうか?…端木営なら確実に遂行できます」しかしすかさず成乞が女ばかりの端木営では目立つと横槍を入れた。觳閶は高将軍を推挙したが、その時、虞都が端木営にも男がいると訴える。「私に行かせてください!」「ダメだ!」端木翠は最後の男子を守るため反対したが、虞都は遠方の敵を射抜く弓術がある自分こそ最適だと言った。「しかし…丞相?!」困惑した端木翠は義父に助けを求めたが、江易は虞都に決めてしまう。その頃、展顔(ヂャンイェン)は端木翠を探して林をさまよっていた。するとその夜、偶然、独りで歩いている幽族を発見し、腕を締め上げる。「私の質問に真面目に答えれば殺しはしない…」「(゚ェ゚(。_。(゚ェ゚(。_。*)コクコク」男は幽族の豹(ヒョウ)男だった。豹男は安邑城の守衛で端木営を待ち伏せしていたという。「端木営?端木翠を知っているのか?」「ああ、人族で唯一の女将軍だ、おっかねえぞ?」どうやら端木翠はどこへ行っても有名人らしい。展顔は豹男の話から崇城の決戦がまだだと気づき、悲劇が起こる前に端木翠を連れて帰ろうと決めた。そこで豹男の身包みをはがし、木に縛りつけてしまう。端木翠はまた顔の分からない男の夢を見た。話を聞いた阿弥は觳閶将軍ではないかと言ったが、端木翠は違うという。「将軍…結局のところ觳閶将軍と愛し合っているのですか?」「愛など重要ではない、端木営の今後を考えると觳閶に嫁ぐのが一番なのだ」阿弥は将軍の決意に胸が痛んだが、端木翠は阿弥と虞都がいてくれればそれで十分だと笑った。「ただこたびの虞都の任務には胸騒ぎがする…」その時、虞都が幽族の捕虜になったと一報が飛び込んだ。成乞の情報で幽族は簡単に虞都を生け捕りにした。人族の捕虜と共に連行される虞都、その後を展顔がつけている。その時、ちょうど用を足すため列を離れた幽族がいた。展顔は男に声をかけ、金をつかませて護送の列に紛れ込ませて欲しいと頼む。こうして展顔は幽族の一行に入り、虞都と接触する機会をうかがった。幽族たちは休憩を取りながら、端木翠の噂話を始めた。「今回は気分よく帰れるな、あの悪鬼(アッキ)の手下を捕まえたからな~」端木翠と言えば3日も埋められながら生きていたという逸話がある。その話を聞いた展顔はふと端木翠が暗闇が苦手だったことを思い出した。…君が暗闇を恐れたのは辛い過去が原因なのか…すると噂話に虞都が激怒、幽族は反抗的な虞都に暴行を加えながら、嘲笑うかのように内通者の存在を明かした。しかし展顔が咄嗟に幽族を止め、生け取りとの命令だと諌める。「殺したらまずい」「ふん、命拾いしたな!…お前が見張っていろ!」展顔は一行が離れると、密かに虞都の縄を切って目配せした。そこで2人は同時に幽族に襲いかかり撃退したが、虞都はなぜ幽族が仲間を裏切ったのか首を傾げる。「実は事情があって幽族のふりをしている」「感謝する、兄弟!」…展顔たちがいなくなった現世啓封(ケイフウ)では九獄から解放された幽族が頻繁に目撃されるようになっていたしかし幽族は神出鬼没、啓封府を任された上官策(ジョウカンサク)も手をこまねいているその日もまた幽族が現れたと通報があり、上官策は様子を見に行くことにした朱雀街に幽族が現れたすると白髪の娘が包子(パオズ)の露店で足を止める驚いた店主は幼い息子をかばってうずくまると、その娘は饅頭の代わりにかんざしを置いて去って行った息子は母が止めるのも聞かず物珍しいかんざしを持って嬉しそうに走り出したが、その時、ちょうど啓封府の馬車がやって来る「危ない!」母の悲鳴を聞いた白髪の娘は大きな翼を広げて引き返し、すんでの所で子供を抱き上げた上官策は馬車から飛び降り、少年の無事を確認した「危ないじゃないの」白髪の娘は馬車の男を責めたが、母親が誤解だと告げる「こちらは啓封府の上官大人です、飛び出した息子が悪いの」すると母親は包子の代金には高価すぎるとかんざしを差し出した白髪の娘はならば明日も包子をもらいに来ていいかという「もちろん、好きな餡を用意するわ」「私は菜食だから豆腐の餡をお願い」「はお」上官策は思わず白髪の娘を呼び止めた「姑娘(グゥニャン)、名は何という?」「…鶴雪(カクセツ)よ」鶴雪は幽族ながら外見も心も美しい娘だった…端木翠はまた顔のわからない男の夢を見ていた。しかし男の顔を見ようとしたその時、突然、穴に落ちて閉じ込められてしまう。すると誰かが土の中に手を伸ばし、端木翠を引き上げた。『恐れるな、どこにいようと永遠に君のそばにいる…』「ヂャン(展)…」つづく( ๑≧ꇴ≦)展顔www闇落ちじゃないのに厚化粧wそうそう、長老の側仕えだった白髪の娘は鶴だったのねてっきり白狐だと思ってたわ( ̄▽ ̄;)
2022.12.27
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 1第27話端木翠(ダンムーツェイ)に胸をひと突きされ、ばったり倒れた展顔(ヂャンイェン)。しかし展顔は眠っただけ、端木翠はこっそり仙力を放ち、剣で刺したと見せかけただけだった。「展顔…本当に馬鹿なんだから…」人形を抱きしめながら涙に暮れる端木翠、すると温孤(オンコ)が寄り添い抱きしめる。「君と一緒に以前のように過ごしたい」「以前のように戻れるかしら…温孤…解毒薬は偽物でしょう?」「そうだ、幽毒は私の龍丹で作ったもの、解毒薬などない」「除くには…やはりあなたが死ぬしかない」端木翠は温孤を油断させ、鎖心指(サシンジ)を放った。温孤は端木翠に騙されたと知った。「なぜこうなってしまったんだ…」「あなたは過ちを重ね過ぎた…手遅れなの…」その時、蓬莱(ホウライ)が温孤を討つため五蛮雷(ゴバンライ)を落とした。咄嗟に天雷を避けた温孤、すると端木翠が法陣で次の天雷を阻止する。「端木!馬鹿なことを!」「温孤、あなたの想いには応えられない、だから元凶となった私が全て終わらせる!」すると次の天雷が直撃、2人は血を吹き出した。「君の魂まで散ってしまうぞ?!」「いいの!」温孤は端木翠が自分と死を共にすると知り、やはり端木翠は千年前のままだと実感した。そして次の天雷が落ちたその時、温孤は端木翠を突き飛ばし、独りで打たれてしまう。「温孤!」「…私のために泣いてくれるのか…その涙だけで十分だ…私のことは忘れてくれ… 君と過ごした日々を思えば死んでも惜しくない… どこで間違えたのか…もう一度やり直せたら…どんなにいいか…」温孤は端木翠の腕の中で力尽き、魂は粉砕した。。゚(∩ω∩`)゚。温孤が消散し、解毒の雨が降り始めた。人間界は救われ、啓封(ケイホウ)府でも江(コウ)夫人や張瓏(チョウロウ)が目を覚ます。一方、端木翠は急いで展顔の元へ駆けつけた。しかし幽毒を除いてもなぜか故気(コキ)が消えていないと気づく。すると江文卿(コウブンケイ)がやって来た。江文卿は怨念の根源を絶たねば故気が濃くなって抑え切れなくなり、やがて三界全体がのみ込まれてしまうと憂う。「端木、彼らの叫びが聞こえるか?」思えば千年前、端木翠のために無謀にも崇城を攻めた觳閶(コクショウ)軍、その時に散った命が今も泣き叫び、無念を訴えていた。江文卿は今なら最初からやり直すことができると訴え、沈淵(チンエン)を開くようそそのかす。沈淵とは現世と違う速度で時が進むもうひとつの世界、神女の末裔である端木翠だけが開くことができた。「端木、お前だけが非業の死を遂げた魂を慰められる」江文卿は死者に善意と愛の心を思い出させて成仏させれば、故気は自然と消えるはずだと説いた。覚悟を決めた端木翠は展顔の肩から信蝶(シンチョウ)を呼び出し、伝言を託す。そして人形と巨闕(キョケツ)、乾坤(ケンコン)袋を残し、額に別れの口づけをした。千年前、三族の運命は崇城の決戦を機に変わった。沈淵の入り口は崇城の城門、神女の血に導かれてその門は開くという。端木翠は義父が神位を譲ってくれたおかげで生き長らえたと感謝し、命をかけて全てを終わらせると伝えた。「義父…保重」すると端木翠は指を切って血を出し、首の後ろにある印につけた。一方、目を覚ました展顔は自分が生きていることに気づいて驚いた。すると信蝶が飛び出し、端木翠の伝言を聞かせる。…展顔、沈淵を開くわ、觳閶のために過去へ戻る、私と生きる幻想は捨てて啓封へ帰って…「どうしても君を引き止められないのか…」しかし展顔は自分が乾坤袋を握っていることに気づいた。そばには思い出の人形と巨闕がある。「大事なものを全て置いていったのか…(はっ!)私も行く!」端木翠はついに沈淵を開き、恐る恐る歩き始めた。その時、展顔が駆けつけ、急に端木翠を抱きしめる。「どこへ行こうとも私が一緒だ!」「私の居場所はこの先にある、放して!」端木翠は展顔を突き飛ばすと、沈淵の中へ吸い込まれてしまう。焦った展顔は端木翠を追いかけようとしたが、江文卿が引き止めた。しかし展顔はその場にひざまずいて不孝を詫び、これからは端木翠のために生きたいと懇願する。「義父、行かせてください!」「顔児…なぜそこまで…」もはや江文卿は展顔を引き止めることができなかった。すると展顔は捕吏の官服を脱いで義父に渡し門へ向かう。「端木!待っていてくれ!」展顔は沈淵に落ちて行く端木翠に追いつき、腕をつかんだ。「展顔?!どうして来たの?!あなたは啓封を守らなくては…」「今日から私は啓封の捕吏頭ではない、君だけの展顔になった 今回は私のわがままを通させてもらうぞ」しかし2人は急に強い力で引き裂かれ、時間の波に揉まれて飛ばされてしまう。千年前…将軍の幕舎でうたた寝していた端木翠はふと目を覚ました。長い夢を見ていたようだが内容は思い出せず、なぜか胸が苦しい。腹心の阿弥(アビ)は心労からだと気遣ったが、そこへ急報が届いた。「将軍!觳閶将軍が今夜、安邑(アンユウ)城を夜襲するそうです!」「馬を!」一方、端木翠を追って千年前に迷い込んだ展顔は崇城にたどり着いた。…これが千年前の世界、端木、君が全てを捨ててでも戻りたかった場所なのか?…君は今、一体どこにいる?展顔は当てもなく端木翠を探しに出かけた。その時、闇を切り裂くように馬が地面を蹴る音が響き渡る。展顔は急いで坂を下って行くと、安邑へ馬を駆ける端木翠と義兄・楊鑑(ヨウカン)の姿があった。「端木!」端木翠は誰かに名前を呼ばれた気がして馬を止めたが、結局、走り去ってしまう。端木翠と楊鑑は竹林で戦闘の跡を見つけ、馬を降りた。すると暗闇から觳閶軍が現れる。「そなたらは後方支援だ、ここで何を?」觳閶は勝手に応援に駆けつけた端木翠を叱責、これも許嫁を守るためだという。実は觳閶軍は安邑軍を罠にはめ、見事に敵将・費仲(ヒチュウ)の首を取っていた。もし端木翠と楊鑑がもう少し早く到着していたら、敵軍は2人に気づいて警戒し、計画は失敗していただろう。端木翠は急変する戦況に援軍は必要だと反論し、今後は先に相談するよう諫めた。かつて端木営は渑(ジョウ)城の戦いで誤った知らせを受け、甚大な損失を出している。端木翠にとってこれは深い心の傷となったが、觳閶はその時の失敗を引きずって慎重になり過ぎていると指摘した。無神経な觳閶に楊鑑は憤慨、しかし端木翠は手柄を立てた觳閶軍を称えて帰ってしまう。連戦連敗の幽族、そこへ安邑城の費仲が戦死したと報告が届いた。敵将は觳閶、しかし幸いにも人族の追撃はなく、城門を閉めたおかげで城は安泰だという。幽王は安邑城が落ちれば崇城も危うくなると焦り、新たに安邑へ援軍を送ると決めた。しかし志願する幽族はいない。すると太子・尾龍(ビリュウ)が先鋒を務めたいと名乗りを上げた。人族の陣営では觳閶軍の勝利を祝って宴が開かれた。面白くない端木翠はひたすら酒をあおっていたが、その時、向かいに座っていた将軍・高伯蹇(コウハクケン)が嫌味を言う。「觳将軍の祝宴なら許嫁である端木将軍の祝宴も同然だな? 端木将軍が羨ましいよ、配下の女たち共々、立派な許嫁の功にあやかれるんだからな 俺たちは己の力だけが頼り、実力勝負だ!」そうだ!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<おおお~!すると端木翠はいきなり机に短剣を突き立て、高将軍を睨みつけた。「女になりたければ切り落としてやろうか?」つづく(´・ω・`)あ___展顔が官服を捨ててしまった___確か配信当時、このあたりから急激に視聴意欲が落ちてしまったのよねw
2022.12.22
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 1第26話温孤(オンコ)は端木翠(ダンムーツェイ)が生きていると知り、儺神(ダシン)廟へ駆けつけた。そこで趙武(チョウブ)と張瓏(チョウロウ)を見つけ、端木翠が展顔(ヂャンイェン)と一緒だと気づく。「言え、展顔はどこだ?!」しかし趙武は幽毒をばらまいた温孤を激しく非難、知っていても教えないと言い放った。「…では覚悟するんだな」憤慨した温孤は龍気を放とうとしたがその時、紅鸞(コウラン)が止めた。温孤は柱に縛り付けられた紅鸞に気づいた。「はっ!梱仙縄(コンセンジョウ)?!…端木がここに来たんだな?!」温孤は紅蘭を解放し、崇城(スウジョウ)に行ったと聞いて飛び出して行ってしまう。崇城では端木翠と展顔が幽族に包囲されていた。その時、温孤が戻ってくる。「端木!本当に生きていたんだな!…安心しろ、誰にも君を傷つけさせたりしない」「…温孤、私を傷つけているのはあなたよ?」端木翠は長槍を招喚、温孤の胸に突きつけた。「あなたは良心を失い、民を毒牙にかけた…もう″千年来″の親友じゃない」温孤はついに端木翠の記憶が戻ったと知り、それでもまだ展顔と一緒にいるのかと憤る。「千年前は觳閶(コクショウ)を想い、今度は展顔だ… なぜずっと尽くしてきた私を見ようともしない?!」端木翠は長槍を消し、温孤に蓬莱(ホウライ)で罰を受けるよう説得した。しかし温孤はもはや手遅れだと拒否、後戻りなどできないという。「だったら私がけじめをつける…」端木翠は乾坤(ケンコン)袋から法器を取り出し、温孤を結界に封じ込めた。すると天雷が温孤を直撃、その様子を神仙たちも蓬莱で見守る。温孤は激しい電撃を受けて血を吹き出し、端木翠の仕打ちに深く傷ついた。そしてついに2道目の天雷が落ちて来たが、その瞬間、紅蘭が現れ、温孤の身代わりとなって打たれてしまう。たとえ1道でも仙力の弱い桃花妖には致命傷、紅鸞はその場で崩れ落ちるように倒れた。端木翠は紅蘭に駆け寄り、抱き起こした。「紅鸞…何て馬鹿なことを」「2人とも…私の大切な人だから…傷つけ合って欲しくない… だって私にとって…草盧(ソウロ)で暮らした日々は一番、幸せだったから… 実は…千年前からあなたと親しくなりたかったの… でもあなたは高名な将軍、近づけるはずもない… でも幸運なことに啓封(ケイホウ)で再びあなたと会えたわ…」すると紅鸞は温孤の命だけは助けて欲しいと哀願した。しかし端木翠は約束することができない。そこで紅鸞はわずかに残った内力を使い果たし、温孤を逃した。温孤が去り、幽族も逃げて行った。端木翠は展顔と一緒に霊力を失った小さな桃の木を植えて崇城をあとにする。一方、蓬莱では神仙たちが惜しくも温孤を逃がしてしまったと落胆していた。かくなる上は神女が残した五蛮雷(ゴバンライ)を使って温孤を成敗するしかない。神仙たちはひざまずいて五蛮雷を招喚、すると楊鑑(ヨウカン)の手元に法器が降りてきた。温孤と紅鸞は廃墟と化したかつての王府にいた。すると温孤は端木翠を生き返らせるために集めた生気を取り出し、全て無駄骨だったと握りつぶしてしまう。「お願いよ、端木はあなたのものじゃない、執着してはだめ」「…無理だ、私は端木のために生きてきた、もし死ぬのなら端木の手で死にたい」温孤は結局、端木翠の元へ戻ってしまう。「温孤ぉぉぉ~!」…あの時、幼い太敖(タイゴウ)は枯れそうな桃の木を王府の庭に移植し、自分の血をかけてやった『僕の血には霊気がある、すぐ生き返るよ』すると桃の木はすっかり元気を取り戻し、美しい花を咲かせる『名前をつけてあげよう、お前は鸞鳥(ランチョウ)を引き寄せられる…名は″紅鸞″にしよう』紅鸞はやがて見事な大木となったそんなある日、青年になった太敖は崇城を去ると決意、紅鸞に別れを告げる『もう世話もできぬ…達者で』紅鸞は千年の修行を積み、ついに人像(ヒトガタ)を得たそして恩人であり想い人である太敖を探す旅に出るすると端木(タンボク)村で偶然、太敖を見つけたしかし太敖から人違いだと冷たく突き放されてしまう『私は温孤、端木将軍の副将だ、間違えるな』『温孤…あなたのそばにいてもいい?』内力が尽きた紅鸞は昔を思い出しながら急激に枯れ落ち、ついに消散した。…温孤、私の一生はあなたに捧げた…あなたは私の風、もし来世があったら再びあなたという風を待つわ。・゜・(ノД`)・゜・。端木翠と展顔は啓封に戻った。幽毒で次々と倒れる民たち、その姿に端木翠は心を痛め、札を使って神医たちを招喚する。しかし華佗(カダ)神医は幽毒が故気から作られるため、故気を除かねば仙薬を用いても一時しのぎにしかならないと忠告した。「どうすべきかは端木上仙もお分かりのはずです」一方、趙武と張瓏も啓封府に戻っていた。死が目前に迫った張瓏は何度も趙武を追い出そうとしたが、趙武は決して離れようとしない。すると趙武の根気に負けた張瓏は叶わないと知りながら、元気になったら趙武に嫁ぐと約束した。。゚( ゚இωஇ゚)゚。端木翠は温孤を殺せなかった自分を責めた。しかし展顔は端木翠のせいではないと慰め、何が起ころうとも一緒に立ち向かうと誓う。その夜、展顔は憔悴した端木翠を休ませるため啓封府に連れて帰った。端木翠は実は展顔が自分との思い出の人形や飴細工を大切に保管していると知り、心が揺れる。「…あなたも早く休んで」「眠くない!君のそばにいたいんだ!」すると端木翠は以前、寝つきの悪い展顔に贈った漆園(シツエン)蝶を箱から呼び出し、展顔を眠らせてしまう。「ごめんなさい…」蓬莱は五蛮雷で温孤の魂を粉砕させるつもりだった。しかし端木翠が駆けつけ、自分でけりをつけたいと懇願する。楊鑑は半刻ほど猶予を与えると認め、成敗できなければ五蛮雷を落とすと決めた。「分かったわ、自分の過ちは自分で償う」翌日、江文卿(コウブンケイ)と上官策(ジョウカンサク)は昼になっても目を覚さない展顔に困惑していた。そこへ青花(セイカ)小仙が駆けつけ、展顔に体当たりして術を解く。「(はっ!)…私はどれほど寝ていたんだ?端木は?」すると青花は門主が行方知れずだと訴え、また見失ったのかと責めた。展顔は端木翠が温孤を退治するため独りで出かけたと気づき、すぐ後を追うことにする。「義父、策児、万一私の身に…」「顔児、万一はない」温孤の前に端木翠が現れた。「あなたを親友だと思っていたのに、道を踏み外したわね…」「親友?なぜ恋人にはなれぬのだ?…いくら尽くしても報われず、今や君の敵になってしまった」「どんな理由があれ、無辜の民の命を奪うなんて…」「それが何だ、君がいなければこの世には何の意味もない…」端木翠は自分の配下になった時、一緒に人間界を守ろうと約束したはずだと嘆いた。しかし温孤は他に方法がなく、どうしても端木翠が欲しかったという。「そこまで執着するなら仕方がないわ…」端木翠は長槍を招喚した。すると温孤は端木翠に少しも自分を思う気持ちがないと気づき、考えが変わってしまう。「殺される覚悟で来たが、それでも君の心は得られない…ならば君を展顔から奪う! 端木、君は魂が癒えたばかりで私には勝てない、選択肢をやろう 私と去るか、もしくは私と一緒に死ぬかだ!」「どちらもお断りよ!」江文卿は啓封を見回りながら、幽毒の犠牲となった民たちを見て自責の念に駆られた。あの時、自分が神位を譲って他の者に蓬莱を任せなければ、人々は今日も元気で暮らしていたかもしれない。…この惨禍を招いたのは私だ…どんな代償を払おうとも現実を変えることで罪滅ぼしをしたい…そのためなら時を戻し、天をも覆すそこで江文卿は床に伏せった夫人を見舞い、世人に理解し難いことをしても責めないかと聞いた。夫人は笑顔を見せ、誰に理解されずとも応援すると夫の背中を押す。すると江文卿は覚悟を決め、上官策に啓封府を任せることにした。「もう私がいなくても大丈夫なはずだ、義母を頼む…」崇城では端木翠と温孤の激しい戦いが続いた。すると展顔が駆けつけ、端木翠を救おうと巨闕(キョケツ)で助太刀する。「展顔!巨闕を直したのは無駄死にさせるためじゃないのよ?!」「私は君と生死を共にする」しかし温孤はただの人間である展顔が端木翠と生死を共にすることなどできないと言った。「私こそ端木と結ばれるべきだ!」「温孤よ、端木はお前を心から大切にしてきた お前のために解毒薬の入手に尽力し、誅神(チュウシン)剣にも刺された だがお前は身勝手な理由で民を傷つけ、端木に無理強いしている! お前に端木と結ばれる資格などない!」「ギギギギ…死ね!」温孤は展顔を守ろうとした端木翠を吹き飛ばし、その間に展顔の胸を刺した。「温孤!やめて!」端木の悲鳴を聞いた温孤は剣を止め、民の命と展顔の命ならどちらを選ぶか尋ねる。その手には幽毒の解毒薬があった。「端木…君が展顔の息の根を止めろ」展顔は民のため犠牲になると決意、端木に巨闕を渡した。そして肌身離さず持っている人形を差し出し、自分の代わりに持っていて欲しいという。しかし端木翠は巨闕で人形を払った。「私はあなたをもう愛していない」「馬鹿だな、私が愛すれば十分だ」そこで温孤が展顔から剣を引き抜くと、端木翠は泣きながら巨闕を展顔に突き刺した。「私を忘れて…(グサッ!)」「ウッ!」つづく( ;∀;)ェェェェェ___展顔んんんんん!
2022.12.21
コメント(1)
玉昭令 No Boundary Season 1第25話啓封(ケイホウ)の城門が結界でふさがれ出入りができなくなった。幽族の仕業なのは明らか、人間では太刀打ちできない。江文卿(コウブンケイ)は成偶(セイグウ)と朱然(シュゼン)に城門の見張りを任せ、働き詰めの展顔(ヂャンイェン)と上官策(ジョウカンサク)を休ませることにした。しかし展顔は端木草盧(ソウロ)が心配になり、雨の中、様子を見に行ってしまう。その夜、端木翠(ダンムーツェイ)は城門を封じている結界を解いた。やはり結界は龍族のもの、幽毒は本当に温孤(オンコ)の仕業らしい。端木翠はひとまず草盧へ帰ったが、そこには雨に濡れた青花(セイカ)小仙を気遣う展顔の姿があった。咄嗟に仙力で自分の姿を消す端木翠、すると青花は蓬莱(ホウライ)まで行って主人を救っておきながら、なぜ手放したのかと展顔を責める。展顔は努力したが上仙の端木とは釣り合わないと釈明し、ともかく青花を部屋まで運ぼうと手を差し出した。しかし青花は怒って独りで先に入ってしまう。その時、展顔は急に激しく咳き込み、喀血した。端木翠は自分が近くにいるせいだと慌てたが、展顔は意識を失って倒れてしまう。青花と小薬瓶は何とか展顔を寝台まで運び、薬を用意した。どうやら展顔は心労がたたり倒れた様子、その時、外から物音が聞こえ、青花たちは慌てて飛び出して行った。その隙に端木翠は展顔の具合をそっと確認する。するとうなされた展顔が端木翠の手をつかんで放さなかった。「端木…私を置いていかないでくれ…お願いだ…端木…」「展顔、私はここよ、大丈夫、ごめんなさい…」端木翠は泣きながら展顔の口へ薬を運ぶと、やがて眠ってしまう。( ;∀;)展顔んんん展顔が目を覚ますと端木翠の寝顔があった。愛しい端木翠を見つめながら髪をなでる展顔、すると気がついた端木翠は慌てて出て行こうとする。しかし展顔が咄嗟に端木翠の手を引っ張って抱き寄せた。「私を見捨てるはずないと思っていた…端木、本当に君なんだな?」端木翠は展顔の背中に手を回そうとしたが、ふと楊鑑(ヨウカン)の警告を思い出して展顔を突き放してしまう。「展大人(ダーレン)、私は所用で戻って来ただけ、あなたがいると知っていたら入らなかったわ」「…すまない、無礼な真似をして」展顔はなぜ端木翠が自分を冷たく突き放すのか理由も分からないまま、草盧を後にした。。・゜・(ノД`)・゜・。端木翠はひとしきり泣いた後、気を取り直して啓封府に江文卿を訪ねた。「義父、ご無沙汰しました」「過去の記憶が戻ったんだな?…展顔の件は早く決断せねば厄介なことになる」「…展顔とは縁を切ります、どうかご心配なく、幽毒を一掃したら蓬莱へ帰ります」実は端木翠が啓封府を訪ねたのは幽毒の件だった。江文卿は啓封府が全面的に協力すると約束、直ちに温孤医院へ行かせる。一方、端木翠を生き返らせるため生気を集めた温孤は、幽族を煽って蓬莱でひと暴れすることにした。温孤医院では城門がふさがれたせいで薬が不足していた。そこで端木翠は飲み水の中に幽毒に効く札を溶かし、おかげで苦しんでいた患者たちの症状は劇的に緩和される。しかし幽毒の源を除かねば焼け石に水だった。端木翠は啓封の水源となる井戸の水を調べた。そこで自ら水を飲もうとしたが、突然、現れた展顔が柄杓を奪って飲んでしまう。「展顔!毒が入っていたらどうするの?!…今は非常事態よ、気をつけて」「私を心配してくれるのか?」しかし端木翠は何も言えなかった。「井戸が幽毒の源だと思ったけれど違ったわ…地中の気なのかもしれない」恐らく温孤が何か仕組んだはず、すると端木翠はある神仙の存在を思い出した。端木翠は展顔と儺神(ダシン)廟へ駆けつけた。すると壊れた仏像が床に転がっている。「儺神は下位の神仙だけど気位が高い、己の像の破損は許さないはず…」その時、端木翠は像の近くに落ちている龍の鱗を拾った。「思った通り温孤はここへ来たのよ」捕吏の張瓏(チョウロウ)は最初の患者だった子供を助けた際、幽毒を吸い込んでいた。札の水を飲もうとするも水瓶はすでに空、ついに発病して喀血してしまう。趙武(チョウブ)は感染も恐れず愛する張瓏を背負い、慌てて端木翠を探しに出かけた。その頃、端木翠は仏堂の外で地中に埋められた儺神の像を発見した。「(はっ)温孤は儺神を殺して幽毒をまいている!」端木翠は早速、三昧真火(サンマイシンカ)で幽毒を除いたが、突然、雲行きが怪しくなり、激しい雨が真火を消してしまう。すると紅鸞(コウラン)が現れた。門主の無事な姿に感激する紅鸞、その一方で温孤の悪事を知られてしまったと動揺する。そこで紅鸞は幽毒をまいたのも故気を放ったのも自分だと罪をかぶったが、端木翠をごまかすことはできなかった。「いいわ、温孤と会う」「門主!」紅鸞は端木翠を引き留めようとしたが振り払われ、その勢いで面紗がずれて枯れた右頬があらわになってしまう。…そもそも他人の生気を奪うのは天に背く行為そのため肉体を離れた生気は自然と散ってしまうしかし紅鸞は草木の命が源である桃花妖のため、自分の生気を使って人間の生気が散るのを防げた全ては愛する温孤のため、すると生気を激しく消耗したせいで紅鸞の顔の半分が枯れてしまう…紅鸞は温孤の悪行が全て端木翠のためだったと訴え、恩情を請うた。しかし端木翠は民を害した者には情けをかけられないと一蹴、自分の手で成敗するという。「端木!温孤はあなたのために神位を捨てて幽王になったわ、あなたが心の支えなの! どうかお願い、残酷な真似はしないで…」すると端木翠は引き止めようとする紅鸞を仏堂の柱に梱仙縄(コンセンジョウ)で縛り付けてしまう。「そこで頭を冷やしなさい」温孤は端木翠を奪い返すため、幽族を率いて蓬莱に乗り込んだ。そうとは知らず、端木翠は温孤を探しに崇城(スウジョウ)を訪れる。千年前の償いもままならぬうち、まさか自分のせいで温孤が無辜の民を死なせることになろうとは…。展顔は辛そうな端木翠を気遣い、責任は選択した本人が取るべきだと慰めた。崇城に千年前の敵・端木翠が現れた。幽族は騒然、しかし端木翠は温孤に会いに来たという。「幽王はご不在だ!」「どこにいるの?!」その頃、温孤は帰墟(キキョ)にいた。しかし端木翠の情債(ジョウサイ)箱がない。すると楊鑑(ヨウカン)が駆けつけ、端木翠なら温孤の尻拭いで人間界へ行ったと教えた。にわかに信じられない温孤、これも楊鑑の嘘だと激怒して襲いかかってしまう。2人は激しく激突したが、麒麟の小天(ショウテン)が現れ、主人を守った。「温孤、やめろ!端木上仙は本当に生きている!お前の行いももうバレているぞ!」「不可能…」「端木上仙は幽毒を除くため啓封へ行った!蓬莱を襲ったことも上仙は絶対に許さないぞ!」小天の言葉に温孤は激しく動揺した。「端木がまだ生きている…?!」温孤の怒りの黒雲が啓封を覆い、豪雨が襲った。家屋は浸水、啓封府では大事な文書の運び出しに追われていたが、その頃、張瓏を背負った趙武はようやく儺神廟に到着する。しかし端木翠の姿はなく、柱に縛られた紅鸞がいた。紅鸞はもはや手遅れだと教えたが、趙武は愛する張瓏を必ず救うという。「もう十分よ…趙武…もう行って…早く!」「絶対に嫌だ…辛ければ私の手を噛め」すると張瓏は泣きながら趙武の手を噛んだ。「本当に馬鹿な人ね…死ぬのが怖くないの?」「母さんが言ってた、男は女房以外を怖がるなって」紅鸞は趙武の深い愛情に心を打たれたが、その時、温孤が現れた。「言え、展顔はどこだ?!」つづく( ๑≧ꇴ≦)キィャァー! ←何が?w
2022.12.20
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 1第24話愛する端木翠(ダンムーツェイ)を守るため司法星君・楊鑑(ヨウカン)に立ち向かった展顔(ヂャンイェン)。しかし神剣・巨闕(キョケツ)があるとは言え、人間の展顔では神仙の力に敵うはずもなかった。展顔は耐え切れなくなり喀血、驚いた端木翠は展顔をかばう。「大哥(ダーグァ)!展顔のことは私が何とかする、過去は自分自身で乗り越えるしかない 展顔は私のために鎖を切りに来たの、犠牲にはできないわ…この身が滅んでも意思は変わらない!」すると楊鑑は天兵たちを引き上げさせ、2人を見逃した。展顔と端木翠は人間界に戻った。記憶が蘇った端木翠は以前の自分とは違うと言ったが、展顔は何も変わらないという。その時、端木翠が立ちくらみを起こした。展顔は咄嗟に端木翠を支えたが、端木翠はその手を振り払ってしまう。「結構よ…自分で歩けるわ」…私には亡くなった戦友たちへの償いが残っている…だけど、展顔を忘れるにはどうしたらいいの?(´・ω・)おぅ…一方、温孤(オンコ)は端木翠を生き返らせるため、人間の生気を集めることにした。そこで手始めに宣平(センヘイ)村に幽毒をまいたが、幼い子供や神医だった自分を知っている男に情けをかけてしまう。すると紅鸞(コウラン)が現れ、子供と男を始末した。「もう後戻りはできません、殺せないなら私がやります」楊鑑は義妹の記憶を封じ込め、誅神(チュウシン)剣で刺してしまった後ろめたから端木翠を解放した。しかし神仙たちは沈淵(チンエン)を開かれることを恐れ、端木翠を蓬莱へ連れ戻せと説得する。すると楊鑑は何とかする代わりに3つの条件を出した。「1つ、端木の決定に口出ししない、2つ、展顔と端木に仕返ししない、3つ‥まだ決まっていない」端木翠と展顔は山間から上がる煙に気づいた。展顔が宣平村だと気づいて急いで駆けつけたが、村人の姿はなく、静まり返っている。端木翠は仙力を使って調べようとしたが、まだ魂が修復したばかりで力が出せなかった。「日が暮れる、ここで休もう」すると展顔は適当な民家に入り、安全だと分かるまで自分と離れるなと言った。「君は寝台に、私は床でいい」その夜、眠っていた端木翠は黒い煙を吸い込み、戦死した觳閶(コクショウ)の夢を見てうなされた。目を覚ました展顔は苦しそうな端木翠を抱きしめながら、やはり端木翠が許嫁を忘れられないのだと思い知る。「…大丈夫だ、端木、私がついている」すると翌朝、目を覚ました端木翠は隣にいる展顔に驚いて身体を起こした。「うなされた君が手を離してくれなかったんだ」「起こしてくれればよかったのに…展顔…話があるの」「腹が減っただろう?厨房へ行くよ」展顔は逃げるように外へ出ていってしまう。…展顔は何か知っているんだわ、觳閶のことを話さなくては…(´・ω・)展顔…端木翠は厨房で料理している展顔に話があると切り出した。しかし展顔は料理の手を休めず、端木翠の話を遮ってばかりいる。「展顔…啓封での日々が今までで一番、楽しかったわ、ありがとう、素晴らしい思い出よ」「きのこの汁物ができた、冷め…」「展顔!私の話を聞いて」痺れを切らした端木翠は展顔の手を止め、千年前の話を始めた。…端木(タンボク)村の首領だった端木翠には觳閶という許嫁がいた物心ついた時から觳閶は将来の夫と決まっていたというやがて幽王の暴政に立ち向かおうと2人で入隊2人は共に戦い、共にたくさんの苦難を乗り越えたしかし端木営はいつも先鋒を務めたことからやがて全ての男が戦死、女だけが残されてしまうすると義父・江易(コウイ)は觳閶と端木翠を夫婦にして端木営と觳閶営を統合しようと考えた…「だけど…私は拒んだ、従属したくなかったの」…端木翠は端木営の旗印を守りたかったそこで自分への愛を示さねば嫁がないと条件を出し、觳閶を困らせるすると觳閶は端木翠を娶るため崇城(スウジョウ)を落とすと約束、結局、無茶をして全滅した…「私のせいなの…婚姻の条件がなければ觳閶は無謀な攻撃をしなかった…私が悪いのよ…」端木翠が苦しんでいたのは許嫁への愛ではなく、仲間を死なせたことへの罪悪感だった。展顔は号泣する端木翠を抱きしめ、自分がそばにいるとなだめる。「いつも私が一緒にいるよ、そばにいさせてくれ」「展顔、どうしたらいいの?…私は多くの戦友を殺した 目を閉じると血に染まった戦場が浮かぶの…皆を忘れられない…ウッ…忘れられないの…」展顔は端木翠を抱きしめることしかできなかったが、その時、黒い煙が忍び寄り、展顔は急に意識を失ってしまう。しかしちょうど楊鑑が現れ、展顔から黒い煙を取り除いた。「大事ない…端木、話がある」端木翠や展顔を襲った黒い煙は″故気(コキ)″だった。実は崇城(スウジョウ)は宣平から東に10里のところにあり、当時、端木営はこの村で陣営を張っている。故気とは決戦で亡くなった多くの死者の怨念のことだった。これまで儺神(ダシン)が怨念を鎮めてきたが、神位を捨て幽王の地位を継いだ温孤が解き放ってしまったという。温孤は端木翠を楊鑑に殺されたと逆恨みし、蓬莱と人間界を敵視していた。「展顔が倒れたのは故気のせいだ、故気が生じた原因もそなたにある」楊鑑も端木翠もかつて人間界で手を血に染めた将軍だった。しかも怨念は愛する人にまでつきまとうという。「神仙なら心配ないが展顔は違う…」楊鑑は記憶を取り戻した端木翠は真っ先に沈淵を開くと思っていた。しかし思いがけず蓬莱を去ると聞いて気がついたという。「觳閶への想いは悔恨で、本当に愛しているのは展顔なのだな… だがそなたと一緒にいれば展顔は故気に侵される」「愛するほどに展顔を傷つけてしまうってこと?」そこで楊鑑は展顔の運命簿を招喚した。展顔は徳を積んできたため本来なら長生きできる運命数だったが、端木翠と知り合ってから確かに変化が生じている。やはり神仙が人間と一緒になることは不可能だった。「端木、お前から手を離してやらねば、展顔は非業の死を遂げることになる」展顔はまだぐっすり眠っていた。端木翠は机にある巨闕を鞘(サヤ)から抜き出し、刃のあちこちに入ったヒビに気づく。展顔は蓬莱へ行くため巨闕の力を使ったが、巨闕を操るには代償として寿命を差し出さねばならなかった。『巨闕が折れたら展顔は死ぬ』楊鑑の話を聞いた端木翠は別れを決意し、最後に自分の血で巨闕を修復した。…展顔、あなたとの出会いが私にとって1番の幸運だった…でも縁はなかったのね…手放してあげる、今日からあなたは自由よ展顔が目を覚ますと啓封府に帰っていた。確かに宣平にいたはずだが、義父母の話では門の前で倒れている展顔を見つけ、風邪のため3日間ほど寝込んでいたという。驚いた展顔は端木翠が独りで沈淵を開くつもりだと気づき、飛び出して行った。しかし朱雀街を探し回っても端木翠の姿はない。…私を送り届けたのならまだ近くにいるはずだ、沈淵を開いたら大変なことになる、止めないと…そこで展顔は端木翠が好きな露店を回り、門主を見かけたら月老廟で待つと伝えるよう頼んだ。…展顔、なぜそこまでするの?…端木翠は姿を消して展顔を見守りながら、人知れず涙を流した。思い詰めた展顔は啓封府に戻り、義父母に端木翠との縁談を申し出た。何も知らない夫人は喜んだが、江文卿(コウブンケイ)は端木翠と話し合ったのか確認する。「義父母の同意を得たら、すぐ想いを伝えて来ます!」江文卿は展顔の初めての頼みとあって断れず、すぐ婚姻書を書いた。その夜、展顔は月老廟の庭にある縁結びの樹に灯籠を下げた。端木翠はその様子を眺めながら、楽しかった展顔との思い出が蘇り、うっかり嗚咽を漏らしてしまう。すると展顔は気配を感じ、肩を叩いて信蝶(シンチョウ)を呼び出した。信蝶はやがて何もない場所でくるくると舞い始め、展顔はそこに端木翠がいると気づく。「端木、君は言った、家がないから明かりの下で待つ人がいないと… これからは私が君の家になろう、私が毎晩、明かりを灯し、君の帰りを待つよ 今宵、月老廟の前で誓う、私、展顔は端木翠を妻にすると約束する 君は生涯でたった1人の妻だ…嫁いでくれるかい?」端木翠は展顔の愛の告白に感激もひとしおだったが、ふと楊鑑の警告を思い出して涙をふいた。端木翠がついに姿を現した。「端木!やっぱりここにいたんだな!」喜んだ展顔は義父が書いてくれた婚姻書を取り出したが、端木翠が取り上げてしまう。「嫁がないわ」端木翠は心を鬼にして婚姻書を破り捨て、帰って行った。↓( ̄▽ ̄;)ビリビリに破かれちゃった展顔~端木翠は啓封を離れた。しかし故気の方は深刻な状態となり、楊鑑の話では幽族が啓封に入ったという。「次の目的は啓封の制圧だろう」その頃、捕吏の趙武(チョウブ)と張瓏(チョウロウ)は幽族に襲撃された朱雀街の後片付けに追われていた。すると明らかに具合が悪そうな子供がふらふらやって来る。「どうしたの?!大丈夫?!」2人は子供から放たれた幽毒に気づかず、慌てて医館へ運んだ。その様子を温孤と紅鸞がながめている。「さて、これで啓封の民から生気を集めれば端木を救うことができるな…」子供を診察した医者は幽毒だと気づいた。するとあっという間に感染が広がり、患者はひとまず仙薬がある温孤医院に集められる。展顔は病み上がりながら捜査に加わったが、もはや端木翠を頼るわけにいかなかった。展顔の様子がおかしいことに気づいた江文卿は神仙など当てにならないと嘆き、啓封を自分たちの手で守ろうと奮起する。…蓬莱図が消えた今、幽族を封じる神器はない…それなのに幽毒が人間を苦しめるとは…これは私が望んだ世ではない、過去に戻れば一からやり直せるはずだ温孤は久しぶりに細花流(サイカリュウ)に立ち寄った。「どれだけ犠牲者を出しても君を救い出す…」すると紅鸞がやって来る。「王上、端木の救出に十分な生気が集まりました…後始末はお任せください」「蓬莱は決して私を許さぬだろう、啓封は最後の切り札だ」温孤は紅鸞に宝器を授け、これで啓封を封鎖するよう命じた。「王上?…私が死んだら悲しんでくれますか?」「…無意味な質問だ」啓封では幽毒を恐れた民が逃げ出そうとしていた。しかし紅鸞が城門を封印してしまう。「温孤…あなたが決めたことなら何でも手助けするわ」つづく
2022.12.17
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 1第23話月老(ゲツロウ)は復活した端木翠(ダンムーツェイ)を落ち着かせるため、展顔(ヂャンイェン)と会わせることにした。そこで月老廟にも小さな結界を届け、端木翠の姿を映す。展顔は端木翠が生きていると知り感慨無量、しかしなぜか端木翠は両手足を鎖で繋がれていた。「私は大丈夫よ」「…本当か?なぜつながれている?」「これは…傷を治すためなの、心配ないわ」「だが苦しそうだ…捕らわれているのだな?」すると焦った月老が結界を閉じてしまう。端木翠は展顔が自分のために無茶することを恐れた。すぐ解放しろと興奮する端木翠、すると楊鑑(ヨウカン)が現れる。楊鑑は情債(ジョウサイ)箱の鎖を修復したら解放するとごまかし、展顔への想いはここで断ち切るよう説得した。しかし端木翠は展顔に会うと言ってきかない。見かねた麒麟の小天(ショウテン)は星君が上仙の代わりにこれから天雷の罰を受けると嘆いた。「温孤(オンコ)が反乱を…」「やめよ」楊鑑は小天の話を遮り、端木翠が暴れないよう仙力で再び眠らせてしまう。九獄に幽王の子が戻った。投獄された紅鸞(コウラン)は無事に解放されたが、久しぶりに見る温孤の様子はどこかおかしい。実は温孤は神位を捨てていた。しかし温孤が神仙であろうと幽王であろうと、紅鸞は愛する人と死ぬまで一緒だと覚悟する。長老たちの配下は人間との子である温孤の台頭に反発したが、温孤の龍気であっけなく灰と化した。「越龍門(エツリュウモン)はもういない 奴が蓬莱図を集めたのは幽族解放のためではなく、己が神仙になるためだった 蓬莱図は余の手にある、余に従うなら九獄から出て崇(スウ)城へ連れて帰ろう」お~っ!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<ヤンヤヤンヤ~↓ブラック化した温孤カッコいい!幽族は九獄から脱出、啓封(ケイホウ)を襲撃した。啓封府が対応に追われる中、江文卿(コウブンケイ)は展顔だけに温孤が蓬莱図を消滅させたと教える。しかし人間である自分たちが焦ったところで何の役にも立たなかった。「分かっていれば神仙の冊封の時、神位を…いや何でもない これでは神仙も守りで手一杯、人間界どころではないだろう」「蓬莱にも危機が?!端木が拘束されているのに、さらに危険が… 義父、蓬莱に行く方法はありませんか?!端木を救わなくては!」江文卿は端木翠が水晶の鎖につながれていると聞いた。恐らく端木翠を拘束しているのは情債箱の鎖だろう。…端木は神仙になった時、戦で兵を死なせた悔恨から沈淵(チンエン)を開こうとした…記憶の封印はそれを阻止するためだろう…そうだ、鎖が切れて記憶を取り戻せば端木は沈淵を開き、全てやり直すことができるやも江文卿はもしやり直せるなら自分が神仙となり、後世の混乱を防げるはずだと考えた。蓬莱図が消滅したせいで三界が通じ、今なら人間界から蓬莱への道も開いていた。江文卿は江家で代々受け継がれて来た巨闕(キョケツ)を展顔に託したが、実は巨闕は上古の神剣で、蓬莱への鍵だと明かす。巨闕は女媧(ジョカ)が天を修復する時に用いた五色石を鍛えて作られた神剣で、主を守る剣霊が宿っていた。「これを持って蓬莱に入れば死から守られる、しかし無理を通すには代償が付きもの 蓬莱に行くことは摂理に背く、剣霊に守られても耐え難い苦しみを味わうだろう」「義父、命を賭する所存です」その頃、温孤は幽族を引き連れ、千年ぶりに崇城へ戻った。これから待っているのは破滅的な最期、温孤は紅鸞に今一度、考え直すよう勧めたが、紅鸞はついて行くという。「身が滅ぼうともおそばにいます」しかし紅鸞は温孤の行いの全てが端木翠のためであり、自分のことなど眼中にないと分かっていた。「端木はもう死んだのですよ?」「黙れ!」温孤は激高したが、急に紅鸞は泣き出してしまう。「端木はいつも私に優しかった、まるで本当の姉のように… 私の恩人です、私も胸が張り裂けそうな思いです」「端木は死なぬ…死ぬはずがない」すると温孤は越龍門から取り返した幽族の秘術を見せた。これで衆生(シュジョウ)の生気を吸収し、端木翠を助けるつもりだという。紅鸞は無辜を犠牲にすれば天罰が下ると警告したが、温孤は端木翠のためならこの身が砕けて消えることも恐れなかった。「私は怖い…あなたを失うことが…また千年も待つことになります」「私を探す必要はない、私が消える時は端木の隣で永遠に眠ることになる…」( ๑≧ꇴ≦)だーわん!江文卿は三界をつなぐ渦潮へ展顔を案内した。「端木はかつて觳閶(コクショウ)を救うため神位を譲ろうとした お前が見た水晶の鎖こそ情債箱を封じる鎖だ、救うには巨闕で断ち切らねばならぬ しかし記憶が戻った端木はお前をもう愛さないやも…それでもいいのか?」「義父、過去の話は知っています、たとえ私たちの縁が切れても、端木を苦しみから救いたい 彼女は何も悪くないのですから…」展顔は江文卿の目論みなど知る由もなく、愛する端木翠を救うため蓬莱を目指した。…展児、悪いがお前を利用させてもらう、いつか私の苦しみを分かってくれるだろう…( ゚д゚)分かってたまるか!蓬莱では温孤をかばった端木翠への風当たりが強くなった。そこで楊鑑は神仙たちを黙らせるため、義妹の代わりに天雷の罰を受けると決める。しかしいざ刑場に立った楊鑑は上位を利用して雷神を脅した。「雷神よ、度が過ぎて私を傷つければ過失の罪に問うぞ?」「はあ?…ったく、あれこれ口出しするなら自分でやってくれ!」雷神は屁理屈ばかりの星君にへき易し、雷を落とす金槌を渡して帰ってしまう。その頃、展顔はついに蓬莱の門に到着、門衛と対峙した。「何者だ?!…なぜ人間なのに神気を感じるんだ?!」↓( ๑≧ꇴ≦)開眼じゃんいぇん!楊鑑は適当に懲罰を終わらせた。温孤が蓬莱に背いたとは言っても、まだ焦るほどのことでもない。端木翠も長い眠りにつき、夢から目覚める頃には人間界も100年後、情やら何やらはもう遠い過去のことだ。しかし小天が駆けつけ、門衛と争っている展顔を見たと知らせる。「何だと?!」その頃、巨闕の力を借りて門衛を退けた展顔はすでに帰墟で情債箱の鎖を斬っていた。すると端木翠はついに千年前の記憶を取り戻し、情債箱が壊れてしまう。…あの時、觳閶は端木翠を娶るため功を急いて崇城へ出陣したしかし待ち伏せに遭って部隊は全滅してしまう觳閶の無言の帰りに打ちひしがれる端木翠、すると兵士たちはこれも端木将軍のせいだと激しく非難した江易(コウイ)は楊鑑に令牌を継がせて攻撃の続行を命じたが、その時、端木翠が義父の手から令牌を奪い取る『お願いします、私に觳閶と兄弟たちの敵を討たせてください』こうして端木翠は崇城に攻め込み、幽王に戦いを挑んだ激しい攻防の末、最後は刺し違えた2人、先に倒れたのは幽王だった『将軍!』『グフッ…阿弥(アビ)…私を…觳閶と…一緒に埋葬して…』すると端木翠は自ら幽王の剣を胸から抜き差し、絶命した人族と幽族の凄惨を極めた戦いが終わり、江易は蓬莱図で楊鑑たちを神仙に封じて蓬莱へ送った戦死した觳閶と端木翠は棺の中で並んで眠っている江易は養女の端木翠をこのまま逝かせるに忍びなく、自分の神位を譲って助けた目覚めた端木翠は自分ではなく觳閶を救って欲しいと嘆願したが、江易は全員を救うことは難しいという『義父…この恩は来世で必ずお返しします』上仙した端木翠は觳閶と兄弟たちを救うため、沈淵を開こうとした沈淵を開けるのは神女だけ、端木翠は今になってなぜ母が首の後ろにある印を隠せと言ったのか気づく実は端木翠は神女の末裔だったしかし神女はかつて沈淵を開けば三界が乱れると予言していたため、神仙は開いてはならないと反対する端木翠はそれでも開くと躍起になり、楊鑑は仕方なく端木翠の記憶を封印したのだった…展顔は情債箱から現れた端木翠を抱き留めた。愛しい端木翠に口づけしようと顔を近づける展顔、しかしその時、端木翠がうわ言を呟く。「…觳閶」「やはり思い出したんだな」端木翠はようやく目を覚まし、展顔が救ってくれたと気づいた。「どうしてここへ?」「とにかく逃げよう!」一方、温孤と紅鸞は儺神(ダシン)廟を訪ねた。儺神は死者の怨念を自らの身体に封じて鎮めていたが、疫病神と忌み嫌われ、参拝する人間もなく廟は荒れ放題、辛酸をなめている。「お前の存在を知らしめてやろう、ただしその命と引き換えにな」すると温孤は儺神の神気を破壊、溜め込んだ千年分の死者の怨念を全て呑み込んだ。展顔と端木翠の前に楊鑑が立ちはだかった。展顔は蓬莱が端木を苦しめていると非難、ここから救い出すという。「人間に何ができる?」すると楊鑑は展顔に仙力を放った。展顔は巨闕で仙力を阻止したが、楊鑑は手を緩めない。「いつまで持つかな?」つづく(# ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ ハンドンコイツッ!
2022.12.14
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 1第22話温孤(オンコ)は龍族の末裔であることが露見、蓬莱の掟に従い死罪を言い渡された。展顔(ヂャンイェン)は楊鑑(ヨウカン)が放った誅神(チュウシン)剣を巨闕(キョケツ)で阻止しようとしたが、弾き飛ばされてしまう。すると温孤は覚悟を決めて目をつぶった。その時、端木翠(ダンムーツェイ)が身を挺して温孤をかばい、自ら誅神剣に刺されてしまう。(Ŏ艸Ŏ)だんむう~! 端木翠は大量に血を吐き、その場に倒れた。「大哥…私が命で償うから温孤を許してあげて… これからは人族と神仙と幽族、互いに干渉しないと約束して…」端木翠は息も絶え絶えに嘆願し、ふと展顔の悲痛な表情に気づいて微笑を浮かべる。「神仙は死なない、私は蓬莱に戻るだけよ…」その時、展顔が肌身離さず持っていた人形が落ちた。端木翠は思い出の人形を愛おしそうに眺めながら、自分を騙した展顔を責める。「私を嫌いだって言ったのに、なぜ人形を持っていたの?」「2度と嘘をつかないと誓う、君が好きだ…逝かないでくれ」「…この人形を私だと思って」すると端木翠は愛する展顔の腕の中で力尽き、人像(ヒトガタ)が消散した。誅神剣は神仙や妖怪を討つための剣、この剣で殺された者は魂が砕け散るという。展顔は激しい衝撃から心脈が傷つき、血を吐きながらばったり倒れた。温孤は悲しみに打ちひしがれた。…かつて蓬莱へ送られる端木翠を眺めながら、身を引き裂くような痛みに耐えて龍の角を切り落とした温孤再び端木翠のそばにいたいと願い、ちょうど修練を積んで蓬莱図を手にした新たな神仙を殺したそして温孤は天への階(キザハシ)を上がり、自分の過ちを闇に葬るため、蓬莱図を砕いてしまう…あれから温孤は端木翠に釣り合う神仙になろうと医術で人々を救って来た。しかし理不尽にも端木翠を殺され、温孤は蓬莱への恨みを募らせる。「必ず端木を連れ戻す!」すると温孤は蓬莱図を奪って姿を消した。楊鑑は結局、端木翠が命懸けで守った温孤を見逃し、倒れた展顔も助けることにする。…端木が大切な人形を託した相手だ、仕方がない…展顔は端木翠と朱雀街を散策している夢を見ていた。幸せな時間を過ごす2人、しかし展顔は一瞬目を離した隙に端木翠を見失ってしまう。『端木!端木どこだ?!…端木!』…展顔、悲しまないで、私はもう行くわ…展顔はついに目を覚ました。激しいめまいの中、夢の中で帰墟(キキョ)を見たことを思い出すが、それがどこなのか展顔に分かるはずもない。…端木、どこへ行ったんだ?…一方、楊鑑は麒麟の小天(ショウテン)と帰墟にいた。かつて端木翠は許嫁の觳閶(コクショウ)や戦友を救おうとして沈淵(チンエン)を開こうとしたことがある。楊鑑たちは端木翠の記憶を情債(ジョウサイ)箱に封印することで阻止して来たが、そのおかげで帰墟には端木翠の精神がわずかに残っていた。そこで楊鑑は情債箱の中に端木翠を閉じ込め、砕けた魂が修復されることを願う。「あとは天命を待とう…」江文卿(コウブンケイ)が汶水(ブンスイ)県から昏睡した展顔を連れ帰り、すでに3ヶ月が経っていた。ようやく目覚めた展顔は端木翠の面影を求め草盧(ソウロ)へ出かけたが、すでに精霊たちの姿もない。その時、展顔はふと端木翠からもらった信蝶(シンチョウ)を思い出し、肩を叩いて呼び出した。「(はっ!)信蝶!端木に会わせてくれ!」信蝶は山を下りて朱雀街を飛び回った。しかし端木の幻影が見えても触れることは叶わず、やがて展顔は道にへたり込んでしまう。「端木…」。゚(∩ω∩`)゚。 展顔…展顔は朱雀街で偶然、青花(セイカ)小仙と薬瓶に出くわした。2人は主人の死を信じられなかったが、上仙していないため蓬莱に会いに行けないと嘆く。「主人いわく神仙の魂は蓬莱に戻り、帰墟で眠るって…」展顔は夢で見た光景が帰墟だと気づき、慌てて啓封(ケイホウ)府に戻った。そこで江文卿に蓬莱へ行きたいと訴える。しかし蓬莱へ行けるのは悟りを開いて神仙になれた者だけ、しかも肝心の蓬莱図は温孤の手にあった。「温孤にかけ合います!」「…温孤はもう人間界にはおらぬ」一方、温孤は帰墟に忍び込み、端木翠を連れ出そうとした。しかし情債箱は天地の霊気で鍛えられた頑丈な箱、そう簡単に壊すことはできない。そこへ楊鑑が駆けつけた。温孤は端木翠を殺した敵だと襲いかかったが、星君の仙力には叶わず、深手を負ってしまう。すると楊鑑は降参すれば命だけは助けると言った。激情に駆られた温孤は自分の神位を取り出し、端木がいない蓬莱など未練はないと言い放つ。「…端木がいなければ上仙の座もいらぬ! この温孤、今日を限りに上仙の座を捨て、蓬莱を不倶戴天の敵とみなし、死ぬまで戦う!」温孤は楊鑑の前で神位を握りつぶし、必ずや端木翠を取り戻すと言って帰って行った。温孤は幽王の子でありながら、子供の頃から温厚な性格だった。『お前の身体には龍の血が流れている、慈悲深く、情にもろくては余の後継者にふさわしくない』これまで薄氷を踏む思いで生きて来た温孤、しかし端木翠を失った今、父の苦言が身に沁みる。「蓬莱は非情すぎる…断じて許すものか!蓬莱は君を犠牲にして人間界を守った なら私は人間界を破壊する!端木、何としても君を取り戻す!」そんなある日、月老(ゲツロウ)廟に妖怪が出たと騒ぎになった。ちょうど巡回中だった展顔は趙武(チョウブ)と張瓏(チョウロウ)を連れて捜査に向かったが、そこで青花小仙を見つける。青花小仙は頑張って稼いだ金で線香をあげたが、月老が主人に伝言してくれないと怒っていた。「稼いだ?盗んだお金でしょう?」張瓏の話では端木門主が去ってから碗に金を盗まれたという訴えがたくさん来ているという。すると展顔は確かに月老なら端木翠の居場所を知っていると気づいた。そこで筆を取り、願い事を書き始める。「月老が伝言しなければ明日から月老廟に検問所を設け、参拝客を厳しく尋問する そうなれば月老廟で線香をあげる者はいなくなるだろう」↓どこかで見た顔だと思ったら、激落ちくんじゃない?w展顔はその日から端木翠へ文を書いては燃やした。すると灰は蓬莱へ届き、端木翠の元まで飛んで行く。…端木、離れてから何百年も経ったような気がする…展顔のそばにはいつも2人に良く似た人形があった。↓衣装は展顔の手作りなのか?w…端木、古人いわく人は運命の相手と結ばれるという…君は神仙に姻縁はないと言ったな、だが端木、天上であれ黄泉であれ私は君と歩み続けたい『端木…端木…端木…』情債箱に絶え間なく降り注ぐ展顔の深い愛、その真心は確かに端木翠の魂に届き、ついに端木翠は目を覚ました。月老は展顔から脅され、端木翠への伝言を持って帰墟にいた。するとついに情債箱が壊れて端木翠が飛び出し、鎖をはずそうともがき出す。「上仙!その鎖は外れません!」月老は上仙の精神が僅かに残っていたおかげでこうして魂が修復できたと教えた。「その鎖はすでに上仙と一体になり外れません、これを機にゆっくり静養しては?」しかし端木翠は月老が何か隠していると気づいてしまう。焦った月老は端木翠を落ち着かせるため、ひとまず展顔と会わせることにした。展顔は今日も月老廟で端木翠への文を焼いていた。…私は元気だ、心配するな…しかし展顔はあきらかにやつれて見える。端木翠は愛おしい展顔に手を伸ばそうとしたが、急に鎖に引き戻され悲鳴を上げた。すると展顔は不思議と端木翠の気配に気づき、殿内を探し回る。「端木…端木?!君なのか?!端木!」その時、月老が下界にも結界を作った。つづく( ;∀;)展顔が可哀想〜早く会わせてあげて〜 ←いやドラマだからw
2022.12.13
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 1第21話幽族の長老・越龍門(エツリュウモン)は幽王が残した宝・宝塔琉璃(ホウトウルリ)灯の中に端木翠(ダンムーツェイ)を閉じ込めた。琉璃灯の中では端木翠など恐れるに足らず、越龍門は端木翠から持ち物を全て取り上げたが、蓬莱図が入った乾坤袋がない。「残念でしたっ♪どこにあるか教えてあげな~い」「得意になるな!…一旦、火をつければ6刻以内にお前は燃え尽きる!」すると怒った越龍門は火を放って姿を消してしまう。一方、投獄された紅鸞(コウラン)は長老に刃向かって収監された幽族たちに先王の子が人間界にいると吹き込んでいた。「あの方なら仁政を敷くわ…皆さん、王子の帰りを一緒に待ちましょう! 越龍門を倒し、幽族に自由を!」すると牢獄で歓声が湧き上がった。端木翠を探していた温孤(オンコ)は血相を変えて走って来る展顔(ヂャンイェン)を見つけた。展顔は事情を説明、端木翠が消えた場所へ案内する。「言ったはずだ、お前たちが一緒になれば端木が傷つくことになると…なぜ忠告を聞かないんだ?! 端木が死なぬ限りあきらめないと?」「…その時は私も端木の後を追う」その時、端木翠が走ってきた。「展顔!温孤!私なら無事よ!…越龍門は強者よ、やっと逃げ出してきたの」しかし展顔は巨闕(キョケツ)を抜いて端木に襲いかかった。「こやつは端木ではない…端木は決して敵を褒めないからな」すると越龍門が正体を現した。 越龍門は端木翠をある場所に閉じ込め、あと数刻で燃え尽きると教えた。激高した温孤は龍気を集めたが、展顔は越龍門を殺せば端木翠の居場所が分からなくなると止める。そこで越龍門は蓬莱図を渡せば端木翠を解放すると持ちかけた。展顔はここにはないと嘘をつき、自分ひとりで届けに行くという。「ただの人間なら脅威にはならないはずだろう?」「はお、東通りの廃屋で待っている」 その頃、端木翠は自分の身を守れる術もなく、激しい炎の中でもがき苦しんでいた。すると再び母と生き埋めにされた時の記憶が蘇る。あの時、まだ幼い端木は泣き叫びながら棺の蓋を開けようともがいていた。母は爪から血を流す娘を必死に止めながら、これは自分たち母娘の運命だとなだめる。『首の印を人に見せないで…過去を変えるためには沈淵(チンエン)を開いてはだめよ』啓封(ケイホウ)府に端木翠が失踪したとの報告が届いた。展顔によれば汶水(ブンスイ)県の殺人事件に仙薬が絡んでいるという。江文卿(コウブンケイ)は仙薬が蓬莱図の断片だと気づき、役所を上官策(ジョウカンサク)に任せ、成偶(セイグウ)と朱然(シュゼン)を連れて汶水へ向かうことにした。展顔が廃屋に現れた。展顔は端木翠の居場所が先だと言ったが、越龍門は蜥蜴(トカゲ)に変身、展顔から乾坤袋を奪って逃げ出してしまう。しかしその乾坤袋は偽物だった。林の中でようやく気づいた越龍門は憤慨、すると温孤が現れる。温孤は騙された越龍門を嘲けったが、越龍門はどちらにしても展顔は端木翠を助け出せないと言った。「お前には同情を禁じ得ない…いくら愛を捧げても端木翠の目には展顔しか映らぬからな お前は端木翠のために蓬莱図を奪って神仙となり、蓬莱図を砕いて捨てた 己の所業を他人に知られるのが怖いか?」温孤はようやく越龍門が幽族解放のためではなく、神仙になるために蓬莱図を集めていたと気づいた。ならば今ここで越龍門を消して全てを闇に葬ればいい。すると越龍門が急に端木翠に変身、温孤が一瞬、ひるんだ隙に逃げられてしまう。( ๑≧ꇴ≦)温孤ェェェェ___展顔は宝塔琉璃灯の中に端木翠が閉じ込められていると分かった。そこで硝子の笠を外そうとするが取れない。すると温孤が駆けつけ、越龍門に逃げられたと教えた。「端木翠はこの中だ、だが開かない」「これは宝塔瑠璃灯、中は猛火のはずだ」温孤はひとまず法術で冷気を送り時間を稼いだ。展顔と温孤はひとまず役所に戻った。温孤の話では越龍門は先王から継承した宝塔瑠璃灯と誓約を結んでいるはず、つまり越龍門と瑠璃灯は一連托生だという。「越龍門が死ねば琉璃灯も壊れ端木も助からぬ、越龍門が自ら琉璃灯を開ければ救えるのだが…」すると展顔がある方法を思いついた。「琉璃灯に物を入れることはできるか?」「私ならできる」そこで展顔は端木翠が自分に託した乾坤袋と琉璃灯を温孤に渡した。蓬莱図の最後の断片を琉璃灯に入れれば越龍門は開けるしかない。しかし温孤は端木翠との仲を邪魔した自分を信じてくれるのかと聞いた。「端木翠を助けたい気持ちは同じだろう?」展顔は琉璃灯に物を入れられるのが温孤だけだと聞き、温孤が幽王の息子だと分かった。「温孤…気をつけろ」温孤は蓬莱図の断片を使って越龍門をおびき出した。そこで越龍門の目の前で琉璃灯の中に乾坤袋を入れてしまう。「端木が死んだら蓬莱図など何の意味もない、しかしお前はどうかな?」越龍門は仕方なく端木翠を解放、一緒に飛び出してきた蓬莱図を盗んで逃亡した。すると温孤は乾坤袋を端木に渡し、駆けつけた展顔に任せて出かけてしまう。乾坤袋の中には2つの大きな丸薬が入っていた。端木翠は仙力を回復させるため1粒飲み込むと、展顔が残りの丸薬をつかむ。「展顔!…今の私には越龍門を倒す力がないの 確かにこの丸薬であなたも法力を持てるわ、でも…人間が飲めば心脈が傷ついてしまう」「君のためにも無茶はしないよ」すると展顔は丸薬を飲み込んだ。越龍門は最後の蓬莱図の断片を手に入れた。ついに体内で蓬莱図を完成させた越龍門、すると蓬莱の御来光に気づいた人々が一斉に平伏して拝み始める。その時、ちょうど県城に江文卿一行が到着した。「誰かが神仙になったのか…」一方、蓬莱でも温孤以来、数百年ぶりの新たな神仙誕生に沸いていた。人間が修練で神仙の域に達するなど至難の業、運命簿を管理する司命さえ誰なのか知らないという。しかし楊鑑(ヨウカン)だけは新しい神仙が幸か災いなのか分からないと冷静だった。越龍門は光に導かれ天への階(キザハシ)に到着した。「ついに神仙になれる!わっははははは~!」すると突然、雷鳴がとどろき、天雷に見舞われてしまう。蓬莱図で上仙した神仙は天劫を受けないはず、しかしたちまち暗雲が垂れ込めた。地上でも急な天候の変化に驚いた人々が逃げまどっていた。江文卿は端木翠たちが幽族の野望を阻んでいると気づいたが、蓬莱がなぜ助けに来ないのか分からず憤る。…私が冊封した神が役立たずばかりだったとは、もしやり直せるならこうはならぬ…すると江文卿は無関係の成偶と朱然を先に帰すことにした。越龍門の前に温孤が現れた。実はかつて大罪を犯した龍族だけは神仙になれず、この″九重(キュウチョウ)の天劫″は幽族の王族である龍族に落とす天雷だという。「ではなぜお前は神仙になれた?」「私は龍の角を除いたからだ」実は温孤は最後の蓬莱図の断片に自分の角を忍ばせていた。…端木、千年前、私は君の後を追うため、ここに角を埋めた…私は龍族の象徴を消したことで蓬莱図に受け入れられ神仙になれた…そして事実を隠匿するため、蓬莱図を砕いて捨てたのだ…だがお前たちは断片を探し集め、端木を傷つけた…蓬莱図さえあれば神仙になれるとでも?…龍の角がある者は必ず蓬莱図に殺される(  ̄꒳ ̄)砕き方が3つ?って雑すぎるわ~ってかそもそも適当に捨てるなってw越龍門は罠にはめられたと知った。そこへ仙力を回復させた端木翠と展顔が駆けつける。2人は温孤の身分まで露見すると警告したが、温孤はこれまで端木翠に寄り添えただけで本望だと言った。すると越龍門に天劫が直撃、魂は砕け散り、同時に蓬莱図と龍の角が放り出される。そのせいで温孤は天雷を受け激しく血を吐き、咄嗟に角をつかんだ端木翠まで巻き込まれた。その頃、江文卿は地上から心配そうに空を見ていた。…あれは巨闕の魂だ…展顔は端木翠と温孤を守るため、巨闕で天雷を阻止しようとしていた。やがて倒れた端木翠の手が力なく開き、龍の角が持ち主である温孤に戻ってしまう。「うわあーっ!」温孤はついに龍の姿を現し、蓬莱は龍族の残党を捕らえるべく天兵を招集した。端木翠は展顔だけでも逃げるよう訴えた。しかし展顔は死んでも構わないという。「端木、君のそばにいる、決して離れない」すると楊鑑が大軍を引き連れてやって来た。楊鑑は千年前、龍族のせいで多くの戦友を失ったと嘆き、幽王の血を引く温孤を見逃せないという。「それは温孤の父親の過ちよ…」「端木、温孤はずっと正体を隠して我らを騙してきた」「事情があったのよ!温孤は私の友、邪念など持っていないわ!」その時、展顔が端木翠を守るため、楊鑑に向かって巨闕を向けた。「人間ごときが私に刃向かうのか?!」「…大哥、私の想い人なのよ」展顔はその時、初めて端木翠の口から本当の気持ちを聞く。「そなたの友と想い人か…ならば私は何だ?!」「唯一の家族よ…大哥、私の敵にならないで…」温孤は人形(ヒトガタ)に戻り、素直に罪を償うことにした。「君は千年前と少しも変わらない」あの時、将軍だった端木翠は自分が幽族だと知っても端木営の一員だと守ってくれた。すると楊鑑は誅神(チュウシン)剣を招喚、蓬莱の掟に従って幽王の子である温孤を死罪に処すと宣言する。覚悟を決めて目を閉じる温孤、しかしその時、端木翠が飛び出した。つづく( ๑≧ꇴ≦)あぁぁぁぁぁぁーっ!
2022.12.08
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 1第20話展顔(ヂャンイェン)は意地を張って端木翠(ダンムーツェイ)を引き止めることができなかった。しかし2度と会えなくなると思うと居ても立ってもいられなくなり、啓封府を飛び出して行く。その頃、江文卿(コウブンケイ)は草盧(ソウロ)まで端木翠を見送りに来ていた。「江大人(ダーレン)、お元気で」「君も気をつけて」端木翠が土遁(ドトン)術を放つと、砂が舞い上がって庭に大きな穴が出現した。…蓬莱図の最後の断片が無事に手に入ったら、展顔ともう永遠に会えないのね…展顔が息急き切って草盧へやって来た。しかしひと足遅く、端木翠はすでに行ってしまったと知る。江文卿はやはり展顔が端木翠を諦めきれないのだと分かり、目の前の人を大事にすべきだと諭した。「…でももう遅い」「そうとも限らんぞ?実は汶水(ブンスイ)県から捕吏を1人、応援に寄越して欲しいと依頼があった」「(๑´ω`๑)義父~」江文卿はこんなこともあろうかとすでに移動命令を準備していた。「手伝えるのはここまで、あとはお前次第だ」蓬莱図の断片は汶水県の富豪の娘・王繍(オウシュウ)が持っていた。幽族の長老・越龍門(エツリュウモン)は断片同士が引き合う反応で居場所を突き止めたが、断片を引き離すことができない。そこで王繍の恋仲の法師・劉彪(リュウヒョウ)という男を殺して成り代わり、接近した。しかし主を守っている蓬莱図は王繍から離れようとしない。…女から心臓の血を差し出させるしかないようだ…その頃、端木翠も汶水県に到着していた。しかし蓬莱図の断片が反応を示さず、何の手掛かりも見つからない。仕方なく端木翠は露店の店主に近頃、おかしな出来事がなかった聞いてみた。すると店主が王府の不思議な話を教えてくれる。「娘婿がさっぱり稼げない流しの医者だったが、先日この娘婿に事件が起きた 一夜で老け込んで姿を消したんだ すると不思議なことに重病だった妻の王繍が少女のごとく若返ったのさ」それ以来、失踪した王繍の夫・梁文祈(リョウブンキ)は幽族だと噂されていた。その夜、端木翠は王府へ潜入、ちょうど琴を弾いている王繍を見つけた。|ω・`).oO(ビンゴ!蓬莱図を持ってるわそこへ梁文祈の行方を探している林(リン)捕吏がまた話を聞きたいと訪ねて来る。|ω・`).oO(展顔だったらあっという間に解決するのに~すると端木翠は展顔を忘れられない自分に驚き、うっかり物音を立てた。王繍は勝手に倒れた急須に気づき、もしや梁文祈がそばにいるのではないかと誤解してしまう。王繍はやはり梁文祈が幽族かもしれないと怯え、劉彪を頼った。すると劉彪はどこで見つけたのか梁文祈を捕縛し、大道で幽族を追い払う祈祷を始める。しかし運悪く端木翠が通りかかった。…端木翠め、もう来たか…端木翠は梁文祈から幽族の気息を感じず、密かに折り鶴を飛ばして偵察させた。折り鶴の報告では梁文祈に心拍も呼吸もなく、すでに死んでいるという。長老は端木翠に暴かれるのを恐れ、咄嗟に梁文祈に術をかけて王繍を襲わせた。驚いた王繍は思わず短刀で夫を刺し、殺してしまう。劉彪は王繍に罪はないと慰め、徹底的に幽族を消すためにも骸を焼いた方が良いと助言した。祈祷を見ていた野次馬たちも幽族を完全に始末するべきだと賛同、王繍も了承する。…すでに死んでるのにもう一度、殺したわ…端木翠は法師が死因を隠すため遺体を焼くつもりだと分かった。その夜、端木翠を心配した温孤(オンコ)は王府を訪ねた。そこで夫人に端木翠という女子を知らないか聞いてみたが、王繍は会っていないという。すると王繍は夫が幽族だと知っていたか尋ねた。温孤は幽族ではなかったと否定し、元気そうな夫人の姿に困惑する。実は温孤は梁文祈と面識があった。梁文祈は王繍の病を治すため神医の温孤を訪ね、妻の命を救って欲しいと懇願したという。温孤は残念ながら寿命だと答えたが、その際、梁文祈は妻を″仙薬で救うしかない″と言っていた。「どうやら服用したようですね…」王繍は夫が自分を救ってくれたと知り、誤解して殺してしまったと後悔した。そこへ劉彪がやって来る。「梁文祈のせいで私は死ぬと言ったわね?本当なの?彼は私に仙薬を飲ませたそうよ?」その時、突然、劉彪が血を吐いてしまう。実は王繍の病は症状を抑えただけで完治しておらず、密かに自分の寿命を王繍に移したというのだ。しかし梁文祈を見つけた時に負傷し、法術で捕縛したせいで身体に限界が来たという。「心臓の血がなければ死んでしまう…しかし私に血を捧げてくれる者など現れぬ…」「私がいるわ!」王繍は自分の胸に裁ち鋏を突き刺そうとしたが、突然、端木翠が現れ阻止した。「この男に愛はないわ」長老はあと一歩のところで王繍の心臓の血を手に入れられるところだったが、正体を暴かれる前に逃げ出した。端木翠は幽族を追って夜の街へ飛び出した。すると裏道で自分を追って来た展顔と再会する。展顔は素直に端木翠が恋しかったと訴え、離れてから眠れず食欲もなくなったと話した。「翠児…すまなかった」「今、何て呼んだの?」「翠児…この花は私の気持ちだ」展顔は花を一輪、贈った。しかし端木翠が受け取ると花は消散、同時に端木翠の身体は急に小さくなってしまう。「翠児よ、うかつだったな~」展顔に化けていたのはあの劉彪だった。劉彪は端木翠を捕まえようとしたが、身軽になった端木翠に逃げられてしまう。端木翠は急いで王府に戻った。すると偽物の展顔が林捕吏と一緒に梁文祈の聞き込みに来ている。「新しい捕吏長の展顔です、梁文祈の事件は私が引き継ぐことになりました」|ω・ )<展顔の姿で今度は王繍を騙すつもりね?!端木翠は小さくなったせいで法術が使えなかったが、展顔の両足に梱仙縄(コンセンジョウ)を引っ掛けておいた。「梁文祈の遺体を調べたが幽族ではなく人間でした、しかも死んでから何日も経っていた 幽族に関わるゆえ役所に連行します」しかし展顔はつまずくこともなく、あっさり縄を切ってしまう。|ω・ )<あれ?幽族だけに効く縄を切ったわ…じゃあ本物?!展顔は役所の客室に滞在することになった。そこで椅子に腰掛け、端木には手放したと嘘をついた思い出の人形を眺める。展顔を追いかけて来た端木翠は机の上に飛び乗ったが、展顔はなかなか気づかなかった。「端木、君に会いたい…でもだめなんだ」|ω・ )<はあ?なんでよ?!何考えているのかしら?端木翠はしびれを切らし、長槍でいきなり展顔の手の甲を突き刺した。「(痛っ!)ジーッ…(はっ!)何だ、これは?」「端 木 翠 よ っ !」「端木?…君なのか?!」展顔はようやく小さくなった端木翠に気づき、手を差し出して乗せた。「本当に君なのか?…どうしてこんな姿に?」「私の勝手でしょう?!」まさか幽族の罠にはまったとは言えず誤魔化す端木翠、その時、王繍の悲鳴が聞こえた。王繍が幽族に襲われた。展顔と林捕吏が駆けつけ難を逃れたが、王繍はようやく劉彪が偽物で、自分を殺すのが目的だったと知る。部屋に戻ると端木翠は蓬莱図の断片が王繍の身体にあると教えた。梁文祈は愛する妻を救うため王繍に断片を飲ませたのだろう。王繍を襲ったのは当然、蓬莱図を狙う幽族だ。しかし断片は自ら王繍の血に潜んだため、王繍が自ら差し出さねば取り出せないという。「幽族も蓬莱図の断片に導かれて来たと?」「その通り、私が失くした断片を持っているはずよ」端木翠は幽族を見つけるため乾坤袋から断片を取り出したが、断片は消散してしまう。「うっそ~ん!これも偽物だわ!私から2つも奪い取るなんて…敵の思う壺ね」「大丈夫、私がいる」展顔は小さくなった端木翠を心配し、今夜は一緒に寝ることにした。そこで布団に入った展顔は端木翠を手に乗せ、宝物のように優しく包み込む。「悪夢を見ないでね、握り潰されたらたまらないわ」「そう言われると眠れないな(クスッ」すると端木翠は柔らかい展顔の手のひらですぐ眠りに落ちた。「端木、すまなかった、つらい思いをさせて…」翌朝、展顔は端木翠を連れて王繍の部屋を訪ねた。すると展顔は梁文祈の遺体から見つけた離縁状を渡す。梁文祈は死を前にして激しく血を吐いたのか、離縁状は真っ赤になっていた。…そなたは婚約を守って落ちぶれた私に嫁いでくれた…暮し向きが厳しく苦労をかけたな…私は持病があり、仙薬の力で生き長らえている…これでそなたを救ってやれるのがせめもの天からの恩恵だ…劉彪は裕福でそなたに優しい、世話してもらえれば安心だ…私に残された時間は短い、そなたの末永い幸せを祈っている展顔は2度と梁文祈ほど命懸けで愛してくれる相手には巡り会えないだろうと諭した。「私も同じ経験をした、身分が釣り合わなくても梁文祈の愛は本物だった 簡単なことではない、そんな相手は2人といない」「あなたも愛する人を失ったの?」展顔は思わず端木翠を見つめ、間違いを犯して裏切ったと答えた。「許してもらえるか分からない…」|ω・ ).oO(私のことかしら? ←情が封印されているので疎いw自責の念に駆られた王繍は自害しようとした。しかし展顔が制し、死は梁文祈への最悪の裏切りだと諭す。すると王繍はならば仙薬を取り出して欲しいと端木翠に頼んだ。「でも取り出したら年老いて死んでしまうわ」「…このまま生き続けたら恥の上塗りよ、老いて死んだ方が良い、夫に会いに行くわ」端木翠は王繍が手放した蓬莱図の断片を取り出し、最後のひとつを手に入れた。端木翠は展顔を問いただした。「さっきの話はどういう意味?…探り合いは嫌いよ、はっきり言ってちょうだい!」「端木…すまない、ひどいことをした」「そうね、もう怒らせないで」「はお、約束する、君を怒らせない」…私が臆病なせいで君を傷つけた、今からでもやり直せるだろうか?…2人は仲直りして巡回に出た。すると林に入ったところで蓬莱図の断片が反応する。どうやら端木翠の蓬莱図の断片を奪った幽族が近くにいるようだ。端木翠は念のため断片を展顔の帽子に隠してから先へ進む。その時、突然、目の前に蜥蜴(トカゲ)が現れたかと思うと、人形(ヒトガタ)に戻った。( ゚д゚)<あらやだ、爬虫類の幽族?(# ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾<端木翠っ!爬虫類って言われるのが一番、嫌いだ!憤慨した越龍門は展顔に一撃を放ち、肩から振り落とされた端木翠を捕まえて姿を消してしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)やだ何これwww面白すぎるわwwwしかも長老がカメレオンってwwwそりゃドラゴン温孤に嫉妬するわけだわwww
2022.12.07
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 1第19話温孤(オンコ)は庭に出て端木翠(ダンムーツェイ)の帰りを待っていた。「心配いりません、端木門主は無事に戻られます」紅鸞(コウラン)に化けた長老は温孤をなだめながら内心ほくそ笑んだが、やがて端木翠の折り鶴が思わぬ伝言を届ける。「九獄の内通者は黒猫の江墨(コウボク)でした」実は端木翠は黒猫を誘き出すため、法力を失ったふりをしていただけだった。江墨は自分の過ちを認め、端木翠と一緒に細花流(サイカリュウ)へ行くことになった。そこで主・江易(コウイ)の生まれ変わりである江文卿(コウブンケイ)に別れを告げ、罪を償ってから会いに来ると約束する。しかし端木翠は戻るのは難しいと言った。「審問が終われば蓬莱はお前を九獄に送るわ」「九獄に?なぜ長老・越龍門(エツリュウモン)を捕まえないんだ?私は長老の命で動いたんだ」実は江墨は端木翠さえ殺せば江文卿が神位を取り戻し、生死の苦しみを免れると長老に吹き込まれていた。「…私が死んでも神位は戻らないわ、冊封されなければダメなの」江墨はようやく長老が蓬莱図を手に入れるため自分を利用したと気づいた。その時、黒煙が現れ、江墨の口を封じるべく急襲する。江墨は咄嗟に身を挺して主を守り黒煙が直撃、その場にへたり込んだ。江墨は激しく喀血、もはや虫の息だった。主を神仙にできなかったことは悔やまれるが、最期に唯一できることは自分の記憶を全て主に移すことだという。「父上はおっしゃった…″虎となれる王の心を持て″と…今から過去を全てお伝えします 猫でいるか虎になるかは父上がお決めください」すると江墨は自分の記憶を取り出し、江文卿に全て託した。…江文卿は千年前、人族の丞相・江易だった江易を支えていたのは3人の将軍で、義理の子である端木翠と楊鑑(ヨウカン)、そして觳閶(コクショウ)だ江易は人族を率いて幽族との戦いに勝利したが、戦闘で重傷を負った端木翠を救うため神位を譲渡、自身は人間になる道を選ぶ激しい雨の夜、江易は黒猫を拾った『今日からお前は江墨だ』江易は江墨を連れて隠遁し、修練の日々を送る『お前は小さな猫だが虎の心を持たねばならない、猫は人に飼われるが虎は山林を駆け回る …私は神位を失った、神仙にはなれん、だが懸命に修練を積めばお前には道が開ける それが私にとって最後の願いだ』すると江易は江墨の額に″王″と描いたやがて人間の江易は天命を全うし、この世を去った独り残された江墨はついに千年の修練を積んで人形を手に入れたが、もはや喜んでくれる父の姿はない…幽族を取り逃した端木翠と展顔が戻って来た。すでに江墨は消散していたが猫の命は9つ、端木翠は江墨が再び戻って来ると知っている。すると自分の前世を全て思い出した江文卿は端木翠の姿を目の当たりにして唖然となった。「江大人?」「端木…私はお前の義父だった」事件が解決し啓封(ケイホウ)に平穏が戻った。しかし江文卿は上官策(ジョウカンサク)に役所を任せ、部屋に閉じこもったまま鬱々としている。すると端木翠が啓封府にやって来た。上官策は展顔と端木門主の仲を取り持つため、事件のことなら展顔が対応すると言って逃げ出してしまう。「外で話さないか?」展顔は端木翠を細花流まで送ることにした。久しぶりに2人で歩く朱雀街、共に過ごした幸せな時間がまるで昨日のことのように思い出される。やがて互いに想いを秘めたまま端木橋に到着、結局、展顔は端木翠を引き止めることができなかった。(TㅅT)ค.oO(…端木、再見江文卿は新しい猫を拾って可愛がったが、江墨のことが忘れられなかった。夫人は夫に何か思うところがあると気づき、自由の身になって高みを目指しても構わないという。「今からやり直せるだろうか…猫のままでいるか、虎になるか」「あなたの心に″王″の字が輝いていれば可能よ」「…しかしもう機会はないだろう」「機会とは?」すると江文卿は急に端木草盧へ出かけしまう。端木翠は蓬莱の義兄に事件の解決を報告、実は義父だった江文卿が会いに来ていると教えた。驚いた楊鑑は端木草盧へ降臨し、感激のあまり身分も忘れて江文卿に抱きついて涙してしまう。「義父は当時のままだ」しかし記憶を封じ込まれている端木翠は確信が持てなかった。「本当に義父上なの?」「後身だから記憶を取り戻せたのだ」江墨は自分を犠牲にして江文卿に記憶を移していた。実は今回が9つ目の命だったという。恐らく長老は江墨が最後の命だと知り、そこに付け込んだのだろう。記憶を取り戻した江文卿は長老の目的が蓬莱図だと分かった。「神仙になる者がいる時、蓬莱図が現れる、蓬莱への扉を開くと同時に九獄を封じる鍵にもなるのだ 蓬莱図が消滅すれば幽族は九獄を脱出できる」端木翠は鏡妖から蓬莱図の断片をもらったと教えた。しかし乾坤袋にいれたはずの断片が見つからない。楊鑑は端木と近しい紅鸞を疑った。「蚊男のせいで法力が落ちた時なら触れられたのでは?」ともかく端木は乾坤袋をひっくり返して中身を全て出してみたが、結局、蓬莱図はなかった。江文卿の話では蓬莱図には知恵があり、自在に姿を変えることができるという。「最近、関わった事件は何だ?」「…啓封府と組んだ劉喜妹(リュウキマイ)の事件よ(はっ!)そう言えば思い出した!」端木翠は展顔を助けた時に手に入れた繭を見つけ、法力をかけてみる。すると繭が蓬莱図の断片に変わった。蓬莱図はなぜかどこかへ行きたがっているように振動している。江文卿は蓬莱図が他の断片に反応していると気づき、その断片に従えば残りを集められると教えた。「ただし九獄より先に見つけねば… 現れたからには蓬莱図は必ず一体となる、集まろうとする力は誰にも止められぬ」「もう巻き込まれたも同然なのね…なら私の手で揃えてみせる」一方、九獄では紅鸞が細花流を心配していた。自分に成りすました長老は繭となった断片を奪いに行ったはず、温孤の身が危ない。「脱出しなくては…」翌朝、端木翠が中庭に出ると展顔が門の前にいた。展顔は早朝の巡回のついでに寄ったと言ったが、青花(セイカ)は昨夜からずっとここに居たとバラしてしまう。「義父に聞いたんだ…帰るそうだな」「耳が早いのね…そうだ、話があるの」端木翠はすでに荷造りを始めていた。そこで展顔は乾坤袋の中身を整理整頓し、食べ物は左側で神器は右側だと教える。「左側って…あなたから見て左なの?」すると展顔は端木翠の手を持って乾坤袋に入れた。「君から見て左だ」しかし端木翠は気まずくなって展顔から乾坤袋を奪い取ってしまう。「自分でやるわ…それでこれを見て欲しいの」端木翠は蓬莱図の断片を手に乗せると、ある風景が映し出された。「展顔、ここはどこか分かる?」「…啓封最北の汶水(ブンスイ)県だ」「北なのね…寒い所なら衣が必要だわ」端木翠は蓬莱図の断片を探すため汶水県へ発つことになった。蓬莱図を集めて九獄を封じ直せば啓封に幽族が現れることもなくなり、端木翠の人間界での役割は終わる。「もう会うこともないわね」「耳が痛いと思うが聞いてくれ…夜は食べ過ぎないように、胃がもたれるぞ それから薄着に注意しろ、見た目を気にして風邪を引かないように 君は美しいから厚着しても神仙の気品は失わないさ」「…蓬莱では人間の身体じゃないの、冷えないし、胃ももたれない」「そうだった、お節介だったな」「口うるさい人がいなくなると寂しくなるわ…ぁ…」端木翠は展顔を見送りに出た。すると長老は端木翠の腰に乾坤袋がないと気づき、今のうちに部屋に忍び込んで偽物の蓬莱図と取り替えてしまう。一方、端木翠は門で展顔と別れた。…展顔、あなたの人生から私が消えれば平穏に暮らせるわ…長老は2つ目の蓬莱図の断片を手に入れた。そこで温孤に別れを告げる。「皆さんに悪いことをして来ました、ここにいると気まずいのです 上仙も回復したので安心して出ていけます」「噬心咒(ゼイシンジュ)がまだ解けていないだろう?」「あ…ご心配なく、九獄は混乱していて越龍門も手を出せないはずです 桃林に入って修練を積み、自分を取り戻します」温孤は紅鸞を許して引き止めたが、紅鸞の決意は変わらなかった。江文卿は端木翠を見送るため草盧へ出かけた。しかし展顔は現実に向き合えず、部屋に閉じこもって調書を読んでいる。上官策は後悔しないよう引き止めに行けと言ったが、展顔は無駄だと動かなかった。「展顔、門主の気持ちを聞いたのか?」「留まりたいなら去ったりしない」「展顔?!まさか女子から″離れたくない″とでも言わせたいのか?!あり得ん! ぐずぐずしていると触れることも叶わなくなるんだぞ!」つづく( ̄▽ ̄;)今さら気づく…これ1話がちょっと長いのねw
2022.12.06
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 1第18話黒猫の小黒こと江墨(コウボク)は細花流(サイカリュウ)の騒ぎを大きくして蓬莱(ホウライ)が罰しに来るのを待っていた。一方、温孤(おんこ)を救うための九獄に戻った紅鸞(コウラン)は解毒薬を発見、しかし長老に捕まり、刑場で裏切り者と糾弾されてしまう。するとそこへ投獄されていた端木翠(ダンムーツェイ)が引っ立てられた。驚いた紅鸞だったが、端木翠を連行して来た幽族が実は展顔(ヂャンイェン)だと気づく。「…門主、早くお逃げください」「私はあなたを救いに来たの」展顔は密かに紅鸞の手錠を外すと、紅鸞は温孤の解毒薬が長老の部屋にあると教えた。そこで端木翠は自由が利く展顔に解毒薬を取って来て欲しいと頼む。目印は桃の花びらだ。端木翠は時間を稼ぐため、温孤にどんな手を使って毒を盛ったのか聞いた。すると長老は間者を忍び込ませたと教えたが、それは紅鸞のことではないという。「端木翠、お前の命を狙う者は多いぞ?」一方、展顔は長老の部屋に忍び込んでいた。しかし溶岩の上に敷き詰められた板石を踏み間違えるとマグマが飛び出し、展顔を襲う。展顔は慌てて引き返し物陰に隠れて難を逃れたが、マグマが反応したせいで長老は何者かが部屋に侵入したと気づいた。「端木翠!誰を連れて来た?!」展顔は長老の部屋に火山灰が積もりやすいと気づいた。…誰かが通ったところには足跡が残っているはず…そこで展顔は地面すれすれのところから板石を確認、すると他よりわずかに高くなっている板石を数枚ほど見つける。↓横になってもカッコいい展顔(←そこ?w一方、端木翠と紅鸞は刑場で幽族に応戦していた。端木翠は蓬莱の鞭(ベン)で敵を蹴散らし先を急いだが、紅鸞は噬心咒(ゼイシンジュ)のせいで急に苦しみ出し動けなくなってしまう。紅鸞がいないことに気づき慌てて引き返した端木翠、しかしひょっこり紅鸞が現れ、2人は無事に刑場を脱出した。無事に解毒薬を手に入れた展顔はちょうど逃げて来た端木翠たちと合流した。3人は門まで到着、端木翠が結界に穴を開けて負傷した紅蘭を逃す。「閉じる前に早く!」「うん!」…端木翠、お前が道を開いてくれたおかげでついに九獄を出られる…実は本物の紅鸞は噬心咒のせいで逃げ遅れたところを捕まり、長老が紅鸞に成りすましていた。(* ゚ェ゚)え?でも今までの幽族は結界の緩みから逃げられたはずじゃ?今まで何してた?温孤は解毒薬を飲み助かった。端木翠は確かに紅鸞は隠し事をしていたが事情があり、改心する機会を与えようという。すると門に立っていた紅鸞が申し訳なさそうに入って来た。「長老に強要されていたんです、噬心咒をかけられ苦しんでいました…それで仕方なく」「…手を出せ、噬心咒を診る」慌てた長老はそれより門主が九獄で負傷したと報告、驚いた温孤は紅鸞のことなど後回しで端木翠の脈を診た。しかし大したことがないと分かって安堵する。その時、突然、端木草盧(ソウロ)に暗雲が垂れ込めた。蓬莱から天兵がやって来た。端木翠が九獄の結界を破ったのは周知の事実、さらに細花流が幽族をかくまい人間界に災いをもたらしたと上奏があったという。端木翠は自分以外に手を出さないよう訴えたが、天兵は全て捕縛し調査すると譲らなかった。「細花流に手出しさせないわ!」「ではご無礼をお許しください!」すると端木翠は空に舞い上がり、天兵と激突した。地上で心配そうに見守る温孤、しかし紅鸞に成り済ました長老はほくそ笑む。その時、司法星君・楊鑑(ヨウカン)が現れ、争いを止めた。楊鑑はひとまず蓬莱に戻って釈明するよう説得した。しかし端木翠は頑なに拒否し、義兄にまで襲いかかってしまう。義妹に手を焼いた楊鑑は仕方なく老君から賜った宝・盤古幡(バンコハン)を放ったが、端木は必死に抵抗した。すると盤古幡から一撃を受け、端木翠は真っ逆さまに落ちてしまう。その時、ちょうど草盧に駆けつけた展顔が端木翠を抱き止めた。楊鑑は盤古幡を回収した。すると展顔は星君が降りてこないのは人間界で好き勝手できないからだと挑発する。憤慨した楊鑑は小天(ショウテン)を連れて降臨、そこで展顔は真相を突き止めるので3日の猶予が欲しいと嘆願した。「場所を変えてお話ししたいことが…」一方、黒猫に煽られた民たちはまた草盧へ押しかけていた。そこで小天が門の前に立ちはだかり、中に入らぬよう脅しをかける。やがて星君が端木翠たちを連れて民たちの前に姿を見せた。「この事件は啓封府に任せることにした、蓬莱は2度と干渉せぬ 皆を安心させるため細花流の全ての妖魔を草盧に封印しよう また端木翠の法力を封じて人間と同様にする」民に紛れて話を聞いていた黒猫は喜んだ。…法力を失えば端木翠など敵ではニャい…啓封を救った英雄だった端木翠はもはや幽族の首領として民に忌み嫌われた。展顔は法力を使えず民に責められ放題の端木翠をかばったが、端木翠は自分で潔白を証明すると反発する。その様子を黒猫が見ていた。(ΦωΦ)ふふふ…その夜、黒猫は独りで歩いていた端木翠に襲いかかり、裏道へ誘き出した。端木翠は細花流で面倒を見た小黒だと気づき困惑、しかし人形(ヒトガタ)に戻った江墨は端木翠への恨みを爆発させる。「何としてもお前を殺して主(アルジ)の神位を取り返す!」「主?誰のこと?」「″義父上″と仰いでおきながら、受けた恩をすっかり忘れたのか!」「私の義父…江易(コウイ)のこと?」「黙れ!もう義父上と呼ぶな!…あの方は私ひとりの父上だ」「父上?イヤイヤイヤ〜だってあんたは野良猫…」「かつて私は父に救われ法術を教わった、いつか人形になるためだ お前が父から神位を奪ったせいで父はいまだに人間として生老病死に苦しんでいる 輪廻転生から抜け出せず、私と千年も離れ離れに! 父は過去ばかりか私のことも覚えていない…お前のせいだ!殺してやる!」激怒した江墨は端木翠に襲いかかったが、端木翠が放った盤古幡に捕まってしまう。「展顔、出て来て」展顔はすでに小黒に目星をつけてた。蓬莱で上奏できるのは修練して悟りを開いた者か法術ができる幽族だけ、当然、啓封の民の中に悟りを開いた者などいない。また、毒に侵された被害者たちは一様に猫に襲われていた。展顔は民の中に幽族が紛れ込んでいると気づき、誘き出す策を提案する。そこで楊鑑は展顔に協力し、敵を油断させるため端木翠から法力を奪ったと嘘をついていた。江墨は猫妖だった。しかし端木翠に拾われ虎の人形に変えられてしまう。「虎は可愛いでしょう?」「額にあった″王″も消された!」「いやだからあんたは猫だって…」「何も分かってない!私の理解者は父だけだ!」すると江墨は激しい怒りから巨大な猫妖となり、檻を壊して飛び出してしまう。啓封府に巨大な猫妖が現れた。衛兵たちは江公爵を守るため猫妖を包囲、そこへ端木翠と展顔も駆けつける。「こいつが事件の黒幕よ!」端木翠は法術を放とうと構えたが、江文卿(コウブンケイ)が止めた。「小黒、お前なのか?」すると江墨は人形に戻った。江文卿は端木翠の義父であり江墨の主でもある江易だった。千年前、江易は黒猫を拾って江墨と名付け、数十年を共に暮らし、人形になれるよう修練を教えたという。しかし端木翠が崇城(スウジョウ)の決戦で死にかけた時に神位を譲ってしまい、江易は神仙になる機会を失っていた。人間の江文卿は千年前の記憶などなかった。しかし江墨が自分のために罪を犯したのは事実、自ら責任を取って職を辞すと決める。誰もが江公爵を引き止め、江墨も自分が罪を償うと訴えたが、江文卿の決意は固かった。すると端木翠がやはり江墨本人に償わせるという。「今回の事件は解決しました、小黒を細花流へ連れて行けば蓬莱も納得します」江文卿は仕方なく細花流へ行くよう命じ、江墨も素直に応じた。つづく
2022.12.05
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 1第17話展顔(ヂャンイェン)は温孤(オンコ)を脱獄させたのが桃花の妖怪・紅鸞(コウラン)だと気づき、細花流へ向かった。一方、紅鸞は愛する温孤を救うため、解毒薬を取りに九獄へ戻ると決める。「長老があなたを傷つけてごめんなさい…必ず助けるわ」紅鸞は温孤が眠っていると思い真実を明かしたが、その時、突然、温孤が目を開けた。「やはりお前か…幽族の間者だな?!何を企んでいる!」もはや言い逃れできなくなった紅鸞は噬心咒(ゼイシンジュ)をかけられ、やむを得なかったと釈明する。端木門主と温孤を傷つけるつもりはなく、他の使者が送られるくらいなら自分の方がうまく手加減できると考えたのだ。「むしろ私は守りたかったのです!」しかし温孤は九獄の目的が蓬莱図だと分かっていた。「私がうかつだった…」温孤は紅鸞は成敗すると決めたが、頭に血が上ったせいで毒が身体中をめぐり、急に苦しみ始める。「私を信じてください…戻ってから罰を…」すると紅鸞は草盧を飛び出した。温孤は端木翠(ダンムーツェイ)に紅鸞が幽族の使者だったと報告、すぐ捕らえるよう訴える。「九獄へ向かった…捕まえれば細花流の汚名をそそげる」細花流へ到着した展顔は端木橋で紅鸞と出くわした。驚いた紅鸞は桃花の術を放ったが、そこへ端木翠が駆けつけ展顔を守る。すると端木翠の仙力と桃花が激しくぶつかり合って閃光が走り、その隙に紅鸞は姿を消した。実は展顔も牢を襲ったのが紅鸞だと気づいていた。しかし端木翠は自分で解決するので関わるなと突き放してしまう。「紅鸞は九獄へ向かったの、人間は入れない」「私も行く!」一方、紅鸞は九獄へ到着、温孤を救うため燃え盛る火の洞窟を突き進んでいた。温孤を解毒できるのは長老だけだった。黒猫のおかげで今や細花流は悪の根源となり、自分が手を下すまでもなく端木翠は蓬莱から罰せられるだろう。「温孤よ…龍だから何だというのだ、幽族の長老である私も王になれるはずだ! しょせんお前の母は人間、雑種の龍族が高貴なものか! ふん、お前が毒で乱心し、猛獣に成り下がる時を楽しみに待っているぞ」九獄の入り口は入江にあった。崇城(スウジョウ)の決戦のあと三界が誕生、神仙は天上の蓬莱へ、幽族は海底にある最下層の九獄に閉じ込められたという。「見送りはここまでよ」「どうか一緒に連れて行ってくれ」展顔の真剣な眼差しを見た端木翠は黙って乾坤袋から蓬莱の宝物を取り出した。「″隠身衣(インシンイ)″よ、水や炎から身を守り、姿も消せるの」端木翠は展顔の手を取り、渦潮の中へ入った。2人はひとまず一緒に隠身衣をかぶって門衛を通り過ぎ、九獄へ潜入することに成功する。すると端木翠は途中で展顔だけ結界に閉じ込めた。しかし急に立ちくらみに襲われ、ふらついてしまう。驚いた展顔は結界から出すよう訴えたが、端木翠は展顔の安全が大事だと譲らなかった。「…結界は1日で解ける、もし私が戻らない時は逃げて」その頃、黒猫は青年に姿を変え、民をあおって細花流へ乗り込んだ。本来は札がなければ端木橋を渡れないが、細花流に潜入していた黒猫は手に入れた札で結界を破ってしまう。こうして武器を持った民たちは草盧で大暴れ、騒ぎに気づいた温孤はふらふらになりながら庭へ飛び出し、危うく襲われそうになった青花小仙と小薬瓶をかばった。しかしそこへ知らせを聞いた啓封府が駆けつける。江文卿(コウブンケイ)は5日以内に納得の行く説明をすると民に約束、それまでは騒ぎを起こさぬよう厳命した。結界に独り取り残された展顔は幽族が神仙の侵入を知らせる声を聞いた。「このままでは端木の身が危うい…」そこで一か八か神剣・巨闕(キョケツ)で結界を斬りつけたところ、あっけなく壊すことに成功する。恐らく九獄で端木の法力が制限されたのだ。しかし展顔は端木を探すためうっかり隠身衣から顔を出し、幽族に見つかってしまう。「誰だ?!」端木翠は岩に挟まれて泣いている子供を見つけた。子供は幽族に捕まったと訴え、助けて欲しいと手を伸ばす。そこで端木翠は子供の手を握ったが、あらかじめ手袋型の結界で身を守っていた。「石の間に隠れる妖怪、魂を奪うが元の場所を離れると死ぬとか…あなたが傒嚢(ケイノウ)ね?」正体を知られた傒嚢は端木翠に襲い掛かろうとしたが、その時、展顔が現れ助太刀した。しかしそこへ神仙を追っていた幽族たちが駆けつける。すると展顔は幽族のふりをして端木翠を捕まえた。一方、啓封では江公爵が細花流を守ったせいで端木門主を恐れていると揶揄されていた。江文卿の悪口を聞いた黒猫は憤怒、その夜、悪口を聞いた店の前に油をまいて火をつけようとする。しかし巡回していた趙武(チョウブ)と張瓏(チョウロウ)が通りかかり、捕まってしまう。啓封府に連行された黒猫は江公爵の前に引っ立てられた。「父上!」黒猫は思わず江公爵に駆け寄り、かつて放浪していたところを江公爵に引き取ってもらったと訴える。しかし江文卿は江墨(コウボク)という名前を聞いても全く記憶になかった。上官策(ジョウカンサク)は義父がこれまでも大勢の孤児を助けて来たことから、覚えていなくても不思議はないという。そこで江文卿は江墨の家族を探す間、啓封府で面倒を見ると決めた。展顔は端木翠を収監、幽族たちが長老への報告に出かけると、すぐ牢に入って端木翠の縄を解いた。「どうして幽族と?」「君の張った結界は緩かったから巨闕で破った、そこで幽族に出くわしたんだ」しかし幽族は姿を消すことができた展顔を勝手に影族と勘違い、そこで展顔は影族の自分なら神仙を簡単に見つけられると嘘をついて仲間のふりをしたという。「さすが展大人ね~九獄に来ても頭が切れるわ~」端木翠は勝手に結界を出た展顔に嫌味を言ったが、その時、腹の虫が鳴った。すると展顔が啓封で今、人気の飴をくれる。「なぜ飴なんか持ってたの?…私の好物だから?」「…端木門主、考え過ぎだ、巡回の時に子供をあやすために持っていたんだ」「じゃあ子供にあげて!」端木翠はふて腐れて眠ってしまう。そんな端木を黙って見守ることしかできない展顔、やがて端木翠がうなされながら展顔の名を呼んだ。「展顔…お願い…どこにも行かないで…」「すまない…端木」展顔は端木翠の手を握りしめた。江夫人は姿が見えない黒猫を探しているうち、夫の書斎へやって来た。「老爺、小黒(ショウコク)を知らない?」「ここにはいない」すると江文卿の横で机にうつぶして眠っている少年に気づく。「この子が策児が言っていた江墨という子ね?」江夫人は展顔が来たばかりの頃、悪夢にうなされる展顔に寄り添っていたことを思い出した。展顔が黙って出て行ったのは夫に止められると分かって密かに捜査していたせいだろう。江夫人はかえって危険だと心配したが、江文卿は展顔と端木翠が一緒に手がかりを探していると分かっていた。…父上、今度こそ永遠に一緒にいます…夫人が出て行くと江墨は薄目を開けてほくそ笑んだ。端木翠が目を覚ますと隣で展顔が自分の手を握って眠っていた。…展顔、本当は私を案じてくれているのね、なのになぜなの?…その時、幽族たちの足音が聞こえて来る。「何をしている?!」咄嗟に起き上がった展顔は端木翠を押さえつけた。「こやつが逃げようとしたのでねじ伏せてやったところだ」「でかした、女を刑場へ、長老が死刑に処す」つづく( ;∀;)展顔! ←こればっかw
2022.12.01
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 1第16話愛する端木翠(ダンムーツェイ)を守るため身を引いた展顔(ヂャンイェン)。そうとは知らず端木翠は展顔の心変わりに深く傷ついていた。温孤(オンコ)と気晴らしに朱雀街へ出かけても思い出すのは展顔との幸せな日々。温孤は大好きな人形を買おうと言ったが、端木翠はもう子供ではないからいらないという。そんな端木翠を遠くから密かに見守る展顔の姿があった。…端木、君のことを捨てたわけではない、ただ私は君にふさわしくないんだ…一方、端木翠もまた人知れず夜回りする展顔を幽族の魔の手から守っていた。|ω・`) ∀;)展顔~ ←気持ちは展顔の後ろにwその夜、啓封(ケイホウ)で再び黒猫が人々に襲いかかった。温孤は医館で負傷した人々を治療していたが、ある男の傷口に仕込まれていた邪毒に侵されてしまう。すると龍族の原形が現れ、慌てて手で隠した。温孤の異変に気づいた紅鸞(コウラン)は治療を中止して部屋にかくまうことにしたが、その時、患者に紛れていた黒猫が密かに攻撃を仕掛ける。温孤は咄嗟に掌を放って邪気を蹴散らしたが、手を離したせいで首に現れた原形があらわになった。それを見た患者たちは温孤が幽族だと気づき呆然、さらに黒猫は自分の前にいる男に密かに邪気を放って殺してしまう。患者たちは温孤が殺したと勘違いして騒然となり、黒猫は騒ぎのどさくさに紛れて姿を消した。その頃、巡回を終えた端木翠は自然と足が啓封府に向いていた。すると人々が幽族だと叫びながら逃げて来る。「どうしたの?!」「温孤神医が幽族だったんだ!」驚いた端木翠が医館に駆けつけると、温孤は患者たちに詰め寄られていた。端木翠は急いで温孤を救出、端木草盧(ソウロ)へ連れ帰る。実は端木翠も温孤が半分幽族だと知っていた。温孤の話では診察中に突然、邪毒に侵され、感情を抑えられなくなったという。「幽族の血を抑えられなければ上仙ではいられず、蓬莱からも追われるだろう 修練を積んで上仙になったが、一夜で水の泡だ 端木、いつか私の中の幽族の血が暴れ出し、完全に幽族になっても受け入れられるか?」すると端木翠は自分が知っている温孤は今の温孤だと言った。温孤は端木翠が将軍だった頃を思い出し、ようやく笑顔を見せる。『命を懸けてくれる兵を守れなければ将軍である資格はない 温孤、お前を信じている、だから自分を蔑むのはよせ、私が認めた男なのだから』『命に代えても戦い抜き、信頼に応えます!』…君は千年前も似たことを言ってくれた…「ありがとう、端木」端木翠は温孤の一件に違和感があった。神仙になってもう長い温孤、急に幽族の特性が現れるはずがない。…九獄の仕業かもしれない…その頃、黒衣の使者は温孤の正体を暴いた長老に反発していた。「温孤は脅迫されるのを最も嫌います!」「私を諌めるとは何様のつもりだ!」長老は温孤を自分の臣下にできれば解毒薬を渡すと条件を出し、拒むなら死ねと一方的に通信を切ってしてしまう。その一方で黒猫の働きには満足していた。今や啓封の民は温孤に憎悪の目を向けており、端木草盧を攻撃する日も近い。「端木翠から蓬莱図の断片を奪い取ることも忘れるな、それが取引の条件だ もう一つ、紅鸞を監視しろ、別の思惑があるようだ、絶対に私の邪魔をさせるな」黒衣の使者の正体は紅鸞だった。( ๑≧ꇴ≦)知ってた~!啓封府にまた奇怪な遺体が運び込まれた。端木翠と展顔は私情を挟まず協力して捜査を始めたが、どことなくぎこちない。すると遺体の腕に温孤と同じような毒の症状があり、端木翠は被害者が邪毒で死んだと気づいた。展顔は民たちをなだめるためにも温孤を連行すると決めたが、端木翠が許さない。そこで展顔は自ら端木草盧へ出向くと、すでに民たちが端木橋の前に集まり、温孤を出せと抗議していた。端木翠は改めて展顔に手を引くよう訴えたが、展顔は温孤から話を聞くと譲らない。「気持ちは分かるが私の任務だ」「なら私から力ずくで温孤を奪うのね」その時、温孤が自ら姿を現し、一緒に啓封府へ行くと言った。「大丈夫だ、展大人が必ず潔白を証明してくれる」啓封府で温孤の審問が始まった。展顔は府尹(フイン)・江文卿(コウブンケイ)を差し置いて温孤に質問したが、端木翠が邪魔をする。「温孤神医、昨夜はどこにいた?」「実は…」「端木草盧よ、温孤も怪我をしたから私が昨夜、世話をしていたの」しかし展顔は端木翠の嘘だと見抜く。「違う、昨夜は私と一緒だった」「はあ?なぜ私とあなたが?!…嘘はやめて」「それは私のセリフだ」すると書記の上官策(ジョウカンサク)が慌てて2人の痴話喧嘩を止めた。江文卿も場を弁えるよう叱ったが、思わず咳き込んでしまう。そんな江公爵の様子を物陰から黒猫が心配そうに見ていた。温孤は確かに昨夜は草盧にいたと話し、細花流の皆が証人だと言った。しかし展顔は身内の証言だけでは信憑性が低いと退け、怪我をしたなら傷を見せて欲しいという。温孤は素直に袖をまくると、展顔は確かに被害者と同じ毒の痕だと納得した。これで温孤も被害者だと証明されたが、展顔は容疑が晴れるまでは留まってもらうという。憤慨した端木翠は意地でも温孤を連れ帰ろうとしたが、展顔が阻んだ。「端木翠!」展顔は端木翠の腕をつかみ、中庭まで引っ張って行った。「冷静になれ」「冷静よ、啓封府を燃やさずに我慢しているわ」「私に怒っているのは分かるが心から君の力になりたいんだ…狙いは君かも知れない 端木、啓封府に任せろ、必ず事件を解決する」「手強い相手だと知りながら邪魔する気?…展顔、死にたいの?」「私を心配してくれるのか?」すると温孤が江公爵と一緒にやって来た。温孤は細花流を巻き込まぬよう自ら留まりたいと申し出たという。驚いた端木翠は反対したが、江公爵は温孤の身の安全を約束し、細花流を信じていると言った。「はお…私も啓封府を信じるわ」紅鸞は温孤が啓封府に収監されたと聞いて動揺した。…温孤は明日までもたないかも、どうやって啓封府から救出すればいいの?…するとその夜、温孤の牢に黒衣の使者が現れた。温孤はすでに喀血していたが、細花流を守るためにも牢に残るという。仕方なく黒衣の使者は温孤の気を失わせ、連れ去った。一方、展顔は細花流を守るため昼夜を舎かず捜査していた。しかし手がかりは見つからず、今や端木翠が温孤に命じて襲わせたと根も葉もない噂まで流れている。展顔はもう一度、温孤から話を聞こうと決め牢へ向かった。すると回廊で怪しい黒い影を見つける。「何者だ!」すると黒衣の使者は桃花の妖術で展顔を足止めし、その間に温孤を連れて逃げた。温孤が脱獄した。衛兵の話では昨夜、何者かが壁を越え府内に入ったが、てっきり端木門主だと思って見逃したという。しかも牢には細花流の令牌が落ちていた。江公爵は端木門主の仕業だと確信したが、端木翠を良く知る展顔や上官策たちはまだ断定できないとかばう。そこで展顔は自分が必ず真相を突き止めと誓い、猶予をもらった。展顔は端木翠に温孤が脱獄したと伝えた。何も知らなかった端木翠は慌てて牢に駆けつけたが、温孤の血痕が残っている。「何者かに連れ去られたのね」端木は急いで探しに行こうとしたが、そこへ江公爵たちが駆けつけた。江公爵は端木門主を収監すると決め、抵抗するなら容赦しないと迫った。そこで衛兵たちが端木門主を包囲したが、端木翠の仙力を前に手も足も出ない。しかし展顔が立ちはだかり、手を出せば敵の思う壺だとなだめた。端木翠は展顔をどかそうと掌を放ったが、展顔は避けずにまともに受けてしまう。その場は騒然、端木翠はその隙をついて逃げ出した。温孤が目を覚ますと黒衣の使者がいた。黒衣の使者は薬湯を飲ませようとしたが温孤は拒否、そこへ温孤を探していた端木翠がやって来る。仕方なく黒衣の使者は姿を隠し、端木翠が温孤を連れ帰るのを黙って見送った。端木翠の仙術を受けた展顔は静養することになった。あの時、端木翠は明らかに手加減していたはず、江公爵は展顔が端木翠を逃すためにわざと避けなかったと気づいていたという。「捜査に私情を挟むなとあれほど教えたのに…」「罰を受けます…失望させてしまいましたね」「もうよい、しっかり傷を治せ」一方、紅鸞は何食わぬ顔で草盧に戻っていた。端木翠は温孤に薬湯を飲ませていたが効果はなく、どうすればいいのか分からない。この状態では蓬莱に相談することもできなかった。「何とかする、温孤を頼んだわ」床を離れた展顔、すると部屋に飾ってあった桃花を見て、あの日の夜、桃花の枝に襲われたことを思い出した。桃花と言えば紅鸞だが、今回の脱獄と紅鸞には何か関係があるのだろうか。すると上官策が傷の手当てにやって来た。しかし誤って火鉢を倒し、桃花の枝が下敷きになってしまう。「あ!…あれ?炭火に触れたのに何ともないぞ?」展顔は端木翠の話を思い出した。紅鸞は桃花の妖怪で、紅蘭が植えた桃花は折っても枯れることはないという。「…やはりな、細花流に間者がいる」つづく( ๑≧ꇴ≦)ヒャッハー!回廊をダッシュする展顔、カッコいい!
2022.11.29
コメント(1)
玉昭令 No Boundary Season 1第15話今日は乞巧(キッコウ)節、上官策(ジョウカンサク)はそれとなく展顔(ヂャンイェン)に端木翠(ダンムーツェイ)と過ごすよう勧めた。しかし展顔は人手が多いので巡回すると出かけてしまう。上官策から話を聞いた江(コウ)夫人は展顔の様子がおかしいと江公爵に報告した。どうやら端木門主と仲違いしたようだという。江公爵は何か事情があるのだとなだめたが、ふいに咳き込んで薬を飲んだ。その様子を黒猫が見ている。…もし神仙の身体なら苦しまずに済むのに…展顔は自分がふさぎ込んでいるせいで義父母に心配をかけていると知った。しかし街に出ても思い出すのは端木翠のことばかり、気がつけば端木翠の好きな飴細工や櫛(クシ)、団扇を買ってしまう。すると端木翠の大好きな人形の露店を見つけた。「老板、なぜ牽牛郎(ケンギュウロウ)と織女(シュクジョ)の人形がないんだ?」「それは一緒になれない2人だからだ」その声は温孤(オンコ)だった。「贈り物なら私が渡しておこう、お前は会いに行くな」一方、端木翠は忙しい展顔のために手料理を作っていた。しかし火の扱いは得意だが、塩や砂糖の違いも分からず上手くいかない。そこへ温孤が土産を持って帰ってきた。まさか展顔が揃えた贈り物だとは知らず喜ぶ端木翠、すると温孤が料理を教えてくれるという。こうして端木翠は何とか料理を完成させ、啓封府へ向かった。その途中、偶然、朱雀街で巡回中の趙武(チョウブ)と張瓏(チョウロウ)を見つける。2人は端木門主に気づいて思わず逃げようとしたが遅かった。すると趙武がうっかり展顔が端木門主を避けていると口を滑らせてしまう。驚いた端木翠は真偽を確かめようと啓封府に乗り込み、ようやく展顔を見つけた。端木翠は涼亭で手料理を振る舞うことにした。「端木…もうこんなことはやめてくれ」展顔は冷たくしあしらったが、ふと端木翠の手の傷に気づく。「その指…」「あ…法術でちょっと怪我をしただけよ、さあ食べて」展顔は端木翠の真心を無下にできず料理を食べたが、その時、端木翠に天罰が下る幻覚を見てしまう。「どうしたの?もっと食べたら?」「端木…話がある」実は端木翠の料理には幻覚が見える花粉が入っていた。紅鸞(コウラン)は温孤の仕業に気づき、門主を傷つけたくないと訴える。しかし温孤は自分がこの世で絶対に傷つけないのは端木翠だけだと言い捨て行ってしまう。↓(´・_・`).oO(すでに門主を傷つけているのに…展顔は心を鬼にして端木翠に別れを告げた。「もう疲れた…君と恋仲になったのは一時の気の迷いに過ぎない」「嘘よ!信じない!」「これが本音だ、信じなくても構わない、どうぞご勝手に…」すると端木翠は思わず展顔に抱きつき口づけした。しかし展顔は表情ひとつ変えない。「以前のようにお互い自由に生きよう…不満でも?」「私と縁を切るの?…嫌よ、認めない」「知ったことか、これから君と私は赤の他人だ」展顔は悲しみに暮れる端木翠を残し、部屋に戻ってしまう。草盧に戻った端木翠は紅鸞に人間の心変わりの早さを嘆いた。温孤のせいだと知っている紅鸞は展顔に同情し、ままならぬ事があるのかもしれないと言葉を濁す。そこで端木翠は密かに啓封府に忍び込み、展顔の本音を探ることにした。しかし展顔は端木翠の気配を感じ、上官策に心にもないことを言ってしまう。「気づいたんだ、私の理想の伴侶は穏やかに寄り添える賢妻だ 幽族との戦いに明け暮れる神仙とは一緒にいたくない、端木と一緒では義父母も心配だろう」展顔は端木翠への気持ちが愛情ではなく啓封府を助けてくれた感謝だったと説明し、端木翠を娶ることなどあり得ないと断言した。その時、憤慨した端木翠が姿を現す。「安心して、もう邪魔はしない、怖がらせることもない、理想の伴侶を見つけて…」「やっと分かってくれたか、端木翠、君の言うとおり神仙に姻縁はない、一緒には生きられないのだ」…端木、すまない、私と一緒になれば君が傷つく、ならばいっそ私を恨んでくれた方がましだ…その夜、温孤は露店で泥酔している端木翠を見つけた。すると端木翠は温孤を展顔だと間違え、苦しい胸の内を打ち明ける。「私が何か悪いことをした?…悪いところは直す…欲しい物があるなら何でもあげる… 迷惑はかけないわ…だって…私は蓬莱で最も美しく有能な上仙なのよ?…なのにどうして?」温孤は神仙に姻縁がなく情とは無縁の存在だとなだめたが、端木翠はならば神仙を辞めると言って歩き出した。「ついて来ないで!」その様子を屋根の上から黒猫がながめている。…そうさ、お前は神仙になるべきではなかった…端木翠は月老を訪ね、強引に姻縁糸を取り上げた。そこで自分の手首に巻いてみたが、巻いても巻いても赤い糸は勝手に切れてしまう。月老は端木翠をあきらめさせるため、奥殿の床に散らばる細切れになった赤い糸を見せた。「己に結んだ姻縁糸です…神仙は永遠の命を生きます、誰かを愛することもある でもなす術がない、神仙の道が無常なのは神仙に姻縁がないからです 私は己の姻縁糸も結べない、展顔との関係を取り持つことはできません」月老は落胆して帰って行く端木翠を見送った。「端木、悪く思うな…蓬莱のためにも心を動かしてはならぬ」端木翠は寝静まった街を独り歩いた。「私ひとりで何をしてるのかしら…バカみたい…」今となっては展顔の告白も何もかも偽りのように思えてる。端木翠はこらえられなくなり、ふと立ち止まって号泣した。その様子を密かに展顔が見守っている。すると憔悴した端木翠が急に立ちくらみを起こした。展顔は驚いて駆け出したが、その前に温孤が現れ端木翠を抱き留める。「大丈夫だ、私がいる」展顔は端木翠が心配で草盧までやって来た。その夜はこっそり端木翠に付き添い、翌朝になると庭から無事に目を覚ます様子を確認して姿を隠す。そうとは知らず、端木翠は怒りに任せて思い出の人形を端木橋から捨てた。紅鸞が無理に展顔を忘れる必要はないとなぐさめると、端木翠は慌てて人形を探しに向かう。しかしすでに流されてしまったのか、人形はどこにもなかった。「展顔との思い出さえ残しておけないの?」すると温孤が現れた。「人間のために泣くのはこれで最後だ」温孤は端木翠を抱きしめ、思いきり泣いて全て忘れれば良いという。「端木、私がいる、永遠にそばにいるよ」まさかその様子をびしょぬれになった人形を持った展顔が見ているとは知る由もなかった。↓びしょびしょの人形から滴る水のスローとかwその頃、黒猫は九獄の長老と接触していた。端木翠が蚕の繭となった蓬莱図の断片を持っているが、温孤がいるため近づけないという。そこで長老はかつて幽王が聞き分けのない幽族を操るために用いた呪術を使わせることにした。実は北東の林にある宝器が埋めてあるという。「それを使って温孤を罠にかけよ…温孤にあの術をかければ法力を奪われて原形を現すだろう 細花流が幽族をかくまっていると噂が流れ、端木翠は民の非難を浴びる」つづく( ;∀;)ダンムーが可哀想すぎる〜
2022.11.24
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 1第14話晴れて恋仲となった展顔(ヂャンイェン)と端木翠(ダンムーツェイ)。展顔は内勤中も上の空で、早々に切り上げて端木翠に会いに出かけてしまう。上官策(ジョウカンサク)はいつも一緒だった盟友に裏切られた気分だが、展顔は運命の人が見つかれば上官策も変わると笑っていた。(´・_・`)<俺の運命の相手?…どこにいるんだよ~展顔と端木翠は暇を見つけては共に過ごした。その日は細花(サイカ)流の山河でのんびり過ごしていたが、展顔がわざと端木翠を川に落とそうとする。「端木…」「展顔!私が川に落ちたらどうするの?!」「あり得ない」「万が一、落ちたら?」「絶対に大丈夫だ」「だから万が一の話よ!」「ふっ!」♪キャッキャウフフ~「もぅっ、驚かせないで」「私がいれば川に落ちぬ、それに…もし落ちるなら私も一緒だ」(↓動画参照)そんな2人の仲睦まじい様子を温孤(オンコ)が見ていた。…展顔、私の忠告を聞き入れぬなら残酷な現実を受け入れろ…今日からお前は私の敵だ、端木の前から消えるまで許さぬ温孤は夕暮れから酒を飲み始め、泥酔した。心配した紅鸞(コウラン)は温孤から目を離せず、海までついて行く。「私は展顔に及ばぬか?どこが劣っているというのだ?!」「私にとって上仙以上の方はいません」「だが端木は違う…展顔しか目に入らぬのだ」「…自棄にならないでください、女子は門主だけではありません」「いいや、母を亡くした時から私には端木翠しかいない…端木翠を誰にも渡すものか」激情に駆られた温孤は龍族の力を使い、嵐を巻き起こしてしまう。啓封(ケイホウ)が突然、暴風雨に見舞われた。そこで展顔は衛兵たちに街の見回りを任せ、海岸の様子を見に行く。するとびしょ濡れになった温孤と紅鸞を見つけた。「展顔、これで満足か?お前のせいで啓封は水没し、民は塗炭の苦しみをなめることになるぞ お前が元凶だ…啓封の大罪人め!」展顔は温孤が酒に酔っていると気づいて端木草盧(ソウロ)まで送ると言ったが、温孤は拒んだ。「端木の名を口にするな!…たかが人間のくせに上仙と一緒になれると思うか?! 天に逆らえば必ず罰が下るぞ?…これは天災ではない、人災だ!何もかもお前が悪いっ!」紅鸞はこのままでは温孤が自分の正体を明かしてしまうと焦り、慌てて温孤を連れて帰った。酔い潰れていた温孤が目を覚ました。すると激しい雨に気づき、自分が巻き起こした嵐だと思い出す。温孤が慌てて結界を張っていると、ちょうど端木翠が現れ、力を貸した。おかげで草盧だけは雨が止んだが、端木翠はこのままでは古い街の啓封が水没してしまうと心配する。「奇妙だわ、これほど酷い暴風雨は啓封で初めてよ…はっ! もしや龍族の末裔がいるのかも?蓬莱に知らせなくては!」驚いた温孤は千年前の戦いで龍族の血筋は絶えたとなだめ、雷神が雨を降らせ過ぎただけだとごまかした。その時、信蝶(シンチョウ)が姿を現す。『端木、恐らく津波が起こる、しっかり身を守れ!』「展顔?!どこにいるの?!」しかしそこで交信が切れてしまう。啓封ではすでに大勢の被害者が出ていた。江(コウ)公爵は我が身も顧みず衛兵たちを連れて救援に向かうことにしたが、その様子を保護された黒猫が見ている。一方、端木翠は啓封を救うため法力を消耗していた。温孤は紅鸞と共に医館で怪我人の対応に追われながら、一時の気の迷いで端木翠の大切な街を壊しかけてしまったと反省する。しかしすでに雨も上がり、紅鸞は必ず乗り越えられると励ました。翌朝、展顔たちは次の嵐が来る前に民たちを避難させていた。その途中、端木翠が朱雀街で独り法術で嵐を抑え込んでいる姿を見つける。「端木!逃げろ!」「ここは任せて」その時、街の至る所に巨大な竜巻が現れた。展顔は端木を守るためその場に残り、強風で飛んで来た巨大な柱を身体で受け止め喀血してしまう。「展顔!」「…端木、たとえ死んでも君から離れない」端木翠は展顔の言葉に激しく心を揺さぶられながら、力の限り法力を放って竜巻を吹き飛ばした。「展顔、さっきの言葉は本当なの?」「この世が果てるまで君のそばにいる」すると啓封の空に虹がかかり、青空がのぞいた。しかし端木翠は突然、意識を失ってしまう。展顔は急いで端木翠を細花流へ連れて帰った。しかし温孤が治療しても端木翠が目を覚ます様子はない。「忠告したはずだ、端木と縁を切れと…さもなければ端木に害が及ぶ」「私が傷つけていると?」…千年前、人族の将軍だった端木翠には觳閶(コクショウ)という許嫁がいた将軍の觳閶は崇(スウ)城を落としたら端木翠を娶る約束をしていたが、悲劇が起こる觳閶が戦死したのだ端木は悲憤しながら出陣し、惨死した觳閶との約束のせいで多くの兵が亡くなり、良心の呵責に苛まれていた端木その後、神仙に冊封されるも己を許せず、そのため端木翠の記憶は情債(ジョウサイ)箱に封印される…この千年、記憶を封印したおかげで端木翠は穏やかに過ごしてきた。しかし展顔との出会いで心が動いてしまう。温孤は展顔のせいで封印が破れれば端木翠は悲しみに耐え切れず、生き地獄を味わって魂が砕け散ると教えた。「展顔、良心があるなら彼女の手を放せ…」その時、端木翠がうなされながら展顔の名を呼び、展顔は枕元に駆け寄る。…端木、私が生きている限り君を守ってみせる…すると展顔は後ろ髪を引かれる思いで草盧を後にした。端木翠が目を覚ますと草盧に戻っていた。温孤は啓封なら無事だと教え、展顔もすでに帰ったという。そこで端木翠は信蝶で連絡しようとしたが、展顔は交信しなかった。天災のあとで啓封府は忙しいのだろう。「君より民のほうが大切なんだな」「構わないわ、民を守ることは色恋より大切よ…お互い役目がある、理解できるわ」「そうか…もし私なら天地がひっくり返っても君に冷たくしない」すると端木翠は展顔とは心が通じ合っているため問題ないと言った。「それに同志だもの」展顔は啓封府の書庫で歴史書を探した。すると確かに多くの戦功を立てた将軍・端木翠の記録があり、許嫁・觳閶は崇城で戦死している。「端木翠は出陣するも…命を落とす…」展顔は温孤の話が事実だと知り、悲しみに打ちひしがれた。翌朝、元気になった端木翠は啓封府に展顔を訪ねた。しかし任務で出かけているという。端木翠は展顔の仕事が終わるまで待つと頑なに居座ったが、結局、夜になってあきらめた。寂しそうに帰って行く端木翠、展顔はその後ろ姿を見つめながら胸がつぶれる思いだった。つづく( ;∀;)展顔…
2022.11.23
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 1第13話展顔(ヂャンイェン)への恋心を自覚した端木翠(ダンムーツェイ)。そこで展顔の気を引こうと講談本の恋物語を参考にして啓封(ケイホウ)府に高価な贈り物を届けた。しかし門前に積まれたお宝は賂と誤解され、しかも前王朝の玉璽(ギョクジ)や皇帝の遺失物があったことから、啓封府は大騒ぎになる。すると″展顔″と書かれた細花(サイカ)流のお札が見つかった。展顔は端木翠の仕業だと気づき、咄嗟に朝廷のために端木門主が遺失物を探してくれたと取り繕う。結局、贈り物は目録を作って朝廷に献上されたが、これを知った端木翠は激怒した。「私が駆け回り、2度と土地神や河神を邪魔しないと約束して、乾坤袋の宝と引き換えに集めたのよ? それを朝廷に渡すなんて…」温孤(オンコ)は傷ついた端木翠のため取り返しに行くと決めたが、驚いた端木翠が止めた。もし展顔が罪に問われたらかえって困るという。「ずい分、展大人(ダーレン)に関心があるんだな」「ぁ…啓封府には色々と助けられたから、御礼をしただけよ」温孤は司法星君・楊鑑(ヨウカン)に連絡した。実は端木翠がすっかり展顔に心を奪われてしまったという。しかし展顔はまだ求愛に気づいていないため、今ならまだ間に合うはずだ。温孤は早く展顔と李瓊香(リケイコウ)を結婚させた方が良いと進言、楊鑑も月老を急かすと約束する。(๑•̀ㅂ•́)و✧<端木、君のそばにいられるのは私だけだ江(コウ)公爵夫妻は展顔を呼んだ。実は李瓊香の縁談がまとまり、自分たちの養女として啓封府から嫁がせるという。そこで展顔に婚礼の準備を手伝って欲しいと頼んだ。展顔は了承して任務に戻ったが、江公爵夫妻は端木翠と展顔の仲が気にかかる。古来より神仙と人間は一緒になれず、端木門主も幽族退治が終われば蓬莱に帰るのだろう。江伯爵は2人が結ばれる前に展顔に別の縁談を調えようと決めたが、江夫人はあきらめるのはまだ早いと訴えた。紅鸞は端木門主と展顔の恋を応援していた。2人が結ばれれば自分も温孤に近づける機会ができる。そこで今度は展顔好みの装いに変えてはどうかと勧めた。端木翠は早速、紅鸞と街の装飾店に出かけたが、そこで偶然、婚礼道具を選んでいる展顔と李瓊香を見かける。2人が結婚すると誤解した端木翠は嫉妬に駆られ、密かに李瓊香が揃えた婚礼道具一式を燃やそうとした。しかし展顔が現れ、端木翠を制止する。「最近、李瓊香に絡んでばかりだ、どうした?いつから気分屋の癇癪持ちになった?」「キーッ!ついに本音を言ったわね?」「端木、君が心配なんだ」「結婚を邪魔されるから心配なの?!…ふん、私はしつこくつきまとう女じゃない これからは別々の道を行きましょう、さようなら!」展顔はなぜ端木翠の機嫌が悪いのか分からなかった。しかし李瓊香が端木翠は展顔を好きだからこそ嫉妬して癇癪を起こすのだという。「神仙の端木が嫉妬するか?」「どれほど偉大な神仙でも嫉妬はするわ」展顔は端木翠を追って草盧(ソウロ)にやって来た。しかし端木翠は怒りが収まらず、会ってくれない。すると趙武(チョウブ)と張瓏(チョウロウ)が駆けつけ、民が獣に襲われたと報告した。展顔は青花(セイカ)小仙に端木翠の世話を頼んで帰ったが、それがまた端木翠を苛立たせてしまう。「あっさり帰ったぁ?!…もう細花流は啓封府のことに関わらないから!」展顔たちが街へ戻ると獣に襲われ負傷した民たちが手当てを受けていた。傷跡は猫の引っ掻き傷のように見えたが幽族の可能性が高い。そこで展顔は肩を叩いて信蝶(シンチョウ)を呼び出したが、また端木翠は通信を切っていた。しかしこれも嫉妬なのだと思うと展顔は思わず笑みがこぼれてしまう。無視されたのに嬉しそうだぞ…>(*´・д・)(・д・`*)ヒソヒソ一方、江公爵は啓封府へ戻らず、猫を探し回っていた。すると物陰に隠れている黒猫を発見する。「いたいた…さあ、啓封府へ行こう」ある朝、端木翠は妖精たちの賑やかな声で目を覚ました。「何なの?眠れないわ」「今日、啓封府で婚礼が行われるそうですよ!」何も知らなかった端木翠は花婿を奪いに行くと奮起、妖精たちを引き連れて出かけてしまう。紅鸞は慌てて温孤に報告、後を追った。啓封府で李瓊香の婚礼が始まった。しかし拝礼の儀の途中でいきなり端木翠が現れ、新郎を引きずり出そうとする。「結婚なんて許さないから」すると前から展顔が現れた。実は青花小仙に頼んで端木翠にわざと婚礼を知らせたという。そこへ李瓊香が新郎と一緒にやって来た。李瓊香は江公爵の義理の娘として嫁ぐと教え、今や展顔は自分の義兄だという。端木翠は自分が誤解していたと知り、居たたまれなくなって帰ろうとした。しかし展顔が引き止め、自分を奪いに来たなら最後までやり遂げろと笑って口づけする。そこへちょうど温孤と紅鸞が駆けつけた。「ついに心が通じ合ったのですね、門主は報われました」紅鸞は端木翠の幸せを喜んだが、温孤は絶望して帰ってしまう。展顔は端木翠を連れて遠乗りに出た。眼下に広がる啓封の町並み、その時、たくさんの天灯(テントウ)が空に舞う。実は展顔は前日にこの時間に天灯を飛ばして欲しいと民たちに頼んでいた。「私の想いに気づいていたのね…」「実は瓊香が教えてくれたんだ、私は仕事一筋で恋に疎く、君を待たせてしまった」すると展顔は木に掛けておいた天灯を見せた。天灯には2人の絵姿と詩が書いてある。…賽子に小豆をはめ込むようにあなたを骨の髄まで愛す… ←何だそれ?※玲瓏骰子安紅豆 入骨相思知不知 (温庭筠)2人は一緒に天灯をあげた。「天地が見守る中で想いを打ち明けたい、端木、君のことが好きだ、私と一生を共にしてくれるか?」「展顔…もちろんよ」端木翠は幸せだった。しかし神仙は姻縁糸で結ばれず、こんな演出も意味はないと落胆する。すると展顔は自分と端木翠の手をツタで結んだ。「相思相愛ならこの世の万物が姻縁糸になる」夜更けに突然、温孤が巻物を抱えて展顔の部屋に現れた。巻物は全て啓封の妙齢の女子の姿絵、端木翠と縁を切ればどんな女子でも娶れるという。「皇女の夫になることもできるぞ」「…だが断る!端木とは決して離れない」温孤は神仙と人間が想い合ってもは悲恋に終わると言い聞かせたが、展顔は必ず幸せになれると信じて疑わなかった。「全て聞かなかったことにする、帰ってくれ」「天意に背けば天罰が下るぞ?」「端木との出会いこそ天意のはずだ」すると温孤は必ず後悔すると捨て台詞を吐いて帰って行った。翌朝、展顔は端木翠を連れて江公爵夫妻に挨拶にやって来た。江公爵は神仙と人間では苦労が絶えないと心配していたが、相思相愛なら止められないとあきらめる。「互いを大切にな」こうして2人の仲は公認となった。つづく(  ̄꒳ ̄)展顔のその赤い衣は…制服マジックェェェ___
2022.11.22
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 1第12話啓封(ケイホウ)府の宴、端木翠(ダンムーツェイ)は展顔(ヂャンイェン)が自分のために好物を並べてくれたと知って喜んでいた。しかし思いがけず展顔と李瓊香(リケイコウ)の姻縁糸が結ばれていると気づく。李瓊香はすでに縁談を望んでいないはずだが、赤い糸が消えないのは天が定めた良縁だからだろうか。だとしても展顔は喪が明けるまで3年も待たねばならない。端木翠は抗議すべく月老(ゲツロウ)廟を訪ねたが、月老は小言を聞くのが嫌で無視した。そのせいで自分の像にいたずら書きされてしまう。端木翠は月老を探して町外れに祀られた土地神を訪ねた。すると地面から土地神の妻・土地婆が現れる。「端木上仙、嫁入り前の娘が何かと夫を訪ねては困るの あなたのせいで河神夫婦が離縁したと知ってるの?今すぐ帰りなさい!」(* ゚ェ゚)<ずいぶん、怒りっぽのね~私が優秀すぎるからかしら端木翠は仕方なく端木草盧に戻った。すると中庭で茶碗の青花(セイカ)小仙が小薬瓶からお仕置きされてる。「白状なさい!」「…夜中に小皿と月見に 行 き ま し た !」「反省して!2度としないわね!」「うわ~ん!」端木翠は紅鸞(コウラン)をつかまえ、今日は皆の様子がおかしい訴えた。事情を聞いた紅鸞は失笑し、薬瓶と土地婆が怒った理由はどちらも″やきもち″だと教える。「気になる人が他の女子と話していたら怒ったり、難癖をつけたりします 何だか胸がざわついて、すべてが気に障るのです」端木翠はまさに展顔への自分の反応だと気づいたが、上仙には姻縁がないため恋することはない。そこで紅鸞は確かめてはどうかと言った。「しばらく相手に会わずに連絡を断つのです、会いたくて頭から離れなければ好きな証拠です」(  ̄꒳ ̄).oO(私を誰だと?ふふ、展顔に数日、会わなくても平気よ!その夜、展顔は部屋の窓に絡まる絹糸を見つけた。「まさか…まだ事件は終わっていないのか?」展顔は端木翠に連絡しようと信蝶(シンチョウ)を呼んだが、交信できない。すると花瓶の桃花の蕾が急に開いて床に落ち、そこから絹糸が伸びて行った。端木翠は展顔と1日会わないだけで落ち着かなくなり、結局、啓封府の前までやって来た。( ˙꒳˙ )<まさかこれって恋?そこへ医館に来ていた温孤(オンコ)が通りかかった。端木翠は見回りだとごまかしたが、その時、啓封府へ入る李瓊香を見かける。面白くない端木翠は後を追いかけたが、展顔の部屋から李瓊香の悲鳴が聞こえた。展顔は蚕妖の繭で全身を包まれていた。端木翠は法力を加減しながら三昧真火(サンマイシンカ)で絹糸を焼き、繭を回収する。しかし展顔はなかなか目を覚さなかった。「呼吸が止まっている…鍼を打とう」温孤は鍼を出したが、端木翠は展顔を救おうと咄嗟に口づけしてしまう。すると帰墟(キキョ)に繋がれた端木翠の情債(ジョウサイ)箱が激しく揺れ始めた。端木翠の情債箱を繋いでいた鎖が切れた。驚いた司法星君・楊鑑(ヨウカン)は月老府に怒鳴り込んだが、逆に月老から司法星君が無理を言ったせいで姻縁糸が混線してしまったと責められてしまう。「そんなに大事なら自分で守りに行け」そこで楊鑑は何か口実を作って人間界へ降りようと決めた。展顔が無事に目を覚ました。端木翠は信蝶の交信を切っていたことを後悔し、思わず展顔に抱きついてしまう。「あなたに何かあれば誰と幽族を追えばいいの?誰が一緒に街を歩き、雲呑代を払うの?!」「…端木、君の許しなく死んだりしないよ、だって君は性格が悪いから放っておけない」「何ですって?!」「いやつまり何が言いたいかって言うと…ありがとう」「いいのよ、それよりどうしてあなたは幽族に絡まれやすいのかしら?」展顔は繭から殺意を感じなかったと話し、どうやら自分の記憶を探られたようだという。記憶を探る術と言えば死んだ幽王の秘術、その時、展顔は義父から巨闕(キョケツ)を託された時の夢を見ていた。「そうだ、繭の中で木の香りがした」医館に戻った温孤は展顔のため力を尽くす端木翠の姿が頭から離れなかった。…まさか端木翠は展顔に心が動いたと?…そんなはずはない、情を封じられているのだから「今日は上の空ですね」紅鸞は温孤を心配しながらそれとなく情報を聞き出そうとした。「展大人は江(コウ)公爵の息子なのに姓が違うのですね」「…展顔は養子だからな」「では実子はいないのですが?江公爵夫婦は結婚してから長いはず…江公爵は啓封生まれですか?」すると温孤はなぜ江文卿(コウブンケイ)に興味があるのかと迫り、何か企んでいると疑った。しかし紅鸞はただ温孤と世間話がしたかっただけだという。「どうだかな…」端木翠は展顔を失いそうになって初めて恋をしていると自覚した。そこで紅鸞と一緒に街の書店に出かけ、神仙の恋物語を読みあさる。(^ꇴ^)<やだ、相手が男か女か分からないの?w(* ゚ェ゚)<来世で恩返し?これが拒絶の言い訳?容姿が不満なのね〜(๑≧ꇴ≦)<え、主と騎獣の恋?ちょwww小天はまだ子供よ?!すると紅鸞がある法則に気づいた。「講談本の主役は優しい女子ばかり、人助けを喜びとし、小さい動物を大事にしています」端木翠は早速、人助けすることにした。そこで親とはぐれた子供を家まで送ることにしたが、方向音痴のため自分が迷子になってしまう。今度は青花小仙を連れて展顔を訪ね、怪我した青花を一緒に治療しようと誘った。「ね、展郎〜♡」「今何と呼んだ?!」「じゃあこれならどう?展大哥〜♡」展顔はいつもと様子が違う端木翠を心配して温孤から薬をもらおうと言ったが、端木翠は怒って帰ってしまう。↓青花小仙講談本を参考に優しい娘を演じても展顔を振り向かせることができない端木翠。すると紅鸞が心を攻略すればいいと提案した。「周囲の人に愛を注いで真心を示すのです、相手の身近な人に親切にすれば心をつかめます」翌日、端木翠は啓封府へ出かけ、捕吏たちに尽くした。しかし今度は展顔がやきもちを焼き、かえって捕吏たちは訓練を増やされ、上官策(ジョウカンサク)の机には資料が山のように積まれてしまう。端木翠は徹夜になりそうな上官策に粥を差し入れることにしたが、上官策はこれ以上、展顔の恨みを買うまいと断った。温孤は近頃、夜遅くまで外出している端木翠を心配していた。そこで紅鸞に理由を聞いたが、思いがけず端木翠が展顔に恋していると知る。「実は門主から上仙には秘密にして欲しいと…」温孤は端木翠が初めて自分に隠し事をしたことに深く傷つき呆然となった。すると紅鸞は急に胸が痛み始め、慌てて出て行ってしまう。その様子を黒猫が見ていた。九獄の長老は噬心咒(ゼイシンジュ)で黒衣の使者を呼び出した。黒衣の使者の話では繭が糸を吐き出して元に戻れず、端木翠に繭を奪われてしまったという。すると長老は温孤が龍王の子でありながら隠していたと非難した。黒衣の使者は神仙となった温孤が協力を拒んだため報告できなかったと釈明したが、長老は温孤を連れ戻すよう命じて通信を切ってしまう。しかし黒衣の使者が去った後、後をつけて来た黒猫が法器に触れた。その夜、端木翠は捕吏たちを喜ばせようと花火を打ち上げた。しかしうっかり火の粉が庭に落ちてぼやを起こしてしまう。江公爵夫妻は端木翠の女心だと気づいて追求しなかったが、端木翠は面目丸潰れだった。すると紅鸞が今度は街で一番人気の講談本を買ってくる。「これをご覧ください…貴公子が高価な品を意中の美女に贈ると、美女は瞬く間に恋に落ちたと… 贈り物の価値が想いの大きさです!」端木翠は男にも効果があるのか半信半疑だったが、紅鸞はひとまず試してみようと言う。「門主…私が気の引き方を教えたと温孤上仙には内緒にしてください」「気を引く気はないわ、学んだことを実践したいだけよ」つづく( ๑≧ꇴ≦)あーっ!そうだ忘れてた!この黒猫、第1話で事件現場にいたんですよね〜細花流の猫のはずですが、何かありそうです
2022.11.21
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 1第11話凌霄紅(リョウショウコウ)の鑑賞会で李瓊香(リケイコウ)の父・李松柏(リショウハク)が遺体で発見された。啓封(ケイホウ)府へ戻った展顔(ヂャンイェン)はちょうど一緒だった温孤(オンコ)に検死を頼み、遺体の首に12の指の跡があると分かる。「桂花蛋(ケイカタン)の店主・鄭巧児(テイコウジ)だ」展顔は女店主が6本指だと思い出し、早速、端木翠(ダンムーツェイ)と一緒に出かけた。独り残った温孤は遺体の衣に付着した髪の毛を見つけた。「髪から幽族の匂いが…」その時、殿内をうかがう黒い影に気づく。「誰だ?!」黒衣の使者は急いで逃げ出したが、裏道に入ったところで温孤が立ちはだかった。すると黒衣の使者は急に左胸を押さえて苦しみ始める。「噬心咒(ゼイシンジュ)?!九獄の者か?」温孤は何者かが噬心咒を使って幽族を操っていると知った。実は噬心咒は幽王が幽族を操るため使った術で龍族の血を使う。「私の発作を見てすぐ噬心咒だと気づきましたね?龍族の血が流れている証しです 幽族の血を継いでいるなら共に戦いましょう 龍族の血は呪術に反応します、いつでも九獄と接触し協力できるはず、お帰りを待っています」黒衣の使者はそこで姿を消した。展顔は鄭巧児に啓封府まで同行するよう頼んだ。鄭巧児は適当にあしらおうとしたが、端木翠に幽族と人間の娘だと見抜かれ逃亡する。しかし端木翠が幽族だけに効果がある蓬莱の縄を投げ、捕縛することに成功した。鄭巧児は人間と蚕の子だった。半妖は普段は力を抑制できるが、月夜に月光を浴びれば力を抑えられなくなる。そこで展顔は昨夜、錦繍布荘(キンシュウフソウ)の当主・李承伯が殺され、犯人は6本指だと教えた。しかし鄭巧児は急に高笑いし、当然の報いだという。すると知らせを聞いた鄭巧児の乳母が駆けつけた。乳母は確かに鄭巧児は李家に恨みがあるが、決して犯人ではないとかばう。実は李家と鄭家には因縁があった。資料によれば鄭巧児の父・鄭万里(テイバンリ)は15年前に殺されていた。検死結果から父親は人間、つまり母親が幽族だと分かる。しかし当時、借金のカタに取られていた凌霄紅は妻・劉喜妹(リュウキマイ)と共に消えていた。ならば錦繍布荘にある凌霄紅は一体…。「(はっ!)錦繍布荘が危ない!」展顔は深夜の工房に駆けつけた。工房に並ぶ機織り機と衣をまとった人像、そこへ偶然、李瓊香が現れる。「織り機の音がして様子を見に来たの」すると突然、機織り機が動き出し、織り上がった凌霄紅が襲い掛かってきた。展顔は咄嗟に李瓊香を外へ逃して戸を閉めたが、凌霄紅に巻きつかれてしまう。一方、黒衣の使者は長老に蓬莱図の断片を見つけたと報告していた。実は蚕妖の持っている繭が断片だという。…あの夜、黒衣の使者は錦繍布荘にいる蚕妖を探しに行ったしかし蚕妖が姿を現さず、仕方なく火を放ってあぶり出すすると李瓊香の部屋にある機織り機の凌霄紅から蚕妖が現れた凌霄紅は蚕妖が修練の全てを費やして織った布だったそのため幽族でありながら人間である李承松に殺されてしまったという蚕妖が死んで凌霄紅は法力を失い、ほどけて赤い絹糸になった絹糸に取りついた蚕妖は人間界で再び凌霄紅が織り上げられた時、肉体を持って李承伯を殺し、夫の敵を討てるというしかし人間の力で織ることは難しく、残りの法力を李瓊香に授け、凌霄紅を織らせていたすると黒衣の使者は一縷の魂となった蚕妖の脆弱な法力では凌霄紅の完成など無理だと気づくそこで協力する代わりに繭を渡すよう取引したその時、火事に気づいた蕊児(ズイジ)が駆けつけ、黒衣の使者に殺されてしまう…黒衣の使者は蚕妖に噬心咒をかけたため裏切らないと報告した。喜んだ長老は功績に免じて噬心咒の解毒薬を少量あたえ、痛みを軽くしてやるという。「それで幽王の遺児は見つかったか?」「…まだです」「見つけ次第、すぐ連れて来い」そんな2人のやりとりを温孤が見ていた。展顔が行方不明になった。李瓊香の話を聞いた上官策(ジョウカンサク)たちは端木翠に相談、ひとまず錦繍布荘を調べることにする。すると工房には展顔の神剣・巨闕(キョケツ)が落ちていた。端木翠は蚕妖が力を取り戻すため凌霄紅を織っていたはずだと気づき、凌霄紅を探すことにする。その時、真紅の布をまとった人像を見つけた。「展顔!」しかし凌霄紅は展顔の身体に密着し、強引に剥がせば皮膚が裂けてしまう。「氷の塊がいるわ」温孤は黒衣の使者が九獄と交信していた法器を見つけ、長老に接触した。「来てやったぞ…」長老は鏡に映った王子を見て驚愕、見つからないと言う報告が嘘だと気づく。すると温孤は何をしても干渉しないが端木翠だけは巻き込むなと釘を刺した。「境界を越えてみろ、お前の醜い爪を切り落としてやる」長老は龍族と知られれば端木翠からも敵と見なされると脅したが、温孤は無視して交信を切った。一方、端木翠は氷の塊と法術を使い、展顔の身体から凌霄紅を剥がすことに成功した。すると凌霄紅に潜んでいた蚕妖が逃げ出してしまう。端木翠は娘の鄭巧児をすぐ呼んでくるよう頼んで飛び出し、郊外の林で蚕妖に追いついた。「端木翠、私を追い詰めるな!李松柏の他は誰も傷つけたくない!」…九獄から逃げ出した時に深手を負った蚕妖は布店を営む鄭万里に助けられた蚕妖は恩返しに養蚕や紡織を教えようと決め、劉喜妹として店で働き始めるやがて2人は恋仲となり結婚、店も繁盛したそんなある日、商売に失敗して多額の借金を作った盟友が偶然にも店に物乞いにやって来る鄭万里は落ちぶれた李松柏の面倒を見ることにしたが、突然、鄭万里が賊に殺された悲しみに暮れる劉喜妹、しかし事件が解決すると李松柏は実は賊を雇ったのは自分だと明かし、劉喜妹まで手にかけてしまう…そこへ鄭巧児が駆けつけた。端木翠は母娘の涙の再会に胸が痛んだ。すると上官策は啓封府が事件を再捜査して真実を白日の下にさらすと約束する。事情を知った李瓊香も錦繍布荘の儲けを全て鄭巧児に返すと言っていた。蚕妖は李瓊香が善良な娘だと知り、子供の代にまで恨みを残したくないと告げ消散してしまう。「母さん!…15年来の恨みから解放されたのね 私は大丈夫、元気で生きて行くわ、安心して眠って…」しかし端木翠は蚕妖が残した繭に気づかず、桃花に奪われてしまう。↓目を覚ましてうっかり端木を押し倒してしまう展顔w啓封府では李瓊香が展顔との縁談を辞退していた。しかし府尹(フイン)・江文卿(コウブンケイ)は哀れな李瓊香を見捨てることなどできず、喪が明けてから婚姻すればいいという。李瓊香は展顔を交えて再考して欲しいと頼んで帰ることにしたが、ちょうど展顔と出くわした。「宴は遠慮します」「義父上の招待なんだ、無下にしないでくれ」展顔は自分を助けてくれた端木翠に感謝し、手料理でもてなすことにした。しかし端木翠は未だ李瓊香が展顔の許嫁として扱われていることに苛立ちを隠せない。すると上官策がどの料理も甘いことに気づいた。端木翠は展顔が自分の好物を並べてくれたと知り、その努力に免じて機嫌を直すことにする。つづく
2022.11.20
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 1第10話展顔(ヂャンイェン)の縁談のせいで機嫌が悪い端木翠(ダンムーツェイ)。展顔から甘味処に誘れたものの、意地を張って忙しいと断ってしまう。しかしやはり展顔のことが気になり、端木翠は皆に散歩に行くとごまかして草盧を出た。そんな端木翠を見送った温孤(オンコ)は何とも虚しくなってしまう。待てば報われると信じて千年も見守って来たが、結局、無駄だったのだろうか。すると紅鸞(コウラン)が待つをやめてはどうかと訴えた。「ならお前は?」「…私は無理です」「そうだ、我らは後戻りできぬ」それでも紅鸞に悔いはなかった。展顔は独りで甘味処へ出かけた。机の上に端木翠が好きな人形を置いて待ってみたが、なかなか現れない。その時、急に人形が不自然に動いた。展顔は法術で姿を消した端木翠が側にいると気づき、山桃の蜜汁をもう1杯、頼んで巡回に戻る。(  ̄꒳ ̄)<さて今日は急がないからゆっくり行こうかな~すると端木翠は急いで蜜汁を飲み干し、慌てて展顔を追いかけた。展顔は端木翠の気配を感じながら巡回を始めた。すると偶然、縁談相手の李瓊香(リコウケイ)と出くわしてしまう。李瓊香は助けてもらったお礼に自分が織った生地を啓封(ケイホウ)府に届けたところだと話し、展顔に刺繍入りの手巾を贈った。実は江夫人に頼まれて作ったものだという。展顔は義母の注文ならと受け取ったが、後日、配下に銀子を届けさせるとあくまで他人行儀だった。密かに2人のやり取りを見ていた端木翠は李瓊香が本気で展顔に恋していると気づいた。そこで展顔をからかうのは止めて李瓊香について行ってみる。するとどうやら人間界では李瓊香のような女子が展顔にふさわしい令嬢だと知った。一方、黒衣の使者は九獄の長老に蓬莱図の断片を奪ったと報告していた。しかしこの断片は奇妙で、ある場所に行くと振動するという。実はバラバラになって人間界に落ちた蓬莱図は互いに反応するため、この特徴を利用して他の断片を見つけることができた。「その場所はどこだ?」「錦繍布荘(キンシュウフソウ)です」そこで長老はすぐ住人を調べるよう命じた。それにしてもあの温孤という上仙、幽王が人間との間に設けた王子ではないだろうか。驚いた使者は間髪入れず違うと否定したが、長老はもし生きていたら全て王子に託せたのに残念だと漏らした。翌日、端木翠は巡回中の展顔を見つけると、李瓊香を真似て淑やかに振る舞った。(´゚艸゚)∴ブッ!<いつまで保つかな?…あ、令嬢には手巾が必要だろう?展顔は端木翠を安心させるため、李瓊香がくれた手巾を渡した。しかし受け取った端木翠はその手巾から幽族の匂いを感じ取る。そこで2人は早速、錦繍布荘を訪ねた。錦繍布荘には幽族の気配がなかった。すると李瓊香が展顔のために仕立てた衣がある。嫉妬した端木翠は急に寒くなったと嘘をついて展顔用の衣を着ようとしたが、その衣から幽族の匂いを感じ取った。しかし怒った侍女・蕊児(ズイジ)に衣を奪い返され、その隙に幽族は衣から逃げ出してしまう。端木翠は李瓊香を疑い、半ば強引に機織り機を買い取って草盧へ帰った。しかし展顔は証拠もなく、みだりに善人を疑わないようたしなめる。すると温孤が自分は端木翠の直感を信じると援護した。「門主が怪しいと言うなら絶対に問題があるはず」「さすがは温孤、私の理解者ね…誰かさんとは違うわ(ボソッ」「私は直感で捜査はしない」すると温孤は互いに分かり合えないなら捜査協力はできないと断った。人間の李瓊香に負けたくないと何かと張り合う端木翠。一方、展顔との縁談が決まった李瓊香は夢見心地で展顔の房飾りを眺めていた。すると部屋に飾ってある桃の花から妖気が現れ、李瓊香に取り憑いてしまう。その頃、展顔は巡回に戻っていた。趙武(チョウブ)と張瓏(チョウロウ)は自分たちが夜番なので先に帰るよう勧めたが、展顔は構わないという。(*´・ω・)<こっちは細花流へ行く道だ…行く必要あるのか?あんた怖いんでしょう?>(・ω・`*)しかし展顔が急に道を変えた。細花流を避けた…>(*´・ω・)(・ω・`*)<門主と喧嘩か?その時、錦繍布荘から火が出たと叫ぶ声が聞こえた。翌朝、端木翠は錦繍布荘の奥で火事があり蕊児が死亡、李瓊香は啓封(ケイホウ)府にいると聞いた。温孤は要請がなければ動けないと言ったが、端木翠は展顔とのわだかまりがあっても出かけてしまう。「錦繍布荘が妙なのは本当なの、展顔がどうであれ幽族退治には行かなくちゃ」すると温孤は紅鸞(コウラン)の衣に穴があるのを見つけた。紅鸞は昨夜、料理中に焦がしてしまったと答えたが…。展顔は端木翠に誤解されないよう李瓊香を避けていた。しかし中庭でばったり李瓊香と会ってしまう。李瓊香は思わず駆け出して展顔に抱きつこうとしたが、その時、2人の間を割って入るように端木翠が地面から現れた。「どうしてここに?」「約束でしょう?啓封府を掃除するって?」端木翠は2人が接近しないよう邪魔しながら掃除を始めたが、急に李瓊香が手がかりを思い出したと言った。「凌霄紅(リョウショウコウ)が勝手に動き出し、程なくして私は気を失ったんだわ」すると展顔は端木翠を置いて李瓊香と一緒に錦繍布荘に出かけてしまう。展顔が店で待っていると、李瓊香が深紅の布を持ってやって来た。「これが凌霄紅よ…織り上げたらあなたとの婚礼衣装を作るわ、採寸するわね」李瓊香はどこか様子がおかしかったが、その時、端木翠が現れた。「お前が火をつけたのね!」すると李瓊香に取り憑いていた妖気が逃げ出し、李瓊香は急に倒れてしまう。展顔は端木翠が何かしたと誤解し、急いで李瓊香を病院へ連れて行った。黒衣の使者は蚕妖が蓬莱図の断片を持っていると気づき、その夜、錦繍布荘にやって来た。蚕妖は復讐のため凌霄紅を織り上げて法力を回復する必要があり、黒衣の使者から幽族の力を借りている。「蓬莱図の断片はどこ?…断片はお前の繭ね?私の蓬莱図が反応しなければ気づかなかったわ」「隠す気はなかった、ただ悲願を果たすまで渡せない」すると蚕妖は復讐さえ果たせば断片を渡すと約束した。展顔は先日、李瓊香が採寸しながら自分を殺そうとしていたことに気づいていた。そこで端木翠に一緒に凌霄紅の鑑賞会へ行って欲しいと頼む。実は検死では蕊児の喉から全く灰が発見されなかった。「つまり火事の前に死んでいたんだ…あの日は君に助けられた 君を信じるよ、ただ証拠がつかめていない」端木翠はすっかり機嫌を直し、男装して展顔と一緒に錦繍布荘へやって来た。本来は人混みを嫌う温孤だったが、李瓊香に手を焼いている端木翠を心配して同行する。すると鑑賞会に李瓊香が登場した。「この凌霄紅は父が15年前、私の婚礼衣装にと買った赤い生糸で織られたものです 凌霄紅は鮮やかな赤ですが染料は使っていません、希代の珍品です…ではご堪能ください」こうして徐々に帳がまくり上がり、凌霄紅の婚礼衣装が見え始めた。招待客たちはその美しい紅に感嘆の声を上げたが、やがてそれは悲鳴に変わる。実は凌霄紅の婚礼衣装をまとっていたのは李瓊香の父・李松柏(リショウハク)の遺体だった。「でぃぇええええーっ!」つづく( ๑≧ꇴ≦)何それ?!で、掃除うんぬんの話は蚊男の時の約束です
2022.11.16
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 1第9話端木翠(ダンムーツェイ)と展顔(ヂャンイェン)の関係に気を揉む司法星君・楊鑑(ヨウカン)。そこで神獣の小天(ショウテン)を人間界に残し、展顔を端木翠に近づけるなと命じて蓬莱(ホウライ)へ帰った。小天は人間の衣を拝借して早速、監視を始めたが、呆気なく端木翠に見つかってしまう。端木翠は小天を懲らしめるため、ちょうど巡回中だった啓封(ケイホウ)府の趙武(チョウブ)と張瓏(チョウロウ)に李家から洗濯物を盗んだ子供がいると教えた。小天は危うく衣を盗んだ罪で連行されそうになったが、隙をついて逃げ出すことに成功する。しかし蓬莱の麒麟(キリン)が人間から屈辱を味わわされとあってはこのまま黙っていられない。そこで姻縁糸を使って展顔たちに仕返しした。すると展顔はなぜか鶏やあひるに付きまとわれ、追い払おうとした趙武と張瓏はぶつかった拍子に抱き合い、唇が差なってしまう。|´゚艸゚)ブッ!<天下の神獣を盗人呼ばわりしたからだぞ(  ̄꒳ ̄)<お前の仕業ね ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノ<ダッ、ダンムー上仙端木翠は小天から姻縁糸を全て取り上げると、展顔に近づかないよう釘を刺して蓬莱へ帰した。趙武は責任を取って張瓏を娶ると決めた。「母から″女子と口づけしたら娶れ″と言われてる」しかし端木翠の話では月老が縁を結ばなければ娶れないという。実は鶏たちが展顔に懐いたのも、2人が口づけしてしまったのも、さっきの子供が姻縁糸でいたずらしたせいだった。展顔は姻縁糸が本当に存在すると知って驚いた。すると端木翠が急に展顔の背中に抱きつき、身体を調べ始める。「端木門主!ちょっ…人目が…」その時、端木翠は展顔の背中から赤い糸を見つけて引っ張り出した。「あった!ほら姻縁糸…月老がまだ結んでいないからほどけたのね」「・・・」実は人間がいくら月老に良縁を祈願しても意味はなかった。人間の良縁を定めるのは天であり、月老は姻縁簿に書かれた男女を糸で結んでいるだけの簡単な仕事だという。「姻縁糸は月光によって赤く照らし出される、その糸の先には運命の相手がいるの」「自分の姻縁を調べたことがあるのか?」「いいえ、神仙には姻縁がないから… あ、今度あなたの姻縁を調べてあげる、どんな女子がいいの?力になるわ」「う~ん…」展顔が真っ先に思い浮かんだのは端木翠だった。「微笑みを湛えた顔、颯爽とした姿、正義感にあふれ強情だが優しい… それから愛憎がはっきりしている」「展顔、それって私のこと?」展顔は照れ臭くて目をそらしたが、端木翠も悪い気はしなかった。小天は端木翠の監視に失敗して蓬莱に戻った。報告を聞いた楊鑑は端木翠の心が展顔に傾いていると気づき、早急に手を打とうと決める。そこで月老を訪ね、展顔の姻縁に手を加えるよう頼んだ。月老は掟を破れないと断ったが、楊鑑はかつて月老が西王母(セイオウボ)の酒を盗んで飲んだ後、酔って仕事をしていたとほのめかす。「分かりました!」月老廟は今日も妙齢の娘たちの参拝で賑わっていた。錦繍布荘(キンシュウフソウ)の長女・李瓊香(リケイコウ)も月老像に手を合わせ、早く良縁に恵まれるようにと祈っている。病弱だった李瓊香は地方で育ち、まだ先月、啓封に戻ったばかりだった。しかしその美しさから早速、縁談の申し込みが殺到している。すると月老は李瓊香の手首に姻縁糸を巻き、供え物の房飾りを受け取った。月老廟からの帰り道、李瓊香が乗った馬車は朱雀街で思いがけず展顔たちの捕物に巻き込まれた。すると驚いた馬が御者を振り落として疾走、しかし危ないところで展顔が馬を停めてくれる。「姑娘、大丈夫ですか?」「お助けくださり感謝します、」李瓊香は展顔に一目惚れ、上客だけに渡す店の佩玉を贈った。そんなある日、啓封府に続々と展顔への縁談話が持ち込まれた。なぜか令嬢たちは展顔でなければ嫁がないと言っているという。ちょうど端木翠と一緒に啓封府に戻った展顔は驚愕、自分の姻縁糸はほどけているはずだ。端木翠にも事情が分からなかったが、展顔の嫁選びなら自分が見定めなければならないと変な使命感に燃えた。展顔は江(コウ)夫人に結婚など考えていないと訴えた。しかし江夫人は姿絵を全て並べながら、展顔の令牌の房がないことに気づく。「一度も外したことなどないのに…さては誰かを見初めて贈ったの?」展顔は馬を食い止めた時に落としたと思い出したが、怒った端木翠に腕をつねられてしまう。「結婚する気はないって嘘だったのね?」「誤解だよ、令嬢たちに興味はないんだ」「だったら私が代わりに見てあげる」端木翠は令嬢の姿絵を見ながら、次々に欠点を指摘しては却下した。すると誰が見ても美しく非の打ち所がない令嬢の絵姿を見つける。端木翠は慌てて李瓊香の絵姿を隠そうとしたが、展顔は動揺する端木翠を見てからかいたくなった。(^ꇴ^)<待った!…お、なかなかの美人だ(# ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)<あ、そう、なら心ゆくまで見たら?…もう帰ります!展顔はうっかり端木翠を怒らせ、慌てて追いかけた。しかし端木翠はすっかりヘソを曲げ、李瓊香を娶ればいいと突き放す。「義母上には誤解だと説明するよ、そもそもよく知らない相手と夫婦にはなれぬ」「そうよね、じゃあ月老があなたに悪縁を結ばないよう私が目を光らせる」「あぁ〜私の婚姻は君に任せるよ」するとすっかり機嫌を直した端木翠は食事に行こうと誘った。医館で密かに療養していた温孤(オンコ)はようやく傷痕が消え、草盧(ソウロ)へ戻った。するとちょうど端木翠が紅鸞(コウラン)と涼亭でお茶を飲んでいる。聞けば端木翠は展顔の婚姻を任され、案じているというのだ。「それは江大人と夫人が決めることだ、細花流(サイカリュウ)には関係ない 人間の姻縁は天が決めるもので本人の意志は関係ない」しかし端木翠は酒好きの月老が酔った勢いで展顔に悪縁を結ぶかもしれないと心配になり、急に出かけてしまう。一方、月老は密かに占い師に成り済まし、ちょうど巡回中の展顔を呼び止めた。「待たれよ…公子、そなたの紅鸞星が動いた、近々、姻縁が訪れる 近頃、身近に特別な娘が現れていないか?…そなたの運命の相手だ」展顔は端木翠のことを思い浮かべ、喜んで銭を払った。しかし月老は金ならいらないと返し、その隙に李瓊香が供えた房飾りを展顔の腰に下げてしまう。月老が廟へ戻ると、ちょうど待ちくたびれた端木翠が月老像を壊す寸前だった。「端木上仙!ちょっと待った!(危なっ)で、今日は何用で?」「姻縁簿を見せて…見せないと酒瓶に変えるわよ?」仕方なく月老は掟を破って姻縁簿を渡した。すると展顔の相手があの絵姿の李瓊香だと知る。「なぜ李瓊香と?」端木翠に見つかった月老は慌てて姻縁簿を取り返し、逃げるように姿を消してしまう。展顔と李瓊香は天が定めた良縁だった。2人の縁談話はとんとん拍子に進み、焦った展顔は義母に李瓊香を娶る気はないと訴える。実は江夫人は展顔が絵姿を見て美人だと誉めていたため、すぐ李家を訪ねていた。すると李瓊香が展顔の房飾りを持っていたという。「それに…あら、それは李姑娘の蝶の飾りでしょう?やはり慕い合ってるのね」展顔の腰にはなぜか身に覚えのない蝶の飾りがついていた。「義母上、とにかく娶る気はありません」その夜、端木翠は啓封府に侵入し、李瓊香の資料を調べた。すると李瓊香は美しいだけでなく琴棋書画にも精通し、欠点など見つからない。その時、展顔が気配を感じて書庫にやって来た。端木翠は慌てて姿を消したが、うっかり折本を落としてしまう。…展顔と李瓊香は本当に運命の相手なのかしら?…展顔は落ちていた折本を棚に戻したが、床に小さな飾りが落ちているのを見つけた。翌朝、端木翠は食事も取らず、様子がおかしかった。何があったのか分からず困惑する温孤と紅鸞、すると信蝶(シンチョウ)が現れ、展顔の声が聞こえる。「端木、いないのか?」「いないわ!」「端木、乾坤袋のかけらが啓封府に落ちていたぞ?用事があって来たのだろう?」「資料を探しただけよ、あなたを訪ねたわけじゃない…忙しいの、あなたに会う暇なんかないわ」展顔は端木翠がやきもちを焼いて拗ねていると分かった。「残念だな~朱雀通りに甘味処ができた、端木門主とご一緒できないなんて」すると展顔は上官策(ジョウカンサク)が来たので蝶を隠した。つづく(  ̄꒳ ̄)ちょっとどうでもいい話?でも展顔が端木の手を取って逃げ出すシーン、何度もリピしちゃうのよね(๑´ω`๑)
2022.11.15
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 1第8話蚊女は双子を連れて林の中へ逃げた。我が子を怪物に育ててしまった自責の念に駆られる蚊女、しかし双子たちは再び血を求めて出かけようとする。蚊女は双子を引き止めたが、その時、展顔(ヂャンイェン)の放った巨闕(キョケツ)が双子の触角を切り落とした。激怒した双子は展顔に向かって飛び出したが、端木翠(ダンムーツェイ)が蚊の天敵である崑崙蜘蛛(クモ)の巣を使って捕縛することに成功する。蚊女は涙ながらに命乞いし、まだ分別のない子供だと訴えた。しかし人間の血の味を覚えたら最後、端木翠は幽族の使者とどんな取り引きをしたのかは知らないが、見逃すことはできないという。「今ここで禍根を絶たないと…」端木翠は双子に三昧真火(サンマイシンカ)を放った。驚いた蚊女は子供たちに駆け寄って覆いかぶさり、夫婦で犯した罪を自分が償うという。端木翠は母の強い愛情を目の当たりにし、燃え盛る母子から真火を消した。その時、蚊の母子から邪気が消え去り、3人は穏やかな笑顔で消散して行く。展顔はうつむいた端木翠が泣いていることに気づき、黙って手巾を差し出した。「…ちょっと砂が目に入っただけよ」「嘘が下手だな」展顔は端木翠がどんな経験をして来たのか知る由もなかったが、今の端木翠はもう独りではないとなぐさめた。すると端木翠は展顔の背中を借り、泣き顔を隠す。「泣いてもいいんだ、我慢するな」「…でも目が腫れちゃうから」「三界一の美貌を誇る上仙なら、目が腫れても美しいだろう? それに君は蚊男を倒して啓封を救った英雄だ」「英雄なんて興味はない、ただ親子には罪を犯さず幸せになって欲しかった…」そこで端木翠は啓封(ケイホウ)の王府に向かい、門に祈福(キフク)灯を掛けた。すると2つの魂が導かれるように灯籠へ吸い込まれて行く。その時、屋敷から王夫人が男女の双子を産んだと喜ぶ声が聞こえた。平穏が戻った啓封、展顔は端木翠を誘って街に出たが、端木翠はどこかやりきれなかった。「昨夜、多くの人が死んだのに、もう明かりがあふれているなんて…悲しみはすぐ忘れ去られるのね」「これが人の世だ…誰かが死んでも営みは続く」しかし端木翠が被害を食い止めてくれたおかげで、こうして美しい光景が見られるという。「民に代わって感謝するよ」端木翠は朱雀街の灯籠をながめながら、神仙には家がないため、明かりを灯して帰りを待つ人はいないと話した。思い立った展顔は店に飛び込み灯籠を買うと、端木翠に贈る。その時、夜空に花火が上がった。事件が解決する度に近づいて行く端木翠と展顔の距離、すると端木翠も草盧まで送ってくれた展顔に贈り物を渡した。「帰ってから開けてね」紅鸞(コウラン)は端木翠の法力が完全に戻る前に蓬莱図を盗もうと企んだ。そこで端木翠の部屋に忍び込み、恐る恐る乾坤袋に手を伸ばす。「いけるわ」紅鸞はついに乾坤袋から蓬莱図を取り出したが、自分に優しくしてくれる端木翠を思うと後ろめたさに苛まれた。展顔は啓封府で事件の詳細を報告した。すると府尹(フイン)・江文卿(コウブンケイ)は端木門主の功績を朝廷に報告すると決め、民にも知らしめるという。展顔は端木門主の代わりに感謝したが、上官策(ジョウカンサク)は真っ先に展顔の変化に気づいた。「おかしい、どうも変だ…顔顔、門主とは犬猿の仲のはずなのに…」展顔は部屋に戻ると端木翠からもらった化粧箱を開けた。すると蝶が飛び出し、端木翠の声が聞こえてくる。『展顔?贈り物を見たのね?』「また蝶か…ここは花園じゃないぞ?」『それは漆園(シツエン)蝶って言う特殊な蝶なの』展顔は荘子(ソウシ)が詩に詠んだあの蝶かと驚いたが、端木翠の話ではあれはあくまで伝説に過ぎないという。夢に誘う漆園蝶は蟻のような身体を持つため夢の蟻と呼ばれ、端木翠は眠り虫と呼んでいた。展顔はようやく端木翠が寝つきの悪い自分のために眠り虫をくれたのだと気づく。「ありがとう、端木」回廊では上官策が展顔の部屋の様子をうかがっていた。急に静かになったが、丑の刻まで眠ることがない展顔を眠らせるとは眠り虫の威力はすごいらしい。そこで仲間を連れて部屋に忍び込んだが、寝たふりをしていた展顔に見つかり、不法侵入の罰で停給1ヶ月を言い渡されてしまう。端木翠は事件の件で啓封府を訪ねることになった。展顔とは朱雀街で待ち合わせ、珍しく化粧をして新しい衣を着て出かけて行く。一方、温孤は蚊の毒にあたった民たちの治療で医館にこもりきりだった。ようやく患者も元気になり帰って行ったが、そこへ着替えを届けに紅鸞がやって来る。「草盧にお帰りになりますか?」しかし毒を吸い込んだせいか温孤は原型の鱗が消えず、癒えるまでは草盧に戻るわけにいかなかった。「門主は上仙が龍族だと知らないのですか?」「半分、幽族であること以外、正体は明かしていない」すると温孤は紅鸞に決して口外するなと釘を刺した。龍族は幽族の王、紅鸞は尊い身分を隠す必要はないと言ったが、温孤は自分のせいで端木に面倒をかけたくないという。「千年前、父は覇権を狙い戦争を始めた…負けたからには償う、全ては因果応報、幽族の運命だ」「でも私やあなたは悪くない、九獄から救ってくださるなら上仙に忠誠を誓います」「己の身分をわきまえろ」温孤は幽族を解放する気などないと言った。一方、九獄では長老が幽族を集め、いかに自分が新王にふさわしいか訴えていた。中には長老が龍族でないことを指摘する者もいたが、長老はすでに龍族は滅したという。「先王には遺児がいたと聞いたぞ!」「そうだ、生きていると聞いた!」「仮に生きていても九獄に戻らない臆病者、そんな王が救ってくれると思うか?」すると幽族は長老に従い、九獄を脱出しようと声を上げた。展顔は朱雀街まで端木翠を迎えにやって来た。「展顔!」振り返った展顔は美しい端木翠の姿にしばし見惚れてしまう。すると展顔はこの機会に民たちに端木門主を紹介した。民たちは蚊を退治してくれた上仙だと感謝し、端木翠もようやく認められ満更でもない。「端木門主、ずいぶん嬉しそうだな?」その頃、端木草盧に司法星君・楊鑑(ヨウカン)が神獣を連れてやって来た。しかし草盧は霊気が乏しく、従者の精霊たちは修練をさぼっているのかまだ人形(ヒトガタ)も手に入れられない。楊鑑は義妹を心配しながらお茶を飲んだが、あまりの不味さに吐き出した。何でも肝心の温孤は患者の治療で医館に缶詰めだという。「妹子も一緒か?」すると青花(セイカ)小仙が上仙なら展顔に会いに行ったと教えた。「展顔?…誰だそれは?!」楊鑑は端木翠が最近、展顔という捕吏の男と一緒に捜査していると知った。端木翠と展顔は街で噂の桂花蛋(ケイカタン)を食べることにした。人気店の桂花蛋は滑らかで口に入れるととろけるという。「次は手作りをご馳走するよ」「あっ!アチチチチチ!」そんな仲睦まじい2人の様子を横道から楊鑑が見つめていた。端木翠は義兄の姿を見つけ、お腹が痛いと嘘をついて席を離れた。「大哥?何しに来たの?」「妹子…どうして人間と同じものを食べている?蓬莱と違って汚れているぞ?」楊鑑は食べ物が必要なら乾坤袋に入れておくと言った。しかし端木翠は義兄が詰め込んだ食べ物のせいで道具が取り出し辛いと訴え、そもそも美味しくないという。確かに人間の食べ物は美味しいが、ともかく楊鑑は人間との付き合いをほどほどにしろと注意した。「そなたが辛い思いをする…」「そうね、この食べ物とお別れするのは辛いわ」「人間とは?」「人間?人間は何でもないわ」楊鑑はまだ情が深くないようだと安堵し、小天を残して世話をさせると決めた。すると端木翠は温孤も展顔もいるので大丈夫だという。「妹子…早く使命を果たして戻ってくれ 人間界の汚れに染められて己を見失うと大変なことになる」「(*゚▽゚)*。_。)*゚▽゚)*。_。)ウンウン…じゃあ用があるから、早く帰ってね~!」つづく( ๑≧ꇴ≦)大哥www
2022.11.09
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 1第7話蚊男は温孤(オンコ)に口吻を切り落とされ、動揺した。しかし紅鸞(コウラン)が自分を人質にするよう助言、逃げ道を与える。そこで蚊男は紅鸞を盾にし、一瞬の隙をついて隔仙(カクセン)陣の中に戻った。慌てて追いかけようとした温孤だったが、陣に阻まれてしまう。その時、紅鸞が温孤を追いかけ陣にぶつかりそうになった折り鶴を助け、激しく跳ね飛ばされた。「あなたの折り鶴を守れてよかった…」温孤はまた折ればいいだけだと冷ややかだったが、紅鸞が急に意識を失ってしまう。温孤は紅鸞を連れて、端木草盧(タンボクソウロ)へ戻った。すると紅鸞が目を覚まし、激しく喀血してしまう。しかし桃花妖とは言え蚊男など敵ではないはず、温孤は紅鸞が蚊男を逃したと気づいていた。「上仙は私の″行方不明の友″に似ています…大事な人を騙したりしません」「私はその友ではない…」温孤は否定し、端木翠(ダンムーツェイ)を傷つけたら許さないと釘を刺した。「私は端木ほど寛容ではないぞ」温孤は部屋に戻ると密かに幽王の典籍を招喚した。幽王が幽族を守るため創ったという隔仙陣。陣は刻々と変化し、入口が布陣者のいる方向によって変わるため、無理に突入しようとすれば身体を傷つけてしまうという。すると温孤は蚊男から斬り落とした喙(クチバシ)に血がついていることを思い出した。「これがあれば布陣者になって陣に入れる」一方、端木翠と展顔(ヂャンイェン)は女神(メガミ)廟にいた。2人はここで蚊男を待ち伏せすることにしたが、やがて端木翠は疲れて居眠りしてしまう。そこで展顔は端木翠を寝台で横にしてやると、端木は展顔の手を握りしめて離さなくなった。「立派な上仙なのに無邪気なものだ、おやすみ、良い夢を…」典籍には己の血肉を切り取って布陣者の血と融合させることにより、布陣者と交代できるとあった。そこで温孤は原形である鱗を出して剥がし、蚊男の喙を入れた銅鍋に入れる。「端木…すぐに見つけ出す」しかし温孤は激しい痛みのせいでそのまま意識を失ってしまうその様子を庭から紅鸞が見ていた。翌朝、端木翠と展顔は廟の前に残された血を発見、蚊男が近くにいると知って探しに出かけた。やがて蚊の巣窟に辿り着いたが、そこで行方不明になっていた王(オウ)夫人を見つける。端木翠は夫人に怪我がないことから、蚊男の目的が血ではないなら罠だと気づいた。その時、蚊男の声が聞こえてくる。「その通り!私が欲しいの神仙の血だ!」すると端木翠は法力の6割が戻ったと楽観し、展顔に王夫人と逃げるよう告げて飛び出した。しかし展顔は夫人の縄を解くと、必ず迎えに来ると約束して端木翠を追いかけてしまう。端木翠と蚊男が対峙した。すると蚊男は端木翠が恐れる蚊を招喚、辺りはまるでもやがかかったように視界が悪くなる。蚊を見た展顔は近くに端木翠と蚊男がいると気づき、巨闕(キョケツ)を抜いて蚊を追い払った。展顔の気配を感じて振り向く端木翠、しかしその一瞬の隙を突かれ、蚊男に胸を刺されてしまう。展顔が駆けつけると、ちょうど蚊男が喙を端木翠の胸に刺し、血を吸い込んでいた。激怒した展顔はいきなり斬りかかり、蚊男は急所の喙を切り落とされ、逃げ出す。「端木!すまない、遅くなって…」「…展顔…なぜ来たの?…死にたいの?」展顔は端木翠の手を握りしめ、必ず自分が蚊男を食い止めると安心させた。一方、温孤は自分と蚊男の血を融合させることに成功、隔仙陣までやって来た。すると胸に激痛が走り、端木翠の身に何かあったと気づく。もはや入口を見つける時間も惜しくなった温孤、そこで龍気を解放し、陣を破って中へ入った。蚊男は端木翠の血が入った喙を妻に託した。「俺はもう長くない…これを飲んで元気な子供を産んでくれ」そこへ温孤が現れた。蚊女は残り少ない命、見逃して欲しいと懇願したが、蚊男は無駄だという。「まだ分からないのか?この者は以前とは違う…今や神仙なのだ」その時、温孤は蚊女が持っている喙に端木の血がついていると気づいて激高した。蚊男は妻が巻き込まれないよう遠くへ追いやったが、そこへ折り鶴が現れ、温孤に端木の足取りを教える。すると温孤は蚊男にとどめを刺して先を急いだ。しかし蚊女は夫の死を嘆きながら端木翠の血を飲んでしまう。展顔は端木翠を支えながら出口を探した。しかし端木翠は蚊の毒で血が止まらず、いよいよ立っていられなくなる。そこで展顔は端木翠を座らせ、傷から毒を吸い出し始めた。血を吸っては吐き出し、また吸っては吐き出す展顔、その時、うっかり展顔と端木翠の顔がぶつかり、図らずも唇が重なってしまう。すると端木翠の首にある封印が反応し、帰墟(キキョ)にある端木翠の情債(ジョウサイ)箱が揺れ始めた。「そのぉ~…毒は出した、止血しよう」「もういいの、人間の血を失った…人間界にはいられない…」端木翠の身体が消え始めた。焦った展顔は人間の血があれば端木翠を引き止められると気づき、自分の手首を切って血を飲ませてみる。「幽族を捕まえるのは君の役目だ、約束しただろう?」すると端木翠の消散が止まり、再び目を覚ました。端木翠は展顔の血のおかげで元気になった。しかしめまいがすると嘘をついてよろけてみせる。展顔は嘘だと分かったが、甘える端木翠を背負ってやった。「展顔、あなたって優しいのね…だから面目を守るために今回のことは黙っていてくれない?」「お世辞の目的はそれか~でも頼み事をするならそれなりの代価を払わないとな~ そろそろ啓封(ケイホウ)府を掃除しなくては」「ちょっと!私に掃除させるつもり?!」端木翠は怒って展顔の腕をつねると、展顔はその馬鹿力なら大丈夫だと笑って下ろした。「1つだけ約束してくれないか?…端木、人間界に留まってくれ」「お安い御用よ」「ではもう1つ、もう″小捕吏″とは呼ばないで欲しい」「分かったわ、展大人(ダーレン)」司法星君・楊鑑(ヨウカン)は神獣・小天(ショウテン)から義妹の情債箱が揺れていると聞いて急いで駆けつけた。「一体、妹子(メイズー)の心を動かした命知らずはどこの誰だ?!世を危険にさらしおって…」もし端木翠が心を動かし魂が消えれば、世を滅ぼしかねない。楊鑑は心を鬼にして情債箱に法術をかけた。すると端木翠は刀で心臓をえぐられるような激しい痛みに襲われ、意識を失ってしまう。展顔は何が起きたのか分からず、端木を抱きしめて何度も呼びかけた。そこへ温孤が現れ、激しく嫉妬する。…千年、守り続けた者を奪われてたまるか…温孤は法術で端木翠を自分の元へ引き寄せると、端木翠を守れなかった展顔を非難した。返す言葉もない展顔、そこで蚊男に血を吸われてしまったと説明する。温孤は驚いて自分の指を切り血を飲ませようとしたが、なぜか端木翠は受け付けなかった。すると展顔が一度、自分の血を飲ませたと教え、再び手首の血を端木翠に与えてみる。「私の血なら飲む…」温孤は懐疑的だったが、驚いたことに端木翠は本当に展顔の血を受け入れた。その時、温孤は端木翠の手首に現れた変化に気づく。…これは情債箱を縛る鎖、なぜ身体に現れた?…端木翠は再び戦場の夢を見た。すると激しい戦闘の最中、足止めされている馬車がある…『觳閶(コクショウ)…』端木翠が車の中をのぞくと、将軍が横たわっていた『觳閶?』…そこで端木翠はふいに目を覚ます。「觳閶!(はっ!)温孤…あ、展顔…!」端木翠は展顔の手首の傷に気づき、布を巻いた。「君こそ大丈夫か?急に倒れて…」「倒れたんじゃないわ、ちょっと居眠りしただけよ…蚊男には油断しちゃったけど…ボソッ」展顔は端木翠の唇についた血をぬぐいながら、強がりさえも愛おしく思えた。「確かに端木門主は強い、策など弄したりしないから罠にはまったんだよな…クスッ」2人の親密な様子に複雑な心境の温孤、すると端木翠は血を失ったことを義兄には黙っていて欲しいと頼んだ。蚊女は女神廟で無事に男女の双子を出産していた。しかし子供の気息に気付いた端木翠たちに見つかってしまう。双子は幽族の血筋だけでなく人間の血で大きくなり、さらに神仙の血のおかげで驚異的な速さで成長していた。端木翠は3種族の血を継ぐ子供は怪物になると教えたが、蚊女は死んでも自分の子を守ると反発する。その時、端木翠はふいに母と生き埋めにされた辛い記憶が蘇り、上の空になった。蚊女は隙をついて端木翠に毒を放ったが展顔が阻止、激怒した温孤に刺されてしまう。「逃げて!」すると双子は姿を消した。紅鸞はいつまでも戻って来ない温孤を心配し、街へ向かった。そこへ蚊の大群が現れ、民たちが次々と襲われてしまう。紅鸞は双子の蚊を見つけて攻撃したが、双子はたかが桃花妖だと鼻で笑った。すると端木翠たちが駆けつけ援護、しかし蚊女が現れ、子供たちを連れて逃げてしまう。端木翠と展顔は子供とは思えない双子の悪行を見過ごせず、蚊女を追いかけることにした。温孤も続こうとしたが、紅鸞が引き留め、息がある者を救おうという。倒れた民は蚊の毒が身体中に回っていた。すると毒が舞い上がり、温孤は咄嗟に紅鸞をかばって吸い込んでしまう。温孤はふと思いつき、民を救いたいという端木翠の望みを叶えるため、自ら民の毒を回収することにした。その時、紅鸞は温孤の手首から垣間見える龍の鱗痕に気づき、その正体を確信する。紅蘭は蚊が桃花の天敵だと知りながら、温孤を手伝い毒を回収した。しかしやはり喀血してしまう。温孤は咄嗟に紅鸞へ法力を送って助けると、集中して蚊の毒を抑え込むよう助言した。(*゚▽゚)*。_。)ウン!つづく(  ̄꒳ ̄)どうしたんだろう…温孤がカッコ良く見えて来たw
2022.11.09
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 1第6話月心(ゲツシン)湖で全身を水疱で覆われた骸が発見され、次々に水疱に苦しむ民たちが温孤(オンコ)医館に運び込まれた。早速、端木翠(ダンムーツェイ)と展顔(ヂャンイェン)は捜査を開始、すると幽族に取り憑かれた妊婦を見かける。「待ちなさい!」端木翠に気づいた幽族は王(オウ)夫人の身体から抜け出した。しかし端木翠は蚊男を見て動揺し、直視できないまま火術を放ったせいで取り逃してしまう。王夫人もやはり身体中に水疱ができていた。夫の話では芝居を見ている時に物売りが来て砂糖漬けをもらったという。端木翠と展顔は不思議と息が合い、何をすべきか以心伝心のように合致した。そこで2人は物売りを片っ端から当たることにする。すると端木翠が一見、人間のように見える物売りの男から幽族の気息を感じとった。(」゚ロ゚)」<ぢゃんいぇん!端木翠はすぐ展顔に合図したが、目を離した一瞬の隙に逃げられてしまう。人里離れた草むらにある女神(メガミ)廟。蚊女は泣き叫ぶ子供を哀れに思い、夫がいないうちに逃すことにした。すると蚊男が現れ、子供を殺してしまう。「あなた!なぜ子供の命を…」「お前が無事に赤子を産むには十分な血が必要だ」実はこれまで蚊女がもらった血も人間の血だったという。蚊女は人間を殺せば天罰を受けて修練が無駄になると訴えたが、蚊男は九獄(キュウゴク)に幽閉された自分たちは輪廻できず、神仙にもなれないと憎しみを募らせた。端木翠は展顔と夫婦を装い、妊婦のふりをして蚊男をおびき出すことにした。すると端木翠はまた露店の人形が欲しいと言い出し、展顔は仕方なく一対だけ買って店から遠ざける。その時、端木翠は舟に客を乗せて小島へ向かう物売りを見つけた。九獄に黒衣の使者から報告が来た。罠を仕掛けたが端木翠の法力は強大、力を貸して欲しいという。そこで長老は幽王が作った隔仙(カクセン)陣を授け、この機会に必ず端木翠を仕留めろと命じた。「お前に残された時間は少ない、噬心咒(ゼイシンジュ)によってお前は瞬時に朽ちるぞ」長老が手を動かすと、黒衣の使者は激しい胸の痛みでへたり込んでしまう。端木翠と展顔は再び芝居小屋へやって来た。そこで怪しい物売りの男を発見、端木翠が火術を放つと、男は蚊の姿に戻って逃げてしまう。同じ頃、温孤医院に黒衣の死者が忍び込んだ。すると夫が眠っている間に王夫人を連れ去ってしまう。端木翠と展顔は蚊男を追って郊外へ出た。すると端木翠は病み上がりの展顔を心配し、信蝶(シンチョウ)を肩に忍ばせておく。「肩を叩いて呼び出せば私がすぐ助けに行くから」「ありがとう…でも君が危険な時は?!」「私の名を聞いただけで誰もが怖がるわ」しかし端木翠は無数に集まる蚊を見つけ、思わず展顔の後ろに隠れてしまう。展顔は桟橋でも端木翠が怯えていたことを思い出し、実は提灯の明かりに集まった蚊のせいだったと気づいた。「端木門主…ひょっとして蚊が怖いのか?」「まさか~この私に怖いものなんてないわ…ただ嫌いなだけよ」(´゚艸゚)∴ブッ端木翠と展顔は蚊が集まる水辺に向かうことにしたが、突然、蚊男が現れた。「人の命を奪った者は私が成敗するわ!」「ふん、その昔、お前たち人族も幽族を殺し尽くしただろう?!」蚊男は幽族が今も九獄でもがき苦しんでいると嘆き、ただ自分の子供が無事に生まれて欲しいだけだという。「端木…ヤツは時間稼ぎをしている、気をつけろ」すると展顔が警告した通り、無数の蚊が現れ2人を包囲した。端木翠はまとわりついた蚊のせいで恐ろしい記憶が蘇り、意識を失ってしまう。その時、紅鸞(コウラン)が現れ、2人を守ろうとした。しかしあえなく吹き飛ばされ卒倒、そこへ温孤が駆けつける。蚊男は温孤の一撃を受けて慌てて逃げ出し、端木翠たちは危ないところで助かった。端木翠は恐ろしい夢を見て飛び起きた。温孤は展顔なら無事に啓封(ケイホウ)府に戻ったと安心させ、蚊を寄せ付けない香袋を渡す。しかし紅鸞は蚊の毒でまだ幻覚から目覚めておらず、しかも医館から王夫人が突然、消えていた。驚いた端木翠はすぐ出かけようとしたが、立ちくらみを起こしてしまう。「温孤…蚊を見るたびにある情景が脳裏に浮かぶの、私は無数の蚊に刺され棺の中にいる」「無理に思い出さない方がいい」蚊男が洞窟に戻って来た。外で待っていた蚊女は夫が怪我をしていることに気づき涙する。「神仙に目をつけられた…もう赤子のために血を取って来られぬ」「何もかも私と赤子のせいね…」すると黒衣の死者が現れた。「大人、今日は王子が…」「お黙り!まだ時機ではない!…お前は面が割れた、啓封には行くな」しかし使者はもう一度だけ機会を与えると伝え、蚊男に隔仙陣を授けた。これは神仙を封じ込められる陣で、中にいれば端木翠は神仙の法力が弱まり、しかも心の奥底の嫌な記憶を呼び覚まして恐怖を高めるという。「この餌を使え」使者は連れ去った王夫人を残し、姿を消した。翌朝、端木翠は法術でこっそり展顔の部屋へ入った。しかしちょうど着替えていた展顔の背中を見てしまい、驚いて燭台を倒しそうになってしまう。「…今度、部屋に入る時は戸を叩いてくれないか?」「戸を通らないから無理…って、誤解しないで、王夫人が消えたの!」驚いた展顔は早速、出かけようと言ったが、思いがけず上官策(ジョウカンサク)が戸を叩いた。「顔顔!…イェンイェン!起きてるか?!」展顔は慌てて端木翠を物陰に隠した。「何よ?!」「女子の名節が汚れてもいいのか?!」「はっ!そうか、人間の男女は同じ部屋にいるところを見られたら結婚するのよね? 了解、結婚しなくて済むよう隠れるわ」端木翠と展顔は温孤医館を調べた。すると医館に謎の足跡と街中にはない葦(ヨシ)の葉が落ちているのを見つける。「蚊の気息が付いてるわ…どこの葦?」「蚊は水辺にいる…城東だ」温孤は端木翠の様子を見に来たが、すでに寝台はもぬけの殻だった。そこへ司法星君・楊鑑(ヨウカン)が現れる。温孤は端木翠が蚊を捕まえに行ったと伝えたが、楊鑑の顔色が一変した。「何だと?!」実は端木翠は昔、母親と一緒に生き埋めにされ、救出された時は全身を蚊に刺されていたという。それ以来、端木翠は何より蚊を恐れていた。「さっさと探して来いっ!」端木翠と展顔は罠とも知らず城東へやって来た。曲がりくねった水路に生い茂る葦、やがて2人の前に蚊男の幻術が現れる。端木翠は乾坤袋から出した玉で幻術を爆発させたが、展顔は咄嗟に端木翠を抱きしめてかばった。守ってもらう必要はなくとも悪い気はしない端木翠、しかしその隙をついて蚊男が陣を敷き、端木翠だけ引きずり込まれてしまう。端木翠は戦場で戦う自分の姿を見ていた。その惨状に驚愕する端木翠、すると霧が晴れるように幻覚が壊れて行く。一方、展顔はこつ然と消えた端木翠を必死に探していた。そこで肩を叩き信蝶を呼び出したが、端木翠の気息がなく戻って来てしまう。その頃、温孤も端木翠の行方を追っていた。すると折り鶴が駆けつけ、葦原にいると報告する。折よく紅鸞(コウラン)も目覚めたと知り、温孤は蚊男と戦った紅鸞が役に立つと考えた。端木翠は法陣を壊せず、小舟で水路を回っていた。「嫌な予感がする…」そこで岸に上がったが、ついに蚊男が現れる。するとお腹の大きな蚊女が駆けつけ、子供のためにも上仙と戦ってはならないと訴えた。蚊男はもはや引き返せないと覚悟を決め、上仙と言っても蚊が怖いならまたとない好機だという。「なぜそれを?!(はっ)怖いわけないじゃない、嫌いなだけよ」端木翠は精一杯、強がって三昧真火(サンマイシンカ)で決着をつけようとしたが、炎が弱い。「ぶはははは~!これは幽族の使者から賜った隔仙陣、神仙の法力を弱めるのだ」蚊男は端木翠から蓬莱図を奪おうと飛び出したが、端木翠は咄嗟に温孤がくれた香料をまいた。香料を浴びた蚊男は身体に無数の火傷を負った。憤慨した蚊男は再び端木翠に襲いかかったが、その時、展顔が現れ端木翠を救う。しかし蚊女が急に腹痛を訴え、蚊男が気を取られているうちに端木翠と展顔は舟に乗って逃げ出した。迷宮に入った端木翠と展顔、気がつくと小舟は何度も同じ水路を回っているだけだった。そこで展顔は陸路へ移動しようと提案する。端木翠は法術を使おうと構えたが反応なし、すると展顔が端木翠の手を取り、軽功で飛び上がった。2人は恋人同士のように手を繋ぎ、しばし空中遊泳を楽しむ。一方、温孤は紅鸞を連れて葦原に到着した。しかしある地点まで来ると端木翠の気息が急に途絶えてしまう。…はっ!隔仙陣?幽王の死後、途絶えていた陣だ、一体、誰が?…その時、蚊男が偶然にも近くを通りかかった。温孤に気づいた蚊男は慌てて逃げようとしたが、温孤に足をつかまれてしまう。「端木翠はどこだ?!」「知るか!」温孤は蚊男に襲いかかった。すると蚊男は口吻を切り落とされ、動揺する。その時、紅蘭は助太刀するよう見せかけ、咄嗟に蚊男の前に立ちはだかった。「私を人質に…」つづく( ๑≧ꇴ≦)恐るべし制服マジックw
2022.11.06
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 1第5話端木翠(ダンムーツェイ)が現実世界へ戻った。笑顔で迎える温孤(オンコ)、そこで端木翠は鏡妖から託されたかんざしを見せる。するとかんざしが独りでに姿を変え、蓬莱(ホウライ)図の断片になった。蓬莱図は神仙の冊封後に消えたはず、なぜ人間界に断片があるのだろうか。端木翠は幽族の目的がこの蓬莱図だと分かったが、その理由までは見当がつかなかった。「幽族に使い道はないはずなのに…」端木翠はまだ目覚めていない夢蝶(ムチョウ)に鏡妖の修練を与えた。すると夢蝶は意識が戻り、目が見えることに気づく。「彼は9千年分の修練を差し出したのよ」しかし鏡妖を失った夢蝶は自暴自棄になって目を潰そうとした。端木翠は夢蝶の腕をつかみ、目を傷つければ鏡妖が苦しむと諭す。「元気を出して、彼はいつか戻ってくるかもしれないわ」「本当に?」夢蝶は号泣し、愛おしそうに銅鏡を抱きしめて家路についた。展顔(ヂャンイェン)の曙の炎を守るため紅鸞(コウラン)は手に火傷を負っていた。上官策(ジョウカンサク)から事情を聞いた端木翠は休むよう言ってくれたが、温孤の仕打ちを思うとやりきれない。すると中庭いる紅鸞のもとへ温孤がやって来た。温孤は端木が無事だったため命までは奪わないが、すぐ出て行けという。驚いた紅鸞はひざまずいて行き場などないと訴えた。九獄(キュウゴク)は大海亀の腹の中で四季も昼夜もなく、飢えた幽族たちが毎日のように殺し合っているという。「怖いのは一度、得たものを失うこと、草盧(ソウロ)から追い出されるくらいなら死んだ方がましです」紅鸞は覚悟を決めて目を閉じたが、結局、温孤は見逃し、薬を渡した。一方、温孤医院では迷夢に捕らわれていた元神が肉体に戻り、次々と被害者が目を覚ましていた。江(コウ)夫人は夫や義子たちの姿に気づき、自分のために皆が心配して集まってくれたと知る。「夢の中ではあなたが甘い言葉をかけてくれたのよ?顔児は嫁をもらったの…でも所詮、夢なのね」しかし中には夢に固執し、目覚めようとしない者もいた。展顔は迷夢から戻って来なかった。しかも身体の腐敗が始まり、上官策は呆然となる。実は展顔は両親を失った日への未練を捨てられず、迷夢の生家に足を踏み入れていた。『母上、遅くなりました…』『どんなに遅くなっても食事を用意して待っているわ』優しい母との時間、しかし時が止まっている母は展顔をまだ12歳だと思っている。『母上、私はもう25歳になりました…啓封(ケイホウ)府の捕頭ですよ、大人になったのです』上官策は端木翠に助けを求めた。しかし鏡妖は消散し、再び迷夢に入ることができない。すると展顔の様子を見ていた端木翠が急に上官策を引き離し、展顔の耳元で訴えかけた。「私の声が聞こえるでしょう?3つ目の条件をまだ果たしていないわ… 決めた、3つ目の条件は今すぐ目覚めることよ」温孤は取り乱す上官策を連れて出て行った。そこで端木翠は展顔に寄り添い、わざと心おきなく逝ってくれという。「これからは私が啓封府を取り仕切るわ、きちんとやれる、それで良ければずっと寝ていて もしそれが嫌なら直ぐに起きるのよ?今から3つ数えるわ…い~あ~さん!」その時、展顔が目を開けた。「本気か?」「何のこと?」端木翠は急に照れ臭くなって寝台から離れようとしたが、展顔が腕をつかんで引き寄せた。鼻と鼻が触れ合うほど接近する端木翠と展顔、しかしそこへ上官策が戻って来る。「顔顔!目が覚めたのか!」2人は慌てて離れると、上官策は喜んで展顔を抱きしめた。「そうだ、端木門主が細花(サイカ)流は啓封府に従うと言ってくれた」展顔は端木翠の揚げ足を取ったが、上官策が上仙の顔を立ててくれる。「啓封府と細花流は協力関係ですが、協力の仕方は端木門主が決めるべきです」すると上官策は念のため全快するまで展顔を預かって欲しいと頼んだ。神仙と神医がいる細花流にいるなら安心だという。「大丈夫、こんな弱った人を追い出さないわ…いいのよ、お代は日割りで計算するから」端木翠が出て行くと上官策は首を傾げた。今のが本気なら神仙なのにケチだが、冗談だとすればいつのまに展顔と端木翠はそんなに親しくなったのか。すると展顔は寝たふりをしてごまかした。「白状しろよ~どういうことだ?いつのまに仲良くなったんだよ?」展顔は聞こえないふりをしたまま、自分を守ってくれた端木翠の耳飾りを握りしめていた。端木草盧に珍しく客人が滞在し、端木翠の人形たちが押しかけた。しかし眠っていると思った客人が突然、目を覚ます。逃げろ~!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<ワーワー!そこに温孤が薬を持ってやって来た。「門主の部屋に置ききれない人形たちだ、門主は純真で好みも変わっている…可愛いだろう?」「(´・ω・`)お、おぅ」すると展顔はいつもこうして常に門主を見守っているのかと尋ねた。温孤は神仙になる前から門主に従って献身的に支えて来たと話し、もはや習慣だという。一方、九獄ではまともな茶も飲めず、長老が憤慨していた。崇城(スウジョウ)の決戦で幽王が死ななければ九獄に幽閉されることもなかったはず、その時、鏡に使者の姿が映る。{{{鏡妖も端木翠に敗れました…蓬莱図の断片は端木翠の手中に、まだ奪えていません}}}長老はかつて崇城を攻め落とした端木翠への恨みを募らせ、必ず蓬莱図の断片を奪えと命じた。しかし端木翠の三昧真火(サンマイシンカ)の威力はすさまじく、蓬莱図を乾坤袋に入れているため手が出せない。そこで長老はまず端木翠から法力を奪おうと決めた。「安心せよ、よき方法を授けてやろう」その夜、紅鸞は端木翠が寝入った頃を見計らって部屋に入った。しかしまだ寝ていなかった端木翠が寝所から現れる。「あ、洗濯するので門主の衣を取りに来ました」「洗濯なんて必要ないわ、神仙の衣は常にきれいで汚れないの」←そうだったのか?!w「でも着替えた方が…迷夢から戻ったばかりです 衣を薬湯に浸せば厄払いができて幽族も遠ざけられますよ」紅鸞は着替えを手伝おうとして乾坤袋に手をかけ、激しく吹き飛ばされた。「大丈夫?この乾坤袋は老君が創った品で幽族は近づけないの 触れば身体が傷つき、命を落とすことさえあるわ」「そうなんですか、驚きました」すると端木翠は一回転して新しい衣に着替え、そこまで言うならと洗濯を任せた。展顔は無事に回復、翌日に帰ると決めた。そこで化粧箱に入れた耳飾りを返したが、端木翠はすぐ失くすからと温孤に預けてしまう。翌朝、展顔は静養で鈍った身体を動かすことにした。すると背後から端木翠が奇襲をかけ、2人はしばし手合わせに興じて心を通わせる。「たかが人間が神剣の巨闕(キョケツ)を扱えるなんて…」「義父上から頂いた、江家に代々、伝わる宝だ」「(ちょっと貸して…)見覚えがあるわ、でも私は記憶力がない」「端木門主は道も覚えられないからな~」「馬鹿にしたわね?!」そこへ啓封府の捕吏たちが駆けつけた。実は昨夜、月心(ゲツシン)湖に水死体があがり、全身に水疱があったという。民は悪鬼の仕業だと騒いで怯え、金持ちたちはこぞって大金で道士を呼び、厄払いする始末だった。啓封府に運び込まれた遺体は検死の結果、もともと病弱で溺死と判断された。水疱はどうやら蚊に刺された痕らしい。遺品らしい遺品はなかったが、果物の砂糖漬けが残っていた。すると端木翠が乾坤袋から黒い粉を出し、遺体の手に吹きかける。「やっぱりね~」予想通り遺体の水疱は幽族が原因だった。温孤は水疱の患者たちを医館で治療した。しかし毒だと判明しただけで、それ以上、詳しいことは分からないという。すると手伝いに来ている紅鸞が果物の砂糖漬けを持って外へ出て来た。驚いた展顔はどこで手に入れたのかと尋ねる。「患者のご家族が温孤神医にと…月心湖で物売りからもらったそうです」展顔と端木翠が月心湖に到着する頃にはすっかり日も暮れていた。すると湖の小島に芝居小屋が見える。「天聖元年、袁彬(エンビン)が建てた芝居小屋だ…石と木が混然一体となり四方を見渡せる」「捜査と何の関係があるの?」「死者はここで溺死した、蚊に刺された痕もあった、きっと糸口がある…さあ、船に乗ろう」しかし珍しく端木翠は気乗りしないように見えた。「怖いのか?」「まさか!」芝居を見た端木翠は我が子のために全てを投げ出せる母親を見て感傷的になった。展顔はそれが母性だと言ったが、端木翠は我が子の世話をしない母親もいるという。「やむにやまれぬ事情があるのでは?」「事情?…本当にそうかしら」その時、鑑賞していた1組の夫婦が物売りから果物の砂糖漬けをもらった。夫人は夫に勧めたが夫は遠慮し、夫人だけが食べてしまう。すると夫人は独りでふらふらと歩き出したが、身ごもっていた。端木翠は幽族に取り憑かれた妊婦を見かけた。「待ちなさい!」すると夫人の身体から妖気が抜け出し、その姿が一瞬だけ見える。( ゚д゚)あ!つづく( ๑≧ꇴ≦)もう本当、楽しいわwそう言えば草花だと思ったら、門主の人形だったのね( ̄▽ ̄;)
2022.11.02
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 1第4話展顔(ヂャンイェン)は迷夢の中で胸を刺された。すると現実世界で眠っている展顔の胸から血がにじみ出て来る。温孤(オンコ)は仙術で心拍を安定させたが、中で何かあったのだと分かった。迷夢では端木翠(ダンムーツェイ)が深手を負った展顔を抱えて結界から飛び出し、啓封(ケイホウ)府に逃げた。そこで急いで手当てしようとしたが、展顔は神仙とはいえ女の端木翠に身体を見せるわけにいかないという。「命と名節、どちらが大事なの?!元神が傷つけば肉体は死ぬのよ?!」すると展顔は仕方なく自分で脱ぐと言った。端木翠は展顔の切り傷を火術で焼くことにした。「我慢して」展顔は激痛に顔を歪ませたが、やがて傷が閉じて楽になる。すると端木翠がまじまじと展顔の顔を見つめた。「美しいわ~お手入れ法は?肌がきれいね~」物おじしない端木翠に困惑する展顔、その時、急に江(コウ)夫人の叫び声が響き渡る。2人は慌てて正殿に駆けつけると、江夫人の身体に再び鏡妖が乗り移っていた。端木翠は人間の元神を奪った目的を聞いた。すると鏡妖は幽族の使者と取引したと答える。端木翠はその使者の狙いが例のかんざしだと気づいたが、鏡妖は江夫人の身体を捨てて逃げ出してしまう。鏡妖を追って朱雀大街へ飛び出した端木翠、しかし街は霧に包まれ、ただでさえ方向音痴の端木翠は道に迷った。その時、展顔が現れる。「端木門主、また迷子ですか?w」端木翠にとって鏡妖など敵ではなかった。しかし江夫人のかんざしを奪って何をするのか気にかかる。「展顔、あのかんざしに不思議なところはなかった?」「誕生日にだけ挿す嫁荷で、ごく普通のかんざしだった…」行き詰まった端木翠は温孤がくれた鏡妖の術を退ける水をまいた。すると霧が晴れて雨になり、人々は家路を急ぐ。展顔は端木翠が濡れないよう外套を広げてかばい、軒先に移動して雨宿りすることにした。その時、琵琶弾きの夢蝶(ムチョウ)が相合傘で歩いて来るのが見える。「鏡妖の目的が分かったわ…思った通りね」端木翠と展顔は夢蝶の家に乗り込んだ。驚いた鏡妖は逃げようとしたが展顔に阻まれ、端木翠から銅鏡を壊すと脅されてしまう。観念した鏡妖は全て夢蝶のためにやったと認め、実は蓬莱図の断片と引き換えに幽族の使者から人になる方法を教えてもらうはずだったと明かした。「蓬莱図と江夫人のかんざしに何の関係が?」「かんざしは図ではないが、蓬莱図も図とは限らぬ」「図じゃない?何を言ってるの?」端木翠は意味がわからなかったが、幽族の使者に騙されていることだけは事実だ。幽族が人になるには千年の修行が必要で近道などない。鏡妖ももちろん知っていたが、普通の人間である夢蝶は100年も生きられず、急がねばならなかった。「邪魔はさせぬ…たとえそれが神仙だろうと…」鏡妖は雄叫びを上げ、迷夢と一緒に端木翠たちを葬ることにした。「展顔…決戦が始まるわ」そこで端木翠は折り鶴を外の世界へ送り、今すぐ夢蝶を送り込むよう頼んだ。「鏡妖の法陣を破る鍵は必ずここにあるわ…展顔、私を信じて」「端木門主、君を信じている」迷夢が崩れ始めた。すると夢蝶の幻影が消え、街も次第に消え去って行く。端木翠は咄嗟に結界で守ったが、展顔の身体も透け始めた。「私の元神も長くはもたないだろう…君は早く離れろ」しかし端木翠は展顔を救うため、自分の元霊(ゲンレイ)を与えてしまう。一方、現実世界でも温孤が自分の元霊で曙の炎を守っていた。紅鸞(コウラン)は上仙の根幹に関わると止めたが、温孤は何としても端木翠を守らねばならない。温孤は炎が安定したところで上官策(ジョウカンサク)に見張りを任せ、夢蝶を探しに行くことにした。「この火は展大人の命も同様、誰も近づけてはならぬ」すると紅鸞(コウラン)を外へ出し、法陣の中に閉じ込めてしまう。「千年前、お前は私を邪魔して端木を死なせた」「今はここが私の家、どうか私を信じてください!」「私は端木しか信じぬ」端木翠は鏡妖が戻って来たことに気づき、銅鏡に一撃を与えた。ついに姿を現した鏡妖、しかし応戦した展顔が反撃され、曙の炎が消えかかってしまう。見かねた紅鸞は内傷を負ってまで法陣を破り炎を守ったが、そこへ夢蝶を連れて温孤が帰って来た。事情を知った夢蝶は迷夢に入ることに同意、温孤は夢蝶に法術をかけると、端木翠への伝音符を託す。…あと1年で修練を終える…迷夢に夢蝶が現れた。幸せな夢の世界では目が見える夢蝶、しかし鏡妖は激しく取り乱し、自分を見るなと怯えてしまう。「あなたなのね…分かってる」その時、展顔が壁に浮き上がる文字を見つけた。端木翠はその意味を悟り、展顔にもう少しだけ我慢して欲しいと頼む。「私は心のしこりを解く、あなたは結界を守って」温孤は夢蝶を送り出すと、法陣を破った紅鸞を叱責した。実は結界は紅鸞の接近を防ぐただの壁に過ぎず、展顔を守っているのは端木の耳飾りだという。するとその場にいた上官策と青花(セイカ)小仙が紅鸞は危険を顧みず展顔を守ってくれたと証言した。鏡妖はあと1年の修練で人になれたと聞いた。夢蝶のため気が急く心を幽族の使者に利用され、人になる夢が水の泡になったという。その時、結界を守っていた展顔の力に限界が来た。端木翠は早く決着をつけようとしたが、展顔は夢蝶たちが向き合える最初で最後の機会を守りたいという。仕方なく端木翠は一緒に結界を守り、夢蝶と鏡妖の心のしこりが解消されるのを待った。…あの日、夢蝶はうっかり鍛冶屋の店先に迷い込んだそこで偶然、人間に捕まった鏡妖の化粧箱に触れ、縁を感じて買うことにする鏡妖は命の恩人に感謝し、人になる修練中の妖怪だと明かした『私では力になれないわ…もっと用心してね』夢蝶は鏡妖を自由にして帰って行った鏡妖は初めて優しくしてくれた夢蝶を忘れられず、夢蝶の目の代わりになろうと考えたそこで美しい銅鏡となって天香(テンコウ)楼の店先に並ぶ鏡妖はここで人間の身体を借り、夢蝶を見守って来たのだ…実は夢蝶は鏡妖がそばにいることを感じ取っていた。「どれだけ人がいてもあなたの存在は分かる」そこで夢蝶は無辜の人々を解放し、2人でここに残ろうと懇願した。人にならねば夢蝶に寄り添えないと思っていた鏡妖、しかしようやくそれが間違いだったと気づく。すると端木翠が2人の間にある結界を外した。鏡妖と夢蝶はついに抱き合い、涙した。展顔は意外にも端木翠が愛し合う2人に情けをかけたと驚いたが、端木翠は照れ隠しに人助けが好きだと言う。「人間は容貌に惹かれると思ってた、でも本当の愛もあるのね」「心を惑わすのは情だ、容貌ではない」「幸い神仙の情は情債(ジョウサイ)箱に封じられてる さもないと蓬莱(ホウライ)中で男女がイチャついちゃうわ…さ、もう時間よ」鏡妖は独りでもしっかり生きるよう言い聞かせ、夢蝶に幸せな記憶を贈って現実世界へ戻した。夢蝶は最後まで一緒にいたいと泣いていたが、光の中に吸い込まれ消えてしまう。…来世があれば君と幸せになりたい…鏡妖はかんざしを端木翠へ返した。そして最後に自分のこれまでの修練を使って夢蝶に光を取り戻したいと懇願する。「夢蝶の目となり、この世の彩りを見てみたい…」「約束するわ」こうして鏡妖は消えた。すると展顔の身体も次第に消えて行く。「人は夢ではなく己の心に囚われている…細花流で会いましょう」「(コクリ)」つづく(  ̄꒳ ̄)いや容貌もありじゃない?w
2022.11.01
コメント(0)
玉昭令 No Boundary Season 1第3話展顔(ヂャンイェン)の義母・江(コウ)夫人が屋敷に戻った。行方を探していた展顔は急いで駆けつけたが、夫人の様子は明らかにおかしく、部屋の中を荒らし回っている。「義母上、何をお探しですか?」「誰かと思えば″展捕吏″じゃない?…大した物じゃないの、気を使わないで」展顔は大人しく出て行ったが、江夫人の態度や口調はまるで別人だった。すると話を聞いた上官策(ジョウカンサク)が細花(サイカ)流に協力を仰ぐよう提案する。未だ怪事件の捜査に進展は見られず、劉家の次女もやはり昏睡状態で見つかっていた。しかも百文書房の息子の身体からは腐敗臭が漂い始め、幽族の仕業の可能性が高いという。一方、端木翠(ダンムーツェイ)は哀れな桃花の妖怪・紅鸞(コウラン)に同情し引き取ることにした。そのおかげでやっとまともな料理にありつけたが、そこへ温孤(オンコ)の折り鶴が戻ってくる。どうやら啓封(ケイホウ)府に幽族が現れたらしい。端木翠はあの傲慢な捕吏が頭を下げに来るかと思うと夜も眠れなかったが、さすがに待ちくたびれた。٩(๑≧ꇴ≦)۶ キィィィー!まだ来ないわ!まさか別の神仙に?…イヤイヤイヤ、そんなのいないし…するとついに啓封府の展捕吏が訪ねて来たと知らせが届いた。展顔は義母を救うため細花流にやって来た。主の導きがなければ渡れない端木(タンボク)橋、しかし展顔は巨大な木の精を振り切り、見事、草盧(ソウロ)へたどり着く。すると草盧では草木はもちろん、ありとあらゆるものが元神を持ち、人間の言葉を話していた。端木翠が現れた。展顔は潔く自分の見識が浅かったと認め、端木翠に従うという。そこで端木翠は3つの条件を提示した。「1つ…人族はあなた、幽族は私の管轄で、2つ…他の神仙に頼らないこと 3つ…3つ目は思いついたら言うわ」「はお、約束する、では行こう」すると端木翠は急に砂埃を巻き上げ、姿を消してしまう。↓「門主は啓封府へ向かったよ?急いで追いかけて!」展顔が啓封府に駆けつけると、ちょうど端木翠が江夫人に火術を放ち、妖気を追い出していた。すると元神を失った夫人はそのまま倒れてしまう。「これを飲ませて!温孤の薬よ!」端木翠は逃げ出した妖気を追って飛び出し、展顔も義母の世話を頼んで追従した。江夫人に乗り移っていたのは鏡妖だった。鏡妖は映した者の元神を奪って身体を支配、しかし用済みになって捨てられた身体は生ける屍になるという。「鏡は人の心を映し出す…鏡妖は人の心をもてあそぶわ、惑わされないでね」すると展顔は江夫人も他の被害者に共通する頬紅を購入していたと思い出し、天香(テンコウ)楼が怪しいと気づいた。端木翠は確かに鏡妖が天香楼へ逃げ込んだと教えたが、その前に露店で人形を買って欲しいという。誰もいない天香楼、鏡妖は商品の鏡で店内に陣を敷いていた。そこで端木翠は展顔にも対の人形を持たせ、さらに指にお守りの朱砂(シュシャ)をつけておく。「感謝してね」展顔には意味が分からなかったが、ともかく端木翠と一緒に鏡本体を探すことにした。端木翠は香炉の中に隠れている鏡本体を発見、法術を放った。驚いた鏡は外へ飛び出し、無数の鏡をぶちまけて展顔目がけて光を反射させる。あまりの眩しさに腕で目を覆う展顔、しかしその一瞬の隙に鏡も端木翠も消えてしまう。「端木門主?…端木門主!端木!」展顔が端木翠を探していると、ふいに後ろから端木翠が現れた。安堵した展顔だったが、なぜか急に端木翠が誘惑して来る。展顔は咄嗟に手で制止すると、指の朱砂が光って端木翠が吹き飛んだ。…(はっ!)前合わせが逆だ、それに腰の乾坤袋と人形の位置も逆になっている…そこで展顔は端木翠に商品の頬紅を勧めてみたが、やはり偽物だと確信した。偽物だと見抜かれた端木翠は鏡の中へ逃げ込み、展顔に襲い掛かった。すると突然、展顔の前に姿見が現れ、妖気を吸い込んで行く。{{{ぐはっ!揃いの人形でだましたな?!}}}その時、潜んでいた端木翠が飛び出し、吸い込まれた鏡妖を封印しようとした。しかし勢い余って姿見が割れ、店内に舞った頬紅でくしゃみをしているうちに逃げられてしまう。端木翠は展顔と偽物の様子を全て見ていた。しかし展顔は端木翠に迫られても動じず、冷静に偽物だと見抜き、なかなか見込みがあるという。「でもなぜ偽物だと分かったの?」「くしゃみをしなかったから…」「だから頬紅を嗅がせたのね」その時、隠れていた鏡本体が光を放って香炉めがけて飛んで来た。展顔は咄嗟に端木翠を守るため、図らずも抱きしめてしまう。「ぁ…他意はない、やむを得ずだ」端木翠は元神を奪われた被害者たちを温孤医院へ集めた。そこで温孤が法術で一時的に肉体を守ったが、一刻も早く元神を取り戻さなければ死んでしまう。しかし迷夢(メイム)に逃げ込んだ鏡妖を引きずり出すのは難しかった。展顔は自分たちが入れば良いと言ったが、端木翠は下手をすると永遠に戻れないと警告する。「あなたに入る資格があるかしら?鏡妖は心のしこりに寄って来るわ」「…人は誰しも心に傷がある」「決まりね、私の足を引っ張らないでよ?」「お互いにな」すると端木翠は展顔の腰につけていた対の人形を回収した。端木翠は展顔たちを連れて端木草盧に戻った。すると展顔は幽族の紅鸞が細花流にいると知って驚く。しかし紅鸞は事件とは無関係のため、幽族と言っても特に追求はしなかった。温孤は端木翠が持ち帰った香炉に法術をかけて鏡を出した。鏡の向こうは人の執着を映した鏡妖の世界、端木翠は心を奪われたら死が待っていると展顔を脅かす。「怖い?」「まさか、端木門主が一緒なんだ、君が連れて帰ってくれると信じている」すると端木翠は展顔に法術をかけて眠らせた。「信頼に応えないとね」そこで温孤は端木翠に鏡妖の術を退ける水を渡した。「外は任せてくれ、帰りを待ってる」「うん、すぐ戻るわ」端木翠は展顔の夢を頼りに鏡の世界へ入ると、温孤は曙の光で法陣を固めた。翌朝、司法星君・楊鑑(ヨウカン)が草盧に現れた。温孤は端木が鏡妖を追って迷夢に入ったと報告する。そこで楊鑑は鏡妖の運簿を確認、すると千年の修練を終えて来年には人形(ヒトガタ)を得ると分かった。「人間界で悪さをすれば全て水の泡だな…」ともかく楊鑑は端木が男と二人きりで情が芽生えることを心配し、温孤にしっかり見張るよう命じた。展顔は幼い自分が両親と幸せに暮らしている夢の中にいた。しかし端木翠に引き留められ、敷居をまたぐ前に我に返る。「これはあなたを狙った鏡妖の罠よ…足を踏み入れたら出られない」「…あの日、私は遊んでいて帰宅時間が遅れた、その日から私に親はいない」すると端木翠は人の心を捉えるのは己の悔恨や欲望で妖術ではないと言った。端木翠と展顔は鏡妖の手がかりを求め、迷夢にある天香楼へ向かった。すると朱雀大街で現実で昏睡している被害者たちを見かける。百文書房の息子は足が不自由で車椅子だったが、元気に飛び跳ねていた。箱入り娘の劉(リュウ)家の姉妹は人見知りだと聞いていたが、別人のように愛想が良い。その時、2人は江夫人を見つけた。江夫人は迷夢の中で優しい夫と仲睦まじく暮らし、喜んで展顔と端木翠を迎え入れた。そこで端木翠は自分を展顔の許嫁だと思っている江夫人に話を合わせ、一緒に婚礼の宝飾品を選ぶ。展顔はふと義母が子供たちにそろそろ身を固めるよう勧めていたことを思い出した。すると端木翠は江夫人の頭にあるかんざしに目を留める。「あ、これ?私の嫁荷(ヨメニ)なの、どうかしら?」江夫人は自分のかんざしを抜いて端木翠の髪に挿し、2人で散歩にでも行くよう勧めた。展顔と端木翠は庭へ出た。これは江夫人の心が反映された夢の世界、端木翠は江夫人が現実では広い屋敷で孤独なのだと気づく。「寂しいのね…女って自分を愛し、守ってくれる夫が欲しいのよ」「おう?なぜ分かる?」「月下老人に聞いたの、人間の流行本にも書いてあるし…まあ~お子ちゃまには分からないのよ」シ^ω^)ノシ☆バンバンヾノ。・ㅅ・)ノシその時、急に風が巻き起こり、端木翠がくしゃみをした。展顔は薄着の端木のため外套を脱ごうとしたが、端木翠が止める。「寒くない、ただ妙な匂いがするの」すると急に端木翠が展顔に抱きついた。「動かないで、鏡妖が心を探ってる、惑わされてはだめ…」端木翠は鏡妖が接近するのを待っていきなり法術を放った。しかし鏡妖は上手くかわし、隙をついて端木翠のかんざしを奪って逃げてしまう。「鏡妖は銅鏡の姿をしていた…攻撃もせず、かんざしだけ奪って行くなんて」2人は鏡妖を追って再び朱雀大街へ出た。{{{端木翠!細花流とは因縁がないのに、なぜ私の邪魔をする!}}}「江夫人のかんざしを奪った目的は何?!」すると鏡妖は迷夢に閉じ込められた人間たちを操り、2人を殺せと命じてしまう。端木翠は咄嗟に結界を張った。豹変した人間たちは結界に跳ね飛ばされたが、その時、展顔が百文書房の息子を助けようとして結界から飛び出してしまう。「もう大丈夫だ」しかし子供がいきなり展顔の胸を刺した。つづく( ๑≧ꇴ≦)キィャアー!私の展顔ががが!
2022.10.31
コメント(0)
全52件 (52件中 1-50件目)