「窓際警視の靴が泣く!」は、特捜最前線のセミレギュラーで、窓際警視シリーズの主役だった 蒲生警視(長門裕之)が出演したドラマです。今回、蒲生と絡むのは紅林刑事(横光克彦)でした。
警察官の県人会に出席した紅林は、自慢の高級靴を誰かに間違えられ、紛失してしまいます。靴探しを所轄署に依頼したところ、引き受けたのが蒲生警視。蒲生は再び、窓際族に戻っていたのです。
特命課は連続強盗殺人事件を追っていましたが、その犯人が失くした紅林の靴を履いていたことが判明。ひたすら靴探しをしていた蒲生に紅林は協力し、靴の行方、すなわち犯人の足取りをたどっていったのです。
容疑者にたどり着いた蒲生ですが、逆に刺されて重傷を負ってしまいます。紅林は、蒲生が履いていた汚れだらけの靴を履き、容疑者が現れる現場へと向かい、ついに容疑者を逮捕したのでした。
このドラマの大きな見どころの一つは、靴をキーワードに 蒲生と神代課長とのライバル関係が語られているところです。かたやエリートコースを歩んだ神代、かたや叩き上げの蒲生。二人はそれぞれ若い頃を回想します。
神代は、蒲生から指摘された「靴がピカピカじゃねえか」という言葉に、エリートの自意識が高すぎた自分を恥じ入り、刑事や捜査とはどうあるべきかを顧みるきっかけになったとも言います。
一方の蒲生は、だんだんと差をつけられていた神代に対し、「俺があいつに対抗できるのは、脚を使うことだけだ」と紅林に話します。それは、神代の才能を高く評価していたからこそ、出てきた素直な感情だったのです。
互いに相手の力量を認め合いつつ、それでも「あいつには負けたくない」という神代と蒲生。理想的なライバル関係であると同時に、 ゆるぎない信頼と友情があることを見せてくれたドラマでした。
また、このドラマでは、紅林が警備局長(中谷昇)直々に警備局への栄転を打診されますが、蒲生のひたむきな捜査を見た紅林は栄転を断ります。「自分には現場が似合っている」と改めてやりがいを感じたのでしょう。
紅林は、神代課長のようなエリートコースではなく、蒲生のような叩き上げを選択したことになるわけですが、それが彼の人生で吉と出るか否か・・・余計なおせっかいでしょうかね(笑)
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