Greeting Cards from.....
2024
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
全1件 (1件中 1-1件目)
1
湊かなえさんの「告白」(双葉文庫)中学校で起きた殺人事件について、関係者が一人ずつ、順番に、それぞれの立場から、それぞれの解釈で「真相」を語っていく小説。そうそう、まさにそのとおり。私たちって、これだけ勝手に、都合よく「真実」というものを作り出しているんですよね。例えば、ですけど、街でカフェに入って、ご婦人二人連れの隣に座ると、かなりの確率で、ご婦人がたは誰かの悪口を言っています。聞こえてくる話を総合すると、お二人の職場かご近所には、とんでもなく許しがたい大悪人がいらっしゃるらしい。その一方でお二人は完璧に正しいと信じ込んでいる、らしい。苦笑を禁じえない場面ではあるのですが、もちろん自分にも、そういう身勝手な面は多々あります。悪口に費やす時間がもったいないと思っているだけで、頭の中は、あのご婦人方とそんなに違わないかもしれない。そんな人間のいやーな部分に焦点をあてて、緻密に構成された小説に仕立て上げた、そんな印象を持ちました。読みながら、別な告白者のコメントを再確認するために、何度も何度も、前のページへ戻りました。中学生の頃、推理小説をこんな感じで読んでいました。それ以来です。すごく面白い小説でした。映画で教師を演じるのは松たか子さん。ピッタリ!イメージどおり!
January 24, 2011
コメント(2)