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2015年06月21日

【ニンゲン合格】出演者・感想・完全ネタバレ(セリフ完全再現)

本日の映画紹介。
【ニンゲン合格】
ニンゲン合格.jpg

【出演者】
吉井豊:西島秀俊
藤森岩雄:役所広司
吉井真一郎(豊の父):菅田俊
岩谷幸子(豊の母):りりィ
吉井千鶴(豊の妹):麻生久美子
加崎(千鶴の彼氏):哀川翔
室田:大杉漣

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【感想】
う〜ん・・・
少し難しいかな?
時の流れはとめられない?
流れた時は取り戻せない?
そんな事言いたいのでしょうか?

難しすぎて少し微妙・・・
皆演技はうまかったのですが、
どうしても普通の日常とかけ離れていて、
時間軸も分かりにくかったのが・・・


【あらすじ】(ネタバレあり)
事故から10年間昏睡状態だった吉井。
吉井は10年して目覚めた。
医者は吉井に聞いた。
「吉井君食事は?」
普通に答える吉井。
「美味しかったです。」
医者は吉井の体調をチェックして言う。
「もうほとんど健康体だな〜」
それにも吉井は普通に答えた。
「ぐっすり寝ましたから。10年間。」
いたって正常の吉井に医者は言った。
「吉井くんこれは一種の奇跡だね。」
「医学界でもめったにあるもんじゃない。」
「君は24歳になった。」
「大丈夫失ったものはすぐに取り戻せる。」
「これからの新しい人生を大切にしなさい。」

その知らせを聞いて病院に来たのは、
10年前に吉井をひいた室田。
当時の事故話を続ける室田。
そんな室田に吉井は言った。
「室田さんもういいです。」
それに対して室田は言う。
「10年を失ったのは君だけではないってことだ。」
「50万。これで終わりにしてくれ。」

目覚めてからリハビリを続けた吉井。
吉井のもとに来る藤森。
藤森は吉井の父の友人。
吉井になくした10年の出来事を教えた。
そんな藤森に吉井は
「やっぱり家に帰らなきゃマズいよね?」
藤森は答えた。
「これ以上病院にいるわけにはいかないだろ。」
そうして退院を迎えた吉井。
以前住んでいた家に帰ることにした。
その家には現在、藤森が1人で住んでいる。

藤森は不法投棄を手伝ったり、
家の広い庭に釣堀を作り、
その稼ぎで生活をしていた。
その広い庭は以前はポニー牧場だった。
しかし今や跡形は一切無かった。
家で何もしようとしない吉井に藤森は言う。
「俺はお前の父親でも、お袋でもないんだからな!」
「自分で決めろよ!全部!」

それから吉井は藤森の仕事を手伝った。
そして過去を取り戻すように友人に会いに行った。
「こうしてみると普通だな。」
「ちょっと会わなかっただけみたいだ。」
そういう友人に吉井は聞いた。
「10年って長かった?」
友人は答えた。
「あっと言う間だったよ。」

この10年で吉井の両親は離婚した。
そして経営していたポニー牧場も閉鎖した。
しかし吉井にとっては寝ていただけの時間。
その10年を埋めようとしていた。
吉井は翌日1人で同窓会の案内状を作った。
友人たちを集めて話を聞こうとしたのだ。
しかしそれを見た藤森は、
「やめろそんなの。」
そういうと案内状を捨てた。
そして吉井を無理やりソープに連れて行く。
戻ってきた吉井に藤森は聞いた。
「どうだった?楽しかったろ?」
吉井は答える。
「そこそこね。でももういいよ。」

数日後。
オランダにいた父が吉井に会いに来た。
父と再会した吉井はそっけなく、
父はそんな吉井に歩み寄ろうとした。
夜にジュースを買いに出た吉井についていく父。
「なんで着いてくるの?」

そんな吉井を見て父は藤森に言った。
「どっかに就職させてもいいし、
      ここで働かせてもいい。」
「俺はもう何もしてやれないから。」
それを聞いた藤森は怒った。
「俺は子供が嫌いだ。」
「だからつくらなかった。」
「良かったと思っているよ。今のお前を見ていると。」
「お前の息子だろうが!」

次の朝、父は出て行った。
母の住所を残して・・・
吉井は母に会いに行った。
ブザーを鳴らすが母は出てこなかった。
10年前とは違うバラバラな生活。

そんな頃、家に入ってきた一頭の馬。
吉井はその馬を育てだした。
「お前が盗んだのか?」
そういいながら入ってきた飼い主。
「勝手に入ってきたんだろ。」
馬を連れて行こうとする飼い主と、
馬を帰したくない吉井は喧嘩になった。
仲裁に入ってそれをとめた藤森。
藤森は飼い主にお金を払い、
その馬を引き取ることにした。
吉井は藤森に言った。
「俺稼いで絶対に返すから。」

ある日1人の女性が訪ねてきた。
「吉井って言う人いますか?」
対応した藤森は吉井を連れてきた。
それは吉井の妹だった。
妹の千鶴は父に会いに来たのだった。
吉井は千鶴に言った。
「お前ロサンゼルスにいたんじゃなかったのか?」
妹の千鶴は加崎という男と東京に住んでいた。
そして千鶴と加崎は家に住み着いた。
とはいっても千鶴にとっては自分の家。

千鶴は吉井に記憶の無かった時の話をする。
昏睡状態の枕元で誕生日を祝ったことなど・・・
しかし千鶴の本当の目的は、この土地だった。
吉井に土地を2人で相続しようと持ちかけた。
吉井は千鶴に言った。
「ポニー牧場は?」
千鶴は笑った。
「いまさら?」
そんな千鶴に対して吉井は怒り、
千鶴と加崎を家から追い出した。

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それから数日後。
吉井は千鶴にきいた母の居場所を訪れた。
母は懐かしみながら吉井をむかえいれた。
10年前と変わらない母の態度が嬉しかった。
そして又会うと約束して別れた。

それからの吉井の日々は、
ポニー牧場の再建に費やした。
藤崎の支援もあり再開まで漕ぎ着ける。
そんな時父が帰ってきた。
吉井は再び家族で経営できると喜んだが、
父はすぐにアフリカに旅立つと言い出す。
そして、その夜に父は、
土地の権利書と実印を吉井に渡した。
「千鶴と2人で分けろ。」
そう言って家を出て行った。

翌日、環境保全課の人間が家に来た。
不法投棄で藤森を探しているようだった。
一歩間違えれば警察沙汰となる事件。
しかし藤森の姿は何処にもない。
藤森は家を出て逃げていた。

藤森がいなくなり、
吉井は人に馬を乗せて生計を立てた。
そんな時に母が家にやってきた。
招き入れる吉井。
数年ぶりに家に入った母。
それから母と2人の生活が始まった。
お互い自由に気ままな生活。
そんな時、千鶴が再びやってきた。
一度は追い出した吉井だが、
温かくむかえいれた。
加崎も含めて奇妙な4人生活。
依然として森崎は帰っては来ない・・・

次第に牧場は大きくなっていった。
吉井は母に言った。
「ほんの一瞬でいいから、
 みんなが揃うことあるのかな?」
「俺はあると思う。」
母は返した。
「昔どおりには行かないけどあるかもね。」
10年前の温かい家を忘れられない吉井だった。

そんな奇妙な4人暮らしが慣れてきた頃、
吉井は加崎に言った。
「釣堀やりません?独立採算で。」
「牧場のほうも人手足りてるし。」
加崎は返した。
「やっぱり目障りなんだよね。」
「俺ここにいるのおかしいもんね。」
「出て行くよ。」

その夜、家でニュースを見ていると、
宗教団体の乗った船が沈没したとのニュース。
行方不明になった10名の日本人の中に、
父の名前があった。
と同時に家の電話がなる。
電話相手は外務省。
父は無事だった。
ニュースで事故の状況を話す父の姿。
それを見て安心する家族。

それから数日後、加崎は出て行った。
千鶴も加崎について出て行った。
そして母も出て行くことを決めた。
またもや1人になってしまった吉井。

1人で牧場を切り盛りしていると、
1人の客が来た。
その客は吉井をひいた室田。
近くの工事現場で働いているそうだ。
室田は自分の店を持った吉井に嫉妬した。

その夜室田は牧場に忍び込む。
チェーンソーを片手に牧場を荒らした。
吉井はそれを止めようとする。
そんな吉井に室田は言った。
「私は君の人生を無茶苦茶にした。」
「君も私の人生を無茶苦茶にした。」
「フィフティーフィフティーじゃないか。」
「何で君だけ幸せになるんだ?」
「君はあのまま病院で寝ているはずだったんだ。」
吉井は答えた。
「そのほうが良かった。」
10年前の幸せを手に出来ない、
10年前の幻想を描き続けている吉井。
「僕は何処からか来た。そして何処かに行く。」
「そろそろ目を覚まさないと。」
そういうと室田の持っていたチェーンソーを奪い、
自分の牧場を破壊し始めた。
完全に振り出しに戻った吉井。
振り出しにいた藤森すらいない・・・

しばらくして藤森が帰ってきた。
トラックに大量の産業廃棄物を乗せて・・・
産業廃棄物をおろしてまた出かけようとする藤森。
1人になることが嫌な吉井は、
藤森に着いて行こうとする。
その時・・・
高く積み上げた産業廃棄物が崩れ、
吉井はその下敷きなった。
重たい産業廃棄物の下敷きになり、
朦朧とする吉井は藤森に聞いた。
「これさ〜夢なの?」
藤森は答えた。
「夢じゃない。全て本当のことだ。」
吉井は言った。
「俺存在した?」
藤森は答えた。
「お前は確実に存在した!」

数日後、吉井の葬儀が行われた。
葬儀が終わるとみんな帰っていく。
再び家に残ったのは藤森だけだった・・・


(終わり)

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2015年06月20日

【月とキャベツ】出演者・感想・完全ネタバレ(セリフ完全再現)

本日の映画紹介。
【月とキャベツ】
月とキャベツ.jpg

【出演者】
花火:山崎まさよし
ヒバナ:真田麻垂美
理人:鶴見辰吾
木村:ダンカン
森崎:中村久美

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【感想】
私昔から山崎さん大好きです。
『One more time One more chance』
は名曲だと思います。
それが映画になっていたのは知りませんでした。

山崎さんって演技もうまいんですね〜
私はところどころで流れる曲に、
とても胸が打たれました。
曲を題材にした映画って生きてます。

曲自体が素晴らしいと、
その映画が更に上乗せしてくれるんでしょう!
しかしこの映画を見てから、
『One more time One more chance』
に対する考え方少し変わったと思います。
ただの失恋ソングではないと・・・

いい作品でした。
山崎ファンは一度は見てほしいです♪


【あらすじ】(ネタバレあり)
キャベツの収穫をする花火。
キャベツを収穫する包丁を自分の顔に当てた・・・

ラジオを聴きながら車を走らす花火。
ラシオから流れてくるのは
『月明かりにてらされて』
以前自分が作った曲。
花火の向かった先は写真家、理人のもと。

『月明かりにてらされて』
を聞きながら部屋で花火を待つ理人。
キャベツを持って部屋に来た花火に、
「俺こいつの新曲待っているんだ。」
すると花火は無視して大きなキャベツを渡した。
そんな花火に理人は言った。
「木村にも持っていってやれよ。」

理人のもとを後にして木村に会いに行った花火。
花火に木村は言う。
「人のために曲書いてみる気ないか?」
「プロデュースしてみる気はないか?」
花火は返した。
「それは猿にマラソンさせるようなもんでしょう。」
木村はそんな花火に言う。
「お前にとっても新しい道開けるんじゃないか?」
「解散して一から出直すって言ったのお前だろ。」
「どんなもの作ってくるか楽しみにしてたんだ。」
「それから1年。1年半になるだろ。」

「俺だって方向転換考えたくもなるよ。」
そんな木村に花火は言う。
「俺なんか見たいものがあるっていうか・・・」
ためらっている花火に木村は言った。
「打ち上げ花火だって、
 花火師がいないと打ちあがらないだろ。」
「もったいぶっていると花火シーズン終わってしまうぞ。」

東京からの帰り道、
車を止めてラジオを聴いていた花火。
そこには1人で踊る白いワンピースの女性ヒバナ。
花火は気になり音楽をハーモニカにのせ弾いた。
ハーモニカの音に気がつき近づいてきたヒバナ。
ヒバナは花火に言った。
「バスが・・・」
「バスに乗っていたらここに着いちゃって。」
「明日ダンスのコンクールがあるの。」
「バスの中に荷物置いてきちゃって。」
「でも大丈夫。歩いて帰ります。」
そんなヒバナに花火はお金を渡して言った。
「これでバスに乗りなよ。」
ヒバナは言う。
「どうやって返せば?」
「借りたものはきちんと返します。」
花火は、
「やるよ!」
そう言って車を発進させた・・・

数日後。
田舎で野菜を作って生活する花火。
合間に曲作りをしていた。
そんな花火の家に訪れたヒバナ。
「お金返しに来た。」
花火は言う。
「何なんだよキミは?」
「おちょくってんじゃないよ!」
ヒバナは言う。
「私もう一度ちゃんと花火に会って、
          お礼言いたかったんです。」
「花火のファンだから何でも知っているの。」
花火は返す。
「俺のファンならこんなことしないんだよ。」
そういうと家に戻った花火。
ヒバナは1人花火の家の庭でゴザをひいて寝だす。
それを見た花火はほっとけずに、
「今晩だけだぞ。」
そう言って家にあげた。

翌日目覚めた花火。
ヒバナほ起きていた。
「おはよう。」
「朝早く起きたから散歩行ってきたんだ。」
「一年間花火がどうしているか想像してたんだ。」
そしてヒバナは花火の作った歌詞について聞く。
「宇宙の秘密は緻密な蜂蜜。」
「これってどう言う意味?」
どんどん質問攻めするヒバナに対して花火は怒る。
するとヒバナは、
「すぐに火がついたように怒るから、
             花火って言われるんだよ。」

花火は1人キャベツの手入れに出かけた。
しかしヒバナもそれを追いかけて行き、
そして丘に向かって走り出した。
それを見た花火は、
「そっちは熊が出るんだよ。」
そう言ってヒバナを追いかけた。
ヒバナの向かった先には花火も知らない丘が・・・
綺麗な丘でヒバナは花火の歌を歌った。
それを聞いた花火は言う。
「へたくそ!」
動じないヒバナは言う。
「いつも花火の歌、空見て聞くんだ。」
「一緒にいるみたいでドキドキするの。」
「花火って寂しがり屋なんだね!」
そう言って花火の胸に飛び込んだヒバナ。
花火の心臓の音を聞きながら話すヒバナ。
「動悸は正常である。」
「しかし、やや心拍は激しくなってきた。」
「いつか花火の曲聴いて踊りたいと思ったんだ。」

それを聞いた花火は言った。
「あわないだろ。」
「それよりコンクールどうだったんだ?」
ヒバナは言った。
「予選落ち・・・」
そして2人は家へ帰る途中に壊れた自転車を見つけた。
自転車を修理し始めるヒバナ。
修理が終わると花火に言った。
「ここにいていいでしょ?」
花火は帰るようにヒバナに言った。
仕方なく帰ろうとするヒバナ。
ヒバナを無視して花火も家の中へ・・・
しかし家の中にはヒバナの書いた花火の似顔絵。
それを見た花火は、
ヒバナの直した自転車に乗り追いかけた。
1人で歩くヒバナに追いついた花火は言う。
「やっぱり役に立つな。」
「自転車。」
「いてもいいよ!」
そして奇妙な共同生活が始まった・・・

ある日、壊れたオルガンで遊ぶヒバナ。
ヒバナは音の出ないオルガンを弾き、花火に言う。
「音の出ないオルガンなんて花火みたい。」
「早く新しい曲が聞きたいよ。」
花火は答えた。
「出来ないものは出来ないんだよ。」
ヒバナは言った。
「やろうともしてない・・・」
「私には花火の曲が永遠に残ってる。」
花火は言った。
「オーバーだな!」
「永遠なんて死んでから分かることだろ!」

東京では木村と理人が会っていた。
理人は近々花火に会いに行く予定と聞き、
木村は理人に花火宛に届いた、
ファンレターを持って行ってもらうように頼んだ。
そして理人は花火に会いに行った。
理人とヒバナが会うのは初めて。
理人は仲良くしようとヒバナと話す。
そして3人で川に行く。
川を見たヒバナは急に倒れてしまった。
ヒバナの体調は直ぐに良くなり、
理人は東京へ帰って言った。

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ある日花火とヒバナは丘に行った。
花火はヒバナに聞いた。
「おまえ本当の名前は何ていうの?」
ヒバナは答えた。
「ヒバナ!花火は?」
花火は答えた。
「恥ずかしいからいいよ!」
そんな花火の答えにヒバナは言った。
「私は花火がいる限りヒバナなの!」
そしてヒバナのリクエストで
「妖精といた夏」
をハーモニカで吹く花火。
それにあわせてヒバナは踊った。

その日から花火は曲つくりを始めた。
少しずつ出来ていく曲の中、
曲にあわせて踊るヒバナ。
そんなヒバナは花火に言った。
「花火の夏休みは終わるんだね。」
「私の夏休みももうじき終わっちゃうな〜」

作曲は途中で止まっていた。
先が思いつかないという花火。
ヒバナの踊りを参考にして作り続ける。
ヒバナは自分が表現する踊りを
『地球の鼓動』と言った・・・

東京では理人が自分の写真を整理していた。
そしてある一枚の写真を見つけた・・・

ある日キャベツの収穫に行った花火とヒバナ。
その時急に雨が降ってきた。
ヒバナは急に走り出す。
花火は驚き追いかけた。
雨の当たらない小屋を見つけて2人は入った。
ビショビショになったヒバナは小屋に倒れこむ。
そして花火の腕を握って一言にいった。
「私を忘れないで・・・」
そんなヒバナに寄り添う花火。

翌朝雨は上がった。
相変わらず高い塀の上に登り、
空を見続けるヒバナ。
花火の作曲は続いていた。
作曲の横には常にヒバナが踊っていた。
そして新曲は完成した。
その時急に花火の家を訪れた理人。
「天体望遠鏡持ってきた。」
望遠鏡をのぞく花火とヒバナ。

花火が部屋に戻った隙に理人はヒバナに言った。
「今年もダンスコンクールは賑やかになったよ。」
「ただ1人の子だけが参加できなったらしい。」
「その子が待っていた、
 川沿いのバス停が土砂崩れにあってね。」
「その子が見つかったときに、
 事故にあう前に聞いていた、
 ウォークマンだけが回っていたそうだよ。」
「日の花の里って書いて日花里って言うそうだ。」
「僕は以前その子を撮ったことがあるんだ。」
「去年のコンクールで部屋の隅でうずくまって、
 ずっとウォークマンで音楽を聞いていたんだ。」
「何かを信じるような祈るようなその姿に
 胸を打たれて、僕はシャッターを切った。」
「いつかその子に会ったら、
     ありがとうって言いたかったんだ。」
そして一枚の写真をヒバナに渡した。
その写真にはヒバナが写っていた。
ヒバナは理人に言った。
「こんな写真を撮ってもらって、
 お礼が言いたいのはその子のほうだと思う。」
理人はヒバナに言った。
「できる事ならずっと花火のそばにいてほしい。」
しかしヒバナの返事は、
「夏休みはずっと続かないから・・・」

その夜花火とヒバナは2人でピアノを弾き、
2人で新曲を歌った。
「One more time One more chance」を・・・
歌い終わると花火はヒバナを後ろから抱きしめた。
ヒバナは花火の手を触りながら言った。
「歌うよね?これからもずっと。」
「うん」と言ってヒバナにキスをしようとする花火。
ヒバナはキスを避けて口紅を花火に渡して言う。
「これ花火に塗ってほしい。」
花火は言われたようにヒバナに口紅を塗った。
塗り終わるとヒバナから花火にキスをする。
そしてヒバナは言った。
「ごめんね。もう会えないの。」
「会えなくなってしまうの。」
「花火のそばにはもういられないの。」
花火は聞く。
「どうしてだ?わからないよ。」
ヒバナは花火の質問に答えず言う。
「ありがとう。花火。」
そういうと家を出て行ったヒバナ。

東京では理人が悩んでいた。
以前木村から預かった花火へのファンレター。
その中にあったヒバナの母からの手紙。
それと一緒に同封されたヒバナの日記。
花火の曲とダンスが好きだったヒバナの日記。
それは他愛もない日記。
『花火の曲で踊りたい。』
『夏の終わりに私は17歳になる。』
『花火と日花里。花の字が一緒だね。』
『花火。日花里。ハナビ。ヒカリ。
 そうだ!
 私は花火のはじけたほんの一瞬の火花。』
『ヒバナだ!』

一方ヒバナがいなくなり花火は1人、
ヒバナの良く登っていた塀に登り、
ハーモニカを吹いていた。
夜には1人で新曲を歌った。
ヒバナと作った曲。
ヒバナのダンスを思い出して歌った。
『One more time One more chance』

(終わり)

〜〜妖精といた夏〜〜
瓦礫の山に妖精を見つけた
壊れたテレビで遊んでる
無邪気な声がどこまでも響いた
月に一度の燃えないゴミの日
忘れかけている愛しいメロディ
あの日拾ったオルゴール
幼い胸が確かに踊った
永遠の空の下で
頼りない小さな手が触れたものは
もうここには帰らない

あの時と同じ空なのに
オルゴールの音は聞こえない
あの時と同じ風なのに
僕らの歌声はとどかない

縁石の上の背くらべは
プールからの帰り道
夕日ににじむ長い影法師
アスファルトになる前に道で
少しずつ失っていく
かけがえのないあの頃の宝物

あの時と同じ空なのに
オルゴールの音は聞こえない
あの時と同じ風なのに
僕らの歌声はとどかない

瓦礫の山はいつしか消えた
運び去られた夢の跡
妖精たちは翼をたたんだ
僕と一緒に帰れなかった
僕と一緒に帰れなかった


〜One more time One more chance〜
これ以上何を失えば心は許されるの
どれ程の痛みならばもういちど君にあえる
One more time季節ようつろわないで
One more timeふざけあった時間よ
くいちがう時はいつも僕が先に折れたね
わがままな性格がなおさら愛しくさせた
One more chance記憶に足をとられて
One more chance次の場所を選べない

いつでも捜しているよどっかに君の姿を
向かいのホーム路地裏の窓
こんなとこにいるはずもないのに
願いがもしも叶うなら今すぐ君のもとへ
できないことはもう何もない
すべてかけて抱きしめてみせるよ

寂しさ紛らすだけなら誰でもいいはずなのに
星が落ちそうな夜だから自分をいつわれない
One more time季節ようつろわないで
One more timeふざけあった時間よ

いつでも捜しているよどっかに君の姿を
交差点でも夢の中でも
こんなとこにいるはずもないのに
奇跡がもしも起こるなら今すぐ君に見せたい
新しい朝これからの僕
言えなかった「好き」という言葉も

夏の思い出がまわる
ふいに消えた鼓動

いつでも捜しているよどっかに君の姿を
明け方の街桜木町で
こんなとこに来るはずもないのに
願いがもしも叶うなら今すぐ君のもとへ
できないことはもう何もない
すべてかけて抱きしめてみせるよ

いつでも捜しているよどっかに君の破片を
旅先の店新聞の隅
こんなとこにあるはずもないのに
奇跡がもしも起こるなら今すぐ君に見せたい
新しい朝これからの僕
言えなかった「好き」という言葉も

いつでも捜してしまうどっかに君の笑顔を
急行待ちの踏切あたり
こんなとこにいるはずもないのに
命が繰り返すならば何度も君のもとへ
欲しいものなどもう何もない
君のほかに大切なものなど


〜〜 関 連 商 品 〜〜


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2015年06月19日

【森崎書店の日々】出演者・感想・完全ネタバレ(セリフ完全再現)

本日の映画紹介。
【森崎書店の日々】
森崎書店の日々.jpg

【出演者】
貴子:菊池亜希子
英明:松尾敏伸
トモコ:田中麗奈
サトル:内藤剛志
高野:奥村智史
藤崎書店の客:吉沢悠
マスター:きたろう
サブ:岩松了

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【感想】
温かい話です。
内藤さんの言葉と好きですね〜
最後の田中麗奈さんの言葉も名言。

こんな温かい街だったら、
人間の心って豊かになるんでしょうね〜

ホッコリしたいときには良い映画です!
感動があると言うわけでもなく、
ストーリーが良いというわけでもないんですが、
心温まるんですよね〜♪

これ系の映画私好きなんです。
是非一度見てください。


【あらすじ】(ネタバレあり)
貴子と英明はとあるレストランでデートしていた。
2人で話す。他愛もない会話。
その時近くの席に店員がバースデーケーキを運んだ。
その席の友人たちの祝福モード。
それを見た英明は突然話した。
「俺結婚することになったんだ。」
貴子は聞いた。
「することになった?」
「誰と誰が?」
秀樹は言った。
「俺と彼女が・・・」
貴子は自分が彼女と思っていた・・・

貴子は1人アパートに帰った。
当然の如く落ち込む貴子。

売る本の根付けをしていたサトル。
そこに現れた常連客のサブ。
サブは以前から探していた本を渡されて、
上機嫌で帰っていく。

依然として落ち込んだままの貴子。
職場でもまったく身が入らない。
数日後貴子は仕事を辞めた・・・
引きこもりになって寝続けていた貴子。
貴子のもとに母から電話が入った。
「貴子。元気にしている?」
「せっかく入った会社だったのにね〜」
「いつまでもそんな状況よくないよ。」

同時期サトルのもとへ電話が入った。
「サトル?あんたは元気?」
貴子の母はサトルの姉。
姉に聞いてサトルは貴子に電話した。
「貴子ちゃん元気?」
「サトルです。今書店から電話してます。」
貴子は言った。
「サトルおじさん?」
サトルは言った。
「しばらく働く気ないなら家こないか?」
「腰痛めちゃってさ〜」
「病院行く日に店開けてくれればそれでいいんだよ。」
「店の上に部屋もあるし。」

数日後。悩んでいた貴子のもとにサトルから手紙が届いた。
それはサトルの店。藤崎書店の地図が入っていた。
貴子はそれを見て小さい頃にサトルから貰った、
お年玉の宝の地図を思い出していた。
貴子は決意してサトルの書店を訪れた。
サトルとは8年ぶりの再会であった。
店の中に通された貴子は言った。
「かび臭い。」
それに対してサトルは言った。
「しっとりしていると言って欲しいな。」
そしてこれから住む2階の部屋に通された。
そこは明らかに物置・・・
「本どければ何とかなるよ!」

貴子はサトルのいない日は店番をした。
客はめったに来ないが、サブが来た。
「サトルさんは?って言うか誰?」
「バイトの子?」
貴子は答えた。
「私バイトって言うか・・・」
「叔父は1時くらいには着ますが。」
サブは貴子に話しかけてきた。
「今日は志賀直哉を読もうと思ってね。」
「君本は読まないの?」
「薄っぺらい人間になりたくなきゃ、
 ここにある本少しは読みなさいよ。」
そういうとサブは本の話を続けた。
とても長い話・・・

しばらくしてサトルが帰ってきた。
貴子はサブの長い話で疲れていた。
そんな貴子はサトルに聞いた。
「この店大丈夫?」
サトルは笑って答えた。
「厳しいね〜」
「今は古本が売れない時代だからね〜」
「でもこういう本が好きな人もいてね。」
「ここにある本はどれでも読んでいいからね。」

失恋してから貴子の虚無感たっぷりの生活は続いた。
そんな貴子を心配するサトル。
貴子に声をかけ続けるサトル。
ある日サトルは貴子を誘った。
連れて行ったのは、とある喫茶店。
マスターは30年営業を続ける老舗。
喫茶店で貴子はサトルに聞いた。
「叔父さんは私くらいの時、何してたの?」
サトルは答えた。
「本を読みまくって旅してたかな?」
「いろんな世界を見てみたかった。」
「そして自分の可能性を見てみたかった。」
そう話すサトルに貴子は再び聞いた。
「それで何か見つかったの?」
サトルは答えた。
「見つかったとも言うし、
 見つかるものではないとも言う。」
「そうこうしているうちに、
親父が倒れて店を継いだんだ。」
「これほど僕に向いている職業はないと思うよ。」
貴子は言う。
「いいな〜。自分の好きなことやって生きていける。」
しかしサトルは答えた。
「そうでもないよ。今でも迷うことはあるし・・・」

サトルが客と話しているとき、
マスターが貴子に話しかけてきた。
「是非、神保町の生活を楽しんでよ。」
そんなマスターに貴子は言った。
「叔父も同じようなこと言うんですよね。」
マスターは答えた。
「そりゃそうさ。」
「サトルさん以上に、この街を愛している人はいないよ。」
「いろいろあったみたいだけど、
未だにこの街にいる。」
貴子は小さかったときの記憶を思い出していた。
実家の縁側で1人泣くサトルの背中だった・・・

喫茶店の帰り道サトルに貴子は聞いた。
「私、今時間を無駄にしているのかな?」
サトルは返した。
「そんなことないよ。」
「今は夏休み。」
「君という船は今この街に碇をおろしてる。」
「よく休んだら、
また出向したらいいんじゃないか?」
その日から貴子は本を読み出した。

あれから何冊もの本を読んだ。
そんな時、古本の一冊に線が引かれていた。
『視ることは、それはもう何かなのだ。
  自分の魂の一部分あるいは、
   全部がそれに乗り移ることなのだ。』

古本に見せられた貴子。
店に来たサブに言った。
「私こういう街があるって知らなかったな。」
サブは答える。
「本屋だけで170件以上。」
「ここは世界一の書店街なんだ。」
それを聞いた貴子は言う。
「それぞれの本屋さんに、
 ちゃんとそれぞれの色がある。」
「みんなそれぞれ。
 いろいろあっていいんだな〜って・・・」

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貴子は街になじんできていた。
マスターの店で働くトモコと仲良くなり、
喫茶店にも足を運ぶようになった。
神保町の書店をめぐっては本を読んだ。
そんなある日、
書店に並んでいない一冊の本を見つけた貴子。
貴子はサトルに聞いた。
「この本って何?」
サトルは言った。
「この前仕入れた本だよ。」
「これだけ値段が決まらなくて。」
「これ貴子ちゃんに値段つけてもらうよ。」
「読んで思った値段つけて。」
貴子はサトルに言った。
「この前まで本のことに興味が無かったのに、
 今こうしているんだもん。」
そんな貴子にサトルは答える。
「いいんじゃない?」
「いつからでも人生始まる感じがして。」

神保町の古本祭り。
街中に古本の出店が並ぶ。
藤崎書店も祭りに参加した。
貴子と露店で本を売っていると、
サトルは貴子に話し始めた。
「この祭りをやると、
つくづく神保町って本みたいだって思うよ。」
「開けるまでは凄く静かで、
 開くととてつもない世界が広がっていて、
 閉じるとまたシーンと静かになる。」
貴子はそれに対して一言。
「私は好きだな〜この街。」
そんな貴子にサトルは言った。
「貴子ちゃんが居たかったら、
いつまででも居ていいからね〜。」

常に優しくしてくれるサトル。
そんなサトルに貴子は聞いた。
「何でそんなに私に優しくしてくれるの?」
サトルは答えた。
「貴子ちゃんが好きだからだ。」
「君は僕の天使だ。」
「君は恩人だ。」
「生まれたときに・・・」
「前に旅の話したでしょ。」
「その旅始めるきっかけになったのは、
貴子ちゃんなんだよ。」
「大学を卒業して出版社に就職したんだけど、
商業的に本を売るのが無理だったんだ。」
「この世界に自分の居場所なんて、
ないんじゃないかって思っていた。」
「自分の殻に閉じこもっていたともいえるし、
破れなかったともいえる。」
「そんな時に君が生まれた。」
「生まれたての君を見たときに涙が出そうになって。」
「もう少し頑張ろうかなって思うようになった。」
「今は自信がないけど、
いつか自信を持ってここが自分の居場所だって、
言えるようになりたいって。」
珍しく自分の話をするサトルに貴子は聞いた。
「それで居場所は見つかったの?」
サトルは答えた。
「そういうことになるのかな?」
「ずいぶん時間はかかったけど。」
「世界に飛び出して最後にたどり着いた場所が、
 自分が子供の頃から知り尽くした場所だなんて・・・」
「でもその時には場所ではなくて、
 大切なのは気持ちだって分かっていたから。」
「本当にいつまで居てもいいからね。」
そういい残してサトルは1人喫茶店へ行った。

喫茶店でサトルはマスターに聞いた。
「人はいつも失ったものを、
探しながら生きているんですかね?」
マスターは聞き返した。
「桃子さん?」
サトルは返した。
「桃子のことや、あの店を継いだころのことなんです。」
「桃子は僕があの日引き止めていたら、
引き留まったんですかね?」
マスターは静かに答えた。
「それは何者にもわからないことですね。」

英明のことを忘れかけていたある日、
サトルと本の引き取りに向かった貴子。
帰りの運転中に横断歩道を渡る英明を見かけた。
忘れかけていた記憶が蘇り、
再び暗闇のどん底に戻ってしまった貴子。
サトルは元気のない貴子を気にした。
そして貴子に聞いた。
「ここに来る前に何があったんだ?」
「苦しいなら全部話しちゃったほうがいいんじゃない?」
サトルの優しさに泣き出した貴子。
そして英明とのことを話し始めた。
「私何見ていたんだろう・・・」
「いっぱい寝たら・・・
そして起きたら無かったことにならないかなって・・・」
「ならないんだよね。」
サトルは言った。
「今からそいつを謝罪させに行こう。」
「君を傷つけたんだから。」
「悔しくないの?」
「いつまでも過去の亡霊に付きまとわれることになるよ。」
そして貴子とサトルは英明のもとへ・・・

英明にサトルは謝罪させようとする。
しかしサトルはまったく動じない。
「何でこいつの言うこと全部鵜呑みにするんだよ。」
「会社辞めたのもこいつの勝手だろ。」
「どういうつもりだよ。」
それを聞いた貴子は英明に言った。
「私はあなたのことが好きだった。」
「私は物じゃないの。」
「普通に物を考えて、泣くことだってある。」
「私は苦しかった。」
貴子の気持ちを受け、サトルも英明に言う。
「この子は素直に言ったんだ。」
「君も正直に答えるべきじゃないのか?」
それでもまったく動じない英明。
「警察を呼ばれたくなかったら帰ってくれ。」
そう言って家に入っていった。

帰りの車サトルは貴子に言った。
「ごめんね。」
貴子は言う。
「ああやって自分の気持ち言うの始めてかも知れない。」
「なんかちょっと軽くなった。」

次の日貴子はサトルに預かった一冊の本を読み終えた。
そして自分で値段をつけた。
書店の本棚に本を入れて本に向かって拝む貴子。
貴子はサトルに言った。
「私ここ出て行くね。」
「仕事探してここ出て行く。」
サトルは言った。
「急だね。」
貴子は返す。
「急じゃないんだ。踏ん切りついたし・・・」

出て行くことを決めた貴子。
仲良くなったトモコに話した。
「私も自分の足で歩こうと思う。」
「この街出るの少しさびしいけどね。」
するとトモコは言う。
「私もこの街好きだよ。」
「ここに来ると思うの。」
「自分で価値を作れる人間になるんだって。」
「ある古本屋さんの言葉でね、
価値のあるものを買うのではなく、
        価値を作れる人間は強い。」
「私もそんな人間になりたいんだ〜。」
貴子は答えた。
「いいね〜。」


(終わり)

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2015年06月17日

【紙の月】出演者・感想・完全ネタバレ(セリフ完全再現)

本日の映画紹介。
【紙の月】
紙の月.jpg

【出演者】
梅澤梨花:宮沢りえ
平林光太:池松壮亮
梅澤正文(梨花の夫):田辺誠一
隅より子(梨花の同僚):小林聡美
相川恵子(梨花の同僚):大島優子
今井(梨花の同僚):伊勢志摩
井上佑司(梨花の上司):近藤芳正
平林孝三(光太の祖父・梨花の顧客)石橋蓮司
小山内等(梨花の顧客):佐々木勝彦
小山内光子(梨花の顧客):天光眞弓
名護たまえ(梨花の顧客):中原ひとみ

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【感想】
宮沢さん演じきりましたね〜
池松くんもう少しチャラくて良かった?
個人的には池松くん好きですが、
配役的には窪田くんにやってほしかったかも・・・
池松くんもちろんうまいですよ!
でも根が真面目なのが全面に出ちゃうんです。

でも面白い映画でした!
どんどん変化していく梨花を演じた宮沢さん。
私が好きなのは最後の小林さん。
あのシーンのやりとりは重い・・・
あの台詞で締めくくらせたの良かった!

ストーリー展開も、描写も良くて、
とても記憶に残る映画です。


【あらすじ】(ネタバレあり)
〜〜1994年〜〜
電車で出勤する梅澤梨花と夫の正文。
梨花は若葉銀行の銀行員。

梨花は業務の外回り。
顧客である資産家の平林に、
定期預金から国債への切り替えを進める。
熱心に国債勧める梨花の魅力に、
平林は国債への切り替えを承諾した。
その時帰ってきた孫の光太。
これが梨花と光太の出会いだった。

その夜の自宅に帰った梨花。
パートから契約社員に切り替わった記念に、
正文と自分に買ったペアの腕時計を渡した。
正文は時計を見て梨花に言った。
「ゴルフにしていくよ。」
「これくらい気軽いやつ欲しかったんだ。」
一言余計な正文に梨花は笑って合わせた・・・

ある日の勤務後、同僚の送別会。
送別会の帰りに電車に乗ろうとした梨花。
声を掛けてきたのは平沢の孫の光太。
「祖父の家で会ったんですが覚えてませんか?」
その日はつたない会話で終わったが、
梨花は一瞬で惹かれてしまった・・・

数日後、外回りをしていた梨花。
顧客の名護から預かった預金分のお金を手に、
近くのデパートに立ち寄った。
化粧品を見ていた梨花は、
店員に声をかけられて化粧品を買った。
しかし合計額は4万を超えていた。
財布の中には3万円。
仕方なく名護から預かったお金で購入した。
もちろんその後にATMでお金をおろし戻した。
そんな些細な行動が全ての始まりだった・・・

毎日のように通勤の電車で顔を合わす光太。
次第にお互い惹かれるようになり、
ついには関係を持ってしまうことになる。
出張を繰り返す正文を尻目に、
毎日のように会うようになった。

ある日出張帰りの正文。
旦那は上海の出張帰りにプレゼントを梨花に渡した。
プレゼントをあけた梨花。
「なんで?時計にしたの?」
つい最近ペアの時計を買ったばかり。
戸惑う梨花に正文は言った。
「それぐらいの物、身につけてもいんじゃない?」
梨花は自分の気持ちを押し殺して言った。
「ありがとう。」

その時計をして銀行へ行くと同僚の相川は言った。
「気をつけないと結構見られてますよ。」
「私ここでは着けませんもん。」
そう言ってロレックスの時計を見せる相川。
「彼氏ですけど、人の旦那です。」
相川もまた不倫をしていた・・・

毎日のように光太と関係を持つ梨花。
そんなある日、正文は言った。
「本当忙しそうだね最近。」
「あのね上海に転勤決まったから。」
「すぐにでも来て欲しいらしい。」
「銀行にはすぐにでも話しておいて。」
「向こうで住む家見たら驚くよ。」
「でっかい家。」
「おめでとうは?」
梨花は自分の気持ちを押し殺し、一言だけ言った。
「おめでとう。」

ある日の梨花は平林の家に外回りに行っていた。
平林が入っていた保険の積立金がおりて、
その200万を預金するために呼ばれた。
梨花はお金を預かり平林に言う。
「ご家族が心配されていると思いますよ。」
すると平林は返した。
「心配されているのは俺の金だ。」
「しょっちゅうタカりに来る。」
「どいつもこいつも借金まみれなんだ。」
「あいつらに出すくらいだったら女に出す。」
「優しくしてくれる女にさ〜。」
「あんた一度会っただろ孫に。」
「あの歳でいくら借金があると思う?」
光太の借金のことを聞いた梨花。
平林の家を出ると光太がいた。

平林の目を気にしながら光太と公園へ向かった。
梨花は光太に聞いた。
「何で言わなかったの?お金のこと。」
光太は言った。
「学費だよ。借りたの大学の学費。」
光太の父はリストラでお金がないそうだ。
梨花は聞いた。
「いくらあるの?」
光太は素直に答えた。
「150万くらい。」
「でも大学辞めるし。」
「バイトばっかで就職活動も出来ないし、
       卒業してもしなくても同じだよ。」
梨花は言った。
「それでいいの?」
「60万くらいなら・・・」
「今度会うとき降ろしてくるから。」
光太は返す。
「大丈夫だって。こんな話忘れて。」

そして仕事に戻った梨花。
預かった200万を相川に渡し預金の手続きを行った。
その時会社の電話が鳴り梨花は呼ばれた。
相手は平林だった。
「うちの孫に会っただろう。何話した?」
「金貸せって言われただろ。」
「なんかあったら、こっちにとばっちりが来るんだ。」
「余計なことしないでくれ。」
そう言われて電話は切れた。
その電話で梨花は思いついた。
すぐに相川のもとへ向かった梨花。
「今の電話で預金キャンセルになって。」
「証書出してもらったのにすみません。」
「書損になりますよね?」
「平林さんお急ぎのようで。」
そう言うと担当外の処理を始めた梨花。
平林には証書を渡し、
銀行には預金のなかったことにする。
こうして梨花は200万円を横領した。

その夜、決意した梨花は正文に言った。
「行けない。私上海行けない。」
「仕事があるから。」
「今辞めるわけいかないの。」
「私にも責任があるの。」
「それだけの仕事しているの。」

次の日200万円を光太に渡した。
購入しようとしていたBMWを、
買わないことになったと嘘をついた。
「あげる訳じゃないの。貸すの。」
「利子は取らないから。」
「大学辞めたくないんでしょ?」
光太は言った。
「梨花さんのお金でしょ。」
「旦那さんとBMV買うお金だったんでしょ?」
「いらないよ。そんなの。」
梨花は言い返した。
「だったらおじいさんから借りたと思いなさい。」
「金なんてみんな同じじゃない。」
しかし光太は言う。
「受け取ったら変わっちゃうよ。」
梨花は返す。
「変わらない。200万くらいなら。」
光太は200万を受け取った。


〜〜高校生の頃〜〜
『愛の子供プログラム』
個人が各国で悩んでいる子どもに寄付をする。
梨花も一生懸命個人のお金で寄付をしていた。


〜〜1995年〜〜
梨花と光太の関係は続いていた。
単身赴任となった正文を尻目に、
光太と高級レストランでご飯を食べて、
ホテルに泊まり・・・
光太も少しずつお金を返済していた。

そんなある日二人で歩いていると、
声をかけてくる女子学生たち。
光太のボランティアサークル仲間らしい。
街角にたって寄付金を募るサークル。
「もしかしてお姉さんですか?」
梨花は言った。
「はい。」
光太は梨花に言う。
「姉にならなくてもいいのに。」
「ただうるさいだけの子どもだよ。」

梨花は光太にお金を渡して言った。
それは光太から返済されたお金。
「これ募金しておいて。」
「自分で使わないでよ。」
梨花は高校生のときの寄付を思い出していた。
そのときやり取りしていた5歳の男の子。
しかし震災が起きて手紙は来なくなったと・・・

ある日の銀行。相川は梨花に言った。
「雰囲気変わりましたよね。」
「着ているものも感じ変わったし。」
「気をつけないとチェックされていますよ。」
「毎日人のお金いじる仕事しているんですよ!」
梨花は返した。
「変な気起こすわけないでしょ!」
そんな梨花に相川は言う。
「駄目ですかね?」
「一瞬借りて返すとか?」
「使わないお金なんて、
 一瞬借りてもわからないと思うんです。」
「見張っててくれますか私の手?」
「マジで悪さしそうなんで!」

梨花のその日の外回りは名護さんの家。
「来てくれたの梅沢さん?」
梨花は驚いて聞いた。
「昨日来ましたよね?」
「大きい買い物したいからって。」
昨日名護さんから電話を貰って、
預金を下ろして持ってきた梨花。
しかし名護さんは若干ボケていた。
昨日おろすと伝えたお金の話を忘れていた。
「申し訳ないけど、このお金戻しておいて。」
持参した300万円。
ふただび持ち帰ることになった梨花。
銀行への帰り道。
梨花は自分の通帳にその300万を預金した・・・

その300万円は光太との豪遊に使われた。
スイートルームに泊まって・・・
美味しいものを食べて・・・
買い物をして・・・
そして3日目の夜に梨花は言う。
「また来よう。来週。」
「再来週もその次も。」
「週末になったらここに来よう。」

梨花の横領は計画的になっていた。
孫のために預金をしようとしていた小山内家。
その家庭にも横領の手はのびた。
自宅で預金証書を偽装するようになり。
専用の機材もそろえた。
もちろん横領した家庭へ届く明細も、
上司の目を盗み個人で処分をした。
横領したお金で車を買い、
光太との愛の巣である家まで借りた。
光太へはパソコンまで買い与えた。

横領が続いていたある日、
先輩の隅に転勤の話があがった。
25年働いている一番の古株。
とっつきにくい正確と、堅実な性格。
もちろん支店としては辞めさせるための戦略。
移動に反対する隅。

一方で梨花と光太は贅沢な生活を送っていた。
そんな時光太は梨花に言う。
「怒らないで聞いてくれる?」
「大学辞めたんだよね。」
「先が見えちゃってさ〜」
そして光太はHP制作の仕事をすると言い出した。

銀行では相川が梨花に話す。
隅の噂話。そして井上次長の話。
井上次長の話をする相川。
「苦労してるんですあの人。」
その言葉で気がついた梨花。
「あの人?そういうこと?」
相川は言った。
「そういうことしそうな私と、
 そういうことしそうな次長が、
 そういうことしているんです。」
そして更に話し続ける相川。
「伝票うたされていたんです私。」
「架空の・・・」
「決算の前に支店の成績を水増しするんです。」

その頃、隅は梨花の行動に気がついていた。
梨花の対応した証書がないことを・・・
井上次長に相談する隅。
井上は隅に言った。
「顧客に証書を渡して、
 預かった金を取ったってことですか?」
翌日梨花は井上に呼び出された。
井上は梨花に対して、
保管したはずの証書のありかを問いただした。
「200万はどこに行ったんですか?」
梨花は素直に答えた。
「すみませんでした。」
井上は言った。
「これただじゃすみませんよ。」
「支店長を呼びます。」
その時梨花は切り出した。
「お返しします。」
「相川さんとのことは誰にも言いません。」
「伝票操作のことも誰にも言いません。」
「来月には返しますので。」
井上は黙った・・・

暴露されたくない井上は隅に言った。
「誤解だったらしいですね。」
「証書も誤って捨ててしまったようです。」
しかし隅には全てお見通しだった。
「次長が何をしているのかくらいは想像はつきます。」
「やるべきことをやってください。」
しかし井上は隅を制した。
「僕に任せてください。」

梨花はバレた200万を返すため、
更に横領を計画していた。
その時正文から電話が入った。
近いうちに一時帰国するというもの。
正文の事は頭にない梨花。
梨花は名護の家に向かった。
預金をおろす名護にお金を持って行ったのだ。
名護に10万円を渡して、
200万引き出した証書にサインさせた。
ボケている名護は気がつかない・・・

そんな状況でも見栄を張る梨花。
光太は毎月返済していたが小額。
「先輩全然仕事回してくれなくて・・・」
梨花は言う。
「先月もそう言ってた。」
光太は素直に、
「こういうの駄目だね。」
「明日にでもバイト探して即効返す。」
梨花は言う。
「やめなよ。明日天気悪いらしいよ。」

それから数日後・・・
光太に電話する梨花。
しかし電話は繋がらない。
部屋に向かうとそこには女物の靴が・・・
光太は部屋に若い女性を連れ込んでいた。
梨花は何も言わずに部屋を出た。
梨花を追いかける光太。
「梨花さんごめん。」
「許してください。」
「あの部屋いると時々たまんなくなる。」
「いつまでこの生活持つかなとか、
 梨花さんもそう思っていたよね?」
梨花は強がった。
「食べたいもの考えておいて。」
光太は言った。
「それは駄目だよ。」
梨花は更に強がった。
「じゃあ、おしまい。」
こうして光太との関係は終わった・・・

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そんなある日。
隅は梨花を昼食に誘った。
そして梨花に隅は言った。
「返せば全て元通り?」
「それだけで済むと本当に思っているの?」
隅の移動の話を持ち出し、誤魔化す梨花。
そんな梨花に隅は言った。
「辞めないわよ私。」
「行くよ。行くべきところに・・・」
梨花は先に席を立った。
そしてレジに向かった梨花。
財布にはお金がなかった。
クレジットカードを出すが全て止められていた。
それを見た隅はお金を出して言う。
「200万だけなの?」

どうにもならなくなった梨花。
翌日平林の家へ向かった。
そして新しい商材を進めた。
胸元のボタンを外して色仕掛けに出た。
「国債買ってくださったとき、凄く嬉しかったんです。」
そう言って平林に抱きついた。
すると平林は言った。
「あんた勘違いしている。」
「俺があの時国債買ったのは、
 あんたの提案が面白いと思ったからだ。」
「預けろとか増やせとかは誰でも言う。」
「でも使って楽しめって言ったのは、
         あんたが初めてだった。」
「ノルマそんなに厳しいのか?」
「今のままでいいんじゃないか?」
「焦らなくても大丈夫だよ。」

梨花の焦りとは関係なく正文が帰ってきた。
上海の思い出を語る正文に対して、
「私ちょっと行かなきゃ。」
正文は驚いて聞く。
「こんな時間に?」
梨花は答えた。
「この時間じゃなきゃ駄目だって言う人がいて・・・」
そして梨花が向かったのは光太のために借りた部屋。
今では横領の為の部屋となっていた。

隅は更に梨花を調べていた。
移動前に決着をつけようとしていた野田。
始めに行ったのは小山内家。
「お渡ししている書類に不備がないか・・・」
そう言って調べると多額の横領が発覚した。
銀行では支店長と井上が話していた。
支店長は言う。
「全額返済させて何とかならないのか?」
井上は返した。
「私もそう思ったんですが、思ったより規模が・・・」

〜〜高校時代〜〜
梨花が寄付した子供から帰ってきた手紙。
左頬に大きな傷のある貧しい少年。
梨花は大切のその写真を握り締めた。
しかし同級生たちは言った。
「梨花さんまだやっているの?」
寄付をやめたと言う同級生。
しかし梨花は寄付を続けた。
その額は次第に多くなり、
父の書斎からお金を盗んで寄付をした。
そんな時の全校集会。
先生は言った・・・


〜〜現在〜〜
銀行はあわてていた。
本部も総額を調べた。
井上は梨花に言う。
「どういうつもりなんだよ。」
「今度こそ終わりだぞ。」
井上が部屋を出ると隅は言った。
「どこかに土地でも持ってないの?」
「全額返せば刑事告訴は免れられるかもしれない。」
梨花は答えた。
「行きます。行くべきところに。」
「それしかないですから。」
それを聞いた隅は、
「今のうち考えておけば?」
「相談できそうな親戚とか?」
梨花へアドバイスする隅に、
「ずるいんじゃないですか?」
「人を追い込んどいて今になって優しくするの?」
「自分より惨めな人間だから?」
隅はそんな梨花に言う。
「あなた惨めなの?」
「私最近あなたのこと考えている。」
「なんでこんなことしたのか。」
「自分だったらどうするかも考えた。」
「自由に何でも好きにやれるとしたら何をするか。」
「そしたら徹夜くらいしか思いつかなかった。」
「私したことないのよ。翌日に響くから。」
「定年したらやってみようと思ってた。」
「あなたはしたんでしょ?」
「私には想像できないようなこと。」
「何千万も使ったんだから、
  したいことし尽くしたんでしょ?」
「それでも駄目?何も変わらない?」
「そこに座って私を見て・・・
 惨めな人間と思うのはあなたのほうじゃない?」

梨花は言った。
「私も徹夜したことはなかった。」
「誰かと朝までずっと、
 起きていたいと思ったことなかったから。」
「でもあの日初めて朝帰ってきた。」
光太と初めて関係を持った朝を思い出していた。
あの朝電車を待つ梨花は、
朝焼けに消えていく月に手をかざし、
自分の指で月を消した。
その話を聞いて隅は梨花に聞いた。
「何でどうして月が消えるの?」
梨花は答える。
「偽者だから。」
「幸せだったんですあの時。」
「幸せだけどいつか終わるなと思ってた。」
「悲しいんじゃなく当たり前に。」
「だってそういうものだから。」
「本物に見えても本物じゃない。」
「初めから全部偽者。」

〜〜高校時代〜〜
全校集会で先生が言った言葉。
「愛の子供プログラムは打ちきります。」
「一部の生徒が極端に多額の寄付をしたからです。」
「こういった行為はつつましく行うべきです。」
「ひけらかしは恥ずべき行為です。」
それに対して質問した梨花。
「私分かりません。」
「何がいけなかったのか。」
「ひけらかしたんじゃありません。」
「時間が経つとみんなやめちゃったんです。」
「あの子達は喜びます。」
「あの子達が喜んでいると思うと幸せなんです。」

〜〜現在〜〜
高校の記憶も同時に思い出した梨花。
梨花は隅に続けて言った。
「偽者なんだから壊れたっていい壊したっていい。」
「怖くない。そう思ったら体が軽くなったみたいで。」
「だから本当にしたいことをしたんです。」
それに対して隅は言う。
「幸せだから横領したの?」
「信頼してくれた人裏切って、
 好き勝手にお金使って自由ってそういうこと?」
「確かに偽者かもね。
「お金なんて、ただの紙だもの。」
「だからお金では自由にはなれない。」
「あなたが行けるのはここまで。」

それを聞いた梨花は行動に移した。
銀行のガラスを割って外へ逃げた。
隅に一言残して・・・
「一緒に行きますか?」

数日後・・・
銀行はいつもの日常に戻っていた・・・
隅も打ち合わせで会議室にいた。
その会議室は以前梨花が旅立った場所。

梨花は逃走していた。
そして1人タイにいた。
その商店街で果物を売っていた男性。
その男性の左頬には見に覚えのある傷が・・・


(終わり)

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2015年06月14日

【ゲノムハザード ある天才科学者の5日間】出演者・感想・完全ネタバレ(セリフ完全再現)

本日の映画紹介。
【ゲノムハザード ある天才科学者の5日間】
ゲノムハザード.jpg

【出演者】
石神武人(オ・ジヌ):西島秀俊
カン・ジウォン:キム・ヒョジン
美由紀:真木よう子
ハン・ユリ(原西由梨):中村ゆり
伊吹克彦:浜田学
警察を名乗る男:パク・トンハ
佐藤博士:伊武雅刀

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【感想】
面白かった〜
あんな結末だったとは〜
裏切りに裏切りの連続の映画ですね♪
最近見ていたドラマ「アルジャーノに花束を」
に少し似た部分があったような・・・
科学って落とし穴があるんですね〜

でもやっぱり西島さんの演技うまいです!
感情表現の仕方が独特ですが、
伝わってきますよね〜
西島さんの映画は結構見てますが、
心に響いてくる映画多いです!

この映画は是非見てほしい!
久しぶりに良く出来たストーリーだと感じました。


【あらすじ】(ネタバレあり)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
きっと信じられないと思います。
僕だってそうでしたから。

石神はボロボロの姿で公園を歩いていた。
そんな石神にすれ違いざまに手を触れた美由紀。

名前は石神武人。34・・・
今日で35歳になりました。
僕は普通の人間です。
今まで生きてきて人に危害を加えた事も、
大きな罪を犯した事もありません。
僕の妻もそうです。
デザイン会社でイラストレーターをしています。
去年会社の公募展で入選したおかげで、
就職も出来、それから妻にもであって。
結婚してまだ1ヶ月しかたってません。
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ある日、石神のもとに届いた小箱。
中には一枚の手紙とレコード。
ルービックキューブのキーホルダー。
手紙には韓国語で
『再び巡ってきた誕生日。
 あなたも帰ってくることが出来たのに。
                     妻より。』

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ここ数日何かおかしな感じがしていましたが、
特に気にはしていませんでした。
幸せだったので・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
家に帰った石神。
家の鍵は空いたまま。
帰る前にかけた電話にも妻は出なかった。
家に帰ると床には大量の蝋燭。
石神は今年は最高の誕生日だ。
そう言って家の中にいるはずの妻を探した。
初めてデートしたときの話をする石神。
妻を久しぶりにデートに誘った。
その時倒れこんできた妻の美由紀。
美由紀の体は血だらけだった。

その時一本の電話が入る。
相手は美由紀。
「実家に来ているの。」
「お母さんが調子悪くて。」
「だから今日は実家に泊まるね。」
そう言われて電話が切れた。
しかし家に倒れているのも美由紀。
あわてた石神は直ぐに
再び美由紀の携帯に電話するが、
美由紀は出なかった。

その時玄関から物音が・・・
石神は玄関に向かった。
すると2人の男が家に入ってきた。
そして男は警察手帳を出した。
「近くで殺人事件があったもので。」
「捜査に協力してくれませんか?」

その時部屋のほうから物音が・・・
警察と石神は部屋へ戻った。
石神は驚いた、死体がない!
「死体と血痕が消えたんです。」
部屋中の蝋燭を見て警察は言う。
「ここで1人で何していたのですか?」
「本当にこの家の方ですよね?」
「石神武人さんで間違いないですか?」
石神武人は言った。
「私を疑っているんですか?」
警察は返した。
「署までご同行願いますか?」

韓国人で報道局で働くジウォン。
合わせたい人がこの町にいる。
そう言われて取材のため日本に来ていた。

石神は2人の男と車に乗っていた。
男たちは石神に聞いた。
「お名前は?あなたの名前ですよ。」
「オ・ジヌと言う男覚えてますか?」
すると片方の男が韓国語で言った。
「本気か芝居かどっちだ?」
石神は2人の男が警察ではないと悟った。
「車を止めてくれ。」
その瞬間1人の男は石神に銃を向けた。
「オ・ジヌ知っているな?」
石神は男たちに言った。
「美由紀もお前らの仕業だろ。」
そう言って隙をつき反撃した石神。
石神は車から降りて逃げた。

その頃ジウォンは、
運転しながら誰かと電話していた。
「すぐに放送できない理由は?」
「情報提供者と連絡がつきません。」
「そんなことより、
 明日帰国してすぐに編集します。」
「何としても放送しますから。」
「できないなら、今回のネタを検察に・・・」
その時突然飛び出してきた石神をひいてしまう。

車を止めて焦るジウォン。
その時後部座席のドアが空き、石神が入ってきた。
「早く出してください。」
「お願いします。助けてください。」
石神の手にはさっきの男から奪った銃。
必死な石神を見てジウォンは車を発進させた。
「僕の妻が死にました。」
「いや。生きているのか、
 確認しなければならないのです。」
ジウォンは石神を乗せ美由紀の実家に向かった。

実家についた石神はインターフォンを鳴らす。
しかしインターフォンに出たお母さん。
「間違えていますよ。」
家が違うらしい。
「おかしいな。この家のはずなのに。」
「急に何も思い出せない。」
「家も電話番号も・・・」

そんな石神を見たジウォン。
「コーヒーでも飲みに行きますか?」
2人は近くのファミリーレストランへ。
ジウォンは石神の話を聞いた。
その時、先ほどの男たちが追ってきた。
運転できないはずの石神だが、
車に乗って男たちから逃げた。
自然と運転していた・・・
肩を擦り剥き怪我をしていた石神。
気がつくと知らない大学で勝手に薬品を調合し、
自分の肩の消毒を始めていた。

そんな石神をジウォンは追ってきた。
「この大学に通っていたのですか?」
石神は首を横に振った。
「じゃあ何でここまで?」
「運転も出来ない人が・・・」
石神が置いてきたジャケットを持ってきた。
そのポケットには追跡装置が入っていた。
「あの人たちは怪しすぎる。」
「あなたはもっと怪しいですけど。」
「行くところも財布もないんでしょ?」
「一緒にいましょう。朝まで生きていたければ。」

2人はラブホテルで朝まで過ごす事にした。
部屋で光る不思議な証明。
石神はどこで覚えた知識か話し始めた。
「ストロンチュウム炎。」
「電球の中で発光しているんです。」
普通の人間は知らないような知識。
ジウォンはそんな石神を取材し始めた。

成り行きを聞いたジウォンは言う。
「消えた死体なんですけど、
 本当に奥さんだったと思いますか?」
「実家から電話してきた人は?」
「事前に録音して聞かせたとか?」
「私が言いたいのはあなたの頭が、
 おかしくなったんじゃないかと言う事です。」
石神は答えた。
「むしろその方がマシだ。」
「僕だって信じたくない。」
「愛する人が目の前で死んでいたんです。」
「警察に任せたら、
 その全てが真実になってしまいそうで嫌なんです。」
ジウォンとはまた会う約束をして別れた。

翌朝目を覚ますと、
テレビでアルツハイマーについて語る佐藤博士。
石神のポケットには大量の薬品が入っていた。
石神は自分の働く会社に電話しようとした。
しかし会社名も電話番号も思い出せない。
ホテルを出た石神はあるマンションに向かった。

ドアを開けると男が迎えた入れた。
その男は石神の知人、伊吹。
「昨日は予定があったから早めに店閉めたんだ。」
「美由紀ちゃんも実家に用事あったようだし。」
石神は男に言った。
「伊吹。家に行ってきてくれないか?」
そして家の地図を描く石神。
地図を描く姿を見た伊吹。
「右手使ってる。」
「左利きって自慢していた奴が・・・」

ジウォンは石神の過去を追っていた。
石神が1年前まで働いていた場所。
石神を知っている人間に会い、
会社に飾られた写真を見ていたジウォン。
「この中にはいませんね。」
会社の人は言った。
「いますよ。この人。」
全然の別人だった・・・

伊吹の家で寝ていた石神。
すると玄関で物音がした。
のぞき穴から外を見る石神。
そこにはまたしても男たちが・・・
どこで覚えたのか、即興で爆弾を作り爆発させ、
時間を作りマンションから逃げた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
伊吹も誰も信じられない。
信じられるのはこの記憶だけだ。
どうして俺はこうなってしまったんだろう。
全てが狂い始めている。
このまま自分の家さえも忘れてしまうんじゃないか。
その前に帰りたい。そこで死んでしまったとしても。
美由紀に一度会えるのなら。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

逃げる石神はある新聞の記事を目にした。
ラブホテルで見たアルツハイマーに関する記事。
自分の家にたどり着いた石神。
そこには見たことのない家族が・・・
半年前から住んでいるんですけどと言われる。

自分の家のはずだった場所から、
逃げるようにひき帰す事になった石神。
美由紀の顔を思い出して泣き崩れる。
『あなたが言うとおり僕は頭がおかしくなりました。』

そこへ現われたジウォン。
「ご飯は食べました?」
そうして友人の家に招きいれたジウォン。
「韓国ラーメンでもいいですよね?」
そう言ってアルミの鍋で茹でたラーメンを出した。
それを見た石神はいう。
「アルミの鍋がアルツハイマーの原因となる。
                 という説がありました。」
それを聞いたジウォンは聞いた。
「一体そういうことどこで学ぶのですか?」

ジウォンは調べた石神の過去を話した。
「あなたの家だと教えてくれた住所には、
          平沢と言う夫婦が住んでいました。」
「6ヶ月くらい前から。」
「昨日一緒にた町には、
 久保田さんと言う家はありませんでした。」
「つまり美由紀さんの実家はないと言うことです。」
「名波さんですよね?」
「石神と言う人は知らないといってましたよ。」
「一番仲のいい友達なんでしょ?」
石神は言い返した。
「伊吹って言いませんでしたか?」
言っていたことがチグハグは石神に対し、
「人をだますか馬鹿になるのかどっちかにして下さい。」
石神は真剣な顔で答えた。
「僕の記憶が変わったんです。」
悲壮感漂う石神にジウォンは、
「食べましょうアルツハイマーなんか忘れて。」
すると石神は話し始めた。
医学的用語を使って記憶の伝達の話を始めた。
どこで学んだか分からない、専門知識・・・
ジウォンは再び聞いた。
「アルファー広告ではいつから働いていたんですか?」
それを聞いて自分の会社を思い出した石神。
続けて聞いたジウォン。
「その前は?鳥山アートスクール?」
「行きましょう。あなたの家。」
まったく答えられない石神。
「もともと記憶力は良くありませんでした。」
「交通事故にあってから途切れ途切れで。」
そんな石神にジウォンは言う。
「起きた事全て覚えている人はいないです。」
「辛い記憶は無理やりにでも忘れたほうがいい。」
「問題なのはありもしない記憶を覚えている事です。」
「あなたみたいに・・・」

そしてジウォンと家に向かった石神。
「もし僕に何かあったらそのまま逃げてください。」
そう言ってマンションへと入っていく石神。
追いかけるように石神の家に入ったジウォン。
昨日あったはずの蝋燭はなかった。
「蝋燭は?」
「もしかして美由紀さんが?」
石神が答えた。
「昼間に伊吹に変わりに着てもらったんです。」
しかし疑問点が・・・
「昼間に来て変わりに電気まで直した?」

石神は何かを思いついたように、
家にあった薬品を混ぜ始めた。
そして出来た薬品を床に振り掛けた。
「ルミノール反応。」
「血を拭いても血痕は残る。」
確かにその家には血痕の反応があった。
その作業を見ていたカン・ジウォン。
「あなた本当にイラストレーターですか?」
そう言いながらベランダにでたジウォン。
落ちていた携帯を見つけた。

そのときだった。家に入ってきた男たち。
石神を力でねじ伏せた。
間一髪でジウォンは逃げるが、
石神は男たちに連れて行かれた・・・

石神は男たちに言った。
「いつまで猿芝居しているんだ?」
男は言う。
「私達はあなたを守ろうとしているんです。」
「あなたに何かあったら俺たちが殺される。」
「あなたに会いたがっている人がいます。」
「その人のもとへ、
 あなたを無事に連れて行ったら終わりです。」
そのときだった。
車に近寄るワゴン車。
そしてワゴン車が通り過ぎると後方から煙が上がる。
様子を見に行く男たち。
その間にポケットに忍ばせた薬品を取り出す石神。
石神はその薬品を男たちにかけて逃げ出した。

逃げ切った石神はジウォンと合流した。
そして伊吹のもとへ向かった。
新聞記事に載っていた男を見せて聞く。
「お前もグルなのか?」
「お前が知っていて俺が知らない事を全部言え。」
伊吹は素直に答えた。
「その人がお前の事訪ねてきたんだ。」
「お前が何かの病気にかかっているって。」
「ウイルスにかかっていて、
        死ぬかもしれないって。」
それを聞いて怒鳴るように石神は言う。
「病気?何の?」
伊吹は静かに答えた。
「知らないんだ。」
冷静になった石神は伊吹に話した。
「お前にはいろいろ悪かったな。」
伊吹は聞いた。
「美由紀ちゃんのことは?」
石神は血痕のことを伊吹に話した。
そして石神は言った。
「もう自分が何を思っているか信じられない。」

ジウォンは石神を待っている間に、
石神の家で見つけた携帯を見た。
そして発進履歴から電話を鳴らすと・・・・
ジウォンの携帯がなった。
車に戻った石神にジウォンは言う。
「あなたの奥さんのものですか?」
携帯を見た石神は答えた。
「いいえ。」
ジウォンは続けた。
「日本に来て会うことになっていた、
       ある情報提供者がいました。」
「その人のものなんですけど。」
「あなたの家のベランダにありました。」
「その女性は行方不明になった韓国人の夫について、
            伝えたい事があると言ってました。」

そしてジウォンは自分の推測を話した。
「あなたは2つの家庭を持っていた。」
「だから奥さんが2人いた。」
「その1人が死んでいるのを見て、
 ショックを受けて記憶が混乱したんです。」
「2人の女性を1人の女性と勘違いしたんです。」
「あなたは韓国人じゃない。」
「でもあなたがもともと別人だとしたらあり得る。」
「記憶は自分なのよ。自分自身なのよ。」
「記憶が変わったって言う事は、
    自分が別人になったって言う事。」
「いったいあなたは誰なんですか?」

それを聞いて声を荒げる石神。
「俺だってこの状況説明してほしいくらいだ。」
その後も混乱した状況を話し続ける石神の言葉には、
節々に韓国語が発せられた。
それを聞いたカン・ジウォン。
「韓国人だったんですか?」

翌日目を覚ました石神。
そこに1枚の写真がジウォンからFAXで届いた。
「その人知っていますか?」
石神は知らないと答えたが、
「知っていないといけない人なんです。」
「石神武人 」
「この人は左利きであなたは右利きだった。」
「整形したとしても聞き手までは変わらない。」
「どちらが本物の石神さんなんでしょう?」
「もし公募展に応募した石神と、
 受賞した石神が別人だとしたら?」
「鳥山アートスクールを辞めて、
   受賞するまで2週間なんです。」
「その間にあなたは石神武人になって、
 就職して美由紀さんと結婚したんです。」
「自分がその男だと思いながら・・・」

それを聞いた石神はある場所に向かった。
それは以前追われたときに行った大学。
その大学には自分の写真と、
新聞に載っていた男が握手している写真があった。
そこを通りかかった男が声をかけた。
「ジヌ!」
「1年ぶりだ。ここにお前が現れたのは。」
「みんなお前が死んだか、
 拉致されたと思っていたんだ。」
大学の研究員で、石神とは過去同僚だった。
石神ではなくジヌという男と・・・
石神は聞きた。
「俺がここでやっていた仕事は?」
同僚は答えた。
「以前のお前は俺の名前は忘れても、
 研究の事は忘れなかったはずだ。」

ジウォンも大学に駆けつけた。
そして元同僚に石神の研究を聞いた。
石神が研究していたのは、記憶を消すウイルス。
そのウイルスを記憶を保存する事ができる、
ウイルスへ変化させる開発していた。
それが出来ればアルツハイマーを治すことが出来る。
アルツハイマーになる前に人間にウイルスを投入し、
そのウイルスをアルツハイマーになってから注入する。
すると以前の記憶を思い出すという研究。
石神は天才科学者であった。
「アルツハイマーを治そうとした奴が、
 アルツハイマーになって戻ってくるとは。」
石神は聞いた。
「俺の家はどこか知っているか?」
同僚は言う。
「由梨さん引っ越したのか?」
石神が始めて聞く名前だった。
「由梨さん?」
同僚は驚いて言った。
「奥さんの名前も思い出せないのか?」

石神は何かを思い出しつぶやいた。
「西原由梨?」
ジウォンは聞いた。
「どうですか?自分を取り戻した気分は?」
石神は無言だった・・・

石神とジウォンは由梨の家へと向かった。
そこには石神をつけている男がいた。
それに気付いたジウォンは男に声をかける。
男は由梨の依頼で石神を追っていたと言う。
浮気調査で・・・
石神は聞いた。
「なぜ俺の居場所が分かった?」
探偵は言う。
「1ヶ月前奥さんにバレただろ。」
石神は思い出した。
1ヶ月前に見知らぬ女が自分を追いかけてきたことを。
そしてその女は言っていた。
「ジヌさん」と・・・
探偵は言った。
「名前を変えて仕事まで変えて、
 結婚までしていたから捜せなかった。」
「目の前で妻を無視するとはな。」

そして由梨のアパートへ入った石神。
そこには息のない白い顔の由梨が・・・
その部屋には数多くの医学書。
もちろんアルツハイマーに関するものだ。
そして由梨が好きだった蝋燭の山。

由梨はあの石神の誕生日の日、
昔の記憶を思い出してほしくて蝋燭に火をつけた。
しかし事件は起こった。
石神のアパートに忍び込んで蝋燭をつけた由梨。
そこにいた何者かが由梨を殺害した。
その直後に石神が帰宅。
まだ部屋にいた犯人は、石神も殺そうとしていた。
しかし警察を名乗る男たちが現れて、
犯人は遺体だけを処理したのだった。
時間がなかったのか遺体と血だけを処理し、
石神が家から出た後に、
由梨の遺体だけをアパートに運んだ・・・

ジウォンは言った。
「遺体を処理しなかったのを見ると、
            普通の殺人者じゃない。」
石神は言った。
「僕の事を良く知っている人間。」
「研究所の人間。」

その時石神へ美由紀から連絡が入った。
「オ・ジヌって誰なの?」
「本当にあなたがその人なの?」
「私本当にあなたのこと愛していたのに。」
石神は答えた。
「愛している。本当だ。」
その時電話口に石神を追いかけていた男が・・・
「そういうことは会ってから・・・」
「それより可愛いお嬢さんは、
 これからも一緒に動くんですか?」
石神は察したジウォンも危ないと・・・
「今行ったら戻って来れないかもしれない。」
「由梨のことお願いします。」
ジウォンは返した。
「私は一度も自分のネタを逃した事がないの。」
「連絡待っていますから。」

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石神は1人で美由紀のもとへ向かった。
そこには石神を追いかけていた男たち。
そして美由紀もいた。
美由紀に話しかけようとするが、
目の前で美由紀は車でどこかへ連れて行かれる。
男は石神に言った。
「奥さんも今は状況を理解するのに時間がかかる。」
「数時間後には全て理解できますよ。」

自分と美由紀を取り戻したい石神。
男たちに連れられ石神はソオルへ行った。
そこで待っていた1人の男。
石神は男へ聞いた。
「僕たちに何でこんな事をするんだ?」
「何が目的だ?」
男は言った。
「1年前のキミに魅力的な提案をしよう。」
石神は聞いた。
「あんたたちは何者だ?」
男はアメリカ3大製薬会社に出資している人間。
その男はなぜ石神になったのか聞いた。
答える事のできない石神。
男は石神に1年前の研究所の防犯カメラを見せた。
そこに映っていたのは、
本物の石神を抱きかかえて運んできた佐藤博士。
佐藤博士は新聞に載っていた、
大学でジヌと握手をしていた写真の男。

それを見た石神は全てを思い出した・・・

〜1年前〜
物音に気がつき研究室に入ると、
倒れた石神と佐藤博士がいた。
助けようとしたジヌに佐藤博士は殴りかかった。
そしてその日からジヌは石神になった。
ジヌの作ったウイルスで石神の記憶を吸収して、
ジヌの脳に移したのだ。
しかしウイルスには人間の脳より容量が少ない。
なので石神の過去の記憶が残っていないのだ。
最近の記憶しか残ってなかった理由だった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

その頃ジウォンは佐藤博士を追っていた。

記憶を取り戻した石神は言った。
「僕はモンスターを作りだした。」
この1年ジヌは石神の記憶で埋め尽くされていた脳。
しかしここに着て急激に過去の記憶が戻ってきた。

石神は投資家の男に言った。
「研究員は記録を残す。」
「ほしいのはそのファイルだろ。」
アルツハイマーの特効薬。
それが出来れば莫大な金になる。
投資家の男は石神の意見に賛同し、
東京の研究所へ向かった。

研究所へ向かう車の中石神は言った。
「ウイルスは組みかえる前の状態へ戻ってしまった。」
「人為的に遺伝子を操作したせいだろう。」
「不老不死の夢は一年限りだったという事だ。」
「石神の記憶を移したウイルスが、
 もとの状態に戻ったから俺の記憶も戻ってきた。」
「覆っていた記憶は消えたんだ。」
「この研究は完全に失敗している。」
投資家の男は言った。
「ふざけた事を言うな。」
「研究ファイルをよこせ。」
石神は続けて言う。
「お前たちが諦めなきゃいけない理由は他にある。」
「俺に問題が起きた。」
投資家の男は再び聞いた。
「お前はどうなる?」
石神は答えた。
「死ぬか。誰でもなくなるか・・・」

そして薬品を取り出した石神。
それは石神が合成させた薬。
一瞬で車を吹き飛ばす事ができる薬。
「俺には死ぬ覚悟がある。」
「お前たちはどうだ?」
投資家の男を脅して車から降りた。
男たちから逃げた石神だが、
追いかけてきた男たち。
男は銃を石神に向け聞いた。
「一体何がお前をそうさせるんだ?」
石神は答えた。
「明らかにしなきゃいけないことがあるんだ。」
「それまで俺は死ねない。」
男は石神の決意に追うことを辞めた。

石神は佐藤博士のもとへ向かった。
石神を見た佐藤博士は言った。
「今までどうしていたんだね?」
石神は言った。
「良くご存知でしょう。」
佐藤博士は言った。
「記憶が戻ったのか?」
佐藤博士と石神は研究の話をした。
石神が研究したウイルスは未完成。
ウイルスを投与すると一次的に記憶が戻る。
しかし1年経つともとの状態に戻る。
つまり記憶を記憶を消すウイルスになる。
今の石神の体内にあるウイルスは、
この後記憶を消すのである。

この先記憶がなくなるであろう石神に、
佐藤博士は言った。
「悪くなる前に研究記録を渡してくれるか?」
「君が作ったものだ、君だけのノウハウがあるはずだ。」
「研究記録を渡してくれれば、
  私が発病をとめてやろう。」
石神は答えた。
「自分で始めた事です。」
「自分で終わらせます。」
「これ以上悪くなる前に、
 石神武人について教えてください。」

佐藤博士は話した。
1年目運転をしていた佐藤博士。
偶然石神武人をひいてしまった。
全てが終わると考えた佐藤博士。
痕跡さえ残らなければと研究室に運んだ。
そこで偶然にもジヌに見つかった。
そしてウイルスを使用して、
本物の石神武人を処分した。
ジヌは石神武人になり生活を始めたのだった。
佐藤博士は言った。
「私達は偉大な研究をしていたのだ。」

それを聞いた石神は言う。
「それはあなたの研究だ。」
「俺たちの研究はアルツハイマー治療薬だった。」
「忘れたのか!」
そう言って銃を発砲した石神。
「俺の妻が殺された。」
「俺の記憶が戻る事を望んでいない人間がいた。」
「ハン・ユリは自分の夫の記憶を取り戻そうとした。」
「それで殺されなければならなくなった。」
「お前は全てを失いたくなかっただけだ。」
佐藤博士は返した。
「永遠に死なない方法を見つけたんだ。」
「成功すればもっと偉大な科学者として、
      この世に名を残す事ができる。」
「ここで辞めるわけには行かない。」
「発病したら忘れる記憶。」
「ただの事故で死んだ人間のために、
 偉大な業績を棒に振るわけにはならない。」
「君には撃てない。」
石神は言った。
「できない理由なんてどこにもない。」
「どうせ記憶する事も出来ないんだ。」
そして銃を発砲した・・・

しかし銃は佐藤博士の横を打ち続けるだけ。
石神はビビって倒れこむ佐藤博士に言った。
「お前を殺さない理由は、
 妻が復讐を望んでいないと思うからだ。」
そういい残して研究所を後にする石神。
外にはジウォンが待っていた。
全てはジウォンが仕組んだもの。
一部始終をレコーダーに録音していた。

ジウォンの車に乗った石神。
ジウォンは言った。
「打つ手はないの?」
石神は答えた。
「体に免疫反応が起こり、
 ウイルスを防ぐ事ができたら。」
「ある意味本当の臨床試験はこれからです。」

そしてジウォンは石神を降ろした。
「私が何を言ったって1人でいたいんでしょう?」
石神は言った。
「あなたに出会えた事が、
 僕の人生で最後の幸運でした。」
ジウォンは言う。
「ただネタにあると思ったから一緒にいただけです。」
そんなジウォンに石神は、
「責任の取れない言葉ですが、
       忘れられないと思います。」
ジウォンも返した。
「私もこの状況にふさわしいか分かりませんが、
                    元気でいてください。」
「記憶は消えても、
 思い出はどこかに残っているものです。」

そう言って車に乗ったジウォン。
友人に電話して言った。
「帰る前に渡したいプレゼントがあるの。」
「特ダネよ!」


一方石神はなくなっていく記憶の中で、
由梨からもらったレコードを手にして、
蝋燭に火をつけようとしていた。
そしてあることに気がついた。
石神の前には伊吹がいた。
「記憶を取り戻すためには、
 石神武人の記憶を全て消えなきゃいけない。」
「そうすると自分が誰かも分からなくなります。」
「ここにメモしておかなければ、
 あなたが誰なのかもわからなかったと思います。」
「誰かがこの蝋燭に火をつけた人を殺しました。」
「蝋燭をかたずける時間がなかったから、
      そのままにしたのだと思っていました。」
「蝋燭がこのくらいになる前に1時間はかかります。」
「その間に何をしていたのか教えて下さい。」

伊吹は言った。
「何で俺に?」

石神は続けた。
「私が書いた地図は、
 オ・ジヌと言う人間が住んでいた家です。」
「あなたがこの家で地球の絵を見たのは、
            あの夜しかないのです。」
「どうしてそんな事を・・・」
「真実を知ったとしても、
 私は記憶を残す事は出来ません。」
「石神として生きる最後の日かもしれない。」
「お願いです。」

あの事件の夜、部屋に飾られた絵。
それは石神が書いた絵であり、
特殊な塗料で描かれた絵。
普段は海の絵であるが、
電気が消えたときに現われる地球の絵。
それを知っているはずがない伊吹。
その事に気がついたのであった。

伊吹は答えた。
「俺が殺したんだ。」
「美由紀はその人が死んだ事も知らないんだ。」

事件の真相を知った石神。1人公園へ向かった。
公園で美由紀とすれ違う石神。
石神の記憶はなくなり美由紀の存在がわからない。
『あたしあなたの事愛していたのに・・・』
そんな記憶を思い出して振り向く。
すぐさま抱きしめる美由紀。
美由紀はあの夜の話をした。

家に帰った美由紀は、
蝋燭に火をつけて床に座る由梨を見た。
「初めは頭のおかしい人だと思ったの。」
「勝手に人に家に忍び込んで・・・」
「蝋燭なんてつけて・・・」
「とにかく夫を返せって・・・」
そして由梨はジヌの写真を見せたという。
そして口論となって誤って殺してしまった美由紀。
美由紀は伊吹に頼んで処理をお願いした。
その時はまだ、
頭を打って倒れていたと思っていた美由紀。
伊吹は死んだ由梨を運んだ。
そして美由紀とアリバイ工作をした。
美由紀が実家にいたことにして・・・
伊吹は美由紀に言った。
「お前は何も知らないんだ。」

美由紀と伊吹は幼い頃施設で育った。
その後見人が佐藤博士だった。
佐藤博士は美由紀に、
2年間だけ妻として石神と過ごしてほしいと頼んだ。
伊吹は反対したが、美由紀がやろうと言った。
そして家と金と店を手に入れた。
しかし美由紀は石神を本当に愛してしまった。
美由紀は石神に言った。
「今となっては行き場のない感情だけど」
石神は亡くなる記憶の中で言った。
「ありがとう。」
「僕は幸せだ。」
「本当に申し訳ない・・・」
そして倒れた石神。
石神の記憶は完全に消えたのであった・・・


〜1年後〜
韓国で働くジウォンに一枚の手紙が届く。
待ち合わせ場所に向かったジウォン。
そこに現われたのはジヌ(石神)。
ジヌは韓国語で言った。
「はじめまして。手紙を書いたものです。」
「1年前の記憶がなくて・・・」
ジウォンは言った。
「食事しませんか?」
「話はいつでもできるけど、
  夕食は週に7回だけよ。」
「話は食べながら・・・」
「食事もせずに分かれるのは嫌なの。」
そんなジウォンにジヌは言った。
「以前どこかでお会いしましたか?」
ジウォンは答えた。
「いいえ!」
「記憶は消えても、思い出は残る。」

頭の片隅に残った思い出が蘇り、
ジヌは止まった・・・

そんなジヌにジウォンは、キーホルダーを渡した。
逃走中に石神がジウォンに渡したもの。
そのキーホルダーはUSBメモリーだった。
関係者が探していた石神の研究ファイル・・・

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
きっと信じられないわ。
私もそうだったから。
あなたの記憶はここから始まるのよ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


(終わり)

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