ライフキャリア総研★主筆の部屋

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2003年03月31日
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 それはそれで善きこと哉(って武者小路実篤かい?)。

 テーマは資格についての話である。縁あって私がリクルートの下請けの会社に就職し、フリーとして独立後も就職のジャンルを専門に書いてきて20年。4月1日から21年目に入る。

 均等法前夜、均等法施行~バブル期、バブル崩壊~改正均等法、そして現在までと、働く女性にとっての4つの大きな節目を経験してきたのだった。

 そこで、5月号の某女性誌に人気資格の栄枯盛衰について執筆することになった。人気資格の歴史を追いつつ、資格の正体、人々が資格に抱く期待と実効性とのギャップなどが明らかになればという趣旨である。

 その打ち合わせを兼ね、用意していただいた応接室で2時間少々、おしゃべりを楽しんだ。

 随分と色々なことを話したが、中でも頭に引っかかって離れないのは、今後、さまざまに出てくるかもしれない在宅勤務向けの資格である。

 某電話会社の関連会社(某NC社)がつくったインターネットの専門知識を問う資格試験がある。新聞広告などを通じて派手にPRしたので、ご存知の方も多いだろう。ネットを通じて受験することもできるらしい。

 合格後、在宅勤務の道が開けるというのが、この資格の最大の特徴ではないだろうか。第1回目の試験に先立って取材したことがあるが、当時は画期的なことのように思われた。

 合格者のうち、在宅勤務を希望する人は、自費で養成研修を受ける。その成績が優秀であれば、某NC社と契約した下請けの会社を通じて、個人事業者として仕事を請け負うことができる。

 仕事の内容は、インターネット接続のセットアップの方法を電話でサポートするというもので、NC社のプロバイダー事業部門のコールセンターにかかってきた電話を自宅の電話に転送してもらう。

 転送に必要なTAは無料で貸与してもらい、ネット接続料金や電話料金の負担はかからないが、自宅に自前のパソコン、それもWindowsの最新バージョンがなければ話にならない。ノルマは月間150件が目安だという。1ヶ月に20日間働くとして、1日7~8件こなさねばならない計算だ。

 相手はパソコンもインターネットもまったく初めてという顧客……おそらくは高齢者と専業主婦のおばさまが多いのではないだろうか。セットアップにかかる時間はどのくらいだろう。スムーズに行けば10分程度かもしれないが、人によっては30分以上かかるケースもあるのでは?

 30分平均と大目に見積もって1日4時間勤務なら悪くないかな。しかし、自宅で仕事と生活の線引きをするのは、かなり大変ではないだろうか。

 会社側からすれば、自前で大規模なコールセンターを抱えるのに比べれば、事務所、パソコンや電話などの設備、人件費すべてを節約できる。

 一方、在宅で何か仕事をしたいと望む人たちにとっては、資格試験を受け、研修を受けるだけで、仕事を受注するシステムに乗れるのだから、楽といえば楽だ。

 需要側と供給側のどちらにも損はないか?

 果たしてそうだろうか。

 何かの事業を起こすときに、会社は人を集め、人を育て、人材を人財に変えることで高品質の商品やサービスを提供し、利潤を上げてきた。

 企業は、株主その他のあらゆるステークホルダーのために存在を継続させる社会的責任を帯びている。近頃は社の存続を優先させるために、採用と育成を犠牲にするという理屈がまかり通っているが、これでいいのだろうか。

 正社員は最小限に抑え、法定福利厚生費を含めた人件費の安い派遣社員、パートタイマーあるいは、アウトソーシング会社へ丸投げにするという風潮が定着してきている。

 だが、職業倫理、企業の社会的責任の見地から見て、アウトソーシングにも限度があるのではないだろうか。

 企業は少人数の経営幹部のみで、実際の仕事は全て個人事業者へアウトソーシングするという形も理屈の上では成り立ち得る。何百という個人事業者を管理するのは大変なので、間に下請けの会社が1社ぐらい入るだろうが。

 個人事業者というのは、相当にキツイ。健康保険や年金の手当ては自分でしなければならないし、病気などで休業せざるを得なくなったときの保障も自分で備えなければならない。私のように向く人もいれば、向かない人も多い。

 近頃何かと「自立と自己責任」ということが叫ばれるが、全ての人が究極の自立型である個人事業者(フリーエージェント)を志向するような社会は、果たして幸せなのだろうか。

 反管理思想を貫いてきた個人主義者の私だけれども、日本的な牧歌的な集団主義も悪くないのではないかと感ずるようになってきた。

 選択肢は多いほうがいいけれども、振り子がどちらか一方に振れすぎるのは良くない。

 まあ、別に悪いとばかり非難しているわけじゃないから、実名を出してもいいかな。

 その意味で、ドットコムマスターという資格は、民間版のフリーエージェント資格第一号として評価に値するものなのかもしれない。複雑な心境だが。

 戦後、農業や商業の個人事業者は急速に減り、サラリーマンが急増したが、IT革命はその先のシナリオとして、IT依存型の個人事業者を多数生み出そうとしているのだろうか。

※31日夜まではドットコムマスターの公式ページに、この上記の在宅勤務システム「CAVA事業」の詳細がFAQに載っていたが、なぜかいまは削除されていた。CAVA事業を100%出資の子会社へ移管したからか? 別ページを発見したのでご紹介しておきます。

http://biz.ocn.ne.jp/master/cava.html

 う、よく読むとocnへの加入勧誘業務も含まれている。ううむ。大手プロバイダー業者もマルチ的商法に手を染めたか。





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最終更新日  2003年08月22日 10時05分02秒


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