ライフキャリア総研★主筆の部屋

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2009年06月26日
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カテゴリ: 女性労働研究
育児休業は、小さな子どものいるワーキング・マザーだけの「問題」ではなく、みんなの「問題」であると思います。

育休を取りたくても、自分が休んでいる間に職場の仲間に負担をかけるのが嫌で、取らずにがんばる人もいれば、「当然の権利よ!」と育休を取り、育休開けに電話一本で退職の意思を告げる人もいる。また、短時間勤務を利用して、定時になれば仕事が残っていても他の人に押し付けてさっさと帰る人もいる。周囲の迷惑を顧みない育休取得者のことを「育休KY」と呼ぶそうです。

うーん、頭が痛いですね。

私のようにフリーランスで24年間も仕事を続けてきた者の目から見ると、組織で働く人は、どうしてもっと分業や協働を上手にできないのかなあと不思議でたまりません。

持ちつ持たれつ、お互い様の精神があって成り立つ共同体。誰かが他の誰かに一方的に依存し、もたれかかっていると、依存された側は不快にも思うし、やがて疲弊もするでしょう。

「どうせ自分は組織の中の1つの小さな歯車に過ぎない」と自嘲的に言う人がいますが、噛みあってこその歯車。噛み合わない歯車は最悪ですね。

育休は、優秀な人材を失わないための対策なのですから、その個人だけでなく、組織全体にとって重要な「問題」です。

育休をとる本人は孤立しているわけではなく、育休を取るという行為によって職場の仲間、直属の上司、人事あるいは福利厚生部門、トップマネジメントとつながっています。もちろん、その影響は他部門にも波及します。

育休を取得しやすい環境づくりと、組織全体の意識改革が必要でしょう。



具体的な施策としては、こんな事例があるようです。

・秋田県の精密プレス加工のカミテは、従業員30人全員を多能工にし子育て中の社員の突然の休みなどに備えている。

・広島県の食品加工機械メーカー、サタケは、育休を取得した男性社員の体験談を載せたポスターなどを社内に掲示し、男性の育休取得促進に取り組む。

また、短時間勤務制度については高島屋の短時間勤務制度がよく知られていますし、エス・アイ(兵庫県姫路市)のワークシェアリング(役員にいたるまでの全社員が時給制。1日の勤務時間はチームで話し合いの上、自由に決められる)は、子育て中の女性にとって勤務を続けやすい制度として注目されています。

子育て中の女性が仕事を続けやすい環境であれば、家族の介護または看護と仕事、キャリアアップのための勉強と仕事、持病の治療と仕事の両立もしやすくなるはず。

仕事のほかは、フロ、メシ、ネルだけの日々で、幸せになれるのでしょうか? まあ、人生の一時期にそういうことがあってもいいかもしれないけれど(ただし家族の合意のもとで)、だれだって病気にもなるし、家族をもつことになるかもしれないし、離婚することになって精神的ダメージを受けるかもしれないし、家族の看護や介護が必要になるかもしれない。雨が降れば傘が必要だし、近いうちに台風が来ると分かっていれば、備えをしなければなりません。

ワーク・ライフ・バランスは、子育て中の男女だけでなく、みんなにとって必要なことであるという認識を持ってほしいなあと思います。





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最終更新日  2009年06月26日 18時34分35秒
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