★ モロッコを舞台にした映画といえば…なんといってもダンディなボギーの代表作。
戦争の足音が近づくモロッコを舞台にしているところがまた、結ばれない運命の二人の悲恋を強調していて胸に迫る。
★ 「カサブランカ」と並んで思い出すのがこちら、ディートリッヒの代表作。
その後様々な人々を巻き込み、すれ違いを経て、二人は真実の愛に目覚めていくが、運命は簡単に彼らを認めようとはしなかった…。
タキシードをまとい、煙草片手の妖艶なディートリッヒが、鮮烈な印象を残す。
そしてラスト、一心不乱に愛する男を追っていく「女」、ディートリッヒの姿に少し涙…。
★ 現代の映画で印象に残るのは、奔放な女性が子連れでモロッコを旅するこの映画。
普通の暮らしを望む娘、カルチャー・ギャップ、お金の問題など、様々な困難に立ち向かいながら、異国モロッコの地で温かい人々の助けを借りて自分を取り戻していくジュリアの姿に、海外を放浪する自分の姿を重ねてしまうのは私だけではないだろう。
欧米人特有のわがままさ(自由奔放さ?)を持ったジュリアは、素敵な出会いの運に幾度も助けられる訳だが、人に頼りすぎではいないかい?と感じることもしばしば。
それでも、二人の幼い子供連れでモロッコを旅すること自体バイタリティがいるので、尊敬してしまうのだけど…。
★ 変わったところで、こちらのサスペンスはいかが?
オビ・ワンこと ユアン・マクレガーがここでは、血で血を洗うロシア・マフィアの抗争に巻き込まれながらも聡明な妻の協力を得て、人命救助に命を懸けちゃう正義の人、気の弱い一般人の大学教授を熱演。
人情に篤いロシア・マフィア役で『マンマ・ミーア!』のステラン・スカルスガルドも出ています。
大胆不敵なオビ・ワンもいいけどこの「フツーの人」、ユアンもなかなか。
こういうインテリっぽい髪形の男性にヨワいんだよね〜、私(*^▽^*)
★モロッコらしさを感じられる映画としてのイチオシ。
まだ頭髪の残っているショーン・コネリーがベルベル人(マグレブ地方の先住民族)を演じても違和感がない。顔が濃いんだなぁ…。冒頭砂浜を駆け抜ける勇壮な騎馬軍団が、モロッコが古くは騎馬民族であるベルベル人の国であったことを思い出させる。
派手な戦闘シーンはちょっとやりすぎ?な感じもあるが舞い上がる砂塵、果てしなく続く砂漠、砂漠の中の堅固な城など、モロッコを感じさせてくれる最高の映画ではないだろうか。
モロッコ支配を狙うヨーロッパ列強各国とアメリカの関係などは少々わかりづらいが、陰謀渦巻く男たちの世界で神とのつながりを求め、自身の中での善と悪がはっきりしているライズリは、確かに野蛮ではあるが清々しい感じがする。
イーデンの二人の子供たちはすぐに彼らに魅了され、砂漠での生活に馴染んでいく。そして初めこそ自分たちを誘拐したライズリの意図が理解できず反発する彼女も、彼の率直さや純粋さに徐々に心を開いていく。
一方アメリカのルーズベルト大統領は、したたかにアメリカの利益を計算しながらもライズリに対し、憧れに近い尊敬の念を抱く。ホワイトハウスを中心に動くルーズベルト大統領は現代文明社会を象徴していて、アフリカ大陸にある砂漠の国モロッコとの対比が鮮明。
ライオンのように雄々しいライズリと風のように自由に世界を操るルーズベルト、対照的な二人の男の生き様にロマンを感じる。
砂漠でのシーンがモロッコの渇いた大地を想起させる、歴史スペクタクル大作。
映画館で見たかったなぁ。
他にはブラッド・ピットの 『バベル』、古いところで 『モロッコ慕情』、『サバイビング・モロッコ』などもありますね。
モロッコが舞台ではないけれど、モロッコでロケが行われた映画ならたくさんあります。
「アラビアのロレンス」
「シェルタリング・スカイ」
「セックス・アンド・ザ・シティ2 ザ・ムービー」
「マミー」などなど。
モロッコ旅を計画中の皆様、ぜひ行く前にモロッコに関する映画を見て、想像を膨らませてみてはいかがでしょうか?
ロケ地を巡ってみるのも、旅の楽しみのひとつですよね(^_-)-☆