~タロット日和~ by 常葉 了

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常葉 了

常葉 了

2017/06/28
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ども、トキワです。(^^)/

 【1番 魔術師】からスタートしたシリーズ更新。
 今回で三回目です。

 初回 【1番 魔術師】 では、魔術とは何か。魔術師とは何かと言うお話をしました。
 二回目 【15番 悪魔】 では、悪魔とは何かと言うお話をしました。
 三回目 これ
  ※四回目 【9番 隠者】
【いわゆる悪魔の実態】

三回目のテーマカードは【8番 剛毅】です。

 まずは【剛毅】のカードについて、ちょっとご説明。

【8番 剛毅】と記述しましたが、これは近代のナンバリングを採用しています。
 15世紀発祥の古典的タロットでは、【剛毅】のナンバリングは11番となっています。
 18世紀ごろに、とある事情で、とある魔術師が、【剛毅】と【正義】のナンバリングを入れ替えました。
 詳しい事情のご説明は省きますが、現在でも議論の的になっています。

 今回、【8番 剛毅】のナンバリングを採用したのは、タロット講座でこのナンバリングを基準として解説しているからと言うのも有りますが、今回のシリーズを進めるにあたり、下図を参考としたいからでも有ります。



 【0番 愚者】を別格に置き、ナンバリング1~7を下層に配置。
 8~14を中層に、15~21までを上層に配置します。
 これを、 大アルカナの三階層構造

 この構図の、赤く囲った部分に注目しましょう。
下層から順番に、【1番 魔術師】【8番 剛毅】【15番 悪魔】の並びになっています。
 【1番 魔術師】から始めた今回のシリーズは、実はこの部分のお話なのです。

 では、 【8番 剛毅】 について、お話ししましょう。





 ここで描かれている女性は、魔術の業界等で言う、所謂 【ハイヤーセルフ(高次の自己)】 と呼ばれるものだとされています。
 まあ、この部分は、色々な立場から、色々な呼び方をされるものでしょう。
 単純に 【セルフ(自己)】 と呼んでも良いし、 【カーディアンエンジェル】 とか呼んでも構いません。
 ここは厳密さに拘らず、兎に角 【自分の内側に存在する、心の中心であり、主体】 だと考えて下さい。

 そして、その女性が手懐けている【猛獣:獅子】は、 【我々の内側に存在する、荒れ狂う感情・心的エネルギー】 で有ると考えられています。
 これも、今は好きに呼びましょう。
【インナービースト】 でも良いですし、 【シャドウ】 でも良いですし、 【内なる悪魔】 でも構いません。

【8番 剛毅】 【我々の内側に存在する、心の中心であり、主体である自己】が、【内なる獣】と向き合い、それを受け入れ、且つ制御している と言う事を示すものだとされています。

 描かれている女性は、両手で獣の口を抑えこんでいるように見えますが、これは力尽くでは無く、そっと優しく手を添えているだけです。
 獣も、女性に歯向かっている訳では有りません。
 よく見ると、獣の尻尾が、両足の間に引っ込められていますね。
 これは、獣が服従している様を示していると言われています。

【剛毅】とは、強さの事です。

 その強さは、敵を倒す【破壊力】では有りません。勿論、破壊的に使おうと思えば、そう出来る力では有ります。
 しかし、【剛毅】によって示される力と言うのは、自らが向き合うべきものに、向き合える強い精神性の事であり、ネガティブな物を相手にし、受け支えたとしても、折れる事の無い心の強さを暗示するものなのです。

 更に言えば、 手懐けた獣と和解する事に成功すれば、その獣の力は、完全に自己へと同化され、その力を行使する事さえ出来ます。
 それもそのはず。
 【剛毅】によって描かれている【獣】は、自分の心的エネルギーの一部に他なりません。
 これまで嫌煙し、忌避して来た、 【自分の心の一部】 です。

 自己から切り離され、制御を失い、悲しみと怒りの中で暴走した心的エネルギー。
 これを、何と言うのでしたでしょうか。
 前回【15番 悪魔】の際にお話ししましたね。
 これを、 【悪魔】 と呼びます。

 さあ、ここで、【1番 魔術師】の時の話に戻ります。

何故、魔術師達は、【悪魔喚起】と言う術式を用い、悪魔に呼び掛けるのか。

 【願望成就】の為?
 そう言った目的で、悪魔に呼び掛けようとする人も居るかも知れません。

しかし、本来の目的は、自分の内側にあって、己の臆病さ故に、かつて追放してしまった 【自分の心の一部】と向き合い直す為に行われる技法 です。

その最終目的は、 【切り離された心の一部】 を、 【自己】へと統合 し、 【自己の全体性】を取り戻す事 に有ります。

 【8番 剛毅】のカードは、その作業を暗示するものなのです。
 なので、三階層構造において、【1番 魔術師】と【15番 悪魔】の間に位置している訳ですね。

 勿論、【悪魔喚起】の術式は、簡単なものでは有りませんし、危険の伴う作業です。
 何せ、相手は【悪魔】ですからね。自分の弱点を凝縮したような存在です。
 生半可な姿勢で、相手に出来る存在では有りません。

 魔法使いが、悪魔を召喚して、願いを叶えると言う寓話は、とても示唆深いものです。
 魔法使いは、自分が充分に、悪魔を支配出来ていると思い込んでしまう。
 その思い上がりが、既に、落とし穴になっている場合が多いのです。
悪魔は巧妙に、魔法使いの支配に従っているフリをしながら、魔法使いをコントロールしてしまう。
 いわゆる 【悪魔に魂を奪われた状態】 になってしまう訳です。

 魔術の業界でも、【悪魔喚起】の術式は、 【アデプト(達人)】 と呼ばれるレベルに達しないと、なかなか実践される事が有りません。
 ちなみに、 【アデプト】 と言うのは、 【聖守護天使との邂逅】 を成し遂げる事によって得られる位階とされています。
 【聖守護天使】。なかなか大仰な呼び方ですが、つまりは【剛毅】に描かれた女性。つまり、【自分の内側に存在する、心の中心にして、主体である自己】の事です。
 【自分の中心】を把握し、そこに立脚してこそ、悪魔やら何やかと向き合う事が出来るようになる訳です。

 と言った感じで、本日はここまで。

 今後の予定としては・・・

 どうやって、【自分の中心】=【自己】を把握し、そこに立脚するのか。
 【内なる悪魔】と向き合い、統合すると言う【悪魔喚起】の術式と言うのは、具体的にどのような事を行うのか。
 【悪魔】とは、どんな奴らなのか。【悪魔の軍団】とは?【強大な悪魔】とは?
 【対悪魔最終手段】とは?

 こんな感じでお話して行く予定です。

 字面が【悪魔】ばっかりで、何とも怪しく感じるかも知れませんが、言い換えれば 【自分の心のネガティブな側面】 の事です。心理学な言葉を拝借するならば、自分の 【影(シャドウ)】 と読み替えても良いでしょう。

 ちなみに、現在シリーズものとして書かせて頂いている今回の内容は、いずれ、きゃっとてーるの不定期ワークショップ【ワイズワークス】で、より実践的にお伝えする予定が御座います。

 これまで構想は有ったものの、実行に移す事の無かった 【短期魔術学校】のプロジェクト

 どうでしょう。

 皆さん、興味は御座いますか?(^^)

 それでは、また次回(^^)/





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Last updated  2017/07/12 04:45:50 AM
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