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2005年07月13日
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今日は昨日の続きエピソード2です。
相当なBLACKファン御用達ディスコとなりつつあったQ&Bは、BAD CHILDRENの噂もさることながら、新宿ではエレガントなディスコが軒並みオープンしていく中、古いタイプのディスコとしてブラザーもチラホラ来るようになりだしていました。
とは言うものの、彼らのお目当てはガールフレンド探しですから、特別Q&BがSOULFULな店だったというようなことではありません。
お隣のブラックシープにはベースの仲間がバンドで出てるし、まずはここでうまくガールフレンドがGETできたら、今度はもう少し落ち着いた店で腰を据えて口説きたい、ってな処が本音だったようです。
Q&Bって天井低くてやけに暗かったから、ボックスシートも低く出来てて、座り心地はまんざらでもないし、必然的にブラザーが増えてくればそれなりの選曲になっていくし、周りのムードも自然にSOULっぽくなっていったというような感じでした。
更に、アフロ小僧が溜まり出したせいで、アフロ娘も結構出入りしだしたものですから、ブラザー達にとっては自分たち目当てのグルーピーちゃんたち、みたいに思うのは当然で、ブラックシープとQ&Bの流れが自然に出来上がっていきました。

さて、そんなある晩のこと、V-oneのDJカーターに入れ込んでいたガールフレンド3号が大柄のブラザーを伴ってQ&Bにやってきました。
カーターは、踊りはムチャクチャ下手くそなくせに、おねーちゃんにだけはやたらもてて、結構なプレイボーイでしたから、日本人のガールフレンドだけでも4~5人はおりました。
委員長のランキングではその中の3号にあたる彼女は、なんと偶然にも当時の委員長の彼女と同じ学校に行っていたということもあり、いつのまにかお友達のひとりになっていたのでした。

凄いですね、昼間花嫁修業に通うお嬢様達は、夜もしっかり黒人文化の研究もなさっておられたんですね。しかしねえ、委員長の彼女の話によると、ブラザーに入れ込んじゃったお嬢様は一人二人じゃなくて相当な数がいたそうで、世の中本当にわかりませんね。
昼間はまったくその素振りも見せず、夜はハレムやらエンバシーやらに出没、その変貌振りにはクラスメートでもちょっと気付かないほどだったそうです。
実は委員長の彼女も、この頃はもう地毛のアフロではなく夜のカツラでございました。
そりゃそーだよね、いくらなんでもアフロで池坊は似合わんでしょ。
さて、このお友達のガールフレンド3号は、その晩、カーターと一緒に入ったブラックシープでカーターのプレイボーイぶりにすっかり腹を立てて、あてつけにそこにいた横須賀マリーンにわざと軟派されてQ&Bにやって来ちゃったなどと委員長に面白おかしく言うのでした。
マリーンのにーちゃんの名前はラリー、身長は190cm以上あったのではないでしょうか。
Q&Bの天井ギリギリくらいのデカ男でした。
顔は今風に言うと、ウィル・スミスにスナイプスを強引にねじ込んでハマーで割ったみたいな感じ(ワカラねぇーぞ)、率直に言ってあまりイケ面ではなかったと。。。。
でもHEARTは中々良いヤツで、体の割には心の優しいヤツでした。
店でも決してガールフレンド3号に横柄な態度は取らず、見てくれとは違って相当な紳士ぶりを発揮しておりました。
そのせいか、ガールフレンド3号は調子くれて、カーターとの鬱憤を晴らすように、まるで女王様気取りです。

ちなみに横須賀マリーンは横田AIR FORCEに比べるとホワイトカラーとイエローカラーくらいの差があって、マリーンは大抵が無教養の乱暴者みたいな見方をされてましたから、横田のカーターとはどだい比べ物になるはずはありませんでした。
しかし、このラリーの献身的な態度を見てて委員長やトオルもちょっと同情して、彼女と別れた後の始発待ちに付き合うようになっていったのでした。
一度、コマ劇場並びのカウンター寿司「コマ寿司」へ連れていき、寿司を食わせたんですが、脂汗流して喜んでおりました。(そりゃ耐えてたんだよ)
当時はまだ「寿司バー」みたいにメージャーなフードではありませんでしたから、カウンターに座ったラリー、お絞りを両手で握り締めながら口にあてて、”Did you cook it?”などと愛想笑いを浮かべながら板さんに聞く始末。
板さんも最初のうちは面白半分で、頭のデカイ3人に「シーチキン、シーチキン」とかからかってくれていたんですが、握りを出すたびにギャーとかウーとか言って口にしないラリーにしまいには青筋たちはじめて、誰だこんなやつ連れてきたのは、って怒り出してしまい、早々に立ち去った3人でした。

仕方ないのでカーネル・サンダーズおじさんの店に連れて行ったときの、祝福に満たされたラリーの顔が印象的でした。
“Oh Jesus, I appreciate、イタダキマス”
フライドチキンにケチャップを塗ったくってパクつくラリーを見て、アメリカ人の味覚は日本人より絶対に劣っていると確信した委員長でもありました。

ということで、毎晩のようにQ&Bにやってくるようになったラリー君、ガールフレンド3号からの連絡が無いときはQ&Bのソファで居眠りです。
そりゃ肉体労働者だから、いくらタフと言っても毎晩じゃ辛いわな。
今夜も彼女は来なかった、とまたも淋しい始発待ちに深夜の歌舞伎町をうろつく3人組。
今夜はどこの茶店で夜を明かすかなあ、などと歌舞伎町東映の看板などを見ながら歩いていると、突如として喚声があがり、ミラノ座の前をブラックシープの黒服連中他数十名の一団が大久保方面へと走っていくではありませんか。
と、それを見たラリー君、なんと猛ダッシュ、猛スピードでその後を追いかけていきます。
なんだぁ、と委員長とトオルも後を追います。
一団はミラノ座のカドを左に折れ、スタッセビルの中になだれ込んで行きます。
知らぬ間に野次馬も一緒になって人数は二、三十人に膨れ上がっています。
ドカドカとビルの地下に入ると、そこはお馴染みジュリーのいたパブ・トゥモローです。
フロント前で一団のリーダーらしき人物が怒鳴っていて、その一団からラリーの頭がのぞいています。

「いつでもやったるそぉー。オレの腹にはドスが何本もはいってるんじゃあ!」

何事でしょうか、ようわからんタンカがビルに響きわたります。

「いいか、俺の腹には何本もドスが入ってるんだ。やるならやったるぞぁ」

妙に騒いでる人物の後ろではブラックシープの従業員が、目を血走らせて店の中を覗き込んでいます。

「オレの腹にゃ何本もドスが入っているんだ、いいか何度も突かれてるんだぞ」

はいはい、もうよくわかりましたってなもんです。
そんなに何本も刺されたってことは、喧嘩弱いってことじゃないのかい。
当人は興奮してるから判っていないようですが、外野の野次馬としては一体何が言いたいのかまったく判りません。
それにしてもラリー君はそこで一体何をしているのでしょうか。

「いいか、なめるなよ、いつでも来るからな、俺の腹にはドスが入ってるんだぞ」

まだ言ってます。
何がどうなって、どう解決したのかわかりませんが、収まった様子の一団はゾロゾロと引き上げてきます。
先頭には白いシャツが肌けてヨレヨレになった小柄なブラザー、彼はブラックシープのDJです。その隣に付き添うように歩いているラリー君。後ろから従業員数名が周りを取り囲むように歩いています。
ラリー君の話によると、トゥモローのスタッフがブラックシープに遊びに来ていて、どういう経緯か知りませんがDJと揉めてしまい、怒ったブラザーが殴りかかり、あわや乱闘というところで相手が逃げたのでそれを追いかけて行った、というようなくだらないことでした。
何でもこのDJはラリー君のお友達だったらしく、ブラザーの喧嘩はブラザーがHELPするという義侠心から飛び出したとのことだったのでした。

“I like fight, I’ve learned KARATE, I’m very strongネ” だって。

いつもの穏やかなラリー君には似合わず、本当は武闘派だったんですね。
彼が見せてくれた拳には、赤黒緑のソウルカラーの毛糸の指輪が巻かれておりました。
彼曰く、自分はブラックベルト保有者なので、SPRITのないFIGHTはしないが、ブラザーが助けを求めているときはいつでも闘うと、可愛い指輪をした頼もしいFIGHTERでした。
さて、そんな彼のガールフレンドとのお付き合いも、そろそろ決めてあげなければ可愛そうだ、とよけいなお世話の委員長、「興味がないのだったら、いい加減にしてあげないと可哀想だよ」と彼女にお知らせしてあげたのでした。

数日後、上機嫌のラリー君がQ&Bにやって来ました。
委員長の顔を見るなり、”What’s happening brother, hey man I got it!”と叫んでダンスフロアで勝手に踊り出す始末。
ようやく彼女のお許しがでたのかな、と思った委員長、”Right on”などと調子くれたのですが、彼が有頂天になっていたのは彼女のことじゃなくて、ブラックシープのDJになった、ということでした。
I got it, I got it.
やたら喜ぶラリー君、委員長もトオルも一緒にCelebrateしてあげました。
一息ついて、彼女のことを聞いてみたら、ラリー君ちょっと照れくさそうに笑って、

“She is a cherry girl, I don’t wanna hurt her, ITAI, ITAI, DAME-DESHO?” 

とのことでした。

お嬢様の黒人文化研究会も中々に厳しいものがあったようです。
ちなみに、委員長はラリー君が実際にDJをしているとこを見る間もなく、いつの間にか彼も新宿から消えておりました。
ベトナムで死んでいないことを今も祈っています。
最後に、カーターのガールフレンド3号ですが、その後数回ハレムで遭遇しましたが、相変わらす研究はあきらめていないようすでした。
今にして思うと、渡辺えりこの若い頃、みたいな感じだったかなぁ。。。。





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最終更新日  2005年09月22日 12時34分18秒
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