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2017年10月21日

田原総一朗  なぜ、日本に本当の「保守政党」はないのか?

BLOGOS   より 

なぜ、日本に本当の「保守政党」はないのか?

田原総一朗

衆議院選挙が公示された。 今回、 各党の公約を読んでいて改めて感じることは、 日本には保守政党がない、 ということだ。 アメリカでは、 共和党と民主党がある。 イギリスは保守党と労働党だ。 いずれも 「保守」と「リベラル」の 二大政党が闘っている。 「保守」は、自由経済だ。 だから社会保障は最小限、 つまり小さな政府だ。 対する「リベラル」は、 社会保障を厚くする、 大きな政府だ。 保守政党の政権が続くと、 少数の勝者に比べて 生活が苦しい人びとが増え、 格差が広がる。 この状況で選挙を行うと、 リベラルが勝つことになる。 こうして政権交代が実現する。 新たに生まれたリベラル政権は、 敗者を救うため、 社会保障や福祉にどんどん税金を投入する。 すると財政が悪化し、 次の選挙では保守が勝つ。 アメリカやイギリスといった 2大政党制の国では、 保守とリベラルが交互に政権につくことで、 国家としてのバランスを保っているわけだ。 日本で民主党が誕生したときは、 日本も「2大政党制」になると期待された。 実際に、民主党が政権をとると、 健全な民主主義が 確立すると盛り上がったのだ。 だが、すでにその民主党自体が、 なくなってしまった。 いったいなぜか。 日本では、 自民党が 保守とリベラルの両面を併せ持っていることが その理由だ、 と僕は考えている。 自民党は基本的には保守政党だ。 ところが、 経済政策ではリベラル路線なのだ。 だから、 自民党に対抗しようとする民主党は、 政党色を打ち出すのがむずかしい。 これが、 民主党が混迷を経て、 民進党へ変わり、 そして現在、 実質的な解党に至った要因なのだ。 戦後、 自民党は社会保障を厚くした。 そして高度成長期が終わり、 日本経済が悪化しても、 その政策を続けた。 思い切った政策転換ができなかったのだ。 そのツケがいま、 回ってきている。 現在、 「日本の借金」は1000兆円を超えている。 自民党は、 予定通り 2019年に 消費税を2%上げると表明した。 いままで先送りを繰り返してきたが、 ついに消費税率が10%になる。 ヨーロッパなど先進諸国のほとんどは、 消費税率は20%以上だ。 高齢化社会への備えと 財政再建を考えたら、 消費税10%は、 やむ得ない決断だと思う。 ところが、 この消費税値上げには、 全野党が反対している。 立憲民主党や 共産党は当然だろうが、 「寛容な改革保守政党」 を謳(うた)う、 小池百合子さんの 「希望の党」ももちろん反対している。 どの政党も 財政再建を真剣に考えず、 口当たりのいいことしか語らないのだ。 こんな国は、ほかにはない。 日本には本当の「保守政党」がないのだ。
選挙が近くなって 熱の入った面白い記事がないかと 楽しみにしていたが 言い訳・人格攻撃の類の 政治そのものの具体性には 乏しいものが多かった。 批判が それほど 強い説得力を持つものではないことは 様々な調査結果を少し丁寧に 見れば明らかなのに 選挙間際になっても 政権への批判や 自分たちへの批判に対する言い訳 により力を注ぐ左派。 自説に自信がなくて 不安な時は 言い訳に向かうのは 大人も子供も同じ。 人間、不安な時には クリエイティブな話はしない。 それだけならまだいいが 相手の心情への配慮も できないものだ。 失言の前科のある政治家の皆様には ご注意いただきたい。 また、 この時期に クリエイティブな ヴィジョンを 語れない候補者は 実は政治には 不向きだと思う。 そういうことを 考えながら いろいろな記事を 眺めると やはり 自民党は うまい。 良し悪しの問題ではなく うまい。 そして リベラル・左派は これも良し悪しの問題ではなく 要領が悪い。 散々熱弁をふるっても 目的と手段の区別がついていないため 手段の実現を訴えるが 目的には触れもしない。 そこで感じさせる 残尿感のようなものが 政治への関心を空虚なものにする。 キリスト教の話に登場する悪魔は 何も悪事を企んでるわけではなくて 人間の悪事を 神に告発する役割を持つ 真面目な存在だ。 昔はそんなに真面目なのに どうして悪魔なのか よくわからなかったが 今はわかるような気がする。 残尿感だ。 そんな 半分アホなことを 考えながら 読んでいたが その中で 田原さんの記事は ある種の緊張と 安堵感を同時に与えてくれた。 田原さんの憂慮は 各党党首の弁よりも 妙な(というほどの) 説得力がある。 やはりここで 物事の 原点だったり 本来の姿を 捉え直すような意味での リセットは 大切だ。 むしろ 今 必要だ。 それが 逆説的に 聞こえれば聞こえるほど 近視眼的な状態に あるということだ。 上の話は 夏にラジオで 宮崎哲弥さんとの対談の形で 語られていたものと 内容はほぼ同じだが 大切な話だ。 日本の政治を語る上では 二大政党制の 良し悪しに関して語られることは あまり多くはなかったが 民主主義が より正常に 機能して行くためには 多くの人が考えている以上に 大切なことだ。
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