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2025年05月20日
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カテゴリ: クラシック
ミューザ川崎シンフォニーホール 14:00〜
 4階正面

 ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 op.83
 ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調 op.68 「田園」

 ピアノ:清水和音
 神奈川フィルハーモニー管弦楽団
 指揮:沼尻竜典

 神奈川フィル。正直積極的に聞きには行かないんですけどね。そこまで付き合ってられないというのはあります。時々、というより、本当にたまに聞くことはあるけれど、正直そんなにいい印象はないなぁ、という。凄くダメってわけではないけれど、なんだかなぁ.....みたいな感じで帰ってくることが多かったかなと。
 それを聞きに行ったのは、まぁ、気まぐれです。今年始めたという「ミューザ川崎シリーズ」で、Beethoven Ringというのをやるそうで。なんだかわからないけど、ベートーヴェンメインらしいし.....ということで、聞いてみることに。



 前半はブラームスのピアノ協奏曲。考えてみると、Beethoven Ringシリーズなのに、ブラームス。いいんですけど、皇帝とかじゃないんだよね.......
 この曲聞くのは久々かなと。特に好きな曲というわけではないのですが、久々に聞くと意外と面白かったり。まぁ、演奏も悪くなかったと思います。清水和音も最近は聞いていなかったと思いますが、まぁ、元々実力のある人なので、こういう重量級の曲でも難なくこなす。そうすると、なんというか、演奏に余裕が出てきて、いろいろ見えるものがあるんですよね。言われりゃ最初っからわかってる話なんだけど、第2楽章とかの魅力が際立つとかね。

 後半は田園。これ、ブラームスも面白かったけれど、こちらは更に面白かった。
 まず、編成。実は、前半と後半とで殆ど編成が変わらないんです。具体的には、弦五部が14-12-10-8-7。これでブラームスもベートーヴェンも、やる。これ、おかしくないといえばおかしくはありません。ブラームスをこの編成でやるのは、まぁ、変ではない。で、ベートーヴェンも、今時としては多いと思うけれど、そういうやり方もある。ただ、同じ演奏会で、プロオケで、ブラームスとベートーヴェンを同数の弦五部でやるというのは、実は珍しいのではないかと。そして、ミューザは典型的な風呂場ホールです。つまり響き過ぎ。正直言うと、ブラームスでも多いかな?と思うくらい。それでベートーヴェン.......
 これ、確かに最近の傾向に比して、というのはあります。最近のオーケストラ演奏でのベートーヴェンの扱いは、ピリオドアプローチの影響を、まぁ悪口言うと、安易に受けてしまって、よりタイトな編成でやる傾向というのはあります。今時は田園あたりなら10-8-6-4-3くらいでやるんじゃないでしょうか。或いは各1プルトづつ増やすとか。その場合はコントラバスは4本ですかね。第1ヴァイオリン14本というのは第九くらいじゃないでしょうか。あれは、合唱を大編成で乗っけるもんだから、拮抗出来なくなってしまうので、ってところだと思うんですが。
 そしてコントラバス7本。これは重い。いいんですけどね。でも、重い。かなり低音がきます。東京文化会館ならまだしも、ミューザでこれはなかなか。実は、これ聞きながら、時々密かに失笑というか苦笑してました。昔、学生の頃、ムラヴィンスキーがレニングラード・フィル高を振った「田園」を愛聴してたのですが、まぁ重っ苦しいことと言ったら!でも、音楽としては決して重苦しくはなくて、いい演奏だったんですけどね。それをずっと思い出していました。

 これだけ厚い陣容故、それが功を奏している面もあって、よくある弦の金切り声があまり聞かれなかった。正直、ブラームスでは多少その気はあったのですが、田園では余裕があるので弦が叫ばなくてもちゃんと聞こえる。風呂場ミューザですしね。だから、聞きやすい音で終始していました。余裕があるので、弾き飛ばす感じもなく、感じのいい演奏ではありました。

 今時、こういう演奏はなかなかないと思います。一般的な傾向としては、編成を絞る方向で行くのが今の流行りでしょう。やはりピリオドスタイルの影響は間違いなくあると思います。ピリオド奏法が、というより、スタイルですね。ふた昔くらい前であれば、この編成でベートーヴェンをやるのは普通だったと思います。絞ることでアンサンブルをタイトにして、贅肉を削ぎ落とす、みたいなやり方。それは確かに考え方としてはありだと思いますが、一方で、現代オーケストラの良さを削いでしまっている面もあって、この辺は考え方はいろいろでしょうが、流行はよりタイトな編成を目指す。その真逆を行き、しかも低弦を厚くする。重量級の編成で、無理をさせない。絶妙と言っていいと思います。この辺は沼尻竜典の手腕ということなのでしょう。見事な選択、戦略です。特にブラームスと同じ編成で田園もそのまま行くというのは今時としては英断でしょう。しかも上手くいってるし。
 正直、決してうまいオケだとは言えないと思います。特に管はトラウマ級のやらかしもあったし。田園だけでなく、ブラームスも難はあった。ただ、やはり、弦が聞ければまぁどうにかなるもんです。特にこの辺の曲は。で、弦がオタつかないから、管も乱れても復旧出来るんですね。

 思いの外いい演奏に仕上がっていたと思います。本当に、期待以上。

 敢えて苦言というかいちゃもんつけるなら、インテリヤクザみたいなコンサートマスター。別にいいですけどね。ただ、オーケストラの演奏で、コンサートマスターだけ足を投げ出して演奏するのは、まぁ、みっともないです。他の人がやってるならまだ大目に見るのかも知れないですが、私、この人嫌いなんですよね。ナントカ組とかいって、コワモテの風体でやってて、いや、当人の勝手っていや勝手ですよ?でも、コンサートマスター一人だけそんな風に弾いてるのは見た目も感心しない。椅子にも浅く腰掛けていて、それが弾きやすいんだというのかも知れないですが、一般的にはそういう格好はバランスが良くないので演奏は決して良くならないというもの。こういう人を私は信用しない。





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最終更新日  2025年05月21日 02時09分00秒
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