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2010年03月07日
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カテゴリ: オペラ
 オーチャードホール  15:00~
 3階左手

 ロッシーニ:「ウィリアム・テル」(抜粋)

 マティルド:イアーノ・タマー
 アルノール:石倚(さんずいに吉)
 ギョーム・テル:牧野正人
 新国立劇場合唱団
 東京フィルハーモニー交響楽団
 指揮:アルベルト・ゼッダ



 こだわりのフランス語(=オリジナル)上演、但し抜粋、という演奏会。ええとさぁ、確かに言われりゃ最初から「抜粋」ってなってたとは思うんだけど、これが目当てで定期継続したんだよね........ちょっと、その..........抜粋にしても絞り過ぎでないかい?というくらいの絞り込み方。前半60分、後半55分くらいに絞られてましたから、まぁざっくり半分?

 まぁ、定期演奏会だからあまり期待出来ないだろうけど、ちょっと歌手が非力かな、というのが印象。マティルドのイアーノ・タマーは、そもそもスピントな方のソプラノなのだけど、その割に声に余裕が無くて、あまり好みではないタイプ。そもそもここに出てくるような人なのか?と思うのだけど、今回は代役で起用されたので、まぁ文句を言うには当たらないのでしょう。
 問題は、ペーザロのロッシーニ・フェスティヴァルにも起用されている、石倚■。つか、この字標準で出るの?<3文字目<出なかった。さんずいに吉、です。
 簡単に言うと、高音は出るのだろうけど、非力。オーチャードホールは、確かにオケ伴で歌うには歌手には優しくないホールではありますが、個人的にはここで歌えなきゃ何処行ったってダメだろう、と思っています。で、今日のオケは12-11?-8-6-4 という編成。確かに、ロッシーニにしては大きめかも知れないけれど、普通サイズだと思います。で、確かに歌えてはいるし、4幕のカバレッタで最後の高音も出しているのだけど、3階あたりで聞いていると、聞こえないんですね。それを補って余りある繊細な歌唱、ということになるのでしょうし、繊細であることは否定しないけれど、繊細であるということと非力であるということは別の問題なのでして。
 まぁ、これからの人だと思うし。オーチャードは確かにホールの柄も大きいから、だからダメだとは言わないけどね。ただ、お客が結構熱狂していたのは、あれはあのアリアしか知らないからなのかしら?隣の人は、後半はここ以外は全然拍手してなかったけど、ここだけ拍手するほどいい歌唱とは言えないと思うんですけどね。
 個人的には、声の面では牧野正人が一番良かったかと思います。確かにやや大味というか古臭い感じはありましたけれど、3幕、息子に「動くなよ」と言い聞かせるアリアなど、なかなかいい出来だったと思うんですけどね。
 そう、最近言っても詮無いな、と思って言わなくなったことに「歌心」というのがありまして、歌い回しとかで言うと、今日なら、多分石の方が上手い、ということに今はなるんだろうな、と思わなくもないのですが、ちょっとあの声では流石に.... それよりは、牧野なんかの方が、古臭くはあるし、繊細さでも一歩劣るだろうけれど、歌心を感じるんですけどね。

 今日は、むしろ、オーケストラが主役でしょう。ゼッダは藤原で何度か聞いたけど、「チェネレントラ」や「ランスへの旅」に較べると語法のやや異なる「ウィリアム・テル」は、ロッシーニ・クレッシェンドに代表されるような軽快感よりも、しっかりとした印象の音楽に仕上がっていました。アンサンブル重視、と言ってもいいのでしょうか。それを言ったら初期・中期のロッシーニだってアンサンブルが大事なのだけど、それらがアンサンブルをそのままフレッシュな音で聞かせる、といった所だとすれば、今日の演奏はアンサンブルの上に音楽を載せて行く、構築していくといった感じでしょうか。東フィルはゼッダの指揮に見事に応えたといったところでしょうか。
 そう、今日はゼッダが一番良かったのかしらね。ただ、これが本当にゼッダのやりたかったことなのかどうかは分からないけれど。聞いていて、この人、実務家タイプで、そこにあるものを使って出来るものを作る、という意味では、割り切りが出来ちゃう人なのかな、とも思うので。

 ゼッダの指揮姿。文化会館のピットに入ってるとさっぱり見えなかったので、見たのは今回が初めてですが、非常に綺麗なんですね。小柄なのですが、動きが大きくてかつ機敏。何より合理的。指揮を見ただけで音楽にどう繋がるかまでは分からないけれど、理知的な指揮だな、と感じさせるものがあります。音楽は決してそうとも限らないのだけどね。

 予定はしていなかったのだけど、平日公演なのにオペラシティのチケットも買ってしまいました。安いとこだから行けなくても諦めはつくし、行ければめっけもんの世界だけど、出来れば行きたいなぁ......







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最終更新日  2010年03月08日 00時16分55秒
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