ライフキャリア総研★主筆の部屋

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2003年08月21日
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 お気に入りの作家の最新刊からチェックする。「読書ノート」に貼り付けた書籍広告を思い出しながら……。

 購入したのは次の5冊。

 関川夏央著『「世界」とはいやなものである 極東発、世紀をまたぐ視線』(NHK出版)
 野田正彰著『背後にある思考』(みすず書房)
 荒川洋治著『忘れられる過去』(みすず書房)
 池澤夏樹著『神々の食』(文藝春秋)
 田澤拓也著『無用の達人 山崎方代』(角川書店)

 田澤氏を除き、あとの4人は昔からおなじみの、私の心のボーイフレンド。思いっきり抱きしめたい気分だ。

 関川さんは、独特のシニカルさというか、フツーとは違う視点から世の中を切り取って見せる文体が好き。彼の書く探偵モノが好きだったのに、最近、書いてくれないのが寂しいな。

 表題の「世界とはいやなもの」というのも、誰も言わない言葉だよなあ。本の腰巻に曰く、「私は1979年から韓国を、80年代なかばから北朝鮮を研究的に眺めてきた。87年にはじめて北朝鮮を「観光」し、そのレポートを書いた。それ以前の少なからぬ日本人記者、学者、作家の訪朝報告に対しては、このひとたちは北朝鮮でいったい何を見たのかと現場を踏んであやしんだ。それらは例外なく北朝鮮に好意的だったが、その根拠がどこに求められるのか理解できなかったのである」。

 どうです? 読みたくなりませんか?(と、私が宣伝してどうする!)。

 野田さんは、私が最も尊敬する人物で、なれるものなら彼みたいな精神科医になりたかった。現代社会についての批評にあらわれた慧眼、そしてその背後にあるどっしりとした徳性よ!すばらしい。

 この本は、3年半にわたって書き綴られた信濃毎日新聞連載のをまとめたもの。戦争、犯罪事件、教育問題、精神科医療などについて辛口に論じたエッセイ集だ。どのページから手繰っても気軽に読めそう。「筆休め」の小休止にはもってこいだ。

 荒川さんとはお付き合いし始めてまだ日が浅い。独特の作風をもつ詩人で、さすがに言葉についての感性が鋭く、大いに刺激される。同じみすず書房から出ている『夜のある町で』を読んでから、目が離せなくなった。

 池澤さんは、沖縄へ移住した小説家で、どうやら本妻を棄てて愛人とともに住んでいるらしい。沖縄の風物についてのエッセイが心地よく、南の島からの風の気配を伝えてくれて快適。平和についても一家言あり、イラク問題や日本国憲法について論じた近著もある。

 田澤さんの著書を読むのは今回が初めて。経歴をみると、ノンフィクション作家で、寺山修司についても書いている。今回買った本は、表題のとおり、無頼の歌人である山崎方代の生涯を描いたノンフィクションだ。

 腰巻をまたも引用すると、「太平洋戦争で右目を失明、生涯独身、結社に属することなく自由に短歌をよんだ山崎方代の人生を、新事実とともに描き出す正統派ノンフィクション!」。

 山崎方代について知りたいを思っていたので、ちょうどタイミングが良かった。

「茶碗の底に梅干の種二つ並びおるああこれが愛と云うものだ」

「柚子の実がさんらんと地を打って落つただそれだけのことなのよ」

 飄々とした作風に見えて、実は血のにじむような推敲の果てに搾り出される言葉なのだそうだ。方代を知る人からのインタビューをもとに、見てきたかのようにその場を再現する手際が見事だ。というわけで、まずこの本を昨夜の添い寝の友に選んだのでした。

 ボーイフレンドがいっぱい。うれちいな。






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最終更新日  2003年08月21日 10時41分18秒


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