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「ねぇ。君の脳内カレンダーは狂ってるんじゃないのか」 「別に。きょうは大晦日でしょ」 「ふーん。でも、これどう見ても、おせち料理だよネェ」 食卓にならんでいるのは、雑煮、白菜の漬物、伊達巻、数の子、かまぼこ・・・。 「夕べ外食だったから、ご飯炊いてなかったのよ」 「ご飯なんて炊けばすむことだろ」 「まぁね。でも私も今起きたところだし。おなかすいちゃったし。 それに、地方によってはおせち料理も大晦日に食べるところもあるらしいよ。 だからいいんじゃない?」 「ふーん。そんなもんなのか」 午後、買い物に出かけたその帰り。 「ねぇトイレ行きたくなっちゃった。あなた走って行って玄関の鍵空けといて」 「僕が走るより、君が鍵を持って急いだほうがいいと思うけど」 今年一年、妻ともども(笑)たいへんお世話になりありがとうございました。 来年もまたよろしくお願いいたします。そして、よいお年をお迎えください。 ← 応援よろしく お願い致します →
2007/12/31
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「今夜、ヨガの特別講習があるんだ。悪いけど夕飯の買い物しておいてくれる?」 「いいよ。何が食べたい?」 「おまかせで。じゃ、これでお願いね。あっ、おつりはちゃんと返してよ」 そう言って10000円札を渡された。 家計簿をつけているようなので、きっちりしておきたいらしい。 久しぶりのスーパーは、買い物客でいっぱいだった。 私の頭の中には、買うべき品物のイメージはあった。 しかし、特売日であるということと、 時ならぬタイムセールの始まりが、私の緻密な頭脳をほんの少し混乱させた。 食肉売り場にやってくると、まるで自分を待っていたかのように 唐突に、肉のタイムセールが始まり、その渦にあっという間に飲み込まれてしまった。 殺到するおばさんたちに、押しのけられ、足を踏まれ、 無意識のうちに伸ばした手に、店員が渡してくれた品物を奪い取られ、 普段は沈着冷静な私も、戦闘モードに入ってしまった。 気がつけば、牛肉と豚肉のブロックのパッケージを握り締めていた。 牛肉は買うつもりもなかったのだが、これが勢いというものだ。 お正月価格直前のこの時期は意外と在庫一掃とかで安売りするのかもしれない。何もかもが安く思えた。 多分今日あたりからは、正月用の商品が並び、値段も跳ね上がるのだろう。 「あれもなかったな。これもなかった」と籠に放り込んでいるうちに、 いつしか籠は品物で溢れかえっていた。 その夜の食卓には妻の好物のビーフシチューをメインにした豪華なメニューが並び、 彼女も大喜びであった。 そして・・・食後、思い出したように妻が、「レシートとおつり頂戴」といった。 (やばっ) 「今日はさぁ、今年一番と思えるくらいのすごい特売してて。 いろいろ買っといたからね、1500円ぐらいたりなかった。 まぁ、1500円は別にくれなくてもいいよ。 あ、それとさっき新聞の集金が来たから払っといたけど・・・ま、それもサービスしとく」 「エエ!?ウソォーッ!マジ!?(`m´#)」 「新聞代のサービスがそんなに嬉しい・・・わけじゃなさそうだな」 そうそうに自分の部屋に引きこもった。 ← 応援よろしく お願い致します →
2007/12/28
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まるで、タレント並みのスケジュールで、忘年会やら飲み会を連日こなしている。 今年は、海外駐在の友人が急遽帰国したり、地方に転勤していた同級生が帰京したり、しばらくぶりに会う友人たちからのお誘いも多く、さすがに心身ともにぐったり。 このところ帰るなりそのままベッドに直行の日々が続いている。 巷では、「小島よしお」が大人気なんだそうで、 彼のギャグが忘年会でも横行。 なんとも迷惑な話なのだ。 「やぁやぁYoshiさん、今年はお世話になりました。ま一杯どうぞ」 「いや、いや、こちらこそお世話になりました。では、少しだけ頂戴します」 「少しだけなんて何をおっしゃいます。お酒はお強いくせに」 「いやぁ、このところ、毎晩宴会が続いているんですよ。ゆっくりやりますから」 「宴会続きですか。それはまた大変ですね。 『でも、そんなの関係なーい』」 こちらの都合も何もかも、一瞬のうちに木っ端微塵にしてくれるオールマイティーな恐怖のフレーズだ。 「ほんとに、あなたって飲むことになると、断ること知らないんだから。 体のことも考えて、ちゃんと断らないと。また倒れたって知らないからね」 「まぁわかっちゃいるんだけどね。なかなかこれが難しいんだよ。 いろいろしがらみってのがあって。」 「ところで、ねぇ、白いコートがほしいんだ。白が流行なんですってよ」 「白が流行だって?『でも、そんなの関係なーい』」 ちょっと言ってみた。結構便利だ。 でも、多分、夫の反対?「そんなの関係ない」とばかりに、きっと、妻は買うのだろう。 ← 応援よろしく お願い致します →
2007/12/21
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妻が乾燥機に忘れただけの私のパンツ紛失事件で、妻自身が唱えた 「おかまの下着泥棒」説が妻はいたく気に入ったようだった。 その話は、そのままフェイドアウトしてしまい、 その後続いた忘年会のおかげで、「真実」を話す機会がないまま いつしか忘れさられていた。 だが、一通の回覧版が寝た子を起こしてしまったのだ。 この町内では、どうやら最近、空き巣や自転車泥棒や下着泥棒などの 窃盗事件が本当に頻発しているらしかった。 そのことを回覧版で知った妻の脳内では、 再び「おかまの下着泥棒」の存在が現実味を持ち始め、彼女の妄想に火がついた。 朝、洗濯物を干し終えると、用事もないのにベランダに出たり、 椅子を持ってきて窓際に陣取って 私の部屋の窓から外やベランダをのぞいたりといかにも挙動不審だ。 しかもなぜか携帯をもっている。 「さっきから窓開けて何見てるんだよ。寒いから閉めて、もう少し寝かせてくれ。」 「あら起こしちゃった?寝てていいわよ」 「だから、さっきから何してるんだよ。携帯の電波でも悪いのか」 「あっこれっ?犯人の写真を撮ってやろうと思って」 「誰だって?」 「だから下着泥棒よ。こないだうまくいったんで、 味を占めて、またくるかもしれないじゃない。 それか、パンツの持ち主を確認にくるとか。それで逆上されたら困るでしょ」 「何で逆上する」 「若いイケメンのパンツかと思ったのに、なんだおじさんのかよって・・・」 「おじさんで悪かったな」 「それで、逆上して火でもつけられたら大変じゃない」 「で、君はそうやってずーっと犯人とやらを見張ってるつもりなのか。 何ならアンパンと牛乳でも買って来てやろうか」 「アンパンと牛乳?それっておいしいかも。朝食それにする?」 「ちょっと言ってみただけだ」 「でも、このあたりでも最近犯罪が多発してるんだってよ。冗談言ってる場合じゃないよ」 「ふーん、でもさ、下着泥棒はうちには絶対こないと思うな。ってか来たことないし」 「この間のは泥棒だったかもしれないじゃない?烏が持っていくわけないし。 あなたのパンツだけが無くなっているってのがミソよね」 「まさに、そこが核心だな」 「でしょ。つまり男物のパンツに異常な興味を持ったやつの犯行よね」 「可能性はもうひとつあるよ」 「えっ何?」 「犯人は、そのパンツの持ち主であるという場合さ(気づけよ)」 この一言で、朝食を作る羽目になった。ま、しかし、平和ではある。 ← 応援よろしく お願い致します →
2007/12/16
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風呂に入ろうとして、着替えの下着を取り出そうとした私は 下着の数が足りないことに気づいた。 「ねぇ、パンツとTシャツが何枚か見当たらないんだけど。 まさか君が穿いてたりはしないよなぁ」 「何言ってるの。何が悲しくてあなたのパンツを私がはかなきゃいけないわけ」 「最近ちょっと腰のあたりが、たくましくなったようだから・・・」 「」 自分でも気になったのか、自分のチェストを見に行った妻が戻ってくると 「おかしいわぁ。私の下着もないのよねぇ。もしかして下着泥棒?なんか気味悪いね」 「何で、下着泥棒が俺のパンツ持っていくんだよ」 「おかまだったりして。それか、泥棒って慌ててるから、その場でえり好みなんかしないで 一気に全部持っていって、あとでゆっくり選んだりするんじゃない?」 「おかまの下着泥棒なんて聞いたことない。 どうせ君がどこかに置き忘れてるんじゃないの。まぁいいや。そのうち出てくるだろう」 風呂上りに、何の気なしに乾燥機の中をのぞくと・・・ やっぱり、忘れられた洗濯物はそこにあった。 いつ乾燥させたものかはわからないが、とにかくあった。 見つけた洗濯物の中から、自分のパンツとTシャツだけを抜き取って自分のタンスにしまうと 何食わぬ顔でリビングに戻った。 洗濯物を発見したことは黙っていた。 やがて・・・。風呂上りの妻が、乾燥機の中に洗濯物を発見した。 「やだぁ。忘れてたわ。乾燥機の中に入れっぱなしだった。 ・・・・・でも変ねぇ。あなたのパンツだけないのよ」 「ええー 嘘!」 「ないない。ねぇ、やっぱりおかまの下着泥棒がいるんじゃないの」 ← 応援よろしく お願い致します →
2007/12/12
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「おーい。生きてるかぁ。忘年会やるぞぉ」 あの、私の天敵「I」さんからお誘いの電話だ。 「『忘年会やるぞぉ』って夕べやったばかりじゃないですか」 「忘年会ってどういう字書くかわかるか」 「わかりますよ。年を忘れる会ですよ」 「Yoshiちゃん、自分、今年なにあったか覚えてるか」 「そりゃあ、覚えてますけどね」 「『一年のことをすっかり忘れちまうぐらい飲む』のが忘年会。 ただ、夕べみたいに、うまいもの食いながら酒を飲むのはただの飲み会。 まぁ『一杯やるか』って程度だな。 まだ今年のことを覚えてるって言うことはだ。飲み方が全然足りないってことだ」 「また、屁理屈を。それ違うと思いますけど・・・。 それにきのうだって『忘年会するぞぉ』って言ったじゃないですか」 「何でもいいから行くぞ」 「あ、もう忘れてしまいました。あれ?今年何年でしたっけ?」 「へたな小芝居するな。俺と飲みに行くのがそんなにいやなのか」 「そんなことありませんが、きょうは一軒だけにしときましょ」 「馬鹿言え!はしご酒こそ、酒飲みの醍醐味じゃないか。 一軒目は、軽くエンジン掛けるぐらいのところで、まぁ居酒屋あたりが無難だな。 調子が出てきたところで、若いきれいなおねぇちゃんたちのいる店でぱぁっとな。 で、その店の子達を連れてカラオケなリ、寿司食いにいくなりまぁそういうわけだ」 「社長もたまには肝臓休めてやらないと」 「月に2,3日は休めてるから大丈夫だ。検査も受けたけど医者がびっくりしてたわ。 あんまり元気なんで。『メタボがどうの』とは言ってたみたいだけどな」 「どうせ、医者の話なんてロクに聞いてないんでしょ」 「おまえのほうこそ、ガキじゃあるまいし、 腹が痛いだの風邪ひいただの年中言ってんじゃねぇぞ。 大体、体調管理も自己管理のうちなんだからな」 「ハイハイ。でもおととしでしたっけ、ポリープが見つかっただけなのに、 『なぁ、医者ってのはがん患者には本当のこといわないんだよな。 俺、どうも大腸がんらしい。』とか泣き言言ってたの誰でしたっけ」 「おまえ、そんな昔のことまで覚えてるのか。執念深いやつだな。 全然忘年会になっとらんじゃないか。こりゃぁとことん飲ませなきゃな」 ・・・・・・・というわけできょうも午前様。 ← 応援よろしく お願い致します →
2007/12/07
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