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2004年12月09日
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山際の道は崖っぷちで細く

時折通るバスが土煙をあげて行く。

グーと腹の虫が鳴るが今日は行乞をどこでしようか。

きれいな海岸線になり、波打ち際を歩く。

砂を踏み締める音と波の音が続く。

小波が楽しい、さみしい愚僧をもてなしてくれる。

ふと、遠くから人影が近づくと

「もしかしてあなた様は山頭火と言われるお方では?」

と聞かれる。

「は、そう言いうておりますが…」

笠を持ち上げるとこの辺りの人とは思えないいでたちの

婦人。

「自分の死ぬ場所を探し俳句を作りながら旅をされる

お坊さんだとか」

「ただの愚僧であります。

酒を飲みたいためにお布施が期待できる僧侶の姿で

行脚してるだけであります。」

「ただの愚僧さんはそこまで言い切れませんわ。

愚に徹すると見えないもの、

聞こえないものが感じることができるのしょうね。

時にこの近くに我が家があります、これからどうですか。」

と、その人は私を連れて行ってくれる。

小高い丘の石積みを上がり海が一望できる風情の場所に、

その家はあった。

中に入るように言われたが、

「いや、お気持ちはありがたくお頂戴いたします。

わたしは一介の行脚の旅、

あまりのおもてなしはバチがあたります。」

初対面のご婦人のご好意を無駄にも出来ず、

それではこちらへどうぞと導かれ、

海が見えて遠くに富士山が見える縁側で腰を落ち着けた。

「なかなかいい場所ですなぁ」

庭の水仙や山茶花がすがすがしい。

すすきが風にそよそよと揺れている。

しばらくしてご婦人はお膳を持ってくる。

「なにもありませんが豆腐雑炊のようなもので、」

合掌して頂く。

「お酒もどうぞ」と一献。

のどかでやわらかい日差しが縁側一杯に広がる。

二人は縁側にいて、波の音を聞いている。

「伊豆は暖かくていいですな。

こういうところで死ぬるまで一生落ち着いて暮らしても、

いいかもしれませんな。」

「あなた様がご所望ならずっとお住まいになられても―」

合掌――

「お気持ちだけ頂戴いたします。」

遠くから聞こえる小波が二人を包み込んでいる。

『伊豆は暖かくて死ぬるによろしい波音』

一句――。

まるで永久に続くような穏やかな初冬の昼下がり――。











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最終更新日  2004年12月09日 23時51分10秒


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