こんな遠い外国に来て、こんな禅問答みたいな言葉がわたしの頭に浮かんできました。
3ヶ月区切りの出張のため、必要最低限の物で生活をしています。調味料も塩とコショウくらい。食事は、スーパーで買ってきた缶詰、パン、ソーセージ、チーズ、あとは野菜でサラダかスープを作るくらい。日本にいるときに比べればとても質素な食事です。そして、ドイツ語がほとんどできないので、テレビは一切見ない。きっと退屈するだろうと思って、日本からゲームやパズル雑誌やKindleを持って来たのですが、夕食を食べたら何をするでもなくぼーっとしています。とても充ち足りていて、常にゆったりとした気持ちで毎日を過ごしています。
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毎日仕事に出かけている夫も、同じことを言っていました。なんでかなぁ、日本にいるときはこんな感じじゃないよね、日本ではテレビを見てる時間がかなり長いかもね、という話になりました。住居周辺の環境の良さも、関係あると思います。テラスから外の景色を眺めているだけでも、かなりリラックスできます。
でも何より、この国の人たちの労働環境というか、ライフスタイルには大きな感銘を受けました。
昨日も少し書きましたが、労働者であり消費者である国民の権利が、きちんと守られている国なのでは、ということ。消費者として、多少の不便を受け入れることで、労働者として楽ができる、ということをみんなが納得しているという良い循環。
真逆の日本では、消費者(お客様)に最大限のサービスを提供するため、(実はお客様でもある)労働者が搾取されるという悪い循環。そして、経営者のみが得をする。
戦後70年とか言いながらいまだに封建社会から抜け出せない日本社会。資本主義とか民主主義とか言いながら、結局、社長がお殿様で社員は武士で、武士である社員は会社に滅私奉公させられる。その意味が理解できない若者はニートになる。女はもはや、子供を産むことさえ許されない。そんな日本社会に比べて、この国、そしてたぶんヨーロッパの多くの国はだいぶん進んでいるんだなぁというのが肌で感じられた3日間。
行きつくところは、物質的な豊かさではなく、心の豊かさ。「足る」をこの国の人たちはもう、とっくに知っているのでは?と考えています。
でも日本人には無理やろなあ。
結局そんな生活の中で居心地の良さを見つけて満足してる。