今回はタイトルでも分かるように、 吉野刑事(誠直也)主演の「パパの名は吉野竜次!」をご紹介します。と言っても、本当の主役は竜太役で出演した子役(岩淵健)だと思っています(笑)
吉野を「パパ」と慕う子供
高速道路で6歳の男の子が保護されました。彼が父親を吉野竜次だと話したことから、特命課に届けられてきます。そして、身に覚えがなく面食らう吉野刑事に「パパぁ」と抱きつくのです。
調べたところ、男と一緒にいる母親から「吉野のところへ行け」と放り出されたことが分かりました。さらに子供には長い間虐待を受けたと思われる傷が全身にあったのです。
男が手配中の暴行犯と分かり、吉野は子供に母親のことを問い詰めます。子供は吉野を父親だと思っていましたが、吉野が「俺は君の父親じゃない」と叱り飛ばすと、ついに母親の名前と住所を告白したのです。
翌朝、子供は吉野の家から姿を消します。そして母親は、吉野が所轄署に居た時、コインロッカーに生まれたばかりの赤ちゃんを捨てようとした当時16歳の少女だったことも分かりました。
吉野は、子供を捨てて男と逃げた母親を許せず、神代課長(二谷英明)に「俺が育てます」と宣言します。しかし、子供と母親が再会し、親子の絆の深さを見せつけられた吉野は、寂し気な思いで見守ったのでした。
吉野の人間的な魅力が随所に
この回は、誠直也さん演じる 吉野刑事の人間ドラマと言い切っていいほど、吉野がクローズアップされています。DVDシリーズでは、吉野主演作は数少ないのですが、そのなかでもこの作品は名作と言っていいでしょう。
ドラマの前半は、父親にされて面食らいながらも、子供の面倒を一生懸命見ようとする吉野のコミカルさが見られます。しかし、事実が徐々に分かってくると、次第にシリアスに変わっていきます。
吉野は母親である少女と出会った時、彼女に「神様は必ず見ているし、助けてくれる。この子は君以外に頼れる人間はいない」と諭し、父親が誰だか分からなくても、子供を育てるように促していました。
その少女の存在を完全に忘れていた吉野は「俺が言った言葉は恥ずかしい」と忘れていたことを猛省します。一緒にいたおやっさん(大滝秀治)は「忘れない人間などいない」と慰めるのです。
女が「あの子はロッカーで死ぬはずだったんだ」とうそぶいていたことを聞き、怒りに震える吉野。そして嫌がる女を無理やり引きずって、子供が入院している病院に連れて行く吉野・・・
吉野刑事は一本気で直線的な描かれ方をされがちですが、この作品では心根の優しいナイーブな一面も見せてくれます。 脚本は竹山洋氏が手掛けていますが、竹山氏はのちに吉野刑事殉職編も書いています。
それから、何といっても 子役の岩淵健さんの演技が素晴らしく、ドラマを盛り立ててくれています。とくに、母親を最後までかばい続ける場面は、涙なしには見られないでしょう。
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