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2020年04月15日
コロナ経済対策は間違いだらけ 「30万円給付」で日本は回復しない!
コロナ経済対策は間違いだらけ
「30万円給付」で日本は回復しない!
〜デイリー新潮 4/15(水) 5:59配信〜
安倍晋三首相
リーマンショック時を超える経済対策・・・。安倍総理はそう胸を張るのだが、中身はマスク2枚に限定的な30万円給付と、事業規模108兆円と言う割に小粒感が拭え無い。本当にこれで日本経済は回復するの?
最も、今回の経済対策が当初から躓(つまづ)いて居たのは否定しようも無い。全世帯への布マスク2枚の配布を安倍総理が明らかにした事で、メディアから総バッシングを受けて居たからだ。政治部デスクの解説。
「発案者とされるのは経産省出身の佐伯耕三首相秘書官。今井尚哉首相補佐官の右腕としても知られる総理の側近です」(同)
日本中が失望で覆われたアベノマスク事件から挽回すべく、今回の経済対策は何時になく力が入って居るのは言う迄も無い。このデスクが続ける。
「当初、今回の経済対策は事業規模でリーマン時の56兆円を超えると想定されて居ました。しかし、今月6日、安倍総理は108兆円の事業規模と発表し、大幅に増額。背景にこれ迄の批判を払拭したいと云う思いが有った様です」
処が、中身を見ると、
「中小企業向けに実質無利子無担保の融資や税金・社会保険料の支払い猶予が示され、事業規模を大きく見せて居ますが、実際に政府が財政支出する 真水 の割合は低い。アメリカの2兆ドル規模の経済対策の殆どが 真水 で構成されて居るのとは対照的です。目玉で有る収入が減った世帯に対しての現金30万円支給に付いても、その要件が厳し過ぎると異論が噴出して居ます」(同)
財政状況が厳しい
政府案では、コロナ発生前に比べ収入が減少し、且つ住民税の非課税水準に迄落ちた世帯等を対象としている。例えば、専業主婦と子供を持つ会社員の場合、年収200万円前後に迄減少した世帯である。ニッセイ基礎研究所・シニアエコノミストの上野剛志氏は、
「企業や家計に対し、現金を給付する事は理に適って居ますが、ドレだけの国民に現金が行き渡るのか、と云う点で問題が有ります。今回の基準だと、矢張り大多数の家庭は給付を受けられ無い事に為ります。例えばアメリカの場合、年収7万5千ドル未満なら1200ドル・子供にも500ドル給付される方針です。日本に比べて格段に範囲が広く規模が大きいと言えます」
緊急事態宣言により閉店する小売り店も多いのに、現状では家計を救い消費を刺激する策には到底為って居ないのだ。大胆な政策に踏み切れ無いのは、
「日本は千兆円を超える借金が有るので、財政出動し辛い状況に有ります。他の多くの先進国に比べ、財政状況が厳しいと言えます」(同)
実際、先のデスクは、官邸が政策を練る過程で 「野党が主張した消費減税も・国民一律の現金給付案も、財務省が強硬に反対した」 と指摘する。経済ジャーナリストの荻原博子氏は、中小企業への支援が重要だと強調する。
「無利子無担保の融資でも借金で在る事には変わりませんから、消費が落ち込む中、ドレだけの経営者が借りようと思うのか。日本経済の細胞である中小企業を壊死させ無い為、例えば、日銀の当座預金に積み上がる約400兆円もの資金を中小企業に貸し出し、経営状態が戻る迄返済を猶予する等、大胆な政策を打つ必要があります」
世帯への給付に付いても、
「普段から生活が苦しい人は電気・ガス・水道代だって節約して居ます。そうしたライフラインの代金を政府が肩代わりする位の政策を掲げて欲しかった」
ドンな顔もマスクを外す迄は表情を窺い知る事は出来無いが、今回の対策で日本経済が回復するか、蓋を開けずとも一目瞭然と云う訳だ。
「週刊新潮」2020年4月16日号 掲載 新潮社 以上
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