このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います
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青色列車の秘密
ブルートレインでの殺人とルビー盗難事件
ネタバレなしのあらすじ
アメリカの大富豪
ルーファス・ヴァン・アルディンの娘
ルスが青色列車の中で殺される。
ルスは大富豪からもらった
大きなルビーを持っていたが
それも消えてなくなる。
実はルスは以前
ろくでもない男ローシェと
付き合っており
父のルーファスは
強引にローシェと
別れさせていた過去が
あったのだが
なんとルーファスに内緒で
ローシェに会いに行く
不倫旅行の途中で
殺されたようなのだ。
当然容疑者となるが
ローシェにはアリバイがある。
そしてルスは現夫デリクと
離婚協議中であり
デリクは離婚しないまま
妻が死ねば莫大な遺産が
手に入るので、
殺す動機がある。
偶然ルスと青色列車に
乗り合わせていた
ポアロは、
探偵を高齢のために
引退しているが
父ルーファスに頼まれ
事件解決に乗り出すのだった。
ネタバレ少しあり感想
この作品は
映像作品になるべくして
書かれたと思えるアガサ作品の
一つだと思います。
(例えば映画など)
青色列車=ブルートレインの響き、
旅路、大富豪、宝石、恋愛、
不倫、親子関係、美男美女
そしてミステリーと
てんこ盛りの内容なのです。
大富豪は
娘ルスをとことん甘やかしており
そのあげく娘は
ろくでもない男の
ローシェにハマり
父ルーファスが
やっと別れさせたというのに
それでも関係を続けてるという
あきれるほど男を見る目が
ないにもほどがある
わがまま娘なのです
その後で結婚した
現夫デリクとも
当然上手くいくはずがないのです。
しかもその夫デリクは
地位はあるけども
一文無しの甲斐性無し!
しかも
あまり上品と言えない
女性と不倫中で
今離婚されたら絶体絶命なのです。
本当にルスは男運がありません。
ルスは不倫に向かう列車の中で
見ず知らずの
女性キャザリン・グレイと逢い
なぜか
自分の気持ちを打ち明け
父を裏切っていることを
悔やみ
気持ちを落ち着かせます。
しかし
その矢先にルスは
殺されてしまうので
そのつながりから
キャザリン・グレイは
ポアロの事件解決の
相棒となります。
この作品には
ヘイスティングズは
出てきませんので
キャザリンがヘイスティングズの
代わりに相棒になっているのです。
(おそらく作品の順番からして
ヘイスティングズは
アフリカで新婚生活を
送っています)
このキャザリンという女性は
出会ってすぐに
悩みを打ち明けたくなるような
魅力を持っています
そうでなければ
この物語は
始まりません
莫大な遺産を手にしている
のですが
長年の奉公生活をガマンして
ガマンして受け取った
遺産なのです
だから
遺産を手に入れてから
初めて自分のためにドレスを
選ぶシーンは、
彼女の賢さ、上品さなどが
にじみ出ていて
読者に”よかったね!”と
思わせています。
キャザリンの
魅力を
こういうところで
サラッと書いているんですよね
この辺アガサは上手いと思います。
ところで
この作品で私が気になるのは
ポアロの”完璧ぶり”です。
読者の知らないところで
ポアロが勝手に動いており
(反則技じゃないでしょうか?)
ポアロの過去の栄光と
人脈で事件が
解決したと言っても良いので
ちょっと謎解きとしたら
どうかなと思うのです。
でも、
最初の事件が起こるまでの段階で
全ての主要な登場人物の
生い立ちや背景を
上手く書いているので
アガサは読者に
フェアであろうとしているのが
分かります。
謎解きが好きな方は
隅々まで
油断せずに読んでくださいね!
そして
この作品は
男と女のミステリーと言っても良く
察しの良い読者は
お分かりかと思いますが
キャザリン・グレイの
恋愛とからめて謎解きが
進んで行きます。
そこも
とても面白い作品です。
ただ、私は
ポアロ作品で
もっと好きな作品があるので
★は少なめにしています。
ちなみに、
ミスマープルの住んでいる
セントメアリーミード村が
出てきますので
(ミスマープルは出てきませんが)
マープル好きな方は
ちょっとニヤッとするでしょう。
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