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2018年07月28日

安倍1強になびく"ゾンビ議員"たちの最期

プレジデントオンライン 新聞社説を読み較べる より 

安倍1強になびく"ゾンビ議員"たちの最期

総裁選は安倍首相と石破茂元幹事長との一騎打ちか

「自民党に広がる閉塞感を表していないか」

岸田氏の不出馬を巡って 新聞各紙の社説もそれぞれの視点から主張している。 7月25日付の毎日新聞の社説は冒頭部分で 「これにより総裁選は、 首相が一段と優位になったのは確かだろう。 だが候補の一人が こうして早々と戦線離脱すること自体、 『安倍1強』状況の下で 自民党に広がる閉塞感を表していないか」 と訴える。 毎日社説は 「衆参両院で自民党が多数を占める今、 総裁選は事実上の首相選びの場だ。 中でも今回は首相が3選されれば、 首相在任期間が戦前、戦後を通じて 最長となる可能性が出てくる重要な選挙である。 しかも2015年の 前回総裁選では安倍首相が無投票で再選された。 今回、複数が立候補すれば 政権復帰後初めてとなる」 と解説する。 やはり沙鴎一歩が前述したように 「首相在任期間が最長」 ゆえの深刻な問題は起きる。 そこを毎日社説はこう指摘していく。 「第2次安倍政権が発足して、もう5年半が過ぎた。 官邸が官僚の人事を握り、 それを恐れる官僚が 首相らに忖度する弊害が指摘されて久しい。 首相自らの問題でもある 森友、加計問題も決着せず、 財務省は文書改ざんまで引き起こした」 「安全保障関連法など反対意見を封じて 与党の数の力で成立させる 強引な手法も目立った。 経済政策も当初、 アピールしていたような成果をあげているとは言えず、 首相は『まだ道半ば』と繰り返すばかりだ」 どの指摘もその通りである。

「国民を巻き込んだ総裁選」を考えてほしい

さらに毎日社説は 「岸田氏が不出馬を決めたのも、 安倍首相と戦えば、 総裁選後の党人事や内閣改造で 自ら率いる派閥に不利になるかもしれない との計算が働いたと思われる」 とも指摘する。 岸田氏が 毎日社説の指摘するような政治家だとすれば、 自己の利益追求を考えた行動だ。 最後に毎日社説は 「国民を巻き込んだ総裁選」 を訴える。 「かつて多くの首相候補が激しく争っていた頃は、 総裁選は政策や政治姿勢を転換し、 国民の党に対するイメージを変える場でもあった。 政権党の開かれた論戦は国民全体にとっても有益だ。 『安倍首相3選』の結論ありきで、 多様な議論が展開されないとすれば、 これもまた民主主義の危機と言うべきである」 国民あってこその総裁選なのである。 自民党はそれを忘れている。 自民党には一度、 原点に返って政党の在り方というものを 考え直してほしい。

朝日は「我も我もと『安倍1強』に付き従う姿」と批判

岸田氏の不出馬は「忖度」なのか

さらに朝日社説は 「従う者は厚遇され、 意に沿わないものは冷や飯を食う」 と批判し、 「森友・加計問題で、 行政の公正性と政治への信頼を損なった忖度の構造が、 官僚だけでなく、 選挙で選ばれた国民の代表たる国会議員の間にも 根を広げているのは憂うべきことだ」 と主張する。 果たして岸田氏の不出馬は忖度なのか。 朝日社説らしい見方だが、 勢いに乗った安倍首相とは一戦を交えずに ポスト安倍をしたたかに狙うのだろう。 したたかさは政治家にとって欠かせない。 今回の不出馬表明はそちらの方ではないか。 朝日社説は 「強引な国会運営にしろ、 政権をめぐる疑惑の放置にしろ、 1強政治の弊害が誰の目にも明らかな今、 総裁選で示される自民党の選択は極めて重い」 と自民党の責任を指摘し、 そのうえで 「党内では石破茂元幹事長らが 出馬の意向をみせており、 前回2015年のような無投票にはならない見通しだ。 どこまで政策論争が深まるか、 党員・党友による地方票の行方とともに注視したい」 と訴える。 最後に指摘する。 「1強の裏に広がるのは、活力なき政治だ。一人の権力者になびくだけの現状は危うい」 朝日社説は安倍1強の結果、生まれたのが「活力なき政治」と指摘しているわけだが、これには賛成である。

ゾンビのように付き従うだけの与党議員たち

読売新聞も 7月26日付の1番手の社説で 自民党総裁選を扱っている。 前半で読売社説は 「岸田派内には、 首相に立ち向かうべきだとの主戦論もあった。 既に細田派と麻生派、二階派が 首相支持の方針を固めている。 岸田氏は、立候補しても 展望は開けないとみたのだろう」 と書く。 そのうえで 「要職をこなして研さんを積み、 今後に備えるべきだ。 岸田派の結束維持も課題である」 と岸田氏に呼び掛ける。 ずいぶんと優しい社説である。 岸田氏はさぞ喜んでいることだろう。 持論だが、 新聞の社説は 政権擁護よりも批判に重点を置くべきだ。 そのあたりを社説担当の論説委員が 理解していないのだろう。 そんな読売社説ではあるが、 評価に値することも述べている。 たとえば次のような主張は 社説として的確だと思う。 「出馬に強い意欲を示す石破茂・元幹事長は、 党員の支持を広げる狙いから 地方行脚を精力的に続けている。 首相とは異なる政策を掲げて 論戦を挑んでもらいたい」 異なる政策で論戦を挑んでこそ、 国民を巻き込んだ総裁選に 近づくことができるのだ。 「3年前の総裁選で、 首相は無投票再選を果たした。 6年ぶりとなる選挙戦を 自民党は党の活性化につなげるべきだ」 沙鴎一歩も指摘したが、 「活性化」が重要なキーワードなのである。 朝日は「活力」という言葉を使って表現していた。 いま政治から活力が失われ、 与党の議員はゾンビのように 安倍首相に付き従っている。 それでいいのだろうか。
”与党の議員はゾンビのように 安倍首相に付き従っている。 それでいいのだろうか。”
その程度だったらいいのだ。 国政に関わると言っても 自民党の総裁だ。 それがいやだったら 国政選挙で自民党に入れなければいい。 ところが 自民党にいくら不満があっても 結局自民党しか入れられる党がないから それゆえ現状 野党が政権をとる見通しが 事実上ないから これでいいのか とか 「国民を巻き込んだ総裁選」を考えてほしい とか 言う。 それをあたかも 自民党がなんとかすべきことのように 言う。 これは自民党の問題ではない。 野党の問題だ。 野党が国民のニーズを提供していない その一点に尽きる問題だ。 確かに公の党であれば 社会的な信頼を失わないことは 大いに必要なことだ。 しかし 党の内部の問題を その党と相反する政治的な信条を持つ人までが あれやこれやと 悪意があっても無くても いろいろ言うのは 感情的にも釈然としないし 論理的にも大いにおかしい。 またその論理的なおかしさを感じるから 野党には政策というよりも 「社会の構築力」に不安を覚えるのだ。 これは 「思想を異にする」 ということではない。 思想の問題では無く 「物理的な法則の読み込みを間違っている」 ようなものだ。 この記事のように多くは 「安倍一強」が問題だと言っているが 「安倍一強」が問題なのでは無くて 他に国民のニーズを理解して 政治的に実行できる人がいないことが 本当に問題だ。 そういう認識を本気でした方がよい。 本気でしなくてはならない。 それは全く自民党の問題では無くて 国全体の問題だ。 安倍政権には一定水準の評価をしている。 その意味では続いて欲しいが このままの一強で続けば また 安倍首相が引退しても その流れで進めば 10年以内には 野党はもっと衰退して疲弊するし 社会全体にもいろいろな問題が現れる。 汚職や人事を巡る官僚の逸脱行為にとどまらず 本当にいやな社会になることは 簡単に想像できる。 競争がない社会というのはそういうものだ。 20世紀は共産主義が崩壊した世紀だから 今の人間は考えれば 十分理解できるはずだ。 そしてそれは 本人の意思や道徳性や人間性の問題では無く 人間とはそういうものなのだ。

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