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2003年12月29日
運動納め
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私が通っているジムは、昨日で年内営業は終了。新年は、な、なんと元旦から営業します。私は大酒飲んでへろへろ~の日なので、行けてもせいぜい風呂だけかな。
昨日は、ある1本のプログラムのために、忙しい中、無理して行ったのでした。新年から経営システムが変わり、ジムの名称も変更になるにあたって、そのプログラムが廃止になってしまう……最後のレッスンだったのです。
「スピニング」といって、固定式自転車を定員15人の少人数クラスで45分間、ひたすら漕ぐ、漕ぐ。ツーリングをイメージし、山あり、凸凹道あり、平らな道のトライアルレースあり。
エアロビクスに比べると、カロリー消費量は2倍といいますが、何せ、単調な自転車漕ぎのため、飽きられやすいのかも。最初はレッスン開始前に行列ができるほどの人気だったのが、最後のほうでは私1人だけとか、誰も来なくてインストラクターは仕方なく、自転車をせっせと磨いて帰ったなんてことも。
私は好きだったなあ。自分をいじめるタイプの運動の仕方が性に合っているのかもしれない。手元のダイアルを回して負荷を調節できるので、山道のときは思いっきり重くして、踏ん張る、踏ん張る。体重をかけたペダル側に身体を傾け、全体重を預けるようにして、負荷と闘う。「音楽に遅れてもいいから、思いっきり重く!」というインストラクターの指示に対して忠実すぎるほどに従ってやるの。あとほんの少しかけすぎたら、自転車が倒れるかと思うくらい、身体を斜めにして。
平坦な道のイメージでは、足の動く速さの限界に挑戦する感じで、猛ダッシュする。「いちばん最初にテープを切るのはワタシよ!」ってイメージしながら。ペダルの回転に加速がついてくると、足を持っていかれそうな感じがする。それに耐えてさらに加速すると、宙を浮きそうな感じがしてくる。
凸凹道のイメージでは、立ち漕ぎと座り漕ぎを交互に繰り返す。8拍立ち&8拍座り、4拍立ち&4拍座り、2拍立ち&2拍座りの3パターンがあって、それぞれ数回ずつ繰り返す。オプションで通常の倍速にしてもいい。1曲の最後まで倍速でやり通せる人は私のほかにいなかった。それがまた快感。意外に負けず嫌いで「1番大好き」な自分を発見したのでした。
それでもやはり、汗をかく量は体格の大きな男性には適わないのでした。すごい人になると、自転車の周囲に池のような汗だまりができる。私は五百円玉より少々大きな程度の汗だまりが5、6個できる程度かな。
なぜ、こんなに私がスピニングにハマったかというと、それはなんと、
自転車に乗れない
自分も運動嫌いだったから、「お前には自転車は無理だ」という親に素直に従ってしまった。何せ、かけっこはいつもビリ、鉄棒も跳び箱も全然ダメ、全くやる気がない。球技はわりと好きだったけれど、私が同じチームになると、運動神経のいい連中があからさまに嫌な顔をするのを見て、絶望的な気分になったものだった。いまの子どもたちは、そんなとき「いじめ」という言葉を使うのだろうなあ。
しかし、「やられたらやり返せ」が私の信条。運動でダメなら勉強があるさと、よく回る舌と頭を使って、誰も知らない知識をひけらかしたり、学級会の討論のときなどは、運動オンリーでお馬鹿な男子どもを口撃してやったものだ。その当時から、私の口は凶器として磨きをかけられるようになった。じつに嫌な奴だった。いまでも片鱗が残っている。
人は誰しも得手、不得手がある。優越感と劣等感が同居している。どちらか片方しかもっていない人間など、この世にひとりも存在しないのではないだろうか。
年をとってみて、いまは「劣等感」の甘みと毒の両方が分かってきたような気がする。劣等感は、その劣等な状態から抜け出そうとするエネルギーの根源でもある。よく言われる「ハングリー精神」だ。ただし、この麻薬が効きすぎると、その劣等部分の克服のみに集中してしまい、他に配慮が行き届かなくなり、利己的な行動に走りがちだ。傷ついた自分は、その傷を癒すために、他人を傷つけても赦されるのだという妄信を抱くのではないだろうか。
一方、劣等感を抱く者は、この世でいちばん虐げられた弱い者であり、まっさきに救済されるべき存在であるという意識も働く。
いまの私には、「分相応」という言葉が一番しっくりくる感じだ。自分の枠から、過剰マイナスのカタマリも、過剰プラスのカタマリもはみ出さないように、あるがままの状態を自然に保てること。それが私にとっての、「分相応」のイメージだ。
「分相応がいちばんいい」という言葉は、ある日突然、空から降ってきた。初対面の人や、滅多に会わない人ばかりの、あるパーティに参加していたときのこと。
以前の私は自意識過剰なところがあって、変にしゃべれなかったり、その逆に自分を認めてもらおうと思ってしゃべりすぎ、場違いな失言をしてしまったり。そのどちらかに傾きがちだった。
ボーイフレンド探しとか、そんなつもりで出たパーティも以前は多かったし。だから、売り込まなくちゃいけないし、いい人がいないなと思えば、なーんだと、しらけるわけです。
でもその夜は、「分相応でいいんだよ」「自然体でいいんだよ」って言葉が、自分の中から聞こえてきた。おかげでとてもリラックスして会話を楽しめて、今後の仕事につながりそうなコネクションもできちゃった。
スピニングの話から始めて、ずいぶん遠いところまで来てしまった。地図もなく、力加減も考えずに無謀な旅に出るよう……まるで私の人生みたい。
何事も二極で考えがちなこの世の中だけれども、中庸、分相応といった東洋的叡智もちゃんと存在しているということを、時々思い出したほうがいいのではないかなあ。
そんな年よりくさいことを考えつつ、2003年という年は暮れていくのでした。
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最終更新日 2003年12月29日 13時23分18秒
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