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2011年02月23日
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カテゴリ: オペラ
 NHKホール  14:00~


 トゥーランドット:マリア・グレギーナ
 カラフ:ウラディーミル・ガルージン
 リュー:ヒブラ・ゲルズマーワ
 ティムール:ユーリー・ヴォロビエフ
 皇帝アルトゥム:ヴィクトル・ヴィフロフ
 ピン:アンドレイ・スペホフ
 パン:アレクサンダー・ティムチェンコ

 役人:エデム・ウメーロフ
 ペルシャの王子:アントン・ロシツキー
 杉並児童合唱団
 マリインスキー劇場合唱団・管弦楽団
 指揮:ワレリー・ゲルギエフ
 演出:シャルル・ルボー

 日曜日はダブルヘッダーでした。トゥーランドットのあとにシフのベートーヴェンって順序としてどうなの、と思わなくはないけれど、まぁ、仕方が無い。


 ゲルギエフ指揮マリインスキー劇場と言えば、METだウィーンだミラノだ、といった所の後塵は拝するといえども、その次の集団に位置するところ、というのが、来日公演での位置付けではないかと思うのですが。まぁ、確かに演目によるのではありますが。
 今回はロシア物がない。影の無い女とトゥーランドット。影の無い女は疲れるし、日程も合わない。まぁ、安いとこ買えれば、という感じで、買えたから買ったのがこれ。グレギーナだしね、と、まぁ、そんな理由であります。

 行ってみたら、3階席前方両翼がガラガラ。これは高値でアサインしてたのかしら。それにしてもこの入りはちょっとねぇ。とはいえ、終わってみれば....という感じではあったのですが。


 開演後5分でゲンナリしたのが演出。あまりにも凡庸。去年のキエフオペラの学芸会レベルの演出も残念だったけれど、それとほぼ同等レベル。

 これは主役級でも同様。一例を挙げると、第3幕、リューの骸を埋葬しようとするのにティムールが付いて行く場面。盲いた老人が亡骸の手を握りながら共に退場して行くのに、あんなにスタスタと、介添えも無く、適確に共に歩ける訳がない。
 誰か一人付けてやればいい。もう少しゆっくり下がらせるでもいい。やりようは幾らでもあるので、要は丁寧さが足りない、真剣にドラマに引き込ませる努力、騙す努力が足りない。
 結局、このへんの気の入らなさ加減は、他にも共通する所で、大体が芝居することを求められない合唱が、歌唱だけで説得力を持てというのはかなり無理がある。
 凡庸というのは仕方ないと思うけれど、造り込みが甘いというのは......
 ただ、比較すれば、去年のキエフ・オペラとそう変わらないか、流石にこちらの方が上ではあるでしょう。でもねぇ。キエフのS席より高い値段払って、感覚的にオーチャードの倍近い広さの劇場の一番後ろで観ていて、そうそう満足出来るものではないのです。


 主役二人がちょっとねぇ。マリア・グレギーナは、確かにそこそこ歌えてはいたけれど、正直「あれ?」という感じの出来。やや疲れ気味ではないのかな、という感じ。素材はいいなとは思うけれど、例えば高音の輝かしさだとか、ドスの利いた表現とか、伸びやかな声の美しさとか、何かこう特筆出来るものがないなぁ、と。
 一方、カラフのガルージンは、やはり声がどうにも合わないと思います。くぐもった、ロシア風のテノールは、それはそれで悪くないけれど、特にガルージンのスタイルは、カラフみたいな役にはもう一つ合わないなぁ、と。それに、幾らだだっ広いNHKホールとはいえ、このくらいの声だったら、わざわざ出て来てくれてありがとう、とまでは......
 残念だったのがティムール。ロシア系の劇場の強みは何と言ってもバス・バリトンの層の厚さ、声の厚さだと思うのですが、これが期待ほどではなかった。第3幕、リューが自害した後のちょっとだけでいいんですよ、あそこで肝を冷やさせるほどの声が聞きたい、というだけなんだけれど......
 というわけで、概ね良かったのはリュー役のゲルズマーワかな、と。でも、第1幕は結構声が出ていなくて、第3幕は良かったねぇ、という感じかなと。そこが救いだったかしらん。

 オーケストラは、凡庸と言うと言い過ぎかも知れないけれど、言うほどではないかなと。要は、頑張って聞くほどのことはないかなと。正直、このレベルの公演を、新国立劇場の公演として実際に演じられたら、「いやぁ、良かったねぇ。まぁ、色々あるけどさ」くらいにはなるんじゃないかと思わなくもないのです。でも、こちらは、新国立劇場よりは高い金払って、それなりの期待を持って、だだっぴろいNHKホールに公園通りの坂道もものともせずにやって来ている。その割にはねぇ....
 ゲルギエフは確かに良くオケをコントロールしていたのだと思います。そういう面ではそつはない。無いけれど、そもそも全体にオペラという騙しの術が効いていないお客としては、フーン....という感じになってしまうのも確か。まして、こちらはその前日に、知的関節技でも仕掛けられてるかのようなブリュッヘンの演奏を聞いているので、魔術が聞いていれば「これよこれ!」と思わずにいられない、ここぞというリタルダントや煽りも、「そこだけ頑張ってもねぇ...」としらけてしまうのでありまして。
 前日自粛してればこうはならなかった?いや、そうでもないんじゃないかなと。
 がっかり、とは言わないけれど、結構醒めた面持ちで出て来てしまったのは確かだと思います。


 密度が薄かったのかなぁ。確かに、この一連の公演、平日も結構タイトな日程で公演を組んでいたようだから、最終日ともなると疲れてしまったのかしらん。

 次回は、満を持して、ロシア・オペラで来て欲しいと思うのであります。



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最終更新日  2011年02月24日 01時37分34秒
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