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2020年04月14日
国民の命と国家財政と どっちが大事なのでしょうか 中野剛志 新型コロナ緊急事態宣言下の日本の指針を語る
国民の命と国家財政と どっちが大事なのでしょうか
中野剛志 新型コロナ緊急事態宣言下の日本の指針を語る
〜BEST TIMES 中野剛志 4/14(火) 7:00配信〜
中野剛志氏
国民の命か、国民の経済か
先日、遂に緊急事態宣言が出されましたが、休業の対象範囲や、休業補償の是非を巡って、色んな議論が巻き起こって居ます。休業の対象範囲を広げて感染症対策を強化すれば、経済に悪影響が及ぶ。かと云って、経済を重視して休業の対象範囲を限定すると、感染を封じ込められ無い。命を捕るか経済を捕るか、と云う議論に為って居る。
テレビで、その様に解説されて居るのを聴きました。しかし、問題は「国民の命か、国民の経済か」では無いのでは無いでしょうか。何故なら、以前も論じた様に、経済への打撃は、休業補償や直接給付金と云った形で国がお金を出す事で可成り緩和出来ます。又、経済への打撃が小さく出来る為らば、その分、感染症対策も強化出来るので、命はモッと守られる。従って、財政赤字を拡大すれば、命も経済も守る事は可能です。それは本年本WEB記事で述べた通りです。 https://www.kk-bestsellers.com/articles/-/11487
国民の命も、国家の財政も「守れる」経済の原理原則
だから、問題は「国民の命か経済か」では無く「国民の命か国家の財政か」に為ります。「国民の命か国家財政か」と問われたら、当然、国民の命を優先すべきでしょう。しかも、 MMT・Modern Monetary Theory・現代貨幣理論 を持ち出す迄も無く、自国通貨を発行する国は、変動相場制の下では財政破綻する事は有り得ません。金利が暴騰してどうにも為ら無く為る様な事も無い。
「財政赤字を拡大すると、インフレに為る」 とか云う批判もあり、コレは間違いでは無いですが、インフレと云うのは、消費や投資が旺盛で供給が追い付か無い状態の事です。
世界中で「外出するな」「他人と接触するな」「休業しろ」と言われて居る状態で、休業補償や直接給付金を貰ったって、消費がそんなに増える筈も無く、インフレは起こしたくても起き様も無い。インフレが起きるとしたら、マスクや消毒液と云った需要の急増など、コロナウイルスの所為で実体経済に影響が出た場合でしょう。しかし、それ等は、財政赤字の所為ではありません。
ちなみに、日本の国債がデフォルトし無いと云うのは、別に驚く様な話では無く、財務省も認める事実です。その証拠に、2002年に財務省が格付け会社宛に出した質問状にこう書かれて居ます。
《日・米等先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられ無い。デフォルトとして如何なる事態を想定して居るのか》 財務省HP「外国格付け会社宛意見書要旨」
ですから、日本政府は、モッと休業補償や直接給付をバンバン遣って好いのです。そうすれば、国民の命も国家の財政も両方とも無事なのです。
政治家の皆さん 日本が財政危機では無い事を理解してください!
しかし、残念ながら、日本政府は財政危機でカネが無いと思い込んで居る人が、未だに大勢居る様です。例えば、野田佳彦前総理は、こう言って居ます。
「巷で 『ドイツですら新たに借金(政府が国債発行)するんだから止むを得ない』 みたいな話が有るんですよ。新型コロナウイルスの感染拡大への対策で日本も止むを得無いんですよ。赤字国債しか財源無い。だけどドイツと日本は全然違う。ドイツはズッと財政均衡を保って来て、7年振りの国債発行じゃないですか。そう云う国だから、コンな時に財政出動して国債を発行しても好いんです。でも、野放図に財政が緩んだ国が、安直に赤字国債を発行するのは、しょうが無いんだけど将来は相当厳しく影響が出て来ると云う覚悟を持って遣って行かなければいけ無い」 (2020年4月10日 朝日新聞DIGITAL)
これは、根本的に間違った認識です。野田前総理は、ドイツは日本と違って財政に余裕が有るから、財政赤字を拡大しても大丈夫な野田では無く、大丈夫なのだと主張して居ます。しかし、話は逆でして、日本はデフォルトの可能性はゼロですが、ドイツには寧ろデフォルトの可能性が有るのです。
それは何故か。ドイツは、ユーロ加盟国で、自国通貨を発行して居ないからです!ドイツ国債はユーロ建てなので、ドイツ政府は、ユーロを発行して債務を返済する事が出来無いのです。
野田前総理は 「巷で 『ドイツですら新たに借金(政府が国債発行)するんだから止むを得ない』 みたいな話があるんですよ」 と述べて居ますが、これは、前の総理大臣よりも「ちまた」の方が圧倒的に正しい。ドイツはデフォルトのリスクが有るのに財政支出を拡大したのです。それは、国民の命を守る事の方が、財政均衡よりも大事だと云う、当たり前の判断に依るものです。他方、大事なのでもう一度言いますが、自国通貨を発行する日本はデフォルトのリスクはゼロです。
サテ、東京都が、休業する事業者に対して「協力金」を交付しようとして居ます。政府が休業補償をしないので、業を煮やした様です。これに付いて、麻生太郎財務大臣は、次の様にコメントしたと報じられて居ます。
「東京はそれで払うだけの、所謂資金が多分、東京都は持って居るんだろうね。只他の県でそれ遣れるかね」 2020年4月10日配信『テレ朝news』 麻生大臣「東京は資金あるけど他県やれるかね」? https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann ? a=20200410-00000069-ann-bus_all
東京都以外の県が、協力金を交付する資金が有るか疑問だと云うのはその通りです。しかし、東京都も、今は、財政は豊かかも知れませんが、デフォルトのリスクは有るのです。何故なら、地方自治体は通貨を発行出来無いからです。東京都はデフォルトのリスクが有るのに、財政支出を拡大したのです。それは、国民の命を守る事の方が、財政均衡よりも大事だと云う当たり前の判断に依るものです。
他方、何度でも繰り返しますが、自国通貨を発行する日本政府はデフォルトのリスクはゼロです。しかも、東京都や他の県の場合は、ドイツと違って、日本政府から資金を交付して貰えば、デフォルトのリスクは無く為ります。
麻生大臣は、協力金の交付に付いて 「他の県でそれ遣れるかね」 と言って居ますが、それは、政府が県に資金を交付すれば遣れるのです。ですから、政治家の皆さん、お願いですから日本が財政危機では無いと云う事を、好い加減理解してください。国民の命が懸かって居るのです。
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文 中野剛志 以上
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