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カテゴリ: 翻訳
 翻訳を学ぶ者には深刻な悩みがある。
 どうやって誤訳をなくすかという悩みである。思いあまって年賀状に書いてくる者もいる。

 今年の目標は誤訳をなくすことです。

 もちろん、目標にすること自体は悪いことではない。
 問題は本人が、本来結果であるはずのものを行動目標とごっちゃにしていることである。車を運転する者が無事故を目標にするのはもちろんいいことであるが、無事故はあくまで結果である。

□ 酒を飲んだら運転しない。
□ 運転中に携帯をかけない。

 このような目標なら、だれでもやろうと思えばできる。
 翻訳でも「誤訳をなくす」なんて、自分の意志ではどうにもならないことだ。ぼくにもできない。目標とするかぎり、自分にできることを考えなければならない。


□ 知っていると思う単語でも必ずもう一度辞書を引く。
□ 少しでも疑問があるものは絶対にそのままにしない。

 誤訳をなくすというのは、その積み重ねのうえに始めて見えてくる「結果」なのではないだろうか。
 それに、何も誤訳を奨励するわけではないが、偶発的に犯してしまう誤訳を咎めるつもりは毛頭ない。
 問題はシステムであり、プロセスである。
 勉強中の人たちのやり方をみていると、一定の割合で確実に誤訳するようなプロセスを採用している。プロセスだから当然変動がある。誤訳が少なくなったと言っては喜び、多くなったと言っては落胆する。プロセスの変動にすぎないものに一喜一憂するなんて、翻訳者でよかった。工場の経営者だったら、経営破綻→借金→一家離散という経路をまっしぐら。

 年の初めにあたって、まずは翻訳者であることの幸せをかみしめてほしい。


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最終更新日  2007年01月11日 09時58分32秒
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