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尺余りの虹鱒と小型ヤマメが出迎え
ここ数日、先週初めの寒気が嘘のように高い温度で推移している。この気温ならば、渓流や本流でのドライフライもまだ可能だろう。これから1か月間は、水温の安定している湧水渓流への釣行を計画していたために、この状況に少し戸惑っている。
今回の釣行先はその湧水渓流。23日に向かったのは尻別川の支流。心配だったのは中山峠の走行で、凍りついた路面を、夏タイヤで走行する怖さは何度も経験している。
まだタイヤを交換していないために、峠の天候によっては行先を変更しなければならない。幸いに、この日早朝の気温は6度と、問題なく走行することができたが、次回はスタッドレスに替えなければならないだろう。
尻別川に流れ出る湧水渓流は、それほど多くはない。その数少ない渓流のひとつが今回の釣行先。いつもは横目で通り過ぎる小河川だが、今回は2キロメートルほど先にある湧水地点を目指して釣り上がる。
この川は、過去に3度ほど釣行したことがある。そのうちの2回は10月末から11月半ばにかけてで、2回とも尺に近い虹鱒と、15センチ前後のヤマメを手にすることができた。
ただ、小さな川の割には水量が多く流れも速い。そして、何よりも問題なのは川を覆うボサ。餌釣りならばそれほど支障がなくても、フライは竿を振るスペースがほとんどない。なので、川を跨ぐイタドリや草木を取り除かなければフライを打ち込めない。それでも、3回に2回は草や木にフライが引っ掛かる。
また今回はリーダーに替わり、ポリリーダーを使用したことでライントラブルも頻繁に起こった。こうした釣り以外のところで時間を消費、結局は短い距離ながら遡行が完了するまでに3時間もかかった。
この川はオショロコマで知られており、元々そのオショロコマを求めて釣行したのが始まり。しかし、3度の釣行では1匹も手にしたことはない。多分、この流れではなく別の支流に棲息しているのだろう。
まずは下流に架かる橋の下から入渓。川幅は3メートルにも満たないないが、流れは速く水量も多い。
直線的な流れが続くが、緩い瀬脇や倒木の作る淀み、曲りの脇などのポイントも増えてくる。
しかし、ここぞというポイントにはイタドリや太い草、木の枝が川を覆い、フライを打ち込むスペースがない。仕方なく、その1本1本を取り除いて打ち込む空間を作る。
もともと開けていて、竿を容易に出せる場所では全くアタリがないのに、ボサを取り除いた場所からは魚が飛び出る。誰しも入り易い場所は、魚がスレているのか警戒して出てこないようだ。
初めてのアタリはボサが川を覆う段差のある落ち込みから。枯れたイタドリや張り出した草、木の枝を取り除いてスペースを作り、#10のフラッタリングカディスを打ち込んだ。すると1投目からアタリがきた。
上流下流に暴れたあとに手にしたのは、25センチほどの虹鱒。この川の虹鱒のアベレージサイズは20センチ前後なので、少し大きいかもしれない。
同じ場所でそのアベレージサイズがヒット、そして3匹目に10センチほどのヤマメも飛び出た。
その後、流れは再び狭くなりアタリのない区間が続く。
1キロほど上った、両岸が深い草木に覆われた場所に支流が流れ込んでいた。その合流地点で大きなアタリが。ネットを用いて引き上げると、尺に足りない虹鱒。
それを機に小さなヤマメやアベレージサイズの虹鱒のヒットが続いた。
ここまでの釣果は、20センチから27、8センチの虹鱒が5匹と10センチ強のヤマメが3匹。それも全て、取り除いたボサの下のポイントから。誰でも入る開けた場所からはアタリさえなかった。
上流に上り詰める毎にバイカモの数が多くなる。それに比例してアタリも減少。次に目にしたのは、バイカモの群生するチョークストーム。風にさらされたように、水中で川の流れに揺れるバイカモが美しい。
感心している場合ではないが、このバイカモの水中の森の中で、これまで魚をヒットさせたことはない。
諦めて、最上流部の湧水地点まで農道を通って歩く。2段に分かれた湧水池は、いつものように豊富な水を溜めていた。ここから流れ出て尻別川に合流する。
ただ、多くの釣人が入っているために思ったよりも魚影は薄い。今回も小さなライズはあったものの、一度のアタリもなかった。
結局、今回の釣行はヒットした場所が限られていて厳しい釣りとなった。この好天が続けば、再び山岳渓流でのドライフライ釣行も検討することになりそう。選択肢が増えたことを喜ぶべきか、それとも湧水河川に拘るべきか。
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