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そんな懐かしい記憶を辿りつつふと思いついたのですが、あの当時、70年代中期に爆発したSOULブームに乗っかって、確かにディスコが乱立していきましたが、あの頃の私たちは本当にディスコのことをディスコと呼んでいましたっけ?
「踊り場」と呼ばれていた時代から遊んでいた方々や、ブームに便乗してアフロを始めたダンス小僧など、私も含めあの時代あの当時遊んでいた不良がディスコなどと口にしていた記憶がないのです。
でも確かに当時の「広告」や店のロゴなどをみると「ディスコティック」と書かれてあります。
では実際にどうだったかというと、たぶん店の名前で表現していたのではなかったでしょうか。
たとえば、「今日、エンバシ行く?」とか「コップスに行くけど一緒に行かない?」とか、あとはやはり「踊りに行こうよ」とか言ってたと思うんですね。
決して「ディスコ行こうよ」とか「六本木のディスコ行かない?」とかは言わなかった。
まあどーでも良いことなんですけど、最近はノスタルジックに「昔ディスコで働いてました」とか「昔はディスコによく行きました」とか表現してますが、当時はディスコという言葉が持つイメージは、遊び人にとってかなり白々しい、間抜けな響きがあったように思えます。
それも、ディスコのルーツは踊り場にある、といった遊び人特有の暗黙の「掟」みたいなのがあって、やはり「踊り場」は「踊り場」だったし、自分たちはその過去を引きずっているのだということを暗に意識する意味でも「ディスコ」とは言わなかったように思えます。
会話の中で「ディスコ」という表現を使った場合、それは「私は新参者です」と名乗りを上げるようなもので、たとえそれがアフロにポックリの最新ファッションをしていたとしても、オレ達ゃ「踊り場」時代から踊ってんだ、というような血筋(笑)の継承者であることを強く意識した不良のメンツのようなものでもありました。
もうひとつ、ブームの立ち上がり時期はお店の名前=ディスコ=ブランドというような構図があったように思います。
ひっくるめたカテゴリーとして「ディスコ」とは捉えていなかった。
ディスコ全域を指す言葉としてはやはり「踊り場」が残っていたし、不良や遊び人に認知されたということが「店名」で表現されるというようなちょっと入り組んだ構造(笑)だったように思えます。
あと、このブームの走り、70年代前半は「踊り場」=プロっぽいというのは、そのほとんどが小箱だったし、暗いイメージこそが黒人=SOULみたいな認識だったと思います。
だから、当時の大箱は「踊り場」としてのプライオリティは低かった。
トゥゲザー、プレイハウスなどはゴーゴーというイメージが強かったし、せいぜい許せてアップルハウス、ブラックシープ、だったような気がします。
つまり、なぜ新宿がイモ扱いされたかというと、いち早くこのような大型店舗が進出したからではなかったからではないでしょうか。
六本木だって大箱といえばボビーマギーくらいだったし、やっぱ、この店は昔から遊び人ランクは低かった。(笑)
ということで、古くからの血筋を守るソウルブラザース系はどうしてもスノッブに拘り、小箱戦略を取り、古臭い不良の溜まり場を一掃して大衆娯楽に持っていこうとするコマーシャル系は大箱戦略を取ったということでしょうか。
そして、大箱の物流作戦に負けた。(笑)
ですから70年代中期で引退していった者もいれば、時代に迎合して生き延びた者もあり、更にはニュージェネレーションも出てきて、結局は時代の波に皆呑み込まれていったわけですね。
ですから、この「ディスコ」という名称の捉え方で案外その人の時代背景がわかるかも知れませんね。