日本語教師のヨックン。

日本語教師のヨックン。

2007年05月04日
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テーマ: 中国&台湾(3328)
カテゴリ: 中国の生活
 旅の2日目。
 太原を後にして、列車で 世界遺産の街・平遥 へ。

 ……という予定は、 朝っぱらから頓挫した

 この日は5月1日。中国のゴールデン・ウィークの初日で、駅は、 いったいどこからこんなに人が湧いて出たのかと思うほどの大混雑
「2列に並べ!」と駅の係員に睨まれ、怒鳴られ、押しのけられしながら、40分かけてキップ売り場の窓口に行くと、キップは 「没有(ないよ)」 という一言。



「平遥~っ、平~遥~っ!」

 という客引きの声。

 値段は40元と割高(ぼられてたかも?)だったが、客引きの後について行くと、フロント・ガラスに「太原―平遥」という文字が書かれたワン・ボックス・カーが停まっていた。
 タウン・エースかハイ・エースのようなその ワンボックス・カー には、既に何人もの客が乗っていたのだが、私の後からも人がどんどん乗ってきて、 まさにすし詰め状態

 いったい、何人が乗ったかというと、

 最前列には運転手と車掌の 2人 (2人)
 2列目は運転席に背中を向けたシートで(つまり後方を見ている)、ここに 4人 (6人)。
 3列目は2列目と膝を接しながら向かい合わせで、ここに私を含めて 4人
 更に私たちの後ろの列に 4人 (14人)。
 更に更に、その後ろの列に 4人 (18人)。

18人! それもさして大きくないワンボックス・カーに 18人!
 すごいよな。
そして、こういうことを笑って受け入れられる自分を発見した。

 当然重量オーバーでスピードが出るはずもなく、郊外のさびれた農村の中を土埃をあげながら、我らが車は走り続け、2時間かけて平遥へ。


 平遥は 明代の城壁がほぼ完全な形で保存されている中国唯一の街 で、世界遺産にも登録済み。
山西省行16 平遥01(ブログ用).JPG
 これが城壁の北門。
 中国では、敵の侵入に備えて街の周囲に大きな壁を作る。
 それが城壁で、日本の城とは違う。

 バスを降りたのは、城壁から1キロくらい離れたところで、その後は、警官や町の人に道を聞きながら、城の中(つまり街ね)へ。

 とりあえず街の中心に行こうと思い、 バイクを改造した3輪車タクシー のじいさんと交渉。
 乗り込むと、じいさんがペダルをエイッと踏み込み、耕運機のような音を立てながら3輪車タクシーは出発した。

音も耕運機なら、スピードも耕運機並みで、おまけに排気ガスもすごい。
 そんな3輪車タクシーだが、これが時々、 エンストする のだ。
 そのたびに、 じいさんはタクシーを手で引いて(!)、目的地まで歩こうとする。
そんなら、自分で歩いたほうが早いっつーの(笑)。

 で、そんなとぼけたじいさんと記念撮影。
山西省行19 平遥04(ブログ用).JPG

 平遥の街はすっかり観光地で、日本のどこかの門前町のような感じ。
 向こうに見えるのが、平遥のシンボルである市楼。
山西省行26 平遥11(ブログ用).JPG
 近づくとこんな感じで、いかにも時代を感じさせる。
山西省行22 平遥07(ブログ用).JPG

 屋根には中国らしく、こんな手の込んだ細工がしてある。
山西省行24 平遥09(ブログ用).JPG

 街の中には露店がたくさん出ている。
 これは餃子の皮のように丸く延ばした小麦粉を、包丁でトントントンと切って麺にし、それにタレをかけて食べるというもの。
山西省行20 平遥05(ブログ用).JPG

 街の中にはいかにも中国らしいこんな風景も。
山西省行27 平遥12.JPG

 昼ごはんは偶然通りかかった店で、こんなものを食べた。
 山西省の名物である刀削麺は「今日はできない」とのことで、別の麺と、向こうはカステラ(ほど甘くはないけど)のようなものの中に牛肉の餡が入っていて、それに黒酢をつけて食べるというもの。

 この店の主人が、面白い人で、 「あんた、日本人かい?」 と私に聞き、私が 「そうだよ」 と答えると、突然、

「メシ、メシ(笑)」

 と言い出した。
 こちらのテレビでよく放送されている戦争ドラマでも見て、日本人の台詞を覚えたのだろう。

 面白いおやじだから、一緒に記念撮影をすることにした。

 私が一緒に写真を撮ろうよと言うと、そのおやじ、

「よし、よし(笑)」

 と答えた(爆笑)。
山西省行25 平遥10(ブログ).JPG

 そんなこんなで、夕方、太原に帰って来て、今回の旅行で最後の食事(翌日は朝からずっと列車の中なので)は、なんだかわからないまま注文して、出てきたのがこれだった。
山西省行34(ブログ用).JPG
 手前の麺は普通のうどん。
 それを左側のタレにつけて食べる。
 タレは向こう側がトマト味で、まるでスパゲッティ・ミートソースのよう。これは旨かった。
 手前はなんだろうな、よくわからなかったけど、こちらも旨かった。

 右側はインゲンとジャガイモそして羊肉を甘辛く炒めたもの。
 これも本当においしかった。
 写真では小さく見えるけど、ラーメン丼で2杯くらいの量があったので、食べても食べても減らず、とにかく必死で食べた。
今までの人生の中でインゲンをこんなに食べたのは初めてだ


 日本で、1人で中国語を勉強していた頃は、中国で生活するなんて思いもよらなかった。 
 まして、中国国内を1人で旅するなんて、想像したこともない。
この中国語を活かす当てもないまま、孤独な勉強を続けていたものだ。
 1人だから話す機会はなく、会話の練習ができないため、たどたどしさは解消できず、聴き取りも進歩がないまま日が経った。
根気も何度も失せそうになった

 でも、 今回は自分でたくさん中国語を話した
 私が中国語を話せることを知ると、列車の中の中国人や、私が乗ったタクシーの運転手、食堂の人などが私に話しかけてくれた。
それが一番嬉しかった。

観光地は写真で見ることができるが、 人との交流は観光ガイドを読むだけではできないのだから





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最終更新日  2007年05月04日 13時19分20秒
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