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2020年04月16日

コロナ禍で 政府に中々伝わら無い国民の不安




コロナ禍で 政府に中々伝わら無い国民の不安

〜東洋経済オンライン 植田 統 4/16(木) 15:10配信〜

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弁護士・名古屋商科大学経営大学院(MBA)教授 植田 統氏

新型コロナウイルスの感染拡大には未だに収束の兆しが見え無い。政府のコロナ対策の遅れには国民から批判が集まったが、緊急事態宣言は小池百合子都知事や国民の声に押されて4月7日に発出された。政府は11日に為って基本的対処方針を変更し、全国的に飲食店等への外出自粛を強く促すとしたが、7都府県の知事との隔たりも生じて居る。
 政府に対して新型コロナ対策に対する後ろ向きの態度を感じて居る読者も多いのではないだろうか。11日には安倍晋三首相から 「出勤者が多過ぎる、7割の社員は在宅勤務にして欲しい」 と云う要請も出て来た。更に12日には安倍首相に依る星野源とのコラボ動画のSNSへの投稿も炎上した。恐らく自宅で過ごそうと云う呼び掛けで在ったのであろうが、一部の国民からは・・・生活出来無い人が居るのに優雅過ぎると批判を招いた。

 国民の多くが466億円も掛けて全世帯に配布をして欲しいとは思って居ないアベノマスクも、もう17日以降には家に届き始めてしまう。筆者も、こうした政府の遅過ぎる対応・一貫性の無い対応・的外れな対応を批判したいのは山々である。しかし、批判だけをして居ても、政府には国民が何を政府に期待して居るのかが伝わら無い。ソコで、本稿では「新型コロナ対応で政府に遣って欲しい事」と題して、具体的提言をしてみたいと思う。

医療機関への経済的支援

 医療の現場では、通常の患者への対応に加えて、新型コロナの感染が疑われる患者・感染した患者が急増して来た。この事から、医師や看護師、その他医療従事者への仕事の負荷が高まり、最早現場は限界に近付いて居る。仕事が激務であるばかりでは無く、サージカルマスク・防護服・フェースシールド等の在庫も底を尽いて居る事から、医療従事者は最前線で感染の恐怖とも戦わざるを得ない。家族への感染を恐れて家に帰らず、病院に寝泊まりする医療従事者や車の中で一夜を明かす医療従事者が多く居ると云う。
 こうした医療従事者を救う為に、彼等がホテルで休養を取れる様に宿泊費をサポートする事等を考えた方が好いのではないだろうか。

 日本に在る特定感染症指定医療機関は4医療機関・第一種感染症指定医療機関は55医療機関・第二種感染症指定医療機関の内感染症病床を有する指定医療機関は351医療機関で有るから合計でも 410医療機関 。仮に1医療機関当たり1,000万円の支援を行ったとしても41億円の負担に留まる。2,000万円ずつ支援しても82億円だ。アベノマスクの466億円に比べれば、遥かに安く、且つ、効果的な支援で有る。政府は、早急に予算措置を講じて欲しい。

医療用品生産への投資と買い取り制度の創設

 医療の現場では、サージカルマスク・防護服・フェースシールド等が大幅に不足して居る。厚生労働省の推計に依れば、当面必要な量は、サージカルマスクが2億7000万枚・防護服が180万枚・フェースシールドが900万枚との事であるが、厚生労働省が調達出来るのは、サージカルマスクで4月中に70万枚しか無く、防護服は月間の供給量が16万枚しか無いと云う状況である。

 圧倒的な需要超過状態に有るのだから、異業種からの参入が在っても好さそうであるが、企業の動きは鈍い。サージカルマスク、特に高性能医療用マスクN95では1年程掛かる厚生労働省国家検定規格認証の壁が有る。防護服では安い輸入品と比較した場合、コストの壁が立ちハダカル。
 更に、重症者の治療に必要と為る人工呼吸器も不足して居る。アメリカでは、GM・フォード・クライスラーの自動車メーカーが、医療機器メーカーと連携して生産を開始する。アメリカ政府が民間企業に協力を要請出来る「国防生産法」を発動した為だ。しかし、日本では、通常4カ月程度掛かる政府の承認が壁と為り、異業種からの参入は進んで居ない。
 この様に必要な医療用資材・機材の国内生産の拡大が進ま無い理由のもう一つは、新型コロナの感染拡大が短期間で終わった場合に、大量の在庫を抱え、又、投資が回収出来無く為るリスクが有る。

 こうして様々な壁を取り払う為には、政府が承認・認証制度を軽減する、政府が製品の買い取り制度を作る・投資を補助する仕組みを作る等・・・ビジネス上のリスクを低くする制度の早急な整備が必要である。
 安倍首相は15日、医療用マスクや防護服を生産する企業の幹部・・・企業数は正確には判ら無いが10社程度と想定される・・・とテレビ電話方式の会議を持ち、余剰在庫を全量買い取る事を表明した様であるが、これを制度化する事が早急に望まれる。

保健所の機能拡充

 新型コロナに感染したかも知れない患者が、最初にコンタクトする先が 保健所 である。現在保健所は、電話相談・PCR検査の検体採取の医療機関の紹介・検体の搬送と云う3つの業務を担って居る。
 しかし、保健所のスタッフの数は少なく急増する電話対応にテンてこ舞い。スタッフは残業に次ぐ残業で有り、彼等も我慢の限界に近付いて居る。保健所は、都道府県・市町村に属する施設であるので、先ずは、各県・各市が、県庁・市役所の職員を応援に出すべきであるが、今や新型コロナ問題は全国的問題なのだから、政府・厚生労働省も保健所を支援する方策を考えるべきであろう。

 特に、PCR検査の実施に付いては、今の様な 医療機関の帰国者・接触者外来 だけではキャパが足り無い。その上、院内感染リスクも有るのだから、医療機関の外でのドライブスルー検査・休業して居る公共施設や市役所等への検査場所の設置等を行うべきである。その時規制が壁に為ると云うなら、その撤廃を早急に進める事が政府の役割であろう。
 こうして、PCR検査を拡大し、感染者の数・新型コロナの広がりを正確に掴む体制を早急に整える必要がある。

 東京都医師会は、自ら都内20カ所にPCR検査所を設置する方針を発表した。恐らく20か所では、マダマダ数が足らず、50カ所・100カ所程度を設置しないと感染拡大には対応出来無いものと思われる。此処は政府・東京都も医師会の動きをバックアップし、補助金を出す・人を派遣して医療業務以外の事務作業を支援する・自衛隊を出動させて検査所の設置をスピードアップする・・・等の施策を早急に打って行くべきであろう。


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植田 統 弁護士・名古屋商科大学経営大学院(MBA)教授 以上




「新型コロナ経済政策」と「サラ金」

お粗末過ぎる共通点をご存知か


〜現代ビジネス 4/19(日) 7:01配信〜


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東京財団政策研究所の 小林慶一郎研究主幹

経済学者10人が提言した「コロナ対策」



新型コロナウイルスの感染拡大で経済に深刻な影響が出る事が懸念される中、或る政策提言が話題を呼んでいる。その内容は、収入が一定以下に為った人が国から無審査・無担保で1年間、毎月15万円迄を借りられる制度を作ると云うものだ。マイナンバーで紐付けをし、納税と共に返済させる事で貸し倒れリスクを減らす事が出来ると云う。
 この提言をまとめた中心メンバーは、東京財団政策研究所の小林慶一郎研究主幹や一橋大学国際・公共政策研究部の佐藤主光教授等の経済学者10人だ。


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一橋大学国際・公共政策研究部の佐藤主光教授

彼等の提言は世界から見れば「落第点以下」

「必要な所に速やかにおカネを配る事が出来るシステムを組む事が必要だ」と小林氏は語って居る。この学者達は他にもテレワークやオンライン診療の推進等を訴えて居るが、無収入者への貸与金に着いては、本当にコロナ対策なのかと笑ってしまう程だ。彼等の提言は、世界から見れば「落第点以下」である。それはどう云う事か。
 コロナ対策では、G7各国は協調路線を取り、財政政策と金融政策を組み合わせ景気後退に依る失業防止を目標として居る。それは詰り、マクロ経済政策だ。
 財政政策に於いては、当座の有効需要を作る為に、減税や給付金の形式の政策が選択される。その金額は、およそ GDPの5% 。日本で言えば、消費税減税や現金給付を含めて、最低でも 25兆円規模の財政政策 がG7の一員として求められて居る。

マクロ経済政策的な観点を一切持って居ない

 同時に金融緩和も行われる。もし金融緩和無しで財政政策をすると、日本に於いて言えば、円高が進み、折角生まれた内需が外需の減少に依って相殺されてしまうからだ。これは「マンデル=フレミング・モデル」と呼ばれるもので、提唱者であるマンデル氏が、この功績でノーベル経済学賞を受賞した事からも、世界の経済の「常識」で在る事が判る。
 冒頭の経済学者10人の提言がお粗末なのは、こうしたマクロ経済政策的な観点を一切持って居ない事だ。飽く迄カネを「貸す」形式に拘って居る事、肝心の減税に関して全く言及されて居ない事は、どう考えても可笑しい。

 おカネが無い人にカネを貸し、返せ無く為ったら公的年金から天引きすると云うのだから、考えはサラ金と殆ど変わり無い。海外の大学でこんなレポートを出したら先ず落第が決定するだろう。提言に関わった10人の経済学者の顔ブレを見ると、仕方の無い事なのかとも思う。東日本大震災後の復興増税から、昨年10月の消費増税に至る迄、増税を訴え続けて来た人達だからだ。
 ハッキリ言えば、こうした御用学者達の提言を政治家や財務官僚が聞き続けて来たから、日本経済は幾度と無くピンチを迎えて居るのだ。自分達の増税路線は間違って居たと言うのが先だろう。

 「コロナ・ショック」は、最早リーマン・ショック級のインパクトが避けられ無い。各国の政策担当者は、そう認識して居るだろう。冒頭の政策の提唱者達は、リーマン・ショックの時も真面な提言をして居なかった。そうした人達が政府審議会等で実権を握り、財務省に緊縮財政を吹き込んデ居る・・・これが日本の現状だ。


週刊現代2020年4月4日号より ドクターZ 以上













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