人気の移住先と人口増減との乖離
人気の移住先
毎年発表されるランキングの中で「人気の移住先ランキング」というものがあります。
人気の移住先、3位静岡・2位長野 1位はあの県(朝日新聞デジタル)
2016年移住希望地域ランキング公開(ふるさと回帰支援センター)
ただし、このランキングで気をつけたいのが、
調査対象が「ふるさと暮らし情報センター(東京)利用者」だということ。
調査概要は以下の通り。
<調査概要>
調査対象:ふるさと暮らし情報センター(東京)利用者
調査手法:東京交通会館来場者(新規来場者)へのアンケート
個別相談、相談会・セミナー参加者等)
調査時期:2016年1月〜12月
回 答 数 :6,777件(有効回答)
結局は、移住を希望している人に対して行ったアンケートであり、
さらに、東京近郊(首都圏エリア)の人の回答なわけです。
また、回答者の年代が無料公開されていないため、
回答数6,777件の内訳が不透明なまま情報発信されており、
「地方創生の動きがはじまった2014年以降増加傾向にあり、現役世代の地方移住の動きが定着し始めている。」
と結論付けている点にも疑問を感じます。
都道府県別の人口推移
都会からの移住者、移住希望者が増加している傾向にはあるような気はするのですが、
実際には、ほんの一部の人達が移住しているだけなのかもしれません。
そこで、今度は総務省が公開している統計データを見てみる事にしましょう。
日本の統計 第2章 人口・世帯 (総務省統計局)
これを見る限りは、人口増加しているのは、
東京、沖縄、埼玉、神奈川、愛知、千葉、福岡です。
静岡は22位、長野は29位、山梨にいたっては36位と、
どちらかといえば、人口が大幅に減少している都道府県であるといわざる得ません。
また、年代別にみてみると、
山梨は、0歳〜39歳までの年代人口は減っており、
65歳以上の高齢者人口が激増していることがわかります。
東京をみてみると、
20歳〜39歳の人口は減っているものの、
0歳〜19歳までの人口は増加しています。
これは、東京大学、筑波大学、千葉大学、首都大学東京、
青山学院大学、明治大学、慶応義塾大学、早稲田大学、上智大学、
日本大学、中央大学、駒澤大学など、
有名な大学が集まっていることによる影響ともいえそうです。
ただし、高齢者の増加は東京でも同じといえそうです。
まとめ
山梨が移住先としての人気が高いといっても、
首都圏を中心とした場合であり、
「地方創生、地方移住」=「地方人口の増加」とまではいえそうにありませんでした。
また、「人気の移住先ランキング」などの情報公開の際には、
他の都道府県からの移住状況を同時に公開するなどして欲しいものです。
ちなみに、私が居住する大阪において人気の居住先として耳にするのは岡山県です。
岡山県は、
瀬戸内海式気候特有の快晴日数の多さや、
降水量1mm未満の日数が全国最多であることから、
「晴れの国 おかやま」を県のキャッチフレーズとしており、
とてもすごしやすい所です。
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