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2010.12.28
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テーマ: 児童虐待(213)
カテゴリ: カテゴリ未分類
12月24日、クリスマスイブだというのに、
支援学級の1年生Y君が大荒れ。
登校してから何と4時間も回りのものを蹴ったり、
たたいたり、作品を引きちぎったり、先生に暴言を吐いたり・・
要求は「家に帰せ」ということ。

落ち着いてからよくよく聞いてみると、
夕方母親と兄、双子の妹が病院に連れて行ってもらえるのに、
自分だけが3歳の弟と留守番しなければならないことが納得できず、
家でぐずっていたのに、


そもそもなぜ病院かというと・・。

前日の23日、天皇誕生日で学校が休みの朝、
いつものように激しいきょうだい喧嘩が始まる。
特にY君と、小学校5年生の兄との間で延々と続く。
きっかけは本当に些細なこと、
大体兄がちょっかいを出すことから始まるらしい。

でもY君は特性もあり、そのちょっかいが我慢できずに
「やめてよ」「いやだ」「あっちいけ!」と何時間でも叫ぶ。

堪忍袋の緒が切れた母親、
ちょっかいを出す兄と取っ組み合い、耳のところを思いきりげんこつでたたく。
そして「いつものように」パンきり包丁を持ち出し、

それでようやく静かになる。

しかし「わざと」ほうりっぱなしにしていたその包丁を
3歳の弟が振り回し、
一人おとなしくしていたY君と双子のA子のぼっぺたを切る。

兄が「耳が痛い」というが休診のため

ほっぺたをけがしたA子も応急処置をしていたものの、
7センチも切れていたため、病院につれていくことにした。

そのことを聞いたY君、もともと母子分離不安があり、
虐待による精神的不安定さもあり、
3歳の弟と二人きりになるという恐怖もあり、
「家に帰せ」「自分も連れて行け」と4時間も泣き叫んでいたというわけである。

学校は「急を要する」と判断、
昨日夕方、父親も同席の上、
児童相談所から2名、家庭教育支援室から1名、
校長、教頭、私、支援教育主任、支援学級担任、支援員の
大人数での対策会議を開くことにする。

「言葉による脅迫」「布団蒸し」「体罰」など、
虐待行為は今に始まったことではない。
その事実を児相も支援室も把握している。
しかし有効な手立てが打てず、今日まで来た。

そもそも父親が子育てに関与していない。
市場勤務で早朝から夜遅くまで働き通しという事情もある。

協議の中で、
そもそも父親がY君の発達障害を受け入れていないことがわかった。
ADHDの子どもに多く見られる特徴の一つ、「父性」に対する従順さのため、
父親の言うことは絶対で、父親の前ではおとなしくしているためである。

父親は、きょうだいげんかも「よくあること」という認識。

経済的に苦しいこともあり、
母親が精神的に追い込まれていることを訴えても、
父親の反応はにぶい・・。
やりくりができないはずはないと言うのみ。

以前私も個人的に父親と話をしたが
「母親だけが悲劇のヒロインか!」という反応。

子育ての仕方が悪い、と母親に暴力をふるうこともあった。
母親も黙っていないため、取っ組み合いの夫婦喧嘩になる。
それを見なければならない子どもたちも不幸である。

しかし母親は父親の逆襲も覚悟で、
児相、支援室の同席を自ら求め、
この会にこぎつけた。

母親自ら「このままでは何が起こるかわからない」
「感情を抑えきれない」と訴えている。

精神的な症状も出ているため、
医者に通い、処方されてもいるが、
継続して服用しないため、効果がない。

しかし結論としては、むなしい会に終わった。
父親が全くぴんときていない。(ふりをしているだけか?)
児相の助言も届かない。
支援室の助言も母親をかばっているとしか受け止められない。

冬休み、母親はさまざまな方法で
子どもを預けようとしている。
長時間一緒にいると気が変になりそうだから。
それがますますY君を不安にさせる。
「母親に捨てられはしないか」という恐怖である。

冬休みがあけ、
再び学校が始まってからY君は
どんな様子になるだろうか。

この2ヶ月、Y君は毎朝調子が悪いが、
薬を変えたことも要因の一つだと
医者はみている。
学校より家での安定をとったためだと説明を受けている。
家で荒れると母親が逆上するからだ。

結論も方向性も出ないまま会は終わった。

学校としては、
児相の判断で母親を引き離し、
精神的な治療を本格的に始めること、
その間、父親が養育できないとしたら、
そのための支援を具体的にとること。

しかし実現はかなり難しそうだ。
児相が動くのは、
もっと恐ろしいことが起こったときなのだろう。
前回もそうだったから・・・。





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最終更新日  2010.12.28 06:38:40
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