『僕は君たちに武器を配りたい』 。
瀧本哲史さんの著書です。
瀧本さんは残念ながら、2019年8月に亡くなられてしまいました。
この方生前は、東大卒、マッキンゼーに入社してエレクトロニクス系企業のコンサルに。独立後はエンジェル投資家の活動や企業再生に携わりつつ、京大の客員准教授として教鞭をとられていました。
学歴社会と成果主義、双方で名を馳せたと言える、圧倒的な経歴の持ち主ですね。
今回の本は、日本に迫る資本主義の本質を突く、私たち個人がこの時代をどう生き抜くかについて、一つの道を示してくれる本と感じました!
気になるのは、ここでいう武器とは何か。
実は本の中で瀧本さんは、節ごとに「武器=考え方」をいくつも示してくれています。
ここでは数ある武器の中で、私が気になったものを少しシェアできたらと思います!
?@勉強ブームに安易に乗るな!
昨今でも熱が高まる、自己投資・勉強のブーム。プログラミング教室とか、少し前に流行ってましたよね。瀧本さん、そこにメスを入れていきます。
勉強ブームはそもそも「不安解消マーケティング」が陰に潜んでいるのだとか。
勉強自体は大切ですが、声高に言われるものは「英語、IT、会計知識」ばかり。
瀧本さんはこれを、「人に使われるためのスキル、少しきつく言うと奴隷の学問」であるとしています…!
考えてみれば、これ単体では発達し続けるテクノロジーに負けてしまいますし、みんながそこを目指すので、需給の原理から市場価値も下がってしまう。。。
やればやるほど不利になり得るわけですね。
どうせやるなら、市場価値の高まる分野で学ぶべき、ということでしょうか…!
差異を作る、これはいわばマーケティングの観点です!
例えば河原で拾った大きな石。ただの石ですが・・・
「田舎のおばあちゃんが丹精込めて作ったお漬物、この漬物石を使って作りました!」なんて銘打ったら、「おっ、なんだろ」てなりますよね?…まあこれは受け売りなんですが(笑)
瀧本さんは、ある英語が堪能な男性の例を出していました。
学生時代からひたすら英語を学び、学校の先生になるもその能力はほとんど必要とされず。
社会人向けの英会話教室を開くもビジネス経験が乏しくビジネスパーソン向けの教育は出来ず。
結果彼はなんと「外国人向け日本語教師」になったのです!
これ、まさにマーケティング的視点。物は変わらず、売り込み先を変えたわけですね!
こうして生まれる差異、それとこの男性が歩んだような人生=ストーリーが、人の心を動かすのだそうです。
?Bリベラルアーツを学べ!
リベラルアーツという言葉、私自身はほとんど聞いたことがありませんでした。
瀧本さんが言うには、歴史、哲学、芸術、文学、自然科学全般、といった幅広い分野を横断的に学ぶことだそう。
学びの幅を広げると、クリティカルシンキング、ロジカルシンキング、コミュニケーション力、人格と身体能力形成、ができるようになるというのです。
一見、ばらばらでまとまりがない。専門性に欠けるけどそれでいいのかな?て心配になっちゃいますよね。
これは私の感想ですが、多分みんな、その不安を抱くんじゃないかと。
で、不安に負けて単一のスキルや知識を磨こうとするんじゃないかと。
結果、幅広い教養を持った人が少数派になって、価値が高まるのだと思います。
思えば、経営者の方や事業家の方の公演動画なんかを見ると、大体幅広い教養や経験をお持ち。納得です…!
こうした武器をもとに、瀧本さんが一貫して言われているのは 「投資家的に考える」 こと。
私は最近「自分が今やろうとしていることは、長期的にリターンがあるものか?」「ウォーレン・バフェットだったら投資する気になるだろうか?」そんな考えを頭の片隅に置いてものを判断できるようになってきました。
今回紹介したエッセンシャル版は2013年。元になった単行本は2011年の出版。
10年以上も前から、これほど時代の変化を読んでいたと考えると少しゾクッとしますね。。。
「残酷な資本主義の到来」と本でいわれている時代。生き抜くために必要な知識を常に入れ続けないと…
戦いはすでに始まっていますね・・・
僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版 (講談社文庫) [ 瀧本 哲史 ]
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感想(8件)
そんな感じで、今日はここまで!
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