泊まっている安宿が主催している兵馬俑ツアーにしつこく参加させられそうになったから拒否感が出て行きたくなかったのかもしれない。二泊もしていると周りのバックパッカーとも知り合いになってくる。自分と同じくらいの日本人男性がいたので、自然に会話するようになっていた。彼は自分より一日後に西安に着いたみたいで、着いた次の日には兵馬俑ツアーに行ったとの事であった。彼が言うには、相当酷いツアーだったとの事。最初に小さいワゴンで兵馬俑に向かって、現地に着いたと思ったら入館するチケットをワゴンの中で買わされたが、宿でツアーを申し込んだ時に購入するよう言われていると言ったが、運転手が怒鳴って買うように言ってきたので仕方ないので余計な一枚を買うハメになった。兵馬俑を見て帰れるのかと思ったら遠回りされて宝石屋に連れて行かれ、特に欲しい物もないので、すぐに出てきたらワゴンが出発するのは一時間後だと言われたらしく、その辺で待機していた。ようやく帰れると思ったら、夕食のレストランに連れて行かれて高い金額を払うはめになった。と言う内容のツアーだったらしい。彼は、この宿は金目的の従業員が絡んでいるから、明日にはチェックアウトして次の宿を探すと言っていた。西安自体が外人から金をぼったくるのが当たり前になっているのが垣間見る事がある。そんな事を話している時に、女の子2人がやってきた。あれ?日本人?と思って見ていると、敦煌から西安に戻ってきたと話す。西安は暖かい、敦煌は-20℃はある。と話していた。俺は今から目指す方向で、そんな寒いなら、この先の旅に支障をきたすと思い、予定を変えて南下するようにした。あとのルートは、その町に着いてから決めよう。と計画がなくなった今、ここにいても仕方ないと思い、日本人の彼と西安駅に向かって電車のチケットを買いに向かった。彼は北京。自分は成都。外人用のチケットカウンターに行って行き先の地図で指を刺しただけで、全部ないと言う。全部のチケットがない訳ない。では、次の日は?その次の日は?全部ないと言う。全く売る気がないのか本当にないのか分からないが、西安から出る事は出来ないのか?と不安に思ってきた。西安から長距離バスの旅になるのかと腹をくくるしかなかった。宿への帰り道に、彼が宿でチケットが売っていたと言う。俺は、またぼったくりの価格になっているんじゃないの?と返答したが、多少のぼったくり価格でも電車に乗りたい気分でもあった。安宿に戻り、電車のチケットはここで買えるのか?と聞いたら、買えると言う。どの町でも、どの日、電車のクラスまで選べると言う。駅では買えなかったのに、こんなボロ宿で買えるのかが不思議に思ったが、とりあえず成都までの硬いベッドのチケットが欲しいと告げたら、明日の朝に来てくれと言われた。その夜は彼と屋台で飲みながら西安の悪口を言いながら過ごした。
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